第6回 Nさん(令和5年12月インタビュー)
更新日:2024年1月22日
カレーを作る父の姿。[子どもたちの思い出になればいいな。」
第6回は、シングルファーザーのNさんの「STORY」をお聴きしました!
シングルファーザーへのインタビューは今回が初めてです!
- 年齢:40代後半
- 家族:子ども3人(高校生、中学生、小学生)
- 離婚→約1年後、民間支援団体の交流サークルや堺市の「スタート応援セミナー&交流会」に参加→同じ状況で頑張るひとり親の存在を励みに、仕事と3人の子育てに奮闘の日々
目次
「当事者同士でこそ共有できる感覚」を求め、自分以外のひとり親やシングルファーザーに会いたくなりました
Q1 セミナーや交流会に参加しようと思った理由を教えてください。
離婚してから、日中は仕事、家ではワンオペの家事や子育てに忙しい日々を送っていました。
仕事仲間や友人が親身になってくれるのでとても助かっていたのですが、どうしても少し感覚に違いがありました。仕方のないことなんですが・・・。
1年ほどして、「当事者同士でこそ共有できる感覚」を求め、自分以外のひとり親やシングルファーザーにリアルに会いたいと思うようになりました。
そこで、自分なりにいろいろ調べて、ひとり親支援協会が運営する交流サークル「エスクル」と、堺市の「スタート応援セミナー&交流会」に参加しました。
同じような状況で頑張っている方がいると思うと、気持ちが安らぎ、エネルギーが引き出される気がします。
Q2 実際に参加して、いかがでしたか?
ひとり親支援協会の「エスクル」は、ひとり親といってもいろいろな方がおられるので、背景や境遇に合わせたグループがあって、主にオンラインで交流します。
代表理事の今井智洋さん(ともにい)が優しい空気を作ってくれて、自分と同じシングルファーザーや、大阪エリアのひとり親の方々とオンラインで交流することができました。
また、堺市の「スタート応援セミナー&交流会」は、ひとり親になって間もない方が対象で、リアルな対面開催でした。
セミナーでは経済的自立の重要性を改めて認識することができたし、交流会では「寝落ち」「外食」「買いだめ」など、ひとり親の生活の中から出てくる具体的な話題ばかりで、生活に取り入れたいと思うことが多くありました。
仕事と生活に追われる日々では出会えない方々とのお話は、新鮮で、刺激的でした。
その場の空気感、その場を運営される方の様子を含めて、まさに「当事者同士でこそ共有できる感覚」でした。
多くの方が私より若いので、自然と応援する気持ちにもなりました。
正直、夜中、家事が終わらず、しんどくてイライラしそうになる時もあります。
そんな時、自分以外にも同じような状況で頑張っている方がいると思うと、少し気持ちが安らいで、エネルギーが引き出されるような気がします。
仕事仲間は一生の財産。時間を有効に使うため先読みして考えることで、仕事のクオリティも向上!
Q3 お仕事のことを教えてください。ひとり親になってから変化がありましたか?
今の会社には20年以上勤務しています。仕事は営業職です。
仕事仲間はいろんな局面を乗り越えてきた信頼できるメンバーで、一生の財産だと思っています。
私のことを頼ってくれる取引先のことも大好きで、必ず役に立ちたいと思って仕事をしています。
ひとり親になってからは、子どもの病気や学校行事などで時々休む必要があります。泊まりの出張にも行きにくくなりました。
それでも、職場や取引先がご理解、ご協力してくださっているので、とても感謝しています。
あとは、自分自身の時間の使い方も変わりました。
家事の時間やスマホを触っていたスキマ時間に仕事のことを考えるようになりました。
先読みして考えるようになり、例えば、取引先の状況を考えて先手でフォローすることで、トラブル対応などの時間を減らすことができていると思います。
結果的に仕事のクオリティが上がったんじゃないでしょうか。(笑)
営業の面白さはお客様の手ごたえを直接感じられること。向いていないと思っている人こそ実は向いているのかも。
Q4 お仕事がとても楽しそうです!営業職は好条件の求人が多いですが、営業の仕事の面白さを参考に教えていただけますか?
私はこの仕事が大好きです!
営業の面白さは、お客様の手ごたえを直接感じられることだと思います。
自分の準備や対応によって、お客様が喜んでくれるのがとても嬉しいです。
時には怒られることもあります。でも、「ご飯行こか」と誘っていただいたり、いろんな話をお聞きしたりしていると、だんだんお客様の立場が分かってきます。
最初はアウェーですが、少しずつ信頼関係をつくり、居場所をつくっていくと、本当に面白くて、やりがいが出てきます。
自分で時間をコントロールして、馴染みのお客様とやり取りする時間は、もはや私にとってストレス発散です!
実は、私はもともと人前で話すことが好きじゃなかったんです。
前職は営業ではありません。営業に向いていないと思っているぐらいの人の方が、実は向いているのかも知れません。
謙虚に、相手のことを考えることができる方には、営業の面白さを感じてもらえると思います。
子どもたちが一人で辛い時に思い出してくれて、元気が湧いてくる存在でありたい
Q5 家事や子育ての状況はいかがですか。お子様にどのように接していますか?
もともと子どもが好きで、信頼関係はあったと思います。
子どもたちはよく協力してくれます。晩御飯の準備、風呂そうじ、洗濯物たたみ等、それぞれができることをやってくれるので助かっています。
ひとり親になって、愛情を注ぐのは当然ですが、衣食住と、子どもにとって安全で安心できる居場所を保つところまでが私の役割と割り切りました。
異性や思春期の子どもがいるので、勉強、交友関係、金銭感覚、気になることはあります。
でも、出来るだけ価値観を押し付けず、急がず、それぞれが自分から成長するタイミングがあると見守っています。(とは思いつつ、イライラしたまま叱って、反省することが何度もあります・・・)
私は子どもたちの思い出になればいいと考えています。
我が家の定番は、日曜の夜にカレーを作り、月曜の夜はカレーライス、火曜の夜はカレーうどんです。
いずれ子どもたちが大人になり、「ほとんどカレーだったな」「得意じゃないのに料理してくれていたな」と、父の姿を思い出してくれれば嬉しいなぁと思っています。
「夜中に食器を洗う音」「洗濯の干し方のこだわり」「ほんとに立つ瀬がないときは追い込むような叱り方をされなかったこと」。
将来、子どもたちが一人でつらい時に思い出してくれて、元気が湧いてくる存在でありたいと思いながら、日々接しています。
私たち自身が元気でいれるよう、愛で戦いましょう!ファイト!
Q6 ひとり親の方にメッセージをお願いします。
一番大事なことは、私たち自身が元気でいることだと思います。
私流の元気を出す方法を2つご紹介します。
1つ目は「マイナスからプラスへの切り替え」です。
本当に苦しい時、疲れた、眠れない、これでよかったのか、もっとしっかりしないと、優しくしないと、強くならないと・・・。
すさまじい勢いでマイナス感情に襲われることがあると思います。
やっかいなことに、そこから逃げたり、逆らおうとするほど、それは大きくなってしまうことがあります。
私はそういう時、与える、思いやる、勇気づける、励ます、というプラスの感情をあえて出すようにします。
そうすると、これまでのマイナスのエネルギーが、逆に、自分を応援してくれるプラスのエネルギーに変わる気がします。マイナス感情とプラス感情は同時に持てないので、切り替わるんです。
「憎しみではなく愛で戦いましょう」と10年ほど前に子どもと見たアニメで言っていました。当時30代の私は、翌日の会社の朝礼で「どうやって愛で戦うねん」ってオチで使いました。今は分かる気がします。(笑)
2つ目は「元気がでる方を自分で選ぶこと」です。
悩んでいる時、何かをしようとする時、まず選択肢を考えます。
誰かに相談すると自分には思いつかなかった選択肢をもたらしてくれることもあります。
大事なことは選び方。損か得か、楽か面倒か、ではありません。
「元気がでる方を自分で選ぶ」ことです。元気がでる方を選ぶと、元気がでます。元気がでたら、人を励まします。そうするともっと元気がでます。
失敗やトラブルもありますが、誰かを励ましたことが、自分を応援してくれます。
中島みゆきさんやTHE BLUE HEARTSさんの曲が今でも心に刺さります。がんばってください。
応援しています!
ひとり親支援協会代表理事 今井智洋さん(ともにい)からのメッセージ
Nさんのお話、すごく前向きで私も元気をもらいました。
そして、シングルファーザーや、離婚を検討している方が気軽に参加できる場所は意外と少なく、この活動が求められていることを感じ嬉しく思いました。
ひとり親交流サークル「エスクル」では、バーベキューやおせち料理作り、仕事やキャリアやお金をテーマとした交流会(オンラインで聞くだけOK)、お誕生日お祝いの自宅への送付、アンケート調査をしてひとり親のお声を国に届けるなど様々な活動をしています。
シングルのママや、Nさんと同じシングルのパパが集まり、不安や悩みを共有して「ひとりじゃない」と思える場所です。
是非、お気軽にご参加ください。
【参考:Nさんが利用した支援に関するリンク先】
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