飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)・アルコール関連リンク
更新日:2023年11月15日
飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)
AUDIT(オーディット)(Alcohol Use Disorders Identification Test)は世界保健機関(WHO)がスポンサーになり作成されたアルコール関連問題のスクリーニングテストです。全部で10項目の設問からなり、各項目の合計点で評価します。飲酒量について、純アルコール換算で10g=1ドリンクという単位が使われています。各酒類のドリンク換算については 厚生労働省e-ヘルスネット「飲酒量の単位」(外部リンク) をご参照ください。
飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)(PDF:380KB)
飲酒のガイドライン
厚生労働省のガイドラインや既存のエビデンスを踏まえて、「健康を守るための12の飲酒のルール」が提案されています。これをもとにご自身やご家族の飲酒習慣をもう一度振り返ってみませんか。
12の飲酒のルール
知っておきたい!アルコールのこと
アルコールはわたしたちの生活に彩りと潤いを与えるものである一方、健康や社会問題とも密接に関連していると言われています。
まずはアルコールについて正しい情報を知ることから始めませんか。
わたしたちの身近にあるお酒との付き合い方について考えてみましょう。
「節度ある適度な飲酒」ってなに?
厚生労働省は、「節度ある適度な飲酒」は1日平均純アルコール量で20g程度と示しています。純アルコール量20gをお酒で換算すると、ビール500ml(中ビン1本)、日本酒1合などです。
女性は一般的に男性と比べてアルコール分解速度が遅いことから、男性の2分の1から3分の2程度の飲酒量が適当と考えられています。
また、 高齢者や、少量の飲酒で顔が赤くなったり、吐き気、頭痛などを起こしやすい人も飲酒量を控えるよう推奨されています。
なお、体質や体調によって変動するため、飲酒習慣のない方に飲酒を推奨するものではありません。
お酒の中のアルコール量を計算する場合は、お酒の量(ml)×度数(%)×比重0.8=純アルコール量(g)で計算します。
(例:500ml缶ビール(度数5%)1本の場合・・・500×0.05×0.8=20g)
生活習慣病のリスクを高める飲酒量
厚生労働省は、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を、1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上と定義しています。
厚生労働省(e健康づくりネット)「習慣を変える、未来に備える あなたが決める、お酒のたしなみ方」男性編(PDF:5,405KB)、女性編(PDF:4,643KB)
アルコールに関する○×クイズ
お酒を飲むと眠れる?
正解は×
アルコールには寝つくまでの時間を短縮する作用がありますが、睡眠の後半を障害するため、『寝つきは良いが、途中で目が覚めやすく、その後なかなか眠れない』という状態につながります。また、アルコールを連日摂取していると、当初のような効果が得られなくなり、寝つきも悪くなり、睡眠時間が減少することで、飲酒量が増えたり、結果的に疲れが取れない、ということになってしまいます。
飲み続けたらお酒に強くなる?
正解は×
お酒の強い・弱いはアルコールの分解に関係する遺伝的な体質が影響しています。また、遺伝のほかに、性別や年齢、体格などの個人差もあります。習慣的な飲酒によってお酒に強くなったように感じることがありますが、これはアルコール分解能力が向上したのではなく、飲酒により脳の神経細胞が機能変化し、同量のお酒では「酔い」を感じられなくなることにあります。アルコールを飲んでもお酒に強くなるわけではありません。飲酒量の増加はアルコール依存症のリスクを高めるため注意が必要です。
つらいときにはお酒でごまかすと良い?
正解は×
アルコールには不安や気分の落ち込みを和らげる効果があるため、飲酒により一瞬は気持ちが晴れることもありますが、酔いからさめたときにはより強い不安や落ち込みを感じてしまいます。
飲酒を繰り返してしまう背景には、困り事や悩み事があるのかもしれません。誰かに話してみませんか。
若者の健康と飲酒
「お酒は20歳になってから」っていうけれど、なんで?
20歳未満の飲酒は、急性アルコール中毒やアルコール依存症等のリスクが高く、事件・事故との関連も深いという特徴があります。
まずは、アルコールのことを正しく知って、お酒との付き合い方を考えることが大事やな
20歳未満でお酒を飲んではいけない5つの理由
(1)脳の機能を低下させるおそれがある。
脳の神経細胞が壊され、脳の萎縮(いしゅく(縮み))や認知能力の低下が早期より現れることが知られています。学習能力や集中力、記憶力に影響をおよぼします。
(2)肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくなる。
体の発達途上においてはアルコールを分解する働きも未完成なため、短期間で肝臓をはじめ 、様々な臓器に障害を起こす危険性が高くなります。
(3) 性ホルモンに異常が起きるおそれがある。
アルコールは男性の生殖器の発達を妨げる危険があります。女性の場合には生理不順や無月経になることがあります。
(4) アルコール依存症になりやすくなる。
アルコールは依存性のある物質です。20歳未満の者の飲酒はアルコール耐性が速やかに形成されます。20歳未満の者の場合は習慣飲酒が始まってからアルコール依存症になるまでの期間が数カ月から2年と短期間であることが特徴です。
アルコール依存症とは
(5) 20歳未満の者を守るために、飲酒を禁じる法律がある。
2022年4月から民法の成年年齢は18歳に引き下げられましたが、飲酒に関する年齢制限は20歳のままです。
急性アルコール中毒ってなに?
大量のアルコールを短時間に飲むと、「急性アルコール中毒」になり、吐物による窒息が多数みられます。
一般的に若年者・女性・高齢者・飲酒後に顔の赤くなるタイプの人(赤型体質)はアルコールの分解が遅いため、アルコールの血中濃度が下がりにくく、急性アルコール中毒のリスクが高まります。中でも若年者は自分の限界がわからないこと、アルコールに対してまだ耐性が低いことなどから、急性アルコール中毒のリスクが高いと考えられています。
若者の急性アルコール中毒死の背景には、飲酒の強要「アルハラ(アルコールハラスメント)」がある場合が多く、注意が必要です。
(引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「急性アルコール中毒」(外部サイト))
厚生労働省e-ヘルスネット「一気のみ(いっきのみ)」(外部サイト)
周りの大人も気を付けたいですね
女性の健康と飲酒
一般的に男性と比較して女性はアルコールを分解する力が弱いと言われています。また、性別だけでなく、体質や体格、年齢などもアルコールを分解する力に影響を及ぼします。アルコール依存症になるまでの年数も男性より短いと言われています。
アルコールには女性特有の健康リスクがあります
乳がんとの関係
飲酒量が増えると乳がんのリスクが高まります。
閉経前乳がんについて、1日当たりの飲酒量が0gの人と比べ、1日当たりの飲酒量23g以上の人の場合は、乳がんのリスクが1.74倍高くなり、飲酒の頻度や量がともに増加すればするほど罹患リスクが高くなる傾向があると報告されています。
一方で、閉経後乳がんについては、飲酒頻度、飲酒量ともに乳がんリスクとの有意な関連は認められなかったと報告されています。(数値等は令和3年の調査による。)
(引用:厚生労働省ホームページ「令和4年度における「アルコール関連問題啓発週間」の取組」(外部サイト))
妊娠中・授乳中の飲酒について
妊娠中・授乳中の飲酒は、赤ちゃんの発育発達に悪影響を与えることが明らかになっています。
妊娠中に飲酒することによって、発達遅滞(低体重・体重増加の遅れ)、知的障害、顔面の変異(目が小さい、低い鼻、人中がない、上唇が薄い)を特徴とする「胎児性アルコール症候群(FAS:Fetal Alcohol Syndrome)」または「胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD:Fetal Alcohol Spectrum Disorders)」が現れることがあります。
赤ちゃんの健やかな成長のためにもお酒を飲まないようにしましょう。
アルコールについて正しく知って、付き合い方を考えよう
高齢者の健康と飲酒
いきいき健康生活を送るためにも「節度ある適度な飲酒」を守ることが大切
高齢者にとって過度の飲酒は健康寿命に関わる病気の強力なリスク因子です。
吉田兼好も随筆徒然草の中で酒の効用を「百薬の長とは言へど、よろずの病は酒よりこそ起これ」と記しています。その通りで、過度の飲酒は肝臓病だけの身体問題にとどまらず、万病の元となります。
(引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「高齢者の飲酒と健康」(外部サイト))
高齢者は少量の飲酒で影響を受けやすい
年齢とともにアルコールを分解する能力は低下します。また、体内の水分の占める割合が低くなるため、アルコールの血中濃度が増加しやすくなります。そのため、高齢者では、比較的少量の飲酒であっても、酩酊、転倒などの問題を起こしやすくなります。
高齢者のアルコール依存症は認知症の合併が多い
アルコール依存症および大量飲酒者には「脳委縮」が高い割合でみられます。また、飲酒量が多いほど認知症になる人が多いといった海外の調査結果から、大量の飲酒は認知症の危険性を高めることが示されています。
しかし一方で、飲酒による脳委縮は断酒することによって改善することも知られています。
関連リンク
厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒」
アルコール依存症は、長年の習慣的な飲み過ぎがもたらす「進行性」の病気です。アルコールの基礎知識から、アルコールによる健康障害、各年代における飲酒と健康の関係性、アルコールと社会問題、アルコールと依存について、賢く飲むためのコツ、自分の飲酒量をチェックする動画などを紹介しています。
厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒」(外部サイト)
アルコール依存症に関する相談窓口
お酒の飲み方が心配な時は、ご本人でもご家族でも、ひとりで悩まず、まずはご相談ください。
参考・引用
国税庁ホームページ(外部サイト)「20歳未満の者の飲酒防止/適正飲酒の推進」
依存症対策全国センター(外部サイト)
PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader DC(旧Adobe Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Adobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ
このページの作成担当
健康福祉局 健康部 精神保健課
電話番号:072-228-7062
ファクス:072-228-7943
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所本館6階
このページの作成担当にメールを送る