土塔
更新日:2021年10月15日
指定区分
国指定史跡
説明
平成20年復元整備完成後の土塔
「土塔」(どとう)は、奈良時代に僧行基らによって土と瓦で築かれた十三重の塔です。類例は奈良市の頭塔(ずとう)があります。土塔町公園整備事業に伴い、復元整備を目的とした発掘調査(平成10~14年度)と整備工事(平成16~20年度)を行いました。
発掘調査の結果、一辺53.1メートル(180尺)で四角錐の頂部をカットしたような形であることがわかりました。土台となる基壇の上に四角の段が12層、円形の段が1層あり、その上部には「多宝塔の上層部」のような建物があったと思われます。
段を造る時には粘土ブロックを並べて積み重ね、その間に土を入れて水平にして固めながら盛り上げています。各層とその前面には瓦を葺いています。
出土した瓦には、へら状の工具を用いて文字を記した瓦が1,000点以上あり、その大半は人名が記されたものです。「蓮光」(れんこう)などの僧侶名、「善智尼」(ぜんちに)などの尼僧名、「優婆塞」(うばそく)とよばれる出家していない信者、「矢田部連龍麻呂」(やたべのむらじたつまろ)などの豪族、「刀自古」(とじこ)などの一般民衆といった様々な階層の名前があります。また、「知識」や「神亀四年」等を記した瓦もあります。
現在は、発掘調査に基づいて復元した瓦葺・瓦積基壇をご覧頂けます。また、立体模型や解説板、発掘調査の状況を再現したコーナーなどを設けています。
大阪府(管理団体・堺市)
指定年月日
昭和28年3月31日
時代
奈良時代
法量
一辺53.1メートル
高さ9メートル
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