ため池の役割と防災について

ため池の耐震性診断の実施（大阪府）についてはこちら

ため池とは、雨が少なく大きな河川から離れた地域等で、古くから農業用水を確保するために作られた水を貯めておく人工的な池のことです。
ため池は、農業用水の確保以外にも水辺空間の形成や大雨時の洪水調節の機能などがある、地域にとって重要な施設となっています。

近年、国内では局所的な大雨や大規模地震の発生などにより、ため池の被害や決壊による災害が発生しています。このため市では、万が一農業用ため池堤体が決壊した場合に備えて、減災や人命を自ら守るため、迅速かつ安全に避難できように浸水想定範囲や避難所を示した「ため池ハザードマップ」を作成しました。
ハザードマップは、あくまでも被害を想定したものであり、実際の災害による被害は想定を上回る場合もあります。日頃より災害発生時に的確な行動が出来るようにご家庭において、改めて防災意識を高めてください。
安全な避難に役立てて頂くためにも、このハザードマップを活用して頂き、決壊した場合の状況、防災情報の取得先などを確認してください。
※ため池は他の災害と異なり人為的に流入調整や水位調整等が可能ですが、万が一の決壊に備え、正しく理解し避難行動をとることで更に防災・減災につなぐことが期待できます。 また、ため池が決壊する恐れのある状況下では、周辺で様々な災害（洪水・内水氾濫、崖崩れ、建物倒壊、火災、液状化等）が発生していることが考えられますので注意して避難する必要があります。

《根拠法令》農業用ため池の管理及び保全に関する法律

• 堺市防災重点農業用ため池に位置付けている農業用ため池
• 堺市域に被害が想定される隣接市の防災重点農業用ため池
• その他、本市が防災重点農業用ため池に準ずるため池と判断するため池

※防災重点農業用ため池とは、万が一決壊した場合にその浸水区域内に家屋・公共施設等があり、被害が大きいと想定されるため池です。

解析条件（1）
原則として、水は高いところから低いところに向かって流れていきます。
使用した標高は2018年頃の標高データを用いており、建物の壁や、雨水管などの排水機能は考慮していません。

解析条件（2）　
流出する水の量は、ため池の全貯水量としています。
また、堤体のどこから流出するかによって水の流れが変わるため、4箇所（決壊幅は5.0mで想定）から全貯水量が流出した場合の解析を別々に行っています。
※ため池の形状により4箇所以下で解析を行っている場合もあります。
ハザードマップには、それぞれの解析結果を重ねあわせ、各地点で最大の浸水深となるものを表示しています。

解析条件（3）
写真のように上下に重なっている池の場合、上流の池の貯水量も、下流に位置する池に合算した全貯水量を流出させています。
なお、写真の場合、上流・中流に位置する池で堤体端部が破堤する場合もあるため、前述同様に単独で壊れた場合の解析も行い、すべての解析結果を重ね合わせた最大の浸水深を表示しています。

万が一、ため池堤体が決壊した場合に想定される浸水区域を区別、ため池ごとに取りまとめています。確認したい区のため池ハザードマップを選択してください。

• 中区ため池ハザードマップ
• 東区ため池ハザードマップ
• 西区ため池ハザードマップ
• 南区ため池ハザードマップ
• 北区ため池ハザードマップ
• 美原区ため池ハザードマップ

※堺区については作成対象ため池がないため作成していません。

耐震性診断の結果、耐震性の不足が確認された場合は、速やかに市町村やため池管理者と調整を図り、水位低下・継続監視等を行うとともに、耐震性補強の検討を行っています。
ため池耐震性診断結果

近年、頻発する局所的豪雨等による自然災害から府民の生命・財産を守るため、ため池の水位等をリアルタイムで監視できる『ため池防災テレメータ』を設置し、豪雨等に対する監視体制の強化を図っています。
万が一、ため池堤体が決壊した場合、避難所等がため池直下にあり避難行動等に著しく影響を与える恐れのあるため池を対象に設置を進めています。