海洋プラスチック対策
海洋プラスチック問題とは
プラスチックの現状
プラスチックは軽量で成形しやすい、着色しやすいなどの利点から、様々な製品に利用されており、私たちの生活に欠かせないものとなっています。毎年、膨大な量のプラスチックが生産され、消費され、捨てられています。
堺市では、毎年約5,000トンのプラスチック製容器包装(商品が⼊っていた容器や商品を包んでいた包装で、プラマークの付いているもの)、約2,000トンのペットボトルがリサイクルされています。令和5年度に堺市が行った調査では、生活ごみのうち、プラスチック類が約15.5%(約2万1,500トン)、使い捨てプラスチックが約1.9%(約2,600トン)を占めています。
プラスチックごみの課題
海への流出
世界で1年間に生産されるプラスチックは約4億3千万トンといわれています。海洋、湖沼、河川に流出するプラスチックは、年間1900万トンから2300万トンにのぼると試算されており、2050年までには、海にあるプラスチックごみの総重量が、海にいる魚の総重量を超えると言われています。令和5年度に大阪府が行った調査では、大阪湾に漂着したごみのうち、約8割がプラスチックごみとなっています。
海への影響
不用意に捨てられたプラスチックの一部が海へと入り込むことで、海岸の景観を損なうだけでなく、海の生き物を傷つけたり、細かく砕かれマイクロプラスチック(※)を、海の生き物が餌と間違えて食べてしまうなど、海の環境や生態系に影響を与えることが懸念されています。
※マイクロプラスチックとは、太陽光や波などの影響で小片化・細分化され発生する5mm以下の微細なプラスチックごみのこと
堺浜自然再生ふれあいビーチの様子
(出典:海上保安庁)
海洋プラスチックごみを減らすには
PLASTIC(プラスチック)-Free(フリー)チャレンジ
堺市では、必要のないプラスチックをできるだけ使用しない、使い捨てプラスチック削減運動「PLASTIC(プラスチック)-Free(フリー)チャレンジ」を推進しています。
使い捨てプラスチックの削減は、海洋環境の保全や廃棄物の減量等に加え、食(海洋資源)の安全・安心の確保や代替製品の開発促進など、社会面・経済面・環境面での様々な利益を生み出します。
目的
市域における使い捨てプラスチックの過剰な利用を抑制し、必要のないプラスチックをできるだけ使用しないプラスチックフリーなライフスタイルへの転換を促すこと。
取組内容
市民等のライフスタイルの転換
- 専用スマートフォンアプリを用いて、ユーザの「カトラリー類の配付辞退」などの環境行動実践に対し、電子マネー等への交換やプレゼント抽選に利用可能なポイントを付与する「堺エコライフポイント事業」を実施。
- コンビニエンスストア従業員に対するレジ袋・スプーン利用確認等の声掛け徹底の依頼
使い捨てプラスチック削減行動の促進
- 市民・事業者向けのリーフレット「みんなですすめる使い捨てプラスチック削減ガイド」や、SNS、市の広報紙等による、使い捨てプラスチック削減に関する情報の発信
- 本庁舎内地下食堂「森のキッチン」を運営している社会福祉法人コスモスとの連携により、コンビニエンスストアでの使用をメインに想定した「堺オリジナルエコバッグ」を開発
市役所における率先的取組
- 本庁舎内の森のキッチン(本館地下1階)において、ストロー・スプーン・レジ袋等の使い捨てプラスチック削減の取組を実施
- 職員による率先した使い捨てプラスチック使用の削減(マイボトル、マイスプーン・フォーク等の持参等の促進)
日本は、1人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量が世界で2番目に多い国です。買い物をする時や、外食をする時などで毎日のように使い捨てプラスチックを使い、プラスチックごみを出しています。例えば、レジ袋、プラスチック製のスプーンやストロー、商品のパッケージなどです。ほんの少しの意識と行動が、海と海の生き物を守ることにつながります。私たち1人ひとりが毎日の暮らしの中でプラスチックごみを減らす取組をしていくことが重要です。
これまで、プラスチックの高機能化の技術開発が進められた結果、プラスチックは、食品ロスの削減やエネルギー効率の向上など、今日の私たちの生活に安全・安心・利便性などをもたらしています。こうした便益を今後も持続的に享受していくために、経済性や技術可能性、製品・容器包装の機能(安全性や利便性など)の確保に配慮しつつ、自らの製品や事業活動の中で海洋プラスチック問題に貢献していくことが求められています。
その他の取組
