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失敗から学ぶ加熱のコツ ~食中毒にならないために~

更新日:2024年1月30日

 料理番組やレシピ本、インターネット動画サイトでのレシピ紹介など、さまざまな場面で料理のレシピを知ることができます。おいしく作るために、レシピの作成者も工夫して紹介されているので、レシピ通りに料理をすれば、おおむね作成者の意図した通りの料理ができると思います。でも、食数の違い、家にある材料との違いや普段使っている調理器具との違いなどで思ったとおりに作れなかったこと、ないでしょうか?そして、その原因が火加減だったり、加熱時間だったり、加熱に関することが多かったりしませんか?

 いい材料を使ってうまく料理できたと思っても、加熱不足で食中毒になっては台無しです。失敗から学んで、はじめての料理でも上手に調理しましょう!

1.トンカツ編(1)

レシピ

1枚110g(厚さ1センチメートル)の豚肉に、下味をつけ、小麦粉、卵、乾燥パン粉の順に衣をつけ、180℃の油で3分揚げる。

失敗例

 家には200g(厚さ2センチメートル)の豚肉しかなかったので、同じ手順で3分揚げたところ…

⇒中は半生だった…

なぜ失敗したのか?

 肉の形状は、加熱時間に大きく影響します。厚みもあり、より重い肉はより長く加熱する必要があります。

2.トンカツ編(2)

失敗例

 (1)と同じレシピで、家に乾燥パン粉がなかったので、食パンから生パン粉を作って、同じ手順で3分揚げたところ…

⇒やはり中は半生だった…

なぜ失敗したのか?

 生パン粉は水分含量が乾燥パン粉よりも高いことで、油に入れた後の水分蒸発が多く、気泡が大量に発生したことで、 食材が加熱されにくくなってしまいます。

3.からあげ編

レシピ

一口大(厚さ1.5センチメートル、30g)にカットした鶏ムネ肉に、下味をつけて30分間室温におき、片栗粉をつけ、180℃の油で3分揚げる。

失敗例

 子供が小さいので、食べやすく厚さ1センチメートルにカットし、同じ手順で3分揚げたところ…

⇒焦げてしまった…

なぜ失敗したのか?

  同じ重さでも、薄いと火の通りは早く、厚いと火の通りは遅くなります。

4.ハンバーグ編

レシピ

市販の生ハンバーグ100gをフライパンで強火で1.5分、弱火で3.5分加熱し、ひっくり返して蓋をしてさらに弱火で10分加熱した後、肉汁を確認して透明になったら完成。

失敗例

 蓋がなかったので、長めに加熱していたが…

⇒いつまでたっても肉汁が透明にならない…

なぜ失敗したのか?

 加熱中はハンバーグの下側の温度は上昇しますが、上側からは温度が逃げていきます。蓋をしないと、フライパン内の空気温度が低く、ハンバーグの中心温度はなかなか上昇しません。

5.低温調理編

レシピ

鶏ムネ肉300gを塊のままジップ付き袋の中に入れ、水中で脱気し、家庭用低温調理器で、水温が70℃になってから70分間低温加熱する。(画像は牛肉の低温調理の様子です。)

失敗例

 どうせ加熱するのだからと、水温が上がる前から鶏ムネ肉を低温調理器に入れたところ、70分後に水温は70℃になっていた。鶏肉の表面も色づいていたので大丈夫だろうと食べたところ…

⇒食中毒になってしまった。

なぜ失敗したのか?

 牛肉や豚肉、鶏肉に火が通ると色が変化します。しかし、一般的に食中毒菌が死滅すると言われる75℃、1分間と同等の加熱が行われていなくても、火が通っているような色にみえることがあります。特に低温調理では、低温で長時間加熱するため、色だけで判断すると食中毒菌が残った状態になっている可能性があります。(例えば、下の例で、63℃で加熱した場合、75℃、1分間と同等の加熱になるためには30分間の加熱が必要ですが、肉の温度が63℃になった時点で既に火が通っているような色になります。)

6.電子レンジでのレトルトカレーの加熱編

失敗例

 室温の白飯を皿の半分に、レトルトカレーを開封して皿の残り半分に、それぞれ盛りつけ、ラップをして500Wで4分間加熱した。中央部分の白飯に触れると熱かったので、そのまま食べ始めたところ…

⇒中央部分のカレーは十分熱くなっていなかった。

なぜ失敗したのか?

 電子レンジによる加熱は、食材によって加熱ムラが生じます。一般に白飯は加熱ムラが起きにくい一方、カレーのように食塩を含み、粘度が高い食品では、皿の端では加熱されやすく、皿の中央部分では加熱されにくいという加熱ムラが生じてしまいます。

実験データ集(画像をクリックすると拡大します。)

※データについての詳細は、下記リンク先からご覧いただける、調査報告書をご確認ください。

食品安全委員会でのYouTube動画について

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