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「日本と世界が出会うまち・堺 2022」プロジェクト(終了)最終事業報告

更新日:2022年12月22日

中学生、高校生が歴史に迫る「日本と世界が出会うまち・堺 2022」研究発表会をZOOM開催しました【最終報告】

事業名

「日本と世界が出会うまち・堺 2022」研究発表会(ZOOM開催)

日 時

2022年11月13日(日曜) 12:00~17:50

プログラム

1 開会、発表に関しての諸注意
2 挨拶  須藤健一 堺市博物館長 
3 中学生・高校生13グループによる研究発表
4 審査結果発表、講評
5 挨拶  審査委員長 秋田茂 大阪大学教授 

挨 拶  須藤健一 堺市博物館長

 この研究発表プロジェクトでは、8月下旬に事前相談会があり、皆さんからその時点での研究発表の素案を出してもらい、いろいろな方々からのアドバイスをもらいましたね。それから約2カ月半が経って、今日の発表を迎えました。この間に皆さんはフィールドワークや史資料の収集、調査研究を続け、自分たちの仮説や課題を広く深く展開してくれました。さらに、発表も起承転結、論理的な発表方法もマスターしてくれていて、非常に感激しています。
 自分で問題意識を持って、自分で調べて研究する、自分で構成も考えて自信を持って発表する、このようなスタイルがこのプロジェクトの目的ですので、それに非常にかなった発表が続いていきました。今年で10年目になりますが、今年の「日本と世界が出会うまち・堺 2022」研究発表会に参加された皆さん、ありがとうございました。
 フィールドワークで重要な点は、聞き取り調査をした方々との信頼関係づくりです。皆さんは、この醍醐味をよくつきつめて実行していることが発表を聞いていて感じられました。素晴らしいと思いました。

 

中学生・高校生13グループによる研究発表

 大阪府立高津高等学校、帝塚山学院中学校・高等学校、雲雀丘学園中学校・高等学校、関西大学中等部・高等部、神戸大学附属中等教育学校、桃山学院高等学校の9校13グループが研究発表を行いました。

 

審査結果発表

 審査は、秋田茂 大阪大学教授(審査委員長)、後藤敦史 京都橘大学准教授(審査委員)、倉橋昌之 堺市博物館学芸員(審査委員)、大阪大学歴史教育研究会事務局および受講生、以上の審査委員3人と1グループにより行いました。

 審査基準は、(1)堺や対象地域の歴史の取り上げ方について20点、(2)世界史や国際交流の視点について30点、(3)研究内容の深さについて20点、(4)発表の巧さについて20点、(5)総合的な評価点10点、以上の5項目でそれぞれ持ち点100点の合計400点満点としました。
 【表 彰】
◇高校生の部
最優秀賞(フランシスコ・ザビエル賞)
関西大学高等部 フィールドワーク部 中世鋳造探究班 …「河内鋳物師」に関する発表
優秀賞
大阪府立高津高等学校 地歴研究部 …堺市臨海部「浜寺」、「浜寺俘虜収容所」(日露戦争)に関する発表
奨励賞
雲雀丘学園高等学校 大阪LOVER …「堺と鋳物」「河内鋳物師」に関する発表
雲雀丘学園高等学校 モモンガ …「河口慧海」に関する発表
桃山学院高等学校 たむたむいんだすとりー …「堺のレジャー施設」に関する発表
帝塚山学院高等学校 歴史研究部 「君、何部?」「私たち、こんぶ!!!」 …「昆布」「昆布加工」に関する発表
◇中学生の部
最優秀賞(ルソン助左衛門賞)
雲雀丘学園中学校 減数分裂 …「泉北ニュータウン」に関する発表
優秀賞
帝塚山学院中学校 歴史研究部 江戸っ子三味線 …「三味線」に関する発表
奨励賞
帝塚山学院中学校 歴史研究部 和に染まりたい女達 …「和ざらし・注染」に関する発表
神戸大学附属中等教育学校 ESPOIR123 …「堺におけるこれからの自転車活用」に関する発表
関西大学中等部 フィールドワーク部 堺市金属工業探究班 …「堺市の鉄鋼業」に関する発表
雲雀丘学園中学校 ヘムヘム …「堺とバレーボール」に関する発表
特別賞(堺ユネスコ協会賞)
神戸大学附属中等教育学校 Team Halina …「堺と神戸の比較」に関する発表

 なお、審査結果と各グループの講評は、次をご覧ください。

 

 

総 評  後藤敦史 京都橘大学准教授 

 皆さん、発表お疲れさまでした。今年も、例年と同様に、とても興味深く刺激的な研究発表ばかりでした。秋田先生や倉橋先生もおっしゃっていたように、審査員一同、勉強させてもらうことばかりで、とても楽しかったです。
 コンテストですから、どうしても順位をつけなくてはなりません。審査員をしていて、これが一番つらい仕事です。今年もやはり、審査員みんな、とても悩みました。最優秀賞、優秀賞、特別賞と、順位をつけましたが、これらの賞をとれなかったチームが“あかんかった”ということでは決してありません。審査員の頭を悩ませる、そのような発表ばかりでしたので、どうか皆さん、自信につなげていただければと思います。
 さて、ご存知のように、2022年4月から、高等学校では「歴史総合」という新科目が始まりました。また、2021年1月からは、大学入試のためのテストが、従来のセンター試験から共通テストに変わりました。新科目も、共通テストも、これまで以上に、「考える」ということを重視しています。
 今回、皆さんが経験したことは、まさに「考える」ための方法を鍛える、ということでもありました。仮説を立てる、文献を読んだりフィールドワークをしたり、調査をする、そして結論を出して、それを発表する。皆さんが行ったこれらの取り組みはとても重要なもので、今後の学習や学校生活でも必ず役に立つはずです。受験にも、きっと力になります。もちろん、受験にとどまらず、皆さんが社会人になってからも、「考える」力が、人生の様々な場面で重要になると思います。今回の経験を、ぜひこれからも活かして下さい。
 最後に、今回の発表で、いろいろな課題も見つかったと思います。ここをもっと調べたらよかったな、この観点をもっと大事にしたらよかったな――こういった反省点も、あるかもしれません。今回の発表に向けてせっかく調べたことです。今日で発表したら終わり、ということではなく、ぜひ、次の調査につなげてください。そして、もしよろしければ、ぜひ来年度も出場してください。あるいは、後輩たちに課題を引き継いで、後輩たちに来年度の出場をすすめてあげてください。このイベントは、皆さん一人ひとりが主人公です。来年も、楽しみにしています。

挨 拶  審査委員長 秋田茂 大阪大学教授

 今回、この審査に初めて参加させていただきましたが、どの発表も非常にレベルが高くて、得点をつけるのがとても難しかったです。
 まず、皆さんが素晴らしい点は、自分たちで「仮説」「問い」を立てて、それらを自分たちで考えて調査研究して、堂々と発表していることです。
この研究発表会には、中学生の方、高校生の方、両方が参加されていますが、中学生の皆さんがものすごく頑張っているな、レベルが高いな、という印象を持ちました。内容はもちろん、パフォーマンスとしても非常に優れていると思います。特に、中学生の皆さんからは将来有望な発表をしていただきました。非常にうれしく思います。今後とも、このような取り組みに関心を強めていただいて、皆さんの仲間にも声をかけていただいて、さらに交流の枠組みが広がることを期待します。
 次に、私の専門はグローバルヒストリーで、新しい世界史を考えるものです。ここでは、堺の歴史をいかに世界の歴史に結び付けるのかということが重要です。今回の皆さんの発表を聞かせていただいて、テーマによっては結び付け方が難しいものもありますね。
 今回、高校生の部で最優秀賞をとった関西大学高等部の皆さんは、アジア諸国の梵鐘との比較という観点を入れていましたし、中学生の部で最優秀賞をとった雲雀丘学園中学校の泉北ニュータウンをテーマに選んだ皆さんは、日本だけのニュータウンの話になりがちなところをイギリスのニュータウン構想との比較やつながりも考察してくれました。
 高校生の部で優秀賞をとった大阪府立高津高等学校の皆さんは、最初の発表で凄くプレッシャーを感じていたとは思いますが、非常に素晴らしい内容でした。内容は1904年-1905年の日露戦争に関わるものでしたけれども、第一次世界大戦のドイツ人捕虜の取り扱いでも、同じように人道的な取り扱いがなされていました。その代表例は、徳島県・鳴門の板東俘虜収容所でした。兵庫県にもありました。これらの事例はよく知られていて本も何冊か出版されていますが、今日の発表はそれに先行した事例です。ロシア人捕虜を日本がどう取り扱い、どう国際的な地位と評価を上げたかという、国際関係や国際法、外交史への広がりを持つ、素晴らしい発表でした。優秀賞の帝塚山学園中学校の三味線をテーマにした皆さんも、グローバルな視点から三味線を取り上げて考察してくれました。特別賞をとった神戸大学附属中等教育学校の堺と神戸の比較をされた皆さんは、比較研究に挑戦されました。比較研究は、言うのは簡単ですが、実際は比較対象の双方で2倍の勉強をしなければできないものですね。だから、なかなか大変なんですけれど、プレゼンテーションとして大事な点を示していただきました。ぜひ、来年以降も更なるご活躍を期待しております。
 私自身も本当に勉強になりました。長時間にわたって本当にご苦労様でした。

「日本と世界が出会うまち・堺 2022」プロジェクトの実施

堺の国際交流史などにスポットをあてた「日本と世界が出会うまち・堺 2022」プロジェクトを実施します。

このプロジェクトは、高校生・中学生を対象にして、公募形式によって堺の国際交流の歴史等を研究発表してもらう取り組みです。

堺は、さまざまな輝かしい歴史を有しています。この堺に関する歴史テーマを中心とした日本や世界の歴史文化の中から、次世代を担う若者が研究し、その成果を発表することは、地域に根差した豊かな歴史文化に対する理解を深めるとともに、日本のみならずアジアをはじめとした世界各地との新たな架け橋となる人材育成を図ることにも繋がります。
また、2022年度からは、高校の授業に、日本史と世界史を融合した新科目「歴史総合」が導入される中、大阪大学歴史教育研究会や高等学校等の教育機関と堺市博物館が連携する「博学連携」の堺モデルとして、若者たちに堺の歴史文化はもとより、日本や世界の歴史についても融合的に、自ら学び、理解し、発信する楽しさを体感する貴重な機会を提供する事業であります。
さらには、堺の歴史文化を活かした都市魅力の創造の点でも有益な取り組みであると考えられることからも、これらの目的を達成するため、当プロジェクトを実施します。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、Zoomによるリモート発表会として開催します。

プロジェクトの概要(進め方)

研究発表会の様子

(1)高校生・中学生による研究発表の公募

高校生・中学生を対象として、公募形式により各校のグループを募り、堺の国際交流の歴史等に関するテーマを研究し、その成果をZoomによる発表会で披露していただきます。
但し、各高等学校・中学校からは、2グループまでの応募受付とします。
【公募期間】2022年(令和4年)5月9日(月曜)~6月30日(木曜) 【公募終了しました】

(2)「日本と世界が出会うまち・堺 2022」研究発表会(リモート発表会)

日時

2022年(令和4年)11月13日(日曜)13時00分~17時00分(時間帯は予定。参加グループが多数の場合は、開始時間が繰り上がります。)

形式

Zoomによるリモート発表会

主催

堺市博物館
大阪大学歴史教育研究会

協力 

「日本と世界が出会うまち・堺」プロジェクト研究会
高大連携歴史教育研究会
堺ユネスコ協会 
NPO法人堺なんや衆

高校生・中学生のみなさん 堺の国際交流の歴史や世界遺産などに関する研究発表を公募します!!(終了しました)

対象

高校生・中学生で、3人以上のメンバーで構成されたグループ。
但し、各高等学校・中学校からは、2グループまでの応募受付とします。

研究テーマ

(1)堺の国際交流の歴史等に関する研究(時代は問いません)

 【例】
 ◎古 代
 ○巨大古墳の造営に渡来人はどう関わったの?
 ○百舌鳥古墳群の世界文化遺産登録についてクイズで考えてみよう
 ◎中近世
 ○利休が愛した茶菓子を再現しよう! 
 ○キリシタン音楽を聴いてみませんか? 
 ○南蛮屏風のファッションを着てみよう! 
 ○黄金の日日・堺の町並みをCGで再現すれば
 ○南蛮貿易を劇で再現すれば
 ◎近現代
 ○与謝野晶子とパリ~ロダンとの交流を探る~ 
 ○近代の堺が取り入れた西洋 など

(2)堺やあなたの町の世界遺産、無形文化遺産、記憶遺産に関する研究

※研究に関して助言を必要とされるグループには、共催団体の学芸員・教員などが相談に応じます。
 また、夏休み期間中の8月27日(土曜)13:00~17:00(時間は予定)、Zoomによる研究発表事前相談会を
 開催し、研究発表会当日の発表順等事前の打ち合わせも行います。

発表形式

Zoomによるリモート発表会です。
11月13日(日曜)13時00分~17時00分(時間帯は予定。)で開催する「日本と世界が出会うまち・堺 2022」研究発表会で発表していただきます。
発表時間は15分前後の予定です。

顕彰

(1)参加グループには、奨励賞として堺市博物館無料招待券を差し上げます。
 また、発表内容は、本プロジェクトのホームページでの配信などで紹介していきます。
(2)優秀な研究発表をしたグループには、最優秀賞などの賞状と記念品をお渡しします。
 また、全参加グループに賞状(奨励賞)を差し上げます。

応募方法

下の応募用紙等をダウンロードして必要事項を記入し、堺市博物館学芸課へ電子メールへの添付によって提出してください。
メールの件名には「研究発表の応募」と明記してください。

公募締切

2022年(令和4年)6月30日(木曜) 【公募終了しました】

応募用紙等

参考

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このページの作成担当

文化観光局 歴史遺産活用部 博物館 学芸課

電話番号:072-245-6201

ファクス:072-245-6263

〒590-0802 堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内 堺市博物館

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