「日本と世界が出会うまち・堺 2018」プロジェクト (終了しました)
更新日:2019年11月28日
堺市(主管:堺市博物館)と大阪大学(主管:大阪大学歴史教育研究会)の共催事業として、堺の国際交流史などにスポットをあてた「日本と世界が出会うまち・堺 2018」プロジェクトを実施します。
このプロジェクトは、高校生を主な対象にして、公募形式によって堺の国際交流の歴史等を研究発表してもらう取り組みとともに歴史を知ることの意義についての一般市民向けの講演も実施するものです。
堺は、ユネスコ世界文化遺産登録をめざす百舌鳥古墳群が造営された古代以来、アジアをはじめとする多彩な国際交流の歴史をを持っています。とりわけ、15世紀から17世紀には、日明貿易、琉球貿易、南蛮貿易、朱印船貿易などで繁栄し、「日本のベニス」と呼ばれました。千利休に代表される茶の湯文化なども、この時代に大きく花開きました。
このような堺の国際交流の歴史等を学習・研究することにより、日本や世界の歴史に対する理解を深めるとともに多文化共生の心を育み、アジアをはじめ世界各地域との新たな架け橋となる人材の育成をめざします。
この趣旨に沿って、高校生および中学生が堺や地域の歴史などをフィールドワークや体験学習によって調べ学習し、その成果を発表していただく場を用意するとともに参加者を顕彰いたします。
プロジェクトの概要
(1)高校生等による研究発表の公募
大阪府内の高校生を主な対象として、堺の国際交流の歴史等に関する研究を
2018年(平成30年)4月~6月に公募し、(2)で発表してもらいます。
(2)「日本と世界が出会うまち・堺 2018」研究発表会
【日 時】 2018年(平成30年)11月18日(日曜) 午後1時30分から午後6時10分まで
【場 所】 堺市内ホール(サンスクエア堺ホール)
【内 容】 中学生・高校生グループによる研究発表など
後援
大阪府教育委員会
協力
堺ユネスコ協会、 「日本と世界が出会うまち・堺 2018」プロジェクト研究会 (プロジェクトの趣旨に賛同していただいた高校教員で構成)
中学生・高校生が歴史に迫る 「日本と世界が出会うまち・堺 2018」研究発表会を開催
事業名
「日本と世界が出会うまち・堺 2018」研究発表会
日時
2018年11月18日(日曜) 13:30~17:50
場所
サンスクエア堺ホール(JR阪和線堺市駅下車すぐ)
プログラム
1)中学生・高校生12グループ研究発表・パネル展示
2)審査結果発表、表彰式、講評など
中学生・高校生12グループ研究発表・パネル展示
研究発表の様子
金蘭千里中学校、帝塚山学院泉ヶ丘中学校・高等学校、帝塚山学院中学校、関西大学中等部・高等部、大阪府立岸和田高等学校、大阪府立長野北高等学校、大阪府立堺東高等学校の9校12グループが研究発表・パネル展示を行いました。
発表内容は次の当日配布資料をご覧ください。
審査結果発表
審査は3人の審査員により行いました。
審査基準は(1)堺や対象地域の歴史の取り上げ方について(2)世界史や国際交流の視点について(3)研究内容の深さについて(4)発表の巧さについて(5)総合的な評価点の5項目で、それぞれ10点満点、合計50点満点(3人で150点満点)としました。なお、特別賞の堺ユネスコ協会賞は大阪大学大学院生の投票をベースに選出しました。
審査結果と各グループの講評は次をご覧ください。
表彰式
特別賞 堺ユネスコ協会賞
中学生の部 最優秀賞
高校生の部 最優秀賞
特別賞・堺ユネスコ協会賞
関西大学高等部 フィールドワーク部 刀剣探求班
テーマ 堺と他刀~刀身に映る世界とのつながり~
中学生の部 最優秀賞(ルソン助左衛門賞)
関西大学中等部 フィールドワーク部 幕末探求班
テーマ 堺事件の実像に迫る~堺に近づく西欧の影
高校生の部 最優秀賞(フランシスコ・ザビエル賞)
帝塚山学院泉が丘高等学校 ウンともスンとも言わせない!!
テーマ ウンスンカルタ
講評
皆さん、お疲れさまでした。審査員からいろいろな質問を受けて、頭が真っ白になってしまった人もいたでしょうね。私もこのような発表をした経験があり、そのときにとても緊張したことを覚えています。今年も粒ぞろいの良い発表でした。再開が少し遅れましたのも、三人の審査員の点数が伯仲したために時間がかかったのです。僅差で各賞が決まったということです。
ちなみに我々は5つの審査項目を設定して審査しました。(1)堺や対象地域の歴史の取り上げ方について、(2)世界史や国際交流の視点について、(3)研究内容の深さについて、(4)発表の巧さについて、(5)総合的な評価点の5項目でした。
当初の研究発表会と比べると、皆さん、本当によく調査研究しているし発表も精緻になってきています。
ただ、何点か今後に期待したい点があります。
一つは、初期の研究発表会では、いろいろな発表方法がありました。南蛮貿易の頃の音楽を自分たちで演奏したり南蛮衣装を着て劇をしたりというものでした。現在は、パワーポイントがほとんどでやや画一化してきた面もあるのかなと感じています。また、新しいチャレンジをする学校やグループが来年度以降出てきてほしいなあ、と思っています。もう一つは、今回は漢字の間違いなどが多かったのは残念でした。ただ、8月の相談会の時から比べればずっと素晴らしい内容になっていたのは確かです。あと一つは国際交流の視点についてです。例えば、ヨーロッパだけと比較するのではなく、より世界史的な視点で比較することが大切だと思います。
来年度は、皆さんが再びチャレンジする、あるいは後輩たちに引き継いでいく、いろいろな形があると思いますが、発表したものをさらに発展させて発表していくことも面白いと思います。
最後に。中学生、高校生の皆さんも、テレビや新聞やインターネットなどで少しは知っているかもしれませんが、大学のセンター入試が大幅に変わります。2020年1月から変わります。教育改革、入試改革が始まります。世界史や日本史、地理なども大きく変わります。国連やユネスコなどの動きに連動して国際標準の教育が求められています。先生に教えられたことや教科書に書いてあることを覚えたり身につけたりする学び方ではなく、自分で調べてしかも対話的、仲間と一緒にグループ学習をしたり討論したりしながら学んでいくことが求められてきます。知識を増やすことだけではなく、思考力や判断力や表現力を身につけることが重要になります。この研究発表会で皆さんがしたような、自分自身で仮説を立てて資料を調べて仲間と議論して研究発表をするという方法です。マークシートで正解を選ぶという方法から考え方の流れを説明できる力をつけていくことが大切になってきます。
高校の社会科では2022年度から科目が全面的に変わります。歴史では「歴史総合」という必修科目ができます。今までの日本の教育では、たまたま日本史と世界史とが別々の科目になっていました。今回は日本史と世界史を統一して18世紀以降の歴史を勉強するという形にします。しかもそこでは、中学校で学んだ知識をもとにして、歴史の学び方、資料の調べ方を学びます。あることを証明しようと思ったら、どのような根拠を示したらそれが証明できるか、そのためにはどのような資料が必要か、といったことを学ぶ、そんな授業に変わっていくと想定されています。見たことのない資料でも、それまでの知識をもとにして考察していきましょう、このことを証明するにはどんな資料が必要でしょう、といったようなことですね。そのベースがあって「日本史探求」「世界史探求」という科目が出てきます。
大阪大学では、ペーパーテストだけではなく、高校時代に何に取り組んできたかを重視する試験にも取り組んでいます。私の夢は、この研究発表会で優秀賞をもらった人がその実績でもって大阪大学に来てくれることです。
残念ながら、この会場が満員にはなっていないですが、この堺での研究発表会は、このような歴史での新しい取り組み、自分たちで仮説を立ててグループでフィールドワークや調べ学習をして議論して研究発表をするという取り組みができる、すごくユニークな催しです。中学から高校、大学の先生加太だけなく博物館も協力しているということは本当に大事なことです。全国的にも注目されていますし、今後、全国的な催しにしていきたいですね。そのためにも、皆さんが再びチャレンジしたり後輩たちに引き継いでいったりしていただければうれしいです。新しい歴史教育の動きの先頭に皆さんは立っているので、ぜひ家に帰ったら自慢してほしいと思います。
本当に長時間、皆さんお疲れさまでした。
高校生・中学生のみなさんへ 堺の国際交流の歴史や世界遺産などに関する研究発表を公募します! [公募終了しました]
対象
高校生で、3人以上のメンバーで構成されたグループ。中学生も応募できます。
研究テーマ
(1)堺の国際交流等の歴史に関する研究(時代は問いません)
【例】
[古 代]
○百舌鳥古墳群の造営と渡来人 ○行基の布教活動と渡来人
[中近世]
○利休が愛した茶菓子の再現 ○堺とキリシタン音楽
○南蛮屏風に描かれたのファッションの再現
○黄金の日日・堺の町並みをCGで再現 ○南蛮貿易を劇で再現
[近現代]
○与謝野晶子とパリ
など
(2)堺やあなたの町の世界遺産、無形文化遺産、記憶遺産に関するもの
※研究に関して助言を必要とされるグループには、共催団体の学芸員・教員などが相談に応じます。また、夏休み期間中の8月上旬(予定)に、堺市博物館で研究発表相談会を開催し、事前の打ち合わせも行う予定です。
発表形式
(1)形式は自由です。
【例】
○パワーポイントを使った発表 ○実物模型などを使った発表 ○紙芝居 ○劇 ○演奏
など
(2)2018年(平成30年)11月18日(日曜)に堺市内ホール(サンスクエア堺ホール)で開催する「日本と世界が出会うまち・堺 2018」 研究発表会で発表していただきます。発表時間は15分前後とさせていただきます。
顕彰
(1)参加グループ全員に、堺市博物館無料招待券を差し上げます。
また、研究発表内容は、堺市博物館のホームページどで紹介していきます。
(2)優秀な研究発表をしたグループには、最優秀賞などの賞状と記念品を差し上げます。また、全参加グループに賞状をお渡しします。
応募方法
下の応募用紙をダウンロードして必要事項を記入し、
堺市博物館学芸課まで電子メールへの添付によって提出してください。
メールの件名には「研究発表の応募」と明記してください。
公募締切
2018年6月22日(金曜)
書類ダウンロード
参考
*2017年プロジェクト
「日本と世界が出会うまち・堺 2017」プロジェクト (終了しました)
*2016年プロジェクト
2016年(平成28年)の取り組みは、こちらをご覧ください
*2015年プロジェクト
2015年(平成27年)の取り組みは、こちらをご覧ください
*2014年プロジェクト
2014年(平成26年)の取り組みは、こちらをご覧ください
*2013年プロジェクト
2013年(平成25年)の取り組みは、こちらをご覧ください
PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader DC(旧Adobe Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Adobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ
このページの作成担当
文化観光局 歴史遺産活用部 博物館 学芸課
電話番号:072-245-6201
ファクス:072-245-6263
〒590-0802 堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内 堺市博物館
このページの作成担当にメールを送る