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令和元年度第4回(令和元年11月5日開催)議事(2)

更新日:2020年2月7日

(2)地方独立行政法人堺市立病院機構第3期中期計画について

後藤委員長

 続いて、議事(2)地方独立行政法人堺市立病院機構 第3期 中期計画(案)について、です。
 まずは、事務局からご説明をお願いします。

事務局

  • 参考資料3により、地方独立行政法人の中期計画について説明。

松下企画室長

  • 資料2により、地方独立行政法人堺市立病院機構 第3期 中期計画(案)について説明。

後藤委員長

 ありがとうございました。事務局から中期計画について、法人から堺市立病院機構 第3期 中期計画(案)について、それぞれ説明がございました。
 中期計画は中期目標を達成するための行動計画ということですので、中期計画では、目標に対する法人としての取り組みや、目標達成のための手段等を示すことになります。
 また、中期計画が決まりますと、中期計画を達成するため、毎年度どのような取り組みを行うのか、という年度計画に落とし込んでいきます。評価委員会としては、この年度計画の業務実績を毎年度評価していくということになりますので、中期計画の内容が法人を評価していくための基準になることも考慮していただきながら、全体的に審議していただきたいと思います。
 それでは、第3期 中期計画(案)の内容に関して、審議していきたいと思いますが、ご意見・ご質問はございますか。
 初めに、資料2の網掛けをしていただいている箇所は、第2期とは異なって新たに追加したキーワードであるという認識でよろしいでしょうか。

岸上企画室係長

 その通りです。

後藤委員長

 目標指標として、第3期から新たに目標設定をされた数値目標はどれになるのか、もう一度ご説明いただけますか。

岸上企画室係長

 まず、2-1-(1)救命救急センターを含む救急医療の項目について、第2期では、救急搬送受入件数と、そのうち入院した件数を目標指標に設定しておりましたが、第3期では、堺市管内救急搬送カバー率、救急搬送応需率、三次救急搬送応需率の3つを設定しており、全て新設の指標となります。2-1-(2)小児医療の項目については、第2期では、小児救急受入件数としておりましたが、第3期では応需率とさせていただき、小児救急搬送応需率として新たに目標設定をさせていただいております。2-2-(2)高度・専門医療の包括的提供の項目については、第2期では、t-PA治療実施件数、脳血管内治療件数、心大血管手術件数、冠動脈インターベンション件数、糖尿病透析予防指導管理料件数、糖尿病教育入院患者数を目標指標としておりました。第3期では、t-PA件数を関連指標とし、脳血管内手術件数、心大血管手術件数、冠動脈インターベンション件数、糖尿病透析予防指導管理料算定件数については、継続して目標指標としております。最後に、4-1 安定的な経営の維持の項目について、第3期の目標指標は全て第2期から継続して設定しているものになりますが、第2期では目標指標として設定していた窓口負担金の収納率という指標については、一定の成果が表れ、ほぼ収納されているという状況ですので、第3期につきましては目標から外させていただいております。

後藤委員長

 ありがとうございます。新しく追加された指標もあるということで、その点も踏まえて、ご意見いただければと思います。

西川委員

 まず1点目、ER化やCAPS対応件数等の言葉は、我々は分かりますが、市民の方全員が医療用語を知っておられるわけではありませんので、用語に対する説明を欄外に記載された方が良いと思います。
 2点目ですが、t-PA件数を目標指標から関連指標に変更しておりますが、t-PAの適用が拡大されたので変更されたのでしょうか。
 また、3点目、2-3-(3)患者の視点に立った医療・サービスの提供の項目で、「患者が積極的に医療に参加できる体制の整備」という記載がありますが、一般の市民から見ると分かりにくいと思いますので、この記載をどのようにされるか、ということと、3-1-(4)働きやすい病院づくりの項目で、「「働き方改革」の観点から、医療業務のタスクシフティングに積極的に取り組み、」と記載されておりますが、医療業界はマンパワーが足りないと疲弊するということになり、マンパワーを投入しようとすると経営基盤の安定に繋がらない、という矛盾が生じます。そのようなことについてもしっかりと対応された方が良いと思うのですが、いかがでしょうか。
 最後にもう1点、診療報酬を減算するという話が出ております。今後、診療報酬が減るようになった時、どのようにすれば「安定的な経営」ということになるか、今すぐに回答するのは難しいと思いますが、その辺りのことも考えられた方が良いと思います。

岸上企画室係長

 1点目の用語の説明について、お答えさせていただきます。法人から市民の方に公開する資料には用語集を添付しておりますので、第3期中期計画につきましても、医学用語等は用語集で分かりやすく説明させていただこうと考えております。

中田診療局長

 2点目のt-PA件数につきましては、西川委員のおっしゃっていただいた通りです。ただ、それ以上に、脳血管内治療が安定し件数が増えてきているので、目標指標に脳血管内手術件数を設定し、前回と比較できないt-PAを関連指標に設定した、ということです。本来は2つ合わせてということになるのですが、適用が広がると件数が急激に増えてしまいますので、このようにしております。

谷口副院長

 続きまして、「患者が積極的に医療に参加できる体制の整備」という記載についてご説明させていただきます。この記載については、事前にご質問をいただいており、私たちとしてもどのような表現が良いのか、少し検討を重ねた部分であります。患者さん中心という言葉はよく使われていますが、あえて一歩進めて、患者さんと共に医療や生活を考えていきたい、という思いを込めています。ヘルスプロモーションやセルフマネジメントなど、いかに自分自身で予防に取り組むか、生活習慣を変えていくか、ということについて、私たちはお手伝いしかできないということに次第になっていくと思っています。そのような状況の中で、出来ればこの言葉に少し疑問を持っていただき、市民の方々にも意識を変えていただけたら、という思いはあるのですが、おっしゃられているように少し分かりにくいのであれば、工夫する必要があると考えています。今までは、受け手であるという考え方の患者さんや市民の方が多く、医療としても、提供してきた医療から、患者さんの状態に合わせて適応するような医療に変わってきたと言われる中で、これからは共に作り上げていく時代に変わってきていると言われておりますので、あえてこのような表現を使っておりました。ACPや人工透析、予防外来なども活発に動いており、認知症については、6月に行政から出された認知症施策推進大綱の中で、認知症サポーターやキャラバンメイトは、認知症患者さん自身が活動されて同じ病気の人たちに語りかけることや、ご家族に働きかけていくことが大切であるということも言われている中、悩みながらもこのような表現を使ったのが現状です。

西川委員

 セルフプロモーションということも良く分かるのですが、もしよろしければ、「患者さんと共に作り上げる医療」とか、「個々の患者さんと共に」という風にされるのはいかがかなと思います。谷口副院長がおっしゃったことは、その通りだと思いますので、そのような意味合いで、念のため、市民の方にも分かりやすく書かれた方が良いかと思います。

後藤委員長

 私も、「積極的」という言葉がどのような意味合いなのか、事前の説明の際にお聞きして、情報を十分にお伝えするということや、相談のための時間をしっかり作るということもこの内容には含まれるということを説明していただいたのですが、言葉としては少し分かりにくいかもしれません。委員の先生方、いかがでしょうか。

北村委員

 例えば、この項目を評価するときに、関連指標である相談窓口に寄せられた相談件数が多い方が、患者が医療に参加できている、ということになるのかなと思いました。そのように、「ア」の記載に対応している指標が相談件数だとすれば、おそらく相談件数については、医療に参加するための相談内容とそうでないものもあると思うのですが、その内容は分かるのでしょうか。

谷口副院長

 相談内容に関しては、1つずつ集計しておりますので、どのような内容であったか区別できると思っております。また、ACP実施件数を別の項目の目標指標に設定しており、そのカウントの仕方も難しいところではありますが、院内で普及させようとしている人生会議のノートの活用状況や、がんの告知時の認定看護師の同席割合などを少し整理して集計していければと思っております。

北村委員

 分かりました。

後藤委員長

 これは相談件数が多いほど良いという指標ですか。

谷口副院長

 いろいろなことを医療者に相談していただけるということは、良い環境かなと思っております。

高橋委員

 この関連指標というのは、年度毎に実績を出されて、年度の傾向を見るための指標であると認識してよろしいでしょうか。この関連指標の単年度毎の目標があるのかなど、関連指標の使われ方が少し分からなくなったので、教えていただきたいです。

岸上企画室係長

 まず、目標指標につきましては、毎年度、年度の計画として、目標を設定することになります。関連指標につきましては、それに付随する業務の内容を数字として毎年度見ていくということで、こちらはあくまで参考値程度になりますので、毎年度の目標は立てません。また、前年度より低くなっているものなのか、高くなっているものなのかということにつきましても、例えば、維持することに意義がある指標というものも中にはございますので、指標毎に意味合いを持たせて年次の推移を計っていくものとして関連指標を設定しております。

後藤委員長

 高橋委員には、第1回目の年度評価の際に、目標設定がしっかりとされていないと評価が難しいというご意見をいただいておりましたが、いかがですか。

高橋委員

 目標設定というよりも、同じ活動結果なのに、市と病院の評価が食い違っていたところがあったので、そのような評価指標をもう少し定量的に分かりやすくするのはいかがかなと思って最初に発言させていただいたのですが、それについては目標設定をされた時に、どのように評価するかという議論があると聞いておりますので、その時にまた質問したいと思います。

後藤委員長

 指標の話で言うと、2-3-(1)医療安全対策・感染対策の徹底の項目の関連指標である医療安全研修と感染対策研修についてですが、「延人数」だと割合が分からないため、病院機能評価で求められる「参加率」とした方が良いと感じましたので、少し検討していただければと思います。
 もう1点、投書箱には良いことも投書されていますか。箱の名前ですが、「患者さんの声」のような、少しやわらかい名前の方が良いかなと思ったのですが。

安井法人運営室長

 中期計画上、投書箱という表現をしておりますが、実際には「ご意見箱」というネーミングで設置しております。

後藤委員長

 そちらの方が少しやわらかいですね。分かりました。

高橋委員

 先ほどの西川委員のご意見の中で、3-1-(4)働きやすい病院づくりの項目の「タスクシフティングに積極的に取り組み」という記載について、人員増になるのではないかというお話でしたが、おそらく、職員の負担軽減に取り組むには、人を増やすか業務を効率化するかのどちらかだと思うのですが、一言で「職員の負担軽減に努める」という言葉に集約されているようですので、中期計画ではないかもしれませんが、活動計画の中に具体的にどのように取り組むのかを記載されてはいかがかなと思いました。

後藤委員長

 働き方改革については、例えば、RPA(Robotic Process Automation)というものを取り入れて事務の効率化を図るということをされているところもございますが、そのようなものの導入というのは考えておられないですか。

石田人事室長補佐

 中期計画に記載の通り、働き方改革として、特にタスクシフティングに取り組んでいきます。実際、当院も人を増やすだけでは追いつかないような状況になっておりますので、おっしゃっていただいたように、RPAの検討を病院職員負担軽減委員会で紹介され、事務の方でも検討していこうというところではあります。

後藤委員長

 また、ご検討いただければと思います。

西川委員

 後藤委員長がおっしゃいましたRPAなど、2025年問題をどのように医療・介護が乗り越えていくかということですが、おそらく、AIのロボットがキーワードになると思います。例えば、サイバー会社もリハビリテーションのことを個々でいろいろ取り組んでいますが、具体的に日本全体としてはどのようになっているのか、ご存知でしたら教えていただきたいです。

門田理事長

 なかなかお答えするのは難しいですが、確かにおっしゃられる通りで、いろいろな技術で何とかなるのではないかということは言われています。しかし、今、そのようなことを積極的にするというのは、医療現場の人たちからすると、違うと思います。働き方改革について、私の意見を言わせていただくと、最初からあり得ない話をディスカッションしています。医療の世界で、患者さんのことを度外視して、働く側の人間の労働時間をどうすべきか、ということを、強引にタスクシフティングだというような形で言っています。しかし、働き方改革を本格的に進めるのであれば、もっと医療費が高くなるのは当たり前で、それは抑えないといけないという、現場に問題解決を押し付けているという大きな課題がある中で取り組んでいるということを、私たちが問題にすべきではないかという気がしています。そうは言っても、わずかではあっても、出来ることをやっていこうというのが、今、現場の人たちの意見です。

西川委員

 ありがとうございました。

高橋委員

 2-1-(4)災害・感染症・その他緊急時の医療の項目について、平時からの各種訓練の実施や災害対策マニュアルの点検を上げられています。おそらく、地震や津波の想定で訓練をしてこられたと思うのですが、去年や今年は台風による水害や長期停電など、地震以外の災害も出てきていますので、中期計画の中でも新たな災害に対する訓練や、マニュアルを点検していくというような取り組みもいるのではないかと思いました。

中田診療局長

 任意団体ですが、堺地域災害時医療救護対策協議会という会を作り、20以上の施設で集まって勉強会を開いております。今年度、まず行ったのは、高橋委員がおっしゃったように、堺市の大水災害のハザードマップを皆で調べようということです。その結果、3つの病院がその地域の中にあるということが分かり、さらに、停電した際、自己発電能力でどれだけの方に対応できるのか各自病院で考えましょう、ということを進めております。訓練までは行えていないですが、まずは自分たちの立場を知るための取り組みを続けており、次年度以降は取り組みを広げていきたいと思っています。この取り組みが当院としての指標なのか、地域としての指標なのか、ということもありますので、中期計画にはあえて記載しておりませんが、実績としては上げさせていただこうと思っています。

後藤委員長

 分かりました。
 他にご意見はございますか。

事務局

 ご欠席されている篠藤委員からご意見いただいておりますので、ご紹介させていただきたいと思います。1点目が、2-3-(3)患者の視点に立った医療・サービスの提供の項目について、患者満足度調査結果を関連指標とされているが、満足度の結果も大事であるが、その結果をどのように活かしたかが重要であると思うので、評価の際には、どのように活かしたかを実績として提示いただきたい、とのご意見でした。
 また、2点目としまして、3-1-(4)働きやすい病院づくりの項目について、医師における時間外勤務と自己研鑽の時間の分け方について、各部門で判断されているということなので、各部門間で差がないように、均一な考え方のもと取り組んでいただきたい、というご意見をいただいております。
 最後3点目として、4-1 安定的な経営の維持の項目について、費用削減の具体的な方法として、「診療材料及び医薬品の価格交渉や在庫管理の徹底」を上げられているが、委託業務の見直し等の方が効果を上げられるのではないか、というご意見と、収入の確保と費用の削減について記載されているが、医療機器等について、使用の頻度や投資に対する収入などを分析されているのであれば、設備投資についても記載されてはいかがか、というご意見をいただいております。

後藤委員長

 ありがとうございます。ご検討いただければと思います。
 他にご意見はございますか。
  (特になし)
 それでは、本日いただいたご意見を踏まえて、改めて、計画の修正、見直しをしていただき、次回の評価委員会に修正案を提出していただくというにさせていただきます。次回の会議では、再度審議を行い、最終的に評価委員会としての意見をまとめたいと思います。
 また、追加のご意見やご質問等がありましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。

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