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第2章 地域福祉をすすめていくうえでの基本的な考え方

更新日:2012年12月19日

 【地域福祉】は、だれもが地域とつながりをもち、安心して心豊かに暮らし続けることができるように、地域で暮らしている市民、地域福祉をすすめる活動・事業に取り組んでいる団体や事業者、地域福祉を推進するうえでの専門機関である堺市社会福祉協議会などの「民」の担い手と、これらの活動・事業を支援しつつ「公」としての責任を担っていく行政が、それぞれが得意とする分野で力を発揮し、役割を分担しながら協力してすすめていくものです。

 そこで、地域福祉をみんなですすめていくうえでの共通の目標と、的確に役割を分担してすすめていくうえでの基本的な考え方を、つぎのように定めます。

1.わたしたちがめざす地域福祉

 地域福祉にはさまざまな思いが込められています。それらを「第2次堺市地域福祉計画」では、つぎの2つに集約し、みんなで共有して推進していきます。

(1)だれもが安心して心豊かに暮らせる魅力のある地域をつくります

 市民のだれもが健やかに暮らせること、介護や支援が必要でも生きがいをもって暮らせることが地域福祉の目標です。障害や難病があったり、また社会的に弱い立場にあっても、だれもが社会や地域に参加でき、何らかの役割を担うという地域福祉を切り口とした協働のしくみをつくることを通じて、市民も地域もいきいきとした「魅力のあるまちづくり」をすすめていきます。

(2)だれもが住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けられるよう、生活のさまざまな困りごとに向きあい、しっかり解決するしくみをつくります

 公的な福祉は、高齢福祉、障害福祉、児童福祉、生活保護などの、分野ごとの制度のなかでの支援になりがちです。「新しい福祉」である地域福祉では、公的なサービスを土台としつつ、さまざまな制度と市民・団体などの主体的な活動を組みあわせることで、地域で暮らす一人ひとりのニーズを出発点として、的確に対応できるしくみづくりをめざしていきます。また、堺市だけでは解決できない課題についてもみんなで考え、安心して暮らせる社会づくりに向けて取り組んでいきます。

「わたしたちがめざす地域福祉」のそれぞれの言葉が意味する内容

「だれもが」・・・地域には、年齢、性別、家族形態、健康状態、経済状態、国籍など、それぞれに「違い」や「個性」をもった多様な人が暮らしていますが、「安心して暮らしつづけたい」という願いは共通です。互いを理解し、尊重しあう「豊かな心」を持ち、「自分自身のこと」として考える必要があります。

「魅力のあるまち」・・・ 地域福祉をすすめる基盤として、みんなが住みたい、住み続けたいと思えるまち、いきいきと楽しく参加できるまちをめざします。

「住み慣れた地域で」・・・ 家族や知りあいのいる地域を、だれもがいちばん安心して暮らせる場、力を発揮し誰かの役に立てる場として大切にしていきます。

「自分らしく」・・・個人の意思が尊重され、だれもが自分の権利が損なわれることなく、地域の一員として参加できるように支援します。

「困りごとをしっかり解決するしくみ」・・・ 多様なニーズにきめ細かく応えていくように、地域の状況に応じて、さまざまな力を活かして取り組むしくみをみんなでつくります。

そこで、みんなで取り組んでいくための標語を、
~つながる・ひろげる・みんなで支えあう~
として、広く呼びかけていきます。

2.重点的に取り組む推進目標(取り組みの柱)

 「わたしたちがめざす地域福祉」の実現に向けて、「第2次堺市地域福祉計画」では、つぎの2つを重点的な目標(取り組みの柱)に掲げて取り組んでいきます。

(1)地域福祉への参加と協働をいっそうすすめよう

 地域福祉は、さまざまな困りごとを住み慣れた地域のなかで解決することで、だれもが安心して心豊かに暮らせる「魅力のあるまちづくり」をすすめていくものです。そのためには、ひとりでも多くの市民や団体などが、地域福祉を自分自身のこととしてとらえ、それぞれができることで取り組みに参加し、得意なことを活かして効果的に協働できるしくみが求められます。

 たとえば、支援の受け手となった場合でも、自分ができることで参加することがあたりまえになるように、意識づくりや参加のきっかけづくりをすすめていきます。

 また、各々の活動が継続的に行われるように支援したり、話しあいを通じて互いを理解し、効果的な協働が行えるよう、そのしくみづくりに取り組むとともに、地域福祉の視点から行政のしくみについても検討していきます。

(2)地域生活を支えるしくみを充実しよう

 地域福祉はまちづくり全体に関係する幅広い取り組みであり、その基盤となるのは「地域で生活していくうえでの福祉課題を具体的に解決していく」ことです。そのためには、地域のさまざまな力をもちより(参加・協働)、安心して暮らせるまちづくりをすすめていくことが不可欠であり、そのことがあたたかい魅力のあるまちづくりにつながることになります。

 地域で生活していくうえでの福祉課題を、地域に関わるさまざまな人が協力して身近なところで解決できるように、その基盤となる公的なしくみをつくり、市や専門機関が市民・団体などと協働して、日常生活の支援や介護を必要とする人のニーズに応じて的確かつ効果的に提供できることをめざします。

 また、地域で生活していくうえで最も基本となる生命や身体の安全を確保するよう、一人ひとりが心がけるとともに、地域ぐるみで安全なまちづくりをすすめていく必要があります。特に、甚大な被害をもたらすおそれがある災害時に、だれもが安全に避難できるようにしていくことは緊急の課題ですが、避難支援が必要な人を支えるしくみを構築していくためには、日頃からの地域(福祉)活動が重要なことは幾多の事例が示しています。みんながつながりをもち、安心して暮らせるまちづくりをめざし、取り組んでいきます。

3.地域福祉をすすめるうえでの「役割分担」の考え方

 地域福祉をみんなで協力して推進していくためには、その担い手であるわたしたちが、それぞれの「得意なこと」を活かして役割を分担し、互いに協力していくことが必要です。

 「第2次堺市地域福祉計画」では、下記の役割分担を基本とし、状況に応じて話しあいながら、それぞれの取り組みを効果的に推進していきます。

(1)市民・団体

一人ひとりの市民は、地域福祉を自分自身のこととしてとらえ、健康やよりよい生活を心がけるとともに、地域に関心をもち、互いに支えあうコミュニティづくりに取り組みます。

 さまざまな団体は、行政や専門機関、事業者などと連携・協力しながら、それぞれの活動を通じて地域のつながりづくりや福祉課題の解決に取り組みます。

(2)事業者

 福祉や保健医療サービスを提供する事業者は、事業を通じて福祉課題をもつ人の自立生活を支援するように、他の機関や地域福祉活動を行う人たちと協力して取り組みます。また、専門機関として、市民や団体による地域福祉活動を支援します。

 その他の事業者(企業など)は、それぞれの事業を地域福祉の視点をもって営むことにより、市民のニーズに応えていくとともに、地域の一員として地域福祉活動や魅力あるまちづくり活動への支援に取り組みます。

(3)堺市社会福祉協議会

 地域福祉を推進する専門機関として、多くの市民、団体、事業者などが地域福祉活動に参加するよう促進するとともに、それぞれの活動や連携を支援します。また、民間と行政の取り組みの橋渡しを行い、地域福祉に関わる人々や団体などが集い、地域の課題を解決するためのしくみや取り組みを生み出す舞台としての「プラットホーム」となって、公民協働による地域福祉を推進します。

(4)市

 地域福祉をみんなでともに推進していくために、市民の地域福祉活動やまちづくり活動への支援や条件整備などを行います。また、健康福祉をはじめとする事業を地域福祉の視点で再構築し、地域の取り組みと連動した施策展開で、市民の生活課題の解決を図ります。

4.地域福祉をすすめるうえでの「エリア」の考え方

 わたしたちは、日常生活で「地域」を考えるとき、最も身近に地域活動が行われている単位自治会などの区域や小学校区、行政の単位である区や市など、何をするかによっていろいろなエリアを思い浮かべます。

 地域福祉をすすめていくうえでも、取り組みの内容によって、効果的にすすめられるエリアを考えていくことが重要です。また、各エリアでの取り組みが連携したものとなるように、重層的につながるしくみをつくっていく必要があります。

 「第2次堺市地域福祉計画」では、地域福祉をすすめるエリアを下記のように設定し、それぞれのエリアを、果たす役割や機能で関連づけながら、効果的な活動を推進していきます。

(1)小学校区

 自治連合会、校区福祉委員会、民生委員児童委員会をはじめとした地域に根ざした活動を行っている団体の協働をいっそうすすめるとともに、ボランティア団体やNPO法人、当事者団体などの具体的なテーマに沿った活動を行っている団体や、福祉の専門機関・事業者、学校などとも連携して、地域のニーズに応じた地域福祉活動を推進していきます。

 また、日常的な見守りやちょっとした支えあいの活動、災害時の助けあいなどは、もう少し小さなエリアで行うことが必要です。ご近所どうしのつながりを深め、地域福祉の土台となる身近なコミュニティづくりをすすめていくように、単位自治会とも連携して推進していきます。

(2)複数小学校区

 ひとつの小学校区では対応が難しい福祉課題については、校区を越えて具体的なテーマに沿った活動をしている団体や専門機関などと連携してすすめることが必要です。また、それぞれの団体が交流や協働を通じて活動をさらに高めていくには、小学校区がいくつか集まった複数小学校区での活動も必要です。このエリアでは、専門機関や事業者などと連携して地域の多様な福祉ニーズを具体的に解決するよう取り組んでいきます。

(3)区

 保健福祉総合センターと社会福祉協議会区事務所が中心となり、地域福祉活動に取り組むさまざまな団体・機関などのネットワークを構築し、分野ごとのネットワークと密接に連携しながら、区としての対応が求められるケースや課題の解決を図っていきます。また、区のまちづくりと連動しながら、地域性を活かした独自の施策や地域福祉活動を推進していきます。

(4)全市

 複数小学校区や区からの課題を集約し、全市的な共通課題として検討を行い、市のまちづくり全体とも整合性を図りながら地域福祉をすすめていくための施策化や、活動の全市的な展開などを推進していきます。

 また、市だけでは解決できない課題への対応について、周辺自治体や府などと協力しながら取り組んでいきます。

地域福祉をすすめるエリアのイメージ図

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健康福祉局 生活福祉部 地域共生推進課

電話番号:072-228-0375

ファクス:072-228-7853

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所本館7階

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