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第3章 地域福祉推進のために“ともに"取り組むこと

更新日:2012年12月19日

 第2章の「地域福祉をすすめていくうえでの基本的な考え方」をふまえて、堺市の地域福祉をすすめていくために、わたしたち(市民・団体、事業者、堺市社会福祉協議会、市)が協力し、それぞれの特長を活かして役割をみんなで分担しながら、第2次計画の5年間にともに取り組んでいくことの柱を、つぎのように定めます。

【柱 その1】 「地域福祉への参加と協働をいっそうすすめよう」
【柱 その2】 「地域生活を支えるしくみを充実しよう」

 この章の内容は、策定懇話会のメンバーが、互いに協力しながら取り組みたいと考えてきたことをもとにしています。

 多くの人や団体などに呼びかけながらこの計画をすすめていくなかで、それぞれが「できること・したいこと」を実施計画として積みあげながら、いっそう広がりのある取り組みを“ともに”すすめていきましょう。

1.地域福祉への参加と協働をいっそうすすめよう

【基本的な考え方】

 人々の価値観や、社会的なサービスへのニーズが多様化しているなかで、まちづくりや公共的な活動・事業をすすめていくには、みんなが参加し、ともに協力してすすめていくことが不可欠となってきました。

 地域福祉は、わたしたちが地域で暮らしていくうえでの困りごとを解決するために、市民・団体や事業者・堺市社会福祉協議会などが先駆的に活動や事業を実践しながら育んできました。それらの蓄積を活かしていくことで、まちづくりのさまざまな分野で広がっている市民参加・市民協働の取り組みとも連動しながら、堺市における参加と協働のしくみづくりをすすめていくうえでのひとつのモデルとしての役割を担っていきます。

 そして、地域福祉の目標である「だれもが安心して心豊かに暮らせるよう生活のさまざまな困りごとを解決するしくみづくり」や、その基盤となる「魅力のあるまちづくり」に、ひとりでも多くの市民やさまざまな団体、事業者などが参加し、協働して取り組んでいきます。

 また、市は、市民・団体、事業者、堺市社会福祉協議会などの主体的な取り組みがすすめやすいよう、基盤整備や支援を行うとともに、市民との効果的な協働事業がすすめられるように、仕事のやり方や職員の意識を変えていきます。

【推進方策】

(1)地域福祉活動への参加と活動への支援を充実しよう

1)地域福祉活動への関心や理解を広げよう

【1】地域福祉を知ろう

一人ひとりが「福祉」を自分自身の生活に関わる大切なものと理解し、支えあいの気持ちをもって地域福祉をすすめる活動に参加できるように、互いに呼びかけたり、地域福祉活動に関する情報を発信します。

これらの取り組みは、今後の担い手として期待される若い世代や団塊の世代の人たちに、重点的に呼びかけていきます。

【2】地域福祉を学ぼう

地域福祉活動について、多くの市民の関心と理解を深めるため、地域福祉セミナーをはじめとする多様な学習機会をつくります。

子どものころから地域や福祉に関わる意識を自然に身につけることができるように、学校、保護者、地域の人と堺市社会福祉協議会などの専門機関が協力して、福祉教育を推進します。

学習の内容は、実際の地域福祉活動を体験したり、自ら考え、実践につながるものにしていきます。

【3】地域の課題について話しあおう

だれもがあたりまえに暮らせる社会づくりをめざした「ノーマライゼーション」や、さらに積極的な視点で、社会的に弱い立場にある人々を社会の一員として包み支えあう「ソーシャルインクルージョン」の理念を基本に、地域での生活課題について、情報や思いを共有しながら考え話しあう場を、地域やテーマごとに呼びかけてつくります。

話しあいを効果的にすすめていくために、地域福祉の専門職などが参加していくとともに、市民がファシリテーション(発言を促したり話の流れを整理しながら、話しあいを促進すること)の考え方や技術を身につけられるように取り組みます。

2)みんなが地域福祉活動に参加できるようにしよう

【1】活動のきっかけをつくろう

思い立ったときに気軽に地域福祉活動に参加できるように、ボランティア相談窓口などのコーディネート(つなぎ)の機能を高めていきます。また、地域で活動している団体や福祉施設もつなぎ役を担い、身近なところで活動にふれることができるようにします。

地域福祉活動に関わっている人たちの参加を得ながら、活動に必要な知識や技術を身につけるための講座や研修など、活動に参加するきっかけとなる機会を増やしていきます。

【2】いろいろな活動の場をつくろう

子どもや若者からシニア世代まで、だれもが参加しやすい活動の場を増やします。そのなかで、それぞれの経験を活かしたり世代間交流ができる活動の機会をつくっていけるように取り組みます。

ご近所の方を少し気にかけたり、日常的に支えあうなど、気軽にできる活動があることを周知します。

高齢や障害・難病などにより支援を受けることが多い立場の人も担い手となって参加できるように、当事者団体と連携して、活動の場づくりや活動を支援するしくみづくりをすすめます。

働いている人も地域に貢献できるように、企業などによる活動もすすめていきます。

NPO法人などの活動や、地域の人材や資源を活かしたコミュニティビジネスなど、有償の活動についても推進します。また、これらの活動が若者をはじめとするさまざまな人の働き方のひとつとなることをめざしていきます。

堺市内のNPO法人、ボランティア団体数の推移のグラフ

3)活動している人や団体を支援しよう

【1】活動に関する情報を得たり、学んだりする機会を充実しよう

地域福祉活動などに関するさまざまな情報を出しあえるように、情報共有のネットワークづくりをすすめます。

ホームページやメールマガジンなどとあわせ、だれにでもわかりやすい紙媒体などを効果的に活用しながら情報発信します。これらの情報に伝え手としての「人」が関わることで、わかりやすく伝えられるように取り組みます。

活動している人たちが自信をもって活動でき、さらにレベルアップが図れるように、互いが交流できる場など、継続的・発展的に研修できる機会をつくります。

【2】活動の拠点を増やそう

さまざまな活動の拠点として利用できる場を地域ごとにつくったり、既存の施設などを効果的に活用していくためのルールづくりについて話しあうなどの取り組みをすすめます。

【3】活動に必要な資金を確保しよう

地域福祉活動をはじめ、市民活動を推進するため、「地域福祉活動助成金」、「区の魅力づくり市民自主事業助成金」、「堺市市民活動支援基金」などの活用をすすめます。

「堺市地域福祉推進基金(ふれあい基金)」、「堺市市民活動支援基金」、堺市社会福祉協議会の「福祉ボランティア基金」などの地域福祉活動や市民活動を支援する基金の目的や使途をPRする取り組みに力を入れ、活動を支援する寄付への理解と協力が広がるように取り組みます。

市民活動に関するさまざまな助成金が効果的に活用されるように協議する場をつくり、評価のしくみも含めて検討をすすめます。

【4】活動を円滑にすすめるための専門的な支援を充実しよう

地域福祉活動に多くの市民や団体が参加し、互いの理解を深めながら協力して取り組みをすすめたり、各々の活動計画づくりなどを支援するため、堺市社会福祉協議会などの専門機関による支援(コミュニティワーク)の体制や機能を強化します。

福祉に関する専門機関や施設、大学の教員や学生などが、知識や技術を活かして地域福祉活動への支援を行っていくように取り組みます。

市民活動をすすめるための「協働」に関するアンケートの結果から のグラフ1

 上記のアンケートは、今回の計画策定の基礎資料とするために、平成20年1月に実施したもので、つぎの2種類のアンケートを行いました。

【1】市民活動をすすめるための「協働」に関するアンケート

調査対象:
市内のNPO法人、さかいボランティア連絡会登録団体
(有効配布数=360件、有効回収数=172件、有効回収率=47.7%)

【2】地域ケアを推進する相談支援のしくみづくりに関するアンケート

調査対象:
地域包括支援センター、在宅介護支援センター、障害者(児)生活支援センター、民生委員児童委員、区役所地域福祉課などの相談支援窓口
(配布数=278件、有効回収数=188件、有効回収率=67.6%)

※地域ケアとは、高齢・障害などさまざまな要因で生活に支援が必要な時も、地域資源を活用して、地域で自分らしい生活ができるようにすることです。

※このページ以降に何ヵ所かアンケート結果を掲載していますが、いずれもこのアンケートの結果です。

(2)協働による活動をすすめるしくみを強化しよう

1)さまざまな団体が的確に協働できるしくみをつくろう

【1】協働のための出会いや話しあいの場を増やそう

市民やさまざまな団体が情報を共有しながら、協働の目的を理解するための話しあいの場(ラウンドテーブル)づくりを、地域やテーマごとにすすめます。

話しあいには、自治会などの地域団体、ボランティア団体、NPO法人、当事者団体、専門相談機関、事業者などの多様な組織や個人が参加できるように互いに呼びかけ、それぞれの特長を活かした協働の活動にしていきます。

話しあいの場への参加を促進するため、多様な組織が協働の必要性や大切さについて理解を深められるように、学習機会を増やします。

【2】協働で活動をすすめるためのしくみやルールをつくろう

協働で活動するにあたっては、互いがもつ情報や理念・目的などを的確に共有 し、企画やすすめ方を検討していくよう、協議の場をつくり、主体性をもって対等な立場で提案・検討し、活動内容や手法などを定めて取り組みます。

協働での活動の進捗状況や成果を互いに評価しあうための協議を推進します。

協議を円滑にすすめるための「つなぎ役」のしくみづくりをすすめます。

市民活動をすすめるための「協働」に関するアンケートの結果から のグラフ2

2)市民と行政の協働による活動をすすめよう

【1】市民と行政が協働してすすめる活動を増やそう

行政が行う活動のなかで、市民と協働することで効果的・効率的な実施が可能となるものについては、市民への協働の呼びかけを積極的に行います。

市民の自主的な活動のなかで、公共性が高く、行政と協働することでより効果的な取り組みとなるものについては、市民から行政に対し積極的に提案します。

市民が行っている活動のなかで、公的な位置づけですすめていくべきものについては、その活動を支援するかたちでの協働を推進します。

協働の活動を継続的・発展的にすすめるために、経費負担のあり方などについて協議を行います。

【2】市民と行政の協働をすすめるために行政のしくみを見直そう

柔軟性や機動力など市民活動の特長を活かした協働をすすめていくよう、事務的な手続きの簡略化などの行政のしくみの見直しについて、市民の意見を聴いて検討を行います。

市民と行政の協働を幅広く推進するため、行政内の連携の推進や職員の意識変革に取り組むとともに、互いに評価しあうしくみを構築します。

市民活動をすすめるための「協働」に関するアンケートの結果から のグラフ3

2.地域生活を支えるしくみを充実しよう

【基本的な考え方】

 第2次計画では、「地域で生活していくうえでの福祉課題を、地域に関わるさまざまな人の協力により、身近なところで解決するしくみ」を確立し、だれもが住み慣れた地域で暮らし続けられるように支えていくことを、最重点課題と位置づけます。

 これまでの福祉は公的な制度にあてはめて支援を行うことが基本でしたが、制度の狭間やちょっとした困りごとなど制度外のニーズが増えてくるなか、地域福祉の視点で地域の資源を組みあわせたり、新たな支援のしくみをつくることが必要になってきています。

 そのため健康福祉分野を中心として、地域生活を支えるさまざまな事業や活動を行っている「公」、「民」の人々が集まり、それぞれの力を活かして協力することで効果的に支援ができるしくみをつくっていきます。

 また、このしくみをきちんと機能させるために、一人ひとりのニーズを把握し、必要な支援につないだり、ニーズに的確に対応できる事業・活動を確保できるように、個々の取り組みのレベルアップを図ります。そして、制度の枠にとらわれないきめ細かな支援を行っていけるよう、市民が地域福祉を自分自身のこととしてとらえ、互いに支えあえる主体的な取り組みを推進します。

 一方、多くの人が協働して地域福祉をすすめていくうえでは、その「場」としてのまち自体が、だれもが住みやすく、安全で便利に生活できる環境であることがひとつの重要な条件となります。そのために、まちのバリアをなくしたり、移動や外出を支援するサービスが充実した、安心して暮らせる「福祉のまちづくり」を、市民や事業者などの理解を得ながら推進します。

 そうした取り組みのなかでも、災害時に安全に避難できることは、安心なまちづくりをすすめるうえで特に大きく緊急な課題です。いざというときに支えあえるには、身近な地域での日頃からのつながりづくりが大切であるため、互いに助けあう福祉コミュニティづくりの推進に取り組んでいきます。

【推進方策】

(1)地域生活の支援を推進するしくみを構築しよう

1)地域生活の支援を推進するしくみをつくろう

【1】地域生活の支援をすすめるために、みんなで話しあう場をつくろう

地域生活の支援のしくみづくりをすすめるために、市民・団体、事業者、堺市社会福祉協議会、市など、地域福祉に関わる人々の話しあいを、取り組みの内容に応じたエリアごとにすすめます。

小学校区において、自治連合会・校区福祉委員会・民生委員児童委員会などの地域に密着した組織のいっそうの連携をすすめていくとともに、地域で活動しているボランティア団体・NPO法人・当事者団体などの参加も得て話しあいをすすめます。

小学校区の活動だけでは対応しにくい課題には、専門的な取り組みを行っている団体・機関・事業者や行政と連携して取り組んでいくように、複数小学校区や区ごとで話しあいをすすめます。

地域からの課題や提案のうち、堺市全体の地域生活の支援のしくみや施策などに反映することが望ましいものについては、全市レベルでの協議や検討をすすめます。

これらの話しあいは、すでに行われているさまざまな会議の活用や再構築も含め、効果的にすすめていきます。

【2】話しあいを円滑にすすめるしくみをつくろう

各エリアでの話しあいを円滑にすすめるため、調整役やつなぎ役を担う地域福祉のキーパーソンの配置をすすめます。

事業者や専門機関の職員などがファシリテーション(発言を促したり話の流れを整理しながら、話しあいを促進すること)の考え方や技術を身につけるように、研修を行います。

【3】話しあいの成果を、地域生活の支援を推進するしくみに活かそう

話しあいを通じて、課題や目標を共有するとともに、取り組みの成果やノウハウを蓄積・マニュアル化し、地域生活の支援を推進するしくみに活かしていきます。

共有された課題のうち、制度的な対応が求められるものについては、全市レベルでの検討会議を通じて施策化をすすめます。

(2)一人ひとりのニーズに的確に対応できる支援を充実しよう

1)必要な人に必要な情報を的確に届けよう

【1】地域福祉に関する情報を集めて、発信するしくみをつくろう

地域生活の支援をすすめるための話しあいに、地域福祉に関する制度やサービス、市民や事業者による活動などさまざまな情報をもちより、共有するとともに、それぞれのネットワークを活かして発信していきます。

インターネット・メール・FAXなどの媒体の活用や、ガイドブックや福祉マップの作成など、わかりやすく伝える情報づくりをすすめます。

【2】必要な情報をきちんと伝えよう

一人ひとりに必要な情報を的確に伝えることができるように、地域福祉に関する相談窓口を周知し、気軽に利用できるようにします。

「人」が関わることで的確に情報を伝える取り組みをすすめます。同じ「市民」という立場や目線から、校区ボランティアビューローなどの地域の相談窓口できめ細かく情報提供したり、地域に出向いて情報を伝えたり、当事者のネットワークを活かすなどの取り組みを大切にします。

■ 校区ボランティアビューローとは? ~地域の身近な「交流の場」「情報の場」「相談の場」です~

 小学校区ごとに、地域会館などを利用して、定期的に開かれている地域の気軽な「拠点」です。特に用事がなくても、ふらっと立寄り、気軽におしゃべりができたり、必要な情報を得ることができたり、ちょっとした困りごとを相談できたりする場として、校区福祉委員会が、自治連合会、民生委員児童委員会の協力のもと開設しています。

 地域では、「サロン○○」「△△ルーム」などの愛称をつけ、地域の皆さんに親しまれるような工夫がされています。

 平成21年3月現在、64校区で行われており、平均週2回程度開かれています。

2)支援のニーズを確実に把握しよう

【1】地域の力をあわせてニーズを発見しよう

生活の困りごとやニーズに自分自身で気づいたり、周囲の人による発見機能を高めるため、地域福祉に関する情報提供の充実や学習・話しあいをすすめます。

支援が必要な人を発見したら、民生委員児童委員や校区ボランティアビューローなどの身近な相談窓口や専門相談機関につないで、適切な支援が受けられるようにします。また、地域の相談員や専門相談機関が、支援が必要な人を訪問してニーズを把握する取り組みを推進します。

身近な地域でのニーズ把握の取り組みを支援するため、地域福祉のキーパーソンの配置をすすめます。また、専門相談機関が地域福祉のニーズを把握する役割を担えるよう、コミュニティソーシャルワーク(福祉的な支援が必要な人への相談支援を、地域に密着した視点で行うこと)の機能を高めていきます。

地域ケアを推進するための相談支援のしくみづくりに関するアンケートの結果から のグラフ1

【2】個人情報を適切に収集し、活用しよう

プライバシーを守りつつ個人情報を適切に共有することが、地域福祉をすすめるうえで大切であるという理解を深めるため、学習・話しあいをすすめます。

支援が必要な人をみんなで支えるために、本人の同意による個人情報の収集や登録のしくみをつくり、適切に管理しながら地域で共有する取り組みをすすめます。

■「個人情報」と「プライバシー」の違いは?

個人情報とは、特定の個人が判別できる情報のことをいいます。

【個人情報に該当する主な事例】

  • 本人の氏名
  • 生年月日、連絡先(住所・電話など)、会社の所属に関する情報について、それらと本人の氏名を組み合わせた情報
  • カメラなどに記録された本人が判別できる映像 など

 一方、プライバシーとは、「広辞苑第5版」によると「他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由」となっています。

3)気軽に相談できる体制をつくろう

【1】より身近なところで相談ができる窓口を増やそう

住民どうしで気軽に相談できる場として、関係機関や団体などとも連携しながら、校区ボランティアビューローを充実していきます。

専門相談機関や身近な地域の相談窓口の周知をすすめ、地域で生活していくうえでの困りごとを気軽に相談できるようにします。

【2】より的確な相談支援ができるようにしよう

一人ひとりのニーズに応える相談支援をすすめられるように、専門相談機関や事業者、民生委員児童委員や校区福祉委員、当事者などの知識や技術をいっそう高め、連携を強化して継続的・総合的な支援ができるよう、研修や専門家による指導(スーパービジョン)を行う体制づくりに取り組みます。

相談支援のネットワークを強化するうえで、専門機関や地域で相談活動をしている人などのつなぎ役・調整役を担う地域福祉のキーパーソンの配置をすすめます。

専門相談機関の職員が地域福祉の視点で多様な相談に応じたり、つなぎ役・調整役を担っていくよう取り組んでいくとともに、専門相談機関のあり方や再構築などについて検討していきます。

地域ケアを推進するための相談支援のしくみづくりに関するアンケートの結果から のグラフ2

4)一人ひとりのニーズに応じた自立生活の支援をすすめよう

【1】地域での自立生活を支援するサービスや活動を充実しよう

高齢・障害・子育てなどの福祉サービスが、身近な地域で利用でき、また、地域とつながりをもって自立して生活できるような支援となるように、サービス内容を充実していきます。

一人ひとりのニーズにきめ細かに応じる支援をすすめるため、ボランティアや当事者などの市民の主体的な地域福祉活動を、福祉サービスと連動しながら推進します。

判断能力が十分でない人の権利を擁護するため、相談にのったり思いを代弁するなどの機能を高めるとともに、日常生活での支援や成年後見制度(42ページを参照)が利用しやすいしくみづくりをすすめます。

【2】新たなニーズに対応したサービスの開発をすすめよう

制度の狭間にあるニーズに対応するため、相談支援やサービス提供、地域福祉活動に関わる人々が協議しながら、地域の資源を活かした新たなサービス開発に取り組みます。

【3】福祉サービスを担う人材を充実しよう

住み慣れた地域での自分らしい暮らしを支える福祉や介護の質を高めるため、これらのサービスを提供する人材の充実や確保に取り組みます。

地域福祉活動に、より多くの市民が参加できるように、呼びかけや参加のきっかけづくりをすすめます。

よりよい福祉サービスの提供が行えるように、研修や情報の共有などに積極的に取り組みます。

(3)地域福祉のコミュニティづくりと支えあい活動を推進しよう

1)ふれあいのある福祉コミュニティをつくろう

【1】人と人がつながり、みんなが参加する地域をつくろう

自治会などの地域組織や地域福祉に関わる人々が中心となって、普段からあいさつや会話ができるつながりのあるコミュニティづくりにみんなで取り組みます。

だれもが気軽に参加し、交流できるイベントやサロン活動を、身近な地域で推進します。また、地域とつながりをもってほしい人には、個別にイベントやサロン活動などへの参加をはたらきかけるなど、きめ細かなつながりづくりに取り組みます。

福祉コミュニティの基盤である自治会などの地域組織への加入や、活動への参加を呼びかけるとともに、福祉コミュニティづくりの視点から活動の活性化に向けて取り組みます。

【2】身近な地域での地域福祉についての理解と参加をすすめよう

一人ひとりが福祉を自分自身のこととして理解するとともに、人を思いやる「あたたかいハート」をもつ人を増やしていくことをめざして、学校や地域での福祉教育を推進します。

支えあいの気持ちをもって地域福祉活動に参加できるように、互いに呼びかけたり、学習や話しあいをすすめます。

そうした学習や話しあいを通じて、地域には性別や年齢、国籍など、それぞれに違いや個性をもったさまざまな人が暮らしていることを理解し、互いが尊重しあって共生する意識をだれもがもてるように取り組みます。

2)身近な地域で日常的な支えあいをすすめよう

【1】さりげなく見守ったり声をかけあう地域の輪を広げよう

互いのプライバシーを大切にしながら、さりげなく見守ったり、声をかけあったり、互いに助けあえる意識を多くの人がもてるように、みんなで取り組みます。

見守りや声かけの活動を効果的にすすめるために、地域の人々や専門機関などが連携した支援のネットワークをつくります。

■ ちょっとの工夫や思いやりで、日常的な支えあいが広がります

買物や水やりの時間を、子どもの登下校時間にあわせます

一人暮らしの方の家を、新聞がたまったままになっていないか、昼間なのに明かりがついたままになっていないか、そっと見守ります

階段や坂道などで荷物が重くて困っている方を見つけたら、手助けが必要か、声をかけます

3)多様なニーズに応える地域福祉活動をすすめよう

【1】地域の福祉に関するさまざまなニーズに応える活動をすすめよう

地域で生活していくうえでのさまざまな困りごとを支援しあうために、公的なサービスでは対応できていないこと、市民がした方が効果的なことなどを、地域福祉活動として積極的にすすめます。

だれもが受け手であると同時に担い手になるという地域福祉の視点に立ち、支援を受けることが多い立場の人達が地域福祉活動に参加し、互いに支えあったり、地域とつながる活動をすすめられるように取り組みます。

【2】地域福祉活動のネットワークを強化しよう

自治会や校区福祉委員会、民生委員児童委員会は、地域福祉を推進する要の団体として互いに連携を強化し、地域福祉を推進します。これらの地域組織とテーマ型の活動を行っているボランティア団体・NPO法人など、地域福祉活動を行っている多様な団体が互いに交流し、さらに活動を充実していくように協力して取り組みます。

【3】地域福祉活動への支援を充実しよう

市民による地域福祉活動をいっそうすすめていくために、活動の基盤整備や地域のさまざまな情報、拠点、資金などを活かした支援をすすめます。

(4)災害時に支えあえる安心なまちづくりを推進しよう

1)地域で災害時に支えあう意識づくりや日常の取り組みをすすめよう

【1】災害時の支えあいについての意識を高めよう

一人ひとりが災害に関する意識や知識を高め、災害時の地域での支えあいの必要性についても理解を深めるよう、情報を発信したり、学習活動をすすめます。そのなかで、災害時の避難に支援が必要な人についての理解も深めていきます。

災害時の被害を少なくしたり、避難が必要な場合に的確に対応するため、一人ひとりや家族の間で、日頃から災害に備えた準備をすすめます。

■ いつかは来る災害に備えよう いざ!という時に必要なもの(一次持ち出し品)チェックリスト

□現金(小銭を忘れずに) □健康保険証のコピー □飲料水
□非常食品(高カロリーのチョコレートも) □携帯ラジオ
□懐中電灯(手巻き式発電機とラジオ、ライト、携帯電話充電器などが一体になった非常用グッズも市販されている)
□履物(厚底の靴がベスト) □軍手
□ライター □古新聞 □多機能ナイフ
□タオル □ウェットティッシュ
□トイレットペーパー □ビニール袋
□キッチンラップ □応急医薬品
お年寄り・赤ちゃん・女性用
□入れ歯 □杖 □紙おむつ □粉ミルク
□ほ乳ビン □生理用品

【2】災害時に地域で支えあえるしくみをつくろう

災害時に身近な地域で助けあえるように、自治会や班などの身近な地域での防災組織の取り組みをいっそう推進します。また、いざというときに機敏に対応ができるよう、日頃からの話しあいや訓練などをすすめるとともに、一時集合場所や避難経路などの周知を図ります。

災害時の安全な避難などに関する情報を効果的に活用できるように、防災マップづくりをすすめます。

【3】災害時に対応できるボランティア活動をすすめよう

堺市社会福祉協議会が推進している「災害ボランティア」への事前登録をすすめます。

災害時には、市内外のボランティアの協力を得ながら支援活動を効果的にすすめるため、災害ボランティアセンターがすみやかに開設できるよう、日頃からの準備をすすめます。

2)災害時に支援が必要な人が安全に避難できるしくみや支援の体制をつくろう

【1】災害時に支援が必要な人を的確に把握し、支援ができるしくみをつくろう

地域の防災組織と協力し、また福祉コミュニティづくりと連動させながら、地震や風水害などの災害時の避難や避難所での生活に支援が必要な人を地域で支えるしくみづくりに取り組みます。

災害時に支援が必要な人を地域で把握するように、本人の了解を得て個人情報を登録・共有するしくみづくりを推進します。この取り組みは、自治会や民生委員児童委員会などの地域団体と当事者団体などが協力し、互いのネットワークを活かして呼びかけるなど、効果的にすすめていきます。

災害時に支援が必要な人の情報については、個人情報・プライバシー保護の観点から、情報が的確に管理できるしくみ・ルールづくりや情報管理に関する意識を高めるための研修などに取り組みます。

災害時に支援が必要な当事者をまじえ、日頃からの話しあいや訓練、避難生活に必要な準備をすすめます。これらの取り組みは、高齢者、障害者、難病などがある人、子育て中の人などのニーズに的確に対応できるように、各々の専門機関や当事者団体などが協力し、災害時に的確に対応できるしくみづくりを地域と連携してすすめます。

【2】安全に避難生活がおくれる環境を整備しよう

支援が必要な人が安心して避難生活をおくれるように、避難所のバリアフリー化や必要な資機材などの備蓄をすすめます。

一般の避難所での生活が困難な人のための福祉避難所を、公共施設や福祉施設などを活用して整備をすすめ、コーディネート(医療機関への入院や福祉施設への入所などのふりわけや調整)ができるしくみづくりに取り組みます。また、専門機関や事業者などの協力も得られるよう、ネットワークづくりをすすめます。

3)安全で安心して暮らせるコミュニティをつくろう

【1】あいさつや会話を交わす「顔がみえる地域」をつくろう

普段からあいさつや会話を交わす「顔がみえる地域づくり」をすすめ、防犯活動をはじめとした安全なコミュニティづくりに活かしていきます。

【2】みんなが連携して見守る活動をすすめよう

弱い立場に置かれがちな高齢者や子どもなどの安全を守るため、本人や家族が意識を高めるとともに、地域全体で見守っていけるように、みんなが協力して取り組みます。

高齢者などを消費者被害から守るため、近所の人や民生委員児童委員、ヘルパーなど、身近に関わる人が見守るとともに、消費生活センターとも連携して取り組みます。

4)移動や外出がしやすいまちをつくろう

【1】バリアフリーのまちづくりをすすめよう

だれもが安全で快適に移動や外出ができるように、通路に自転車や荷物など移動の障害となるものを放置しないなど、一人ひとりが心がけます。

道路や建築物などの段差をなくしたり、高齢者・障害者・難病などがある人をはじめ、だれもが利用しやすい設備を設置するなど、まちのバリアフリー化・ユニバーサルデザイン化の取り組みを、みんなが意識し協力してすすめます。

防災のためのマップづくりなどとも連動させながら、市民・団体、事業者、関係機関などが参加したバリアフリーに関する点検活動などに取り組みます。

【2】移動や外出への支援を充実しよう

地域で生活していくうえでの条件のひとつとして、買物や通院、社会参加などが支障なくできるように、移動や外出への支援に関する事業や、市民・団体、事業者などによる活動を推進します。

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