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平成28年度第2回(平成28年7月27日開催) 前回未回答質問への法人回答

更新日:2016年10月19日

前回未回答質問への法人回答

杉本委員長

 それでは、議事に入る前に、前回会議における各委員からの質問に対する回答や補足説明を、法人にお願いしたいと思います。

花房院長

 病院機能に関するところについては院長より回答いたします。
 まず、二次救急について、地域の医療機関とのバランスはどうなっているのかというご質問がありましたが、救急搬送受入件数のうち、三次救急は約500件、二次救急は約50件増加しており、二次救急の受入れが大幅に増加した訳ではありません。他の病院においても救急搬送受入件数は概ね増加傾向であり、当院だけが件数を増加させたということではないので、地域とのバランスは保たれていると考えています。
 次に、こども急病診療センターから当院への紹介患者数について、紹介数は増えています。やはり隣接されたことと、当番病院として週5日受入れていることが影響しています。他の病院においても概ね紹介数は増加していますので、これについてもバランスよく紹介されていると考えています。
 小児救急搬送件数については、移転の影響で1カ月間はかなり受入れが減少しました。ただ、その1カ月を除けば月平均113件を受入れているので、前年度とほぼ同数で推移しています。分娩件数についても、平成27年8月以降からは月平均38.6件と前年度より若干増えている状況です。また、OGCS(産婦人科診療相互援助システム)で、当院から他院への搬送件数は前年度46件から51件に増えています。そのうち、約6割は地域周産期母子医療センターであるベルランド総合病院、約3割は総合周産期母子医療センターである大阪府立母子保健総合医療センターへ搬送されています。
 がんへの対応の高額医薬品の使用量について、注射や内服薬を含め多いものでは前年度から3倍以上に増えています。特に、オプジーボ(免疫チェックポイント阻害薬)は昨年度14瓶の使用がありました。放射線治療件数については、移転の影響が非常に大きく、最新鋭の放射線治療装置の調整に5、6カ月の時間が必要で、この間は治療が行えず、10月から徐々に稼働を始めました。そのため、件数の減少はやむを得ないと考えています。また、化学療法のレジメン(抗がん治療計画書)の件数が減っているとのご意見がありました。確かに注射薬のレジメンは減っていますが、内服治療の件数が増えています。これは、がん治療の内容が変化しているからです。移転の影響があっても、がん患者数を減少させず悪性腫瘍の手術件数を増加させているので、がんに対して多方面から治療が行われているということになります。そして、当院の認定看護師が受賞したがん研究助成報奨金について、これは大阪府対がん協会ががんの研究に取り組む若手の研修者・医療従事者を対象として毎年実施しているものです。この研究実績を通じて、がん看護の質向上と、がんを患っても安心して暮らせる社会の構築に寄与しています。
 続いて、医療安全について、インシデント、アクシデントの報告数を増やすことが医療安全に繋がり、リスクを未然に回避できることから、当院としてはレポートの提出を奨励しています。総数は前年度とほぼ同数ですが、特に医師からの報告を強く促したことで医師からの報告数が約2倍に増加しています。また、医療安全管理室便りを年34回、月3回程度発行し、掲示板等に掲示して全職員が見やすいようにしました。職員からは目にする機会が増えてよかったと好評でした。
 最後に、地域での医療従事者の育成について、当院の研修プログラムが、近畿厚生局と卒後臨床研修評価機構から認定書をいただきました。オンライン臨床研修評価システム(EPOC)の導入、各職種が評価する360度評価の実施、シミュレーションセンターの充実、研修医専用のグラム染色室の設置が評価されました。そして、研修医による学会発表件数が前年度の2倍以上に増えたことも高く評価されています。その結果、初期研修医の定員を7人から9人に増やすことができました。また、看護学生受入数の減少についてのご意見がありましたが、これは移転の影響が大きく、6月から7月にかけての6週間はやむを得ず受入れを中止しました。今年度は従来通り受け入れる予定です。

寺口本部長

 続きまして、法人本部より回答いたします。
 外来収入について、収入全体で見ますと、前年度比で月額3,000万円ほど増加しています。この増加分のうち約6割は注射薬剤、投薬薬剤、血液製剤などによるものです。投薬が増加したのは、当院がHIV拠点病院であること、また、化学療法による治療方法が入院から外来へ変化してきていることがあげられます。
 そして、前年度との決算比較について要因が違い過ぎて分かりにくいとのご意見がありましたので、改めてご報告させていただきます。平成27年度予算は、最終的な収益的収支を赤字16.7億円と想定していましたが、結果として21.4億円の赤字となりました。しかし、移転という特殊要因による赤字7.1億円を除くと赤字14.3億円となり、これと計画を比較すると2.4億円の改善となります。入院収益等については大幅に増加しましたが、費用も多くかかっている状況です。人件費については元々増加を見込んでいましたがそれでも目標を5.6億円ほど上回りました。材料費は元々低くめに見積もり、それを補うため収入も低く見積もっていましたが、収入が予想以上に増加したため計画と比較すると結果的に大きな増額となっています。また、この項目で唯一達成できていない経常収支比率ですが、一時的な特殊要因を除くと92.3%となり、計画の93.2%に到達はしないもののかなり近しい比率となります。
 次に患者サービス向上について、エントランスの人員配置は、コンシェルジュ正職1人、契約2人、ベルパーソンを委託で1人となっています。その他の職員には、午前中の外来患者が多い場合、積極的にフロント業務を行ってもらっています。また、新入職員の新任研修として4月から7月にかけて交代制でフロント業務を経験していただいております。新病院開院に際しては、多数の人員でサービスに対応する必要がありましたので、このような配置を行いました。開院してから1年が経過し、病院の業務も落ち着いてまいりましたので、今後は人件費について適正な配置を検証し、職員数を決めていきたいと思います。また、新病院に対する患者、市民の方からのご意見内容について、まず良いご意見として、親切な対応、待ち時間の短縮、コンビニエンスストアやカフェのアメニティの充実、Wi-Fi環境の整備などを評価していただいております。悪いご意見としては、入院付き添い時の駐車料金が高いこと、トイレの汚れ、食事の味付けが薄すぎるなどがありました。なお、駐車料金については、外来や手術の付き添いは5時間までは200円と低額に設定することで、ご不満の意見はかなり減少しています。また、旧病院でよくご意見があった駐車がしづらいという点に関しても、新病院では解消されるよう病院建設の際に配慮しました。
 CC(臨床症例検討会)、CPC(臨床病理検討会)の開催状況については、院内での開催が多い状況でした。院外CCの参加人数は、平成26年度が112人、平成27年度が75人で減少しています。院外CPCの参加人数は、平成26年度が25人、平成27年度が29人で若干増加しています。
 また、産休、育休の取得者の状況について、平成26年度は、全職員数1,102人のうち女性職員が808人、産休取得者は25人、育休取得者は23人です。平成27年度は全職員数1,206人のうち女性職員は895人、産休取得者は35人、育休取得者は32人です。妊娠時、出産前、復職前には面談を行い、院内保育所では年度途中の入所を可能にするなど、ライフスタイルに合わせた復職を支援しています。ご質問の回答は以上です。

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