市長記者会見 令和8年8月13日
更新日:2026年8月20日
市長
本日の案件としましては、2点、物価高騰対策、そしてプレコンセプションケアの推進です。
物価高騰の影響を受けやすい市民及び事業者への支援
まず、物価高騰対策からお伝えしたいと思います。これまで堺市として物価高騰の影響を受けやすい市民や事業者の皆様を支援するために、国の臨時交付金等を活用しながら様々な角度から検討して進めてまいりました。一例としまして、昨年12月の補正予算では、水道料金の減額、また今年度当初予算では、中学校給食費の無償化を含め、約49億円の物価高騰対策を実施しています。そして本日、新たに8月補正予算として提案をいたします、約2億6000万円の物価高騰対策についてご紹介したいと思います。
まずは、物価高騰の影響を受けやすい市民の皆様への支援策です。1点目としまして、児童扶養手当受給世帯に対するギフト券の支給です。ひとり親世帯など、児童扶養手当を受給する方々への生活の支援として、令和8年10月分の児童扶養手当を受給する方にギフト券をお渡しいたします。ギフト券は普段の買い物などに広く使えるように、スーパーや量販店をはじめ、全国の加盟店で利用できるものを予定しています。支援額は全部支給の世帯に3万円、そして一部支給の世帯は2万円としています。ギフト券の調達や発送を行う事業者選定などを経て、12月下旬から支給開始予定としています。
そして、2点目です。歳末生活困窮者緊急相談会を通じた生活支援です。年末に向けて生活に不安や困り事を抱える方々を必要な支援につなげるため、各区役所の保健福祉総合センターや生活困窮者支援機関などの専門職による相談会を実施します。それぞれの状況をお聞きしながら、適切な支援制度や相談機関をご案内しまして、併せて、お米や洗剤などの食料品、日用品をお渡しいたします。相談会の開催は12月5日、12日、13日を予定しておりまして、10代や20代の若い世代は行政との接点が少なく、支援機関や相談窓口につながりにくい傾向がありますので、3日間のうち1日は若年層を対象として、早い段階での必要な支援につなげたいと考えています。
続いて、事業者への支援です。1点目は、こども食堂に対するプリペイドカードの支給です。堺市内では現在、約120か所のこども食堂が運営されておりまして、食事の提供だけではなく、安心してこどもが過ごせる居場所としての役割も担っています。堺市では、こども食堂の運営団体と堺市社会福祉協議会で構成する「さかいこども食堂ネットワーク」を通じて、情報共有や交流会の開催、関係機関との連携など、こども食堂の活動の輪を広げ、支えています。今回、こども食堂の活動を支援するため、「さかいこども食堂ネットワーク」に加盟する運営団体に、開催回数や参加人数に応じた金額のプリペイドカードを支給します。それぞれのこども食堂の活動状況を把握した上で申請を受け付け、プリペイドカードの発注など準備を進め、12月中に支給を始める予定です。
続いて、農業者に対する支援金の支給です。堺市では、市内で生産された農産物の魅力を広く知っていただき、地産地消を推進するため、野菜や果物、お米など、「堺のめぐみ」としてブランド化しています。今回は堺のめぐみをはじめとする市内農産物の生産継続に向けて、堺市内に在住または市内で農業を営み、販売実績のある農業者を対象に支援金を支給します。支援額は、販売金額等に応じて1万円から210万円としておりまして、申請受付は10月下旬から開始予定です。
最後に、中小企業者に対する保証料の全額補助です。堺市では、中小企業の経営の安定に向けて、売上げの減少など、資金繰りが苦しい中小企業者を対象として、堺市経営安定特別資金融資を設け、必要な事業資金の調達を支援しています。また、一定の中小企業者が本制度を利用する場合に保証料を全額補助しています。令和8年度、当初予算を計上した際は、一定以上の賃上げを行う中小企業者が対象でしたが、今回、中東情勢の悪化や原油価格高騰の影響を受ける中小企業者も新たに対象とします。申請受付は9月を予定しています。
以上、国の交付金を活用して、5つの堺市独自の支援策を実施します。今後も国の動向等を注視しながら、市民の皆様が安心して暮らすことができ、事業者の皆様も安心して事業活動ができるように、物価高騰の状況に応じて効果的な支援を実施したいと考えております。
プレコンセプションケアの推進に関する取組
続きまして、プレコンセプションケアの推進です。プレコンセプションケアとは、性別を問わず、適切な時期に性や健康に関する正しい知識を持ち、将来のライフプランを考え、日々の生活や将来を考えて健康管理を行う概念とされています。堺市では、市民の皆様が将来のライフプランを実現するために早い段階からご自身の健康と向き合うことができるように、プレコンセプションケアを推進しています。プレコンセプションケアは、妊娠や出産を前提とし、推奨するのではなく、それぞれの価値観に基づいて、自分らしい人生を選択できるように支援するものです。こちらの円グラフ、それぞれ乳幼児期から示しておりますが、乳幼児期や学童期は、基本的な生活習慣に加え、体や心の健やかな成長の基礎を育むことが重要です。また、青年期・成人期には、性や健康に関する知識を習得し、感染症の予防や妊娠・出産に関する健康課題、リスクなどについて理解を深め、将来のライフプランに応じた選択や準備を行うことが大切です。また壮年期、更年期には、生活習慣病の予防など、より健やかな生活につながる取組が重要です。プレコンセプションケアを推進するには正しい知識に加えて、悩みや不安を抱えた際に安心して相談できる環境が大切です。堺市では、各区の保健センターで相談体制を設けていることに加えまして、今年度から「おおさか性と健康の相談センター」の事業に参画し、それぞれの状況に応じて相談体制を整えています。体と性に関する不安や悩みは、助産師などの専門職員が相談に応じていまして、不妊症や不育症は、産婦人科医などの相談を通じて、身体的・精神的な負担の軽減につなげています。また、流産や死産などにより大切なお子様を亡くされた方には、専門の相談員がお気持ちに寄り添いながらお話をお伺いする周産期グリーフケアを実施しています。さらに、今年度から堺市の不育症検査費助成などの情報を「おおさか性と健康の相談センター」のホームページにて発信するなど、相談事業と支援制度の情報を併せて発信することで、支援を必要とする方々が窓口や制度につながりやすくなるように力を注いでいます。このように専門的な相談体制の充実と情報発信の強化に加えて、本日、新たに開始する不妊治療費の助成制度をご説明します。
令和4年4月から不妊治療の保険適用が始まり、治療を受ける方の経済的負担は一定軽減されました。一方で、保険診療と併せて先進医療を受ける場合は、費用は全額自己負担となります。市内医療機関への聞き取りによると、不妊治療を受ける方の約4割が先進医療を併用し、1回当たりの自己負担額は約20万円です。費用負担が大きく、経済的な理由から治療をためらうとの声が寄せられていることを踏まえまして、堺市では、こどもを持ちたいと望む方が安心して治療を受けられるように、不妊治療における先進医療の費用助成を始めます。対象は、保険診療で実施された生殖補助医療と併用して行われた先進医療で、今年の4月1日以降に開始した治療です。助成額は、先進医療に要した自己負担額の7割で、1回の治療につき5万円が上限です。申請の受付は10月1日としておりまして、堺市電子申請システムや保健センターで申請できます。市民の皆様がご自身の健康や将来を考え、必要な時に相談や支援につながることができるように、引き続きそれぞれのライフステージに応じて切れめのない支援を実施いたします。
私からは以上です。
質疑応答
(司会)
それでは、ただいまから質疑に移ります。挙手の上、社名を告げていただきまして、ご質問をよろしくお願いいたします。
ご質問のほう、いかがでしょうか。
(読売新聞社)
読売新聞の前川です。すみません、すごい細かい点になってしまって大変恐縮ですが、物価高騰対策のところでちょっと気になったところがございまして、児童扶養手当受給世帯ですとか、こども食堂を運営する団体さんとかにはプリペイドカードやギフト券という形での支給になっていると思うんですが、ほかのところだと補助金ですとか、支援金での支給になっているところがあるのですけど、この違いというのはどういった点からになるのでしょうか。
(市長)
今回、最も重視した点は、特に今厳しい状況におられる方々を支援したいという思いで検討してまいりました。その中で、例えば現金の支給であれば、今の児童扶養手当世帯の支給に関するシステムを変更したり、また確認等が生じることから、どうしても来年度以降になってしまう。8月の議会に提出しますので、議会で検討いただきたいのですが、それを経たとしても、来年度以降になってしまう。そうすると、今厳しい環境にあるにもかかわらず、半年以上も遅くなってしまうということがありました。その点、ギフト券であれば今年中、12月の支給が可能であろうというめどが立ちましたので、今回、広く使えることを念頭に置いておりますが、ギフト券の支給といたしました。また、こども食堂に関しては、これまでもプリペイドカードの支給を行ってまいりました。物価高騰であったり、コロナ禍であったり、様々厳しい環境にある時に応じて、プリペイドカードをお渡ししておりましたので、同じ仕組みが使えるということで、こちらも12月の支給ということでより早く、実効性のある取組ということで検討、実施することにいたしました。
(読売新聞社)
ありがとうございました。
(時事通信社)
時事通信の市原です。
不妊治療費の助成事業で伺いたいのですけども、助成額のところで10分の7、上限5万円ということですけども、先ほどのお話からすると、不妊治療を受けておられる方、大体1回当たり20万円自己負担をされているということで、10分の7だと上限にすぐに行ってしまうと思うんですけども、この辺の計算をどうやってこの額を割り出したのかというのを教えていただきたいのが1点と、40代の方は3回までとなっていますけども、これを6回じゃなくて3回にした理屈というか、根拠を教えてください。
(市長)
まず、上限に関しましては、今回初めてこの制度を堺市としても設けるということで、また自治体の事例等も参考にしてまいりました。また、今回実施をした結果、実際の実情に応じて、今後見直すことは想定されますが、今全国の政令市を見たところ、実施しているところはおおむね5万円程度が平均と認識しております。ぜひ今回また状況に応じて、今の実情と即しているのかというところも検討を進めたいと思っています。そして年齢に関しては、こちらも今の国の動向であったり判断によると、どうしても年齢が高くなればなるほど、妊娠の可能性は低くなる傾向にある、難しいというところから、この年齢制限と、また回数も設けているという状況です。担当者からもし補足があれば話してください。
(司会)
それでは所管局、お願いします。
(こども育成課)
こども育成課です。
ただいま市長が申し上げたとおりです。加えまして、年齢制限は保険適用の治療の際にもこの年齢設定をされておりますので、本市においても、この年齢を採用させていただきました。
以上でございます。
(司会)
他にご質問、いかがでしょうか。
(日本経済新聞社)
日経の高橋です。
今回の案件とは違うのですけれども、毎年2月、KIX泉州国際マラソンが開かれているかと思うんです。堺市はそこから抜けているんですけれども、なぜそこに加わらなくなったのかというところをまず教えていただけますか。
(市長)
実はこのマラソンの在り方というのは大変難しいと思っていまして、当初、KIX泉州国際マラソン、先進的な事例で行ってまいりましたが、都市型のマラソンが多くなってきて、だんだん申込者が減ってくる一方で、運営のコストは高くなると、このままでいいのだろうかという議論も行ってまいりました。そして、実際にコロナ禍で実走を休んで、オンライン開催にした時期もあったのですが、その中でもう一度始めようという時に、やはり今までの在り方から見直すべきではないかと、公認マラソン、42.195キロメートルのタイムを計る公認ではなく、例えばファンマラソンも気軽に10キロメートル、20キロメートルを楽しめるようなファン型にすべきじゃないかと、いろいろと堺市としても提案を行ってきたという実情があります。担当者もその協議に積極的に関わりながら提案もしてきたのですが、担当者からの報告も受けて考えましたが、担当者もやはり発言した内容に対して、なかなか前向きな検討がなかった、実際に提案したことに対しても、それが流されてしまって、そのまま実施をするようなことになってしまった。それではやはり税金を支出しながら行う事業ですので、堺市の負担というのは市民の理解が得られないだろうということで、今、見送っている状況であります。ただし堺市としても、南大阪の連携を極めて重視していますので、やはりそれがきちんと税金を、市民の皆様からお預かりする税金を用いるに資する事業であること、またやはり提案であったり、ご意見というのは運営に関してもしっかり受け止めながら行っていただきたいという思いがありますので、それらが満たされた時には、今のまま参加しないということを示すものではございません。
(日本経済新聞社)
多分、ファンランはやっても、フルマラソンを続けていこうと思うんですけども、今仰った懸案が多少なりとも改善の方向に向かえば、将来復帰もあり得るという、そういうことでしょうか。
(市長)
はい、あり得ると考えています。
(日本経済新聞社)
一方で、広域連携の在り方というのは別にマラソンに限らず、いろんな枠組みがあると思うので、そんなにマラソンにこだわることもないんじゃないかというようなお考えももしあれば、ちょっと教えていただけますか。
(市長)
広域連携であったり、やはりKIX泉州ツーリズムビューローも以前関わっていましたので、泉州の連携が非常に重要と、連携しながら各自治体の切磋琢磨というのはもちろんですが、一体となって泉州の活性化、特にこのマラソンは観光の活性化向上をめざすことが目的にありますので、それらを満たすために何が必要かというところかと思っています。マラソン、私自身はやはりマラソンをそのまま続けることが目的になってしまってはあまりよくないのかなと、何のためにそれをやるのかと、もちろん泉州の連携、南大阪との連携は極めて重要であるということは前提にしながらも、その手法はいくつもあると思っています。ですので、今行っている事業に対しても、これは堺市内の堺市が行う事業に対してもそうですが、今行っていることを前提とするのではなくて、より良い形に、時代に合わせて見直しながら行うことが重要だと思っています。マラソンに関しても同様だと思っていますので、ぜひ今またマラソンも継続されているとお聞きしていますので、良い形で進めていただければと思いますし、もし今後見直しがあって、堺市の意見も聞きながらやっていこうということであれば、一緒に協議させていただければと思います。
(日本経済新聞社)
マラソンに限らず、今、ちょうど南大阪の首長会議もやっていて、広域連携ということを総論では皆賛成だと思うんですけども、いや、やはり難しいなというふうに思うんですが、どうですかね、一般的に言って、うまく広域、たくさんの自治体が参加する連携をうまくいかせるための何か必要なこととかって何かお考えになったところはありますか。
(市長)
最も必要なことは共通認識だと思います。今回の場合、特にご質問でもマラソンが一つのキーワードですが、マラソンだけが活性化であったり、観光に資するすべてではないと思っております。ですので、特に南大阪創生首長会議を設立する時に重視したのは、南大阪の活性化であると。活性化のために22自治体の首長が力を合わせて行っていこうと、その中の施策としては様々あるかと思いますし、これまでの各自治体であったり、所属している団体の経緯もあるかと思います。ただ、そこを乗り越えて活性化、これからの発展のために力を合わせていこうというところですので、その思いがあれば、おそらくすべての自治体において活性化しなくていいと、発展しなくていいと思っているところはないかと思いますので、やはり共通目的を見つけながらその中で具体的な行動を一歩、二歩進めていけるように努めたいと思います。
(日本経済新聞社)
ありがとうございました。
