Vol.5 「求ム!注染職人後継者」北山雅啓さん
更新日:2023年2月9日
北山雅啓さんは、株式会社北山染工場の代表取締役を務める、中区在住の注染職人です。
日本の伝統工芸士(経済産業大臣認定)・堺市ものづくりマイスターとして知られています。
小学校や高等学校などでの実演や学生の工場見学の受け入れなど、注染の普及にも力を入れています。
注染職人の道に入ったきっかけや創作への情熱などを伺いました。
注染職人になってから、そしてこれからの展望
このお仕事を始めたきっかけを教えてください
私の親が注染の工場を経営していたこともあり、子どもの頃から干場で遊ぶなど、慣れ親しんでいました。高校時代には工場でアルバイトをしていました。
卒業後はひとまず別の道に進みましたが、22歳の頃に親の工場に就職しました。
最初は糊炊き、排水、洗いの手伝いなどをしていました。後に、親から工場を引き継ぎました。この世界に入って、かれこれ40年が経ちます。
お仕事でやりがいを感じる時はどんな時ですか
良いものをつくって、お客さんに喜んでいただけることにやりがいを感じます。発注してくれた人の要望に応えるため、日々精進しています。
近年は一色染めなどが主流でしたが、最近は高級手ぬぐいを手掛けるようになったこともあり、柄や色が複雑化して、手間がかかっています。私は板場(型枠を操作して防染糊を置いて型ごとに生地を折り畳む作業のこと)の部門で伝統工芸士の資格をいただきましたが、板場の専門家は全国的にも少数ですし、今後も専門性を高めていきたいですね。
特に思い入れのある作品はありますか
津久野町の手ぬぐいに思い入れがありますね。津久野町自治会の手ぬぐいがあったらいいなという話が持ち上がり、私が創作させていただきました。
だんじり祭や町内で盛んな将棋、染め屋、晒工場などの図柄を入れ、配色に工夫を凝らしました。今も町内で使ってもらっていて、とても嬉しく思っています。
コロナウイルス感染症などの外部環境の変化がある中で、どういう課題がありますか
コロナ禍では、夏まつりなどのイベントが中止され、注染製品の発注が激減しました。ですが、注染の手ぬぐい・浴衣はとても品質が良いので、そういった魅力をどう宣伝していくかが今後の課題ですね。
(令和5年2月9日時点の内容です)
これからどんなことに挑戦していきたいですか
若い人に「注染職人になりたい。」と思ってもらえるよう、後継者を発掘・育成していきたいですね。
これまで高校や専門学校などで注染の実演をさせてもらっていましたし、小学校から学年単位で工場見学の依頼もありましたが、コロナ禍では大規模な見学は難しくなっていました。
それでも学級単位などの比較的小規模団体の皆さんから見学の依頼はありますし、とてもありがたく思っています。
今後も注染の普及を続けていきたいですね。
中区のみなさんに一言をお願いします
中区役所で毎年注染製品の販売会を開かせてもらっていますし、ぜひ一度足を運んで製品を手に取ってほしいですね。
工場見学も随時受け付けています。予約してもらえれば染め作業の体験もできます。ぜひお越しください。
北山さんの工場
北山染工場
西区津久野町3丁5-12 電話番号072-262-5707
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