家屋に対する課税とその特例
更新日:2024年4月1日
目次
(1)家屋の評価のしくみ
家屋の評価額は次のとおり計算します。
評価額 = 再建築価格 × 経年減点補正率
再建築価格: 評価の時点で同じものを建てた場合にかかる費用です。
経年減点補正率: 建築後の年数経過による減価の割合をあらわしたものです。
ただし、新築家屋と在来分家屋(新築以外の家屋)の評価額では、評価の方法が若干異なります。
【1】新築家屋の評価
一般的な新築家屋の評価の流れ
(1)新築家屋の調査
完成後の建物について、構造、使用している建築資材の材質、施工の程度、電気・給排水などの設備の状況について、市の職員が訪問、または郵送により提出いただいた建築図面等により、確認します。
これは、「再建築価格」が、実際に建築のためにかかった費用とは、異なるためです。
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(2)再建築価格の計算
調査した資材などについて、総務大臣の定めた「固定資産評価基準」に基づき、再建築価格を計算します。
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(3)評価額の計算
(2)で計算した再建築価格に、1年分経過した経年減点補正率を掛けて評価額を出します。(新築家屋の場合、新築した次の年度から課税となるため)
評価額=再建築価格×1年分の経年減点補正率
【2】新築家屋以外の家屋(在来分家屋)の評価
評価額は、3年に一度の基準年度(令和6年度は基準年度です。)ごとに見直しが行われます。この際、建築物価の変動等を考慮し改正された「固定資産評価基準」の再建築費評点補正率を用いて「再建築価格」を算出し、新築時からの経過年数に応じた経年減点補正率を乗じて評価額を算出します。見直した価格が、前年度の評価額を超える場合は、前年度の評価額に据え置かれます。
なお、在来分家屋は、増築や改築などがない限り実地調査は行っていません。
(2)新築住宅に対する減額措置
新築住宅が次の要件をすべて満たすときは、固定資産税の2分の1が減額されます。なお、都市計画税にはこの措置はありません。
A 減額の要件
【1】令和8年3月31日までに新築された住宅であること
【2】対象となる住宅が、専用住宅または居住部分の床面積の割合が2分の1以上の併用住宅
【3】居住部分の一戸あたりの床面積が50平方メートル(一戸建以外の賃貸住宅は40平方メートル)以上280平方メートル以下
*土砂災害特別警戒区域等において、都市再生特別措置法に基づく市長の勧告に従わないで建築され、その旨を公表された住宅には適用されません。
*マンションなど集合住宅の場合は、次の式で求めた床面積で判定します。
専有部分の床面積(※) + 共用部分(廊下・階段・ポンプ室など)を各戸の専有部分の床面積の割合であん分した面積
(※)平成30年以降に新たに建てられた高さが60mを超える居住用超高層建築物の場合は、専有部分の床面積に階層別専有床面積補正率で補正します。1棟全体の固定資産税総額は変わりません。
階層別専有床面積補正率・・・1階を100とし、階が一階増えるごとに、10を39で割った数を100に加えた数値。
例)40階の場合 100+10/39×(40階-1)=110・・・1階と比べて1.1倍
B 減額される範囲
- 専用住宅:一戸あたり120平方メートル相当分まで
- 併用住宅:居住部分のうち一戸あたり120平方メートル相当分まで
C 減額される期間
一般の住宅:新たに課税される年度から3年度分
3階建以上の中高層耐火住宅:新たに課税される年度から5年度分
(3)新築住宅のうち、長期優良住宅に対する減額措置
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の規定により行政庁の認定を受けた新築住宅は、新築後一定期間、「(2)新築住宅に対する減額措置」に代わり、固定資産税の2分の1が減額されます。なお、都市計画税にはこの措置はありません。
A 減額の要件
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の施行の日(平成21年6月4日)から令和8年3月31日までの間に、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の規定により行政庁の認定を受けて新築された住宅であること。
B 減額される範囲
「(2)新築住宅に対する減額措置」と同じ。
C 減額される期間
- 一般の住宅:新たに課税される年度から5年度分
- 3階建以上の中高層耐火住宅:新たに課税される年度から7年度分
D 手続き
当該家屋を新築した年の翌年の1月31日(休日の場合は、その翌日)までに固定資産税課、各区 市税の窓口にある申告書に認定を受けて新築された住宅であることを証する書類を添付して提出してください。
(4)耐震改修を行った住宅に対する減額措置
耐震改修を行った住宅が次の要件を全て満たすときは、固定資産税の2分の1(長期優良住宅の認定を受けて耐震改修を行った場合は3分の2)が減額されます。なお、都市計画税にはこの措置はありません。
A 減額の要件
【1】昭和57年1月1日以前から所在する住宅であること
【2】平成18年1月1日から令和8年3月31日までの間に完了した耐震改修であること
【3】現行の耐震基準に適合する耐震改修であること
【4】耐震改修に要した費用が一戸あたり50万円を超えるもの
B 減額される範囲
- 専用住宅:一戸あたり120平方メートル相当分まで
- 併用住宅:居住部分のうち一戸あたり120平方メートル相当分まで
C 減額される期間
改修が完了した日後、最初に来る1月1日の翌年度分のみ
D 手続き
耐震改修が完了した日から3カ月以内に、固定資産税課、各区 市税の窓口にある申告書に、現行の耐震基準に適合する改修であることの証明書等を添付して提出してください。
(5)バリアフリー改修を行った住宅に対する減額措置
バリアフリー改修を行った住宅が次の要件を全て満たすときは、固定資産税の3分の1が減額されます。なお、都市計画税にはこの措置はありません。
ただし、他の減額措置(「省エネ改修を行った住宅に対する減額措置」を除く。)の適用を受けている住宅については、重複しての適用は受けられません。
A 減額の要件
【1】新築された日から10年以上を経過した住宅であること。(賃貸住宅を除く。)
【2】改修後の住宅の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下であること。
【3】平成19年4月1日から令和8年3月31日までの間に、以下にあげるバリアフリー改修工事が完了すること。
(ア)廊下の拡幅
(イ)階段の勾配の緩和
(ウ)浴室の改良
(エ)便所の改良
(オ)手すりの取付け
(カ)床の段差の解消
(キ)引き戸への取替え
(ク)床表面の滑り止め化
【4】前記の工事の補助金等を除く自己負担が50万円を超えるもの。
【5】次のいずれかに該当する方が居住していること。
(ア)65歳以上の方
(イ)要介護認定又は要支援認定を受けている方
(ウ)障害のある方
B 減額される範囲
一戸あたり100平方メートル相当分まで
C 減額される期間
改修が完了した日後、最初に来る1月1日の翌年度分のみ
D 手続き
改修後3カ月以内に、固定資産税課、各区 市税の窓口にある申告書に必要書類を添付して提出してください。
(6)省エネ改修を行った住宅に対する減額措置
省エネ改修を行った住宅が次の要件を全て満たすときは、固定資産税の3分の1(長期優良住宅の認定を受けて省エネ改修を行った場合は3分の2)が減額されます。なお、都市計画税にはこの措置はありません。
ただし、「新築住宅に対する減額措置」等、他の減額措置(「バリアフリー改修を行った住宅に対する減額措置」を除く。)の適用を受けている住宅については、重複しての適用は受けられません。
A 減額の要件
【1】平成26年4月1日以前から所在する住宅であること。(賃貸住宅を除く。)
【2】改修後の住宅の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下であること。
【3】令和8年3月31日までに、以下にあげる((ア)は必ず行うこと。)省エネ改修工事が完了すること。
(ア)窓の改修
(イ)床の断熱改修
(ウ)天井の断熱改修
(エ)壁の断熱改修
*(ア)から(エ)の改修工事により、それぞれの部位が現行の省エネ基準に新たに適合するようになること。
【4】前記の工事の補助金等を除く自己負担が60万円(※)を超えるもの。
(※)断熱改修にかかる工事費が60万円を超えるもの、または、断熱改修にかかる工事費が50万円を超えるものであって、太陽光発電装置、高効率空調機、高効率給湯器もしくは太陽熱利用システムの設置にかかる工事費とあわせて60万円を超えるもの。
B 減額される範囲
一戸あたり120平方メートル相当分まで
C 減額される期間
改修が完了した日後、最初に来る1月1日の翌年度分のみ
D 手続き
改修後3カ月以内に、固定資産税課、各区 市税の窓口にある申告書に建築士、指定確認検査機関又は登録住宅性能評価機関による証明書を添付して提出してください。
(7)家屋の新築や取り壊しなどの届出
家屋を新築、増築、改築、取り壊しなどを行ったとき、また利用状況に変更があったとき(事務所、店舗等を改装して住宅に使用する場合や、住宅を住宅以外に使用する場合など)は、30日以内に必ず届け出てください。ただし、登記申請した場合は届出の必要はありません。新たに評価が必要な場合は、固定資産評価補助員証を携帯した市の職員が訪問、または郵送により提出いただいた建築図面等により、確認させていただきますのでご協力お願いします。
届出先
固定資産税課、各区 市税の窓口
(8)分譲マンションの固定資産税について
分譲マンションの建物は住戸ごとの区分所有になっていますが、マンションの敷地または共用部分(廊下や階段、ポンプ室など)はマンション住民の共有になっています。共有している固定資産に対する固定資産税は共有者全員が連帯して納税義務を負うこととされていますが、分譲マンションについては次のような例外的な取扱いがなされています。
【1】土地(敷地)
次の条件を満たすとき、敷地全体にかかる税額を各所有者の敷地権の割合(持分割合)によってあん分して算出します。
(1)敷地が所有者全員によって共有されていること。
(2)敷地の持分の割合と専有部分の床面積の割合が一致すること。
※(2)に該当しない場合でも(1)に該当していれば、所有者全員の合意のうえで、固定資産税課に申し出ていただくことで、敷地全体にかかる税額を各所有者の持分割合であん分して計算することができます。
【2】家屋
共用部分を含めた建物全体の価格(評価額)を次の面積であん分した額をもとに各所有者の税額を算出します。
専有部分の床面積(※)+ 共用部分を各戸の専有部分の床面積の割合であん分した面積
(※)平成30年以降に新たに建てられた高さが60mを超える居住用超高層建築物の場合は、専有部分の床面積に階層別専有床面積補正率で補正します。1棟全体の固定資産税総額は変わりません。
階層別専有床面積補正率・・・1階を100とし、階が一階増えるごとに、10を39で割った数を100に加えた数値。
例)40階の場合 100+10/39×(40階-1)=110・・・1階と比べて1.1倍
(9)大規模修繕工事を行ったマンションに対する固定資産税の減額措置
新築後20年以上が経過した総戸数10戸以上のマンションで、長寿命化に資する大規模の修繕等を行い、かつ、要件を満たす場合は建物部分の固定資産税が減額されます。(土地部分及び都市計画税は軽減されません)
詳しくは大規模修繕工事を行ったマンションに対する固定資産税の減額制度についてをご覧ください。
(10)冷蔵倉庫用家屋に対する固定資産の評価基準が変更されました
平成24年度分の固定資産税から、冷蔵倉庫用家屋の評価額の算出方法が変更され、「一般の倉庫」と比べてより減価が大きい「冷蔵倉庫」用の補正率が適用されます。
「冷却設備により保管温度が摂氏10度以下に保たれる非木造の倉庫」を所有されている方は、お手数ですが、ご連絡をお願いします。
また、「冷蔵倉庫」の設定については、使用状況や温度管理記録簿等の書類の確認が必要となりますので、調査の際はご協力をお願いします(単に冷蔵庫(機械設備等の償却資産)が家屋の内部に入っている倉庫は対象外です)。
(11)東日本大震災で所有する土地・家屋を被災された方、警戒区域内に土地・家屋を所有している方へ
「大震災により被災された土地・家屋」や「原子力発電所の事故による警戒区域内の土地・家屋」に代わる土地・家屋を所有者もしくは3親等以内の方等が、堺市内で取得された場合、固定資産税・都市計画税の特例措置の適用を受けることができる場合があります。