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応急手当に関する質疑応答集

更新日:2023年9月26日

Q1.以前教えてもらった心肺蘇生法は間違いだったのですか?

A. 救急蘇生法に関する研究は世界中で続けられていて、常に進歩しています。新しい研究成果をもとに、「より有効」と考えられる蘇生手順をまとめたのがガイドラインです。ガイドラインは定期的に新しく改訂されます。以前の方法が間違っていたのではなく、その時点で最も有効と考えられる方法を教えていたのです。以前の心肺蘇生法でも一定の効果はありますが、今回受講されているみなさんは、最新の研究成果に基づいた、より有効な方法を身に付けてください。

Q2.なぜ応急手当てが必要なのですか?

A. 救急隊や医師が到着するまでの時間に、そばにいた同僚や家族などが、応急手当てを行って助かった例は決して少なくありません。また、応急手当てが行われた方が救命効果が高いことについては統計的にも有意差が出ています。
ですから、突然に病気などで倒れた場合は、その周りに居合わせた人たちが必要な応急手当てを行うことにより、尊い命を救うことができるのです。

Q3.正常な呼吸かそうでないか、見分ける方法はありますか?

A. しゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸や、下の顎だけが動いているような場合は死戦期呼吸と呼ばれ、呼吸のように見えても実際には空気がほとんど出入りしておらず、正常な呼吸をしていないと判断します。

Q4.本当に心肺蘇生を始めてよいかどうか自信がなく、不安です。

A. 心肺蘇生を始める基準は、呼びかけに反応がなく、普段通りの呼吸がないときです。胸骨圧迫の中止基準は、普段通りの呼吸をしたり目的のあるしぐさをし始めたときです。胸骨圧迫の必要があるのにためらって圧迫を開始しないでいると、心停止時間が長くなり救命のチャンスがなくなってきます。判断に迷ったらまず胸骨圧迫を開始し、目的のあるしぐさや普段通りの呼吸が出れば圧迫を中止して再確認するとよいでしょう。

Q5.人工呼吸は行わなくてもよくなったのですか?

A. 心停止と判断したら、まず胸骨圧迫から心肺蘇生を開始してください。30回の胸骨圧迫の後に人工呼吸は2回行いますが、人工呼吸に自信がないとき、口対口人工呼吸をためらうような状況のときなどは人工呼吸を省略して胸骨圧迫だけを続けてください。

Q6.救命のためにはどのような行動が必要ですか?

A. 救命の連鎖という考え方があります。まず最初に心停止の予防を考えます。小児や幼児では事故を予防し、成人では脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病を予防します。いざ心停止が生じたときは早期に認識し、いち早く119番通報します。救急車が来るまでの間には確実な心肺蘇生といち早いAEDでの電気ショックを行い、医療機関での高度な救命医療までつなげています。この4つの連鎖が途切れることなく素早くつながることで救命効果が上がります。市民から救急隊へ、救急隊から医師へ、命のバトンを引き継ぐ救命のリレーのスタートを切るのは、現場に居合わせたあなたです。

Q7. 胸骨圧迫によって肋骨が折れることはありませんか?

A. 胸骨以外の部分に指が触れないように注意して圧迫することが大切です。また年齢、性別、体格等によって骨や胸の固さは異なりますので、訓練をするときには圧迫の「強さ」ではなく「深さ」に注意しましょう。肋骨が折れることを恐れて軽く圧迫していては心肺蘇生の役には立ちませんので、必要な深さまで圧迫するようにしましょう。

Q8.けがをしていたり、胸に手術の跡や医療器具が付いていたりしても、胸骨圧迫を行ってもよいのですか?

A. 胸骨圧迫が必要な状態であれば、すぐに圧迫を開始します。圧迫開始が遅れればそれだけ救命できる可能性が減ってしまいます。

Q9.胸骨圧迫をするときに十分緩めて圧迫を解除する方が良いのはどうしてですか?

A. 十分に圧迫を緩めなければ、心臓に血液が満たされません。その状態で次の圧迫をしても血液が押し出されず効果がなくなってしまいます。1回の圧迫ごとに十分圧迫を緩めて、強く、速く、絶え間ない胸骨圧迫を行います。

Q10. 胸骨圧迫は何とかできますが、人工呼吸ができません。この場合胸骨圧迫だけを継続してもよいのですか?

A. そのとおりです。胸骨圧迫のみ継続しても救命効果が得られます。

Q11. 心肺蘇生中に傷病者が嘔吐をしたら、どうしたらよいですか?

A. 気道に嘔吐物が詰まるのを防ぐため、傷病者を横向きにします。そうすれば、嘔吐物による気道閉塞の危険がなくなります。心肺蘇生が必要であれば、傷病者を元の体位(あおむけ)に戻し、継続します。
その際、心肺蘇生の中断ができるだけ短くなるよう配慮します。

Q12. 心肺停止の傷病者を発見した現場に自分しかいない場合、119番通報が先ですか、心肺蘇生の実施が先ですか?

A. 救助者が1人しかいない場合は、すぐ近くにAEDがあるとき以外は、119番通報をして心肺蘇生を続けながら救急隊の到着を待ってください。
救助者が2人以上いるときは、119番通報、AEDの取り寄せ、心肺蘇生を並行して行ってください。

Q13. 人工呼吸を試みてもうまくできない場合、うまく吹き込むことができるまで試みるべきですか?

A. 1回目の人工呼吸がうまくいかなかった場合、気道確保をよりしっかりとして2回目を吹き込みます。2回目がうまくいかなかった場合でも吹込みは2回までとし、胸骨圧迫を継続します。

Q14. 人工呼吸はできるだけ多く吹き込んだ方がいいですか?

A. 1回の吹込み量が多かったり1分当たりの呼吸数が多くなったりすると、救命率に悪影響があることは分かっていますし、胃の中に吹き込んだ空気が入り胃の中の物が出てくることがあります。吹込みは1秒かけて胸の上がりが見える程度の量にとどめてください。また、吹き込む前に深呼吸をする必要もありません。

Q15. 呼び掛けに応答はないけれども普段通りの呼吸をしている場合はどうすればよいでしょうか?

A. 吐物等による窒息を防ぐために回復体位にします。傷病者を横向きにし、下顎を前に出して気道を確保します。救急車が到着するまで、正常な呼吸が続いているか、定期的に確認しましょう。

Q16. AEDが到着したらすぐに心肺蘇生を中断してAEDを使用すればいいですか?

A. できるだけ胸骨圧迫の中断が短くなるように、AEDの解析が始まり「患者から離れる」ことを促す音声メッセージが出るまで心肺蘇生を継続してください。AEDを使用できる人が自分しかいなければ、心肺蘇生を交代してからAEDを操作してください。

Q17. AEDは年齢に関わらず使用してもいいのですか?

A. 年齢に関わらずAEDを使用します。AEDには小学生~大人用(従来の「成人用」)と未就学児用(従来の「小児用」)の2種類の電極パッドが入っている機種や、本体に未就学児モードに切り替えるスイッチが付いている機種があります。小学生以上の傷病者には、小学生~大人用の電極パッド(通常モード)を使用し、未就学児には未就学児用の電極パッド(未就学児モード)を使用してください。小学生以上には、未就学児用の電極パッド(未就学児モード)は使用しないでください。

Q18. 電気ショックを実行した後は、ショックの効果を確認した方がいいですか?

A. 電気ショック実行後にはすぐに胸骨圧迫を再開します。これは胸骨圧迫の中断時間をできるだけ短くするためです。もし目的のあるしぐさや普段通りの呼吸が出てくれば、その時点で圧迫を中止して呼吸を確認します。

Q19. 時計、ピアス、ブレスレットは外したほうがよいですか?

A. 電極パッドは直接素肌に貼る必要があります。このため電極パッドと素肌の間には、何もないことが望まれます。金属が電極パッドを貼る位置にある場合は、外すかどかします。

Q20. 電極パッドを左右逆に貼ってしまったらどうなりますか?

A. どの機種も、電極パッドのイラストに貼り付け位置が描かれていますが、間違って左右逆に貼っても貼り直す必要はありません。そのまま心肺蘇生とAEDの使用を継続してください。

Q21. 未就学児(約6歳)に対して小学生~大人用(従来の「成人用」)の電極パッドを用いて除細動するのは危険ではありませんか?

A. 小学生~大人用(従来の「成人用」)の電極パッドによる除細動は、未就学児(約6歳)にとっては大きな負担となります。しかし心室細動を来している場合は、除細動が必要です。成人用パッドでも除細動をする方が救命の可能性が高くなります。ただし、成人用パッドを貼る際には、パッド同士が触れ合わないように注意することが必要です。

Q22. AEDがすぐ近くにあった場合は、心肺蘇生とAEDの使用のどちらを優先させればよいですか?

A. 呼び掛けに反応がなく、普段どおりの呼吸もしていないときは、すぐにAEDの使用を開始してください。AEDの準備に時間がかかるときは、その間は心肺蘇生を続けます。

Q23. AEDの操作は誰が行ってもよいのですか?

A. AEDの使用に当たって特に資格は必要ありません。ただし、AEDだけでは救命できません。また、AEDを安全に使用するためには使用方法の講習を受けている方がよいので、できるだけ多くの人が講習を受けるように勧めています。

Q24. AEDの電極パッドは、必ず直接、皮膚に貼らなければならないのですか?

A. 直接、皮膚に貼る必要があります。胸部の衣服を開きますが、開くのが困難なら衣服を切って取り除きます。女性であっても救命のために、ためらってはなりません。公衆の面前なら、電極パッドを貼り付け後に衣服を戻したり、スクリーンなどの使用を配慮します。

Q25. 勘違いして間違った応急手当てをしたら訴えられることはありますか?

A. 市民が善意行った応急手当については、原則としてその結果の責任を法的に問われることはないと考えられています。大切なことは、必要な場合に勇気をもって一刻も早く応急手当てを行うことです。

Q26. 心肺蘇生はいつまで続ける必要がありますか?

A. 傷病者に普段どおりの呼吸や目的のあるしぐさがあれば、その時点で圧迫を中止して呼吸の確認をします。その他はできるだけ中断時間がないように救急隊に引き継ぐまで続けます。胸骨圧迫を1人で続けると疲れて有効な圧迫ができなくなってきますので、可能であれば1~2分を目安に圧迫する人を交代してください。

Q27. 多量の汗や水で体が濡れているとき、何か注意することがありますか?

A. 胸をタオルなどで拭いてから電極パッドを貼ります。

Q28. ペースメーカーを装着してる人にも使用できますか?

A. 使用できます。ただし、ペースメーカー本体の膨らみ部分を避けて電極パッドを貼ってください。

Q29. AEDはどのような場所に設置されているのでしょうか?

A. AEDは官公庁や駅や空港、デパートなど、公共性が高く人が出入りする施設に設置されています。ほかにもスポーツクラブやホテル、遊園地、学校などに設置が進められています。みなさんの住んでいる地域やよく立ち寄る場所でどこに設置されているのか、事前に調べておくといざというときに役に立ちます。

Q30.AEDが判断を間違えて不必要な電気ショックをしてしまうことはないのですか?

A. AEDが正確な判断をするためには、使用されている傷病者が心停止であること、解析中は傷病者に触れないことが必要です。コンピュータのプログラムは厳重に作られていますので、適切に使用すれば、電気ショックが不必要な傷病者に対して「電気ショックが必要」と間違えて判断することはありません。使用を始める前には普段どおりの呼吸をしていないことを確認し、解析中などはAEDの音声指示に従って使用してください。

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