人権教育学習プログラム
更新日:2024年5月24日
1.幼稚園における人権教育 学習プログラム
身近な人々や自然との関わりを楽しみ、人や生き物を大切にすることができる。
自分自身に関すること
目標
- 自分の良さを知り、明るく伸び伸びと行動し充実感を味わい、自ら健康で安全な生活を送ることができる。
活動のねらい
- 自分自身の興味・関心、ものの見方、感じ方、表現の仕方を大切にできるようになる。
- いろいろな遊びの中で十分に体を動かすことで、様々な活動に親しみ、楽しんで取り組む。
- 健康な生活のリズムや必要な生活習慣を身に付け、自分の健康や病気の予防に関心を持つ。
自分と他の人との関わり
目標
- 身近な人と触れ合い、気持ちが通じ合う体験を通して自分が大切にされていることを知る。
- 相手を大切にする気持ちを持って行動できる。
活動のねらい
- 身近な人に親しみを持って接し、大切にされている自分に気付く。
- 友だちや先生との遊びや活動を通して、一緒に遊ぶことの楽しさや喜びを味わう。
- 友だちと積極的に関わりながら、喜びと悲しみを自分のこととして受けとめる。
- 友だちとの関わりの中で生じるトラブルに対し、解決の仕方やルールについて知る。
目標
- 経験したことや感じたこと、考えたことを表現しようとしたり、相手の思いを受けとめたりして、伝え合う喜びを味わう。
活動のねらい
- 日常生活で使う言葉が分かるようになり、文字に対する興味や関心を持つ。
- したこと、見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたことなどを自分の言葉や様々な方法で表現する。
- 生活の中で豊かなイメージを持ち、様々な表現を楽しむ。
- 自分の思ったことを相手に伝え、相手の話を聞くことで伝え合う喜びを味わう。
- 親しみを持って日常のあいさつをする。
自分と自然や社会との関わり
目標
- 自分の周囲にある自然や周りに起こる事柄について積極的に関心を持ち、それを生活の中に取り入れていくことができる。
活動のねらい
- 身近な人々の様子や動植物、自然に親しみ、触れ合う中で、様々な事柄に興味や関心を持つ。
- 動植物の世話を通して、生命の尊さに気付き、大切にしようとする。
- いろいろなごっこ遊びや、身近にあるものを使った遊びによって豊かな発想や創造力を発揮し、生活に取り入れようとする。
2.小学校低学年における人権教育 学習プログラム
自他の良さやちがいを認め合い、身近な人や社会との関わりをより良くすることができる。
生命の大切さ・自分と家族との関わり
目標
- 自他の生命の大切さについて学び、家族の一員としての自分に気付く。
知識及び態度
- 動植物の世話をしたり、生活の中で自然と触れ合い、生命の大切さを知り、生命あるものを大切にしようとする。
- 自分の生活や成長は、多くの人々に支えられていることに気付き、感謝の気持ちを持ち、自分も友だちもそれぞれかけがえのない存在であることを理解する。
- 家族の一員としての自覚を持ち、進んで家庭生活に関わろうとする。
- 事故や暴力などから自分を守る方法を知る。
- 良いことと悪いことを区別し、良いと思うことを進んで行う。
自分と集団(友だち)との関わり
目標
- 友だちの良さやちがいを認め合い、お互いに助け合う中で、人間関係構築の基礎を学ぶ。
知識及び態度
- 日常生活でのあいさつや言葉がけ、遊びなどを通して自分から友だちとつながろうとする。
- 人にはそれぞれの好みや考え方などがあることを知り、互いの「自分らしさ」を認め合い、大切にしようとする。
- 相手の良さや頑張りを見つけ、認め合うことで、それぞれが自信を持てるようにする。
- 障害のある友だちとの交流や遊びを通して、互いの良さや頑張りに気付き、お互いに支え合う関係を築こうとする
- 友だちとの間で起こるトラブルに対して、友だちの行動や表れだけを見るのではなく、自分から素直な気持ちを出し合い、理解し合う中で、人を信じることの大切さに気付く。
- 遊びや行事などをみんなでやり遂げたという充実感が持てるよう、自分たちできまりを工夫し、集団生活におけるルールの大切さを学ぶ。
- 性別に捉われずに協力し活動しようとする。
- 全ての友だちを大切にし、みんなで楽しい学級を作ろうとする。
自分と社会との関わり
目標
- 地域の人との出会いや活動を通して、自分と社会とのつながりに気付き、社会生活上の基礎的なルールを身に付ける。
知識及び態度
- 地域社会の文化に触れ、地域社会の移り変わりや、昔の人々の生活について知る。
- 高齢者、障害のある人や外国人との触れ合いを通して、優しさやたくましさを感じ取り、温かい心で接しようとする。
- 地域には高齢者、障害のある人や外国人が暮らしていることを知り、それぞれが安心して暮らしていくためには、何が大切かを考えようとする。
- 家庭や地域社会との普段の関りの中で起こる身近な出来事などを通して、公共心や約束、きまりを守る態度を身に付ける。
- 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で、様々な事象に興味や関心を持つ。
目標
- 様々な国や地域の文化や生活に触れ、そのちがいを認め合うことによって異なる文化への理解を深める。
知識及び態度
- 世界には様々な言葉や習慣、遊び、音楽、服装、食べ物などがあることを知り、異なる文化や生活に関心を持つ。
- 日本には多くの国や地域の人が住み、自分の周りに外国の人がいることを知る。
- ちがいを認め合い、人間として共通する思いや願いがあることを知ろうとする。
3.小学校高学年における人権教育 学習プログラム
人に関わる様々な問題に関心を持ち、自分たちにできることを共に考え、行動することができる。
こどもの人権
目標
- 基本的人権について学習し、その大切さを理解し、互いの人権を尊重し合う態度を身に付ける。
- 自分らしさや自分の良さに気付き、相手の立場に立って考える態度を身に付ける。
知識
- 憲法に規定された基本的人権について基礎的な内容を理解する。
- 「子どもの権利条約」の趣旨について学び、その考え方を理解する。
- 身近な事例を通して、権利と義務の大切さについて話し合う。
- いじめの事例などを通して身近な人権侵害について理解し、人権を守ることの大切さを知る。
- コミュニケーションを豊かにする技能(スキル)を身に付けることの大切さを理解する。
態度
- 基本的人権が、暮らしの中にどう生かされているのかを考えようとする。
- 思いやりの心を持って、自分と異なる意見や考えを尊重しようとする。
- 集団活動に進んで参加し、自分の役割と責任について考え、集団生活の向上に努めようとする。
- いじめなどが起こった時、互いに協力して解決しようとする。
- 生命の大切さを認識し、自分と他人の命を尊重しようとする。
- 自分の個性や良さを認識して伸ばそうとし、友だちの個性や良さを見つけようとする。
同和教育
目標
- 同和問題を自分のこととして考えることにより、社会の中にある差別や偏見の不当性に気付き、差別をなくそうとする態度を身に付ける。
知識
- 差別や偏見の中、自由と平等を求めて生きてきた人々の生き方について歴史から学ぶ。
- 今ある差別や偏見の苦しみを乗り越えようとしている人たちの姿から、基本的人権が尊重された社会の大切さを理解する。
- 保護者や地域の人々の労働から、その価値、喜び、厳しさ、そしてたくましさについて学び、職業に対する偏見や誤った見方があることに気付き、話し合う。
態度
- 差別や偏見について自分たちの生活との関わりから考えようとする。
- 自分の周りにある差別や不合理について考え、差別を許さないようにする態度を育てる。
- 互いの人権を尊重し合うことの大切さを知り、自分の生活や生き方に生かそうとする。
ジェンダー平等教育
目標
- 固定的な性差観や性別役割分担意識等の要因となっているジェンダーの問題点に気付き、全ての人が互いに尊重し合い、協力して、社会生活をする態度を身に付ける。
知識
- 自分の身の周りの生活から、固定的な性差観や性別役割分担意識の問題点を知る。
- 職業、スポーツなどに見られる社会にある性別役割分担意識が変わろうとしている事実を調べ、全ての人が共に生きる社会について考える。
- 性暴力やセクシュアル・ハラスメントが人権侵害であることを知る。
態度
- 家族の一員としての自覚を持ち、より良い家庭生活を作ろうとする。
- みんなが協力して、楽しい学級を作ろうとする。
- 固定的な性別役割分担意識を見直し、互いに協力しようとする。
- 互いの「自分らしさ」を尊重し合える関係を作ろうとする。
障害者理解教育
目標
- 障害者が生活する上で、様々な障壁があることに気付き、全ての人が住みやすい社会を作ろうとする態度を身に付ける。
知識
- それぞれの障害の状況を知り、障害者の自立への願いや思いに気付く。
- 体験学習などを通して、障害者が生活する上で何が障壁となっているかを知り、個々の状況に応じた支援の仕方を学ぶ。
- 支援学級や支援学校などとの交流や障害者理解の学習を通して、障害者と共に生きる社会のあり方について考える。
態度
- 障害者の願いや思いを知り、互いに認め支え合おうとする。
- 障害者に対する差別や偏見をなくすためにはどうしたらよいか、自分の考えを持って行動する。
在日外国人・国際理解教育
目標
- 日本には、様々な民族や国籍の人たちが住んでいることを理解し、身の周りにある差別や偏見の不当性に気付く。また、それぞれの文化や考え方を尊重し、共に生きることの大切さを学ぶ。
知識
- 在日外国人が日本で暮らす状況を知り、本名で生きる人々の思いを理解する。
- 様々な国や地域から帰国・渡日したこどもたちの思いや願いを理解する。
- 日本と諸外国の関係について学び、自分の生活とのつながりを知る。
- 世界には異なる文化、生活、習慣、価値観などがあることを知る。
- ちがいや共通点を見つけ、多様な価値観や生き方があることを理解する。
態度
- 外国の言語や文化などに関心を持ち、それぞれの文化や考え方を尊重しようとする。
- それぞれの国や地域には独自の文化や生活様式などがあり、互いに尊重し、学び合うことを通して、自らの考えや生活を豊かにしていこうとする。
福祉教育
目標
- 高齢者との交流やボランティア体験を通し、地域社会で自分たちでできることを考え、実践する態度を身に付ける。
知識
- 思いやりの気持ちを持って行動することが、相手に喜ばれ、自分にとっても充実感のあることを知る。
- 高齢者との触れ合いを通して、豊かな経験や技術について学び、高齢者の願いや思いについて知る。
- 多くの人々が、様々なボランティア活動に参加していることを知る。
- ボランティア活動などを実際に体験することで、他の人と協力し合い、互いの人権を尊重し合うことの大切さを知る。
態度
- 思いやりの心を持って行動することが、社会を豊かにし、充実感を味わえることを知り、進んで実践する。
- 高齢者施設や社会福祉施設の様子を知り、その活動に積極的に関わろうとする。
- ボランティア活動などの地域活動に積極的に参加しようとする。
様々な人権教育
目標
- 身の周りの様々な人権問題や社会の変化の中で新たに生じてきている人権問題に気付き、その解決に向けた活動について考える。
知識
- エイズ等の感染症という病気のあらましを知り、簡単な予防方法を理解し、誤った考え方を正し、相手の人格を尊重することの大切さを知る。
- 教育、科学、文化を通して、平和な国際社会の実現に向けて活動しているユネスコの働きについて知る。
- 身の周りの環境に関心を持ち、自分の生活と環境の関りに気付き、環境保全について話し合う。
- 性的指向及び性自認に関する正しい知識を学び、多様な性があることを知る。
- インターネット上で人権侵害が起こっていることを知る。
- 戦争の悲惨さ、原爆の恐ろしさや平和な社会の大切さを理解する。
態度
- HIV感染者などの感染症患者やその家族等に対する偏見や差別をなくすようにする。
- 身の周りで起こる様々な出来事を人権の視点から見つめていこうとする。
- 身近な環境問題に関心を持ち、環境保全のために家庭や学校で自分たちができることについて考えようとする。
- ありのままの生き方を認め合い、尊重し合う態度を身に付ける。
- 情報機器を使う際に、他の人の気持ちを考えることの大切さ注意しなければならないことがあることに気付き、相手に配慮した行動をする。
4.中学校における人権教育 学習プログラム
様々な人権に関わる問題に対する自分の考えを持ち、相手を尊重しながら、自己表現することができる。
こどもの人権
目標
- 基本的人権の大切さについて理解し、人権侵害の問題点を考え、課題解決に向けた積極的な態度を身に付ける。自分の個性や良さを認識し、自信が持てるように努め、他の人の個性や良さを理解し、尊重する。
知識
- 基本的人権の内容を理解し、人権侵害の具体的事例について知り、その問題点について話し合う。
- 「子どもの権利条約」の趣旨を、身の周りのことに結び付けて理解する。
- 他の人との意見や考えのちがいを理解する中で、自分の個性や良さに気付く。
- いじめ、不登校、暴力、体罰や虐待などの問題について、人権の視点で考え、話し合う。
- 様々な活動に参加し、社会や集団における自分の果たすべき役割と責任について考え、話し合う。
態度
- 基本的人権を大切にする社会を築くために、自分のできることを考えようとする。
- 自分の権利を主張し、また役割と責任について、他の人と意見を交換することにより、問題解決の方策を探ろうとする。
- 自分を客観的に見つめる中で、自分らしさを見い出し、興味・関心を大切にしながら、主体的な生き方を選択しようとする。
- いじめなどの問題について意見交換することにより、他の人の立場を理解し、豊かな人間関係を築こうとする。
同和教育
目標
- 同和問題を基本的人権に関わる課題として捉え、差別をなくそうとする積極的な態度を身に付ける。
知識
- 部落の歴史を学び、部落差別の不当性を理解する。
- 結婚差別や就職差別など、現在も根深い差別意識があることを知り、同和問題が自分自身の問題であることに気付く。
- 被差別部落の人々が労働や生産、生活や文化の創造に、大きな役割を担ってきたことを理解する。
態度
- 同和問題に関する意見や疑問を出し合い、なかまとともに考えようとする。
- 日々の生活の中で起こる差別や問題を通して、不合理と感じたものについて話し合い、正していこうとする。
- 差別をなくそうとしてきた人の思いや生き方を知り、学んだことを自分の生活や生き方に主体的に生かそうとする。
ジェンダー平等教育
目標
- 固定的な性別役割分担意識等、ジェンダーに捉われない生き方について考え、性差別を見抜き、全ての人が平等に参画できる社会を実現しようとする積極的な態度を身に付ける。
知識
- 固定的な性別役割分担意識は、その時代の社会通念や文化によって作られたものであることを知り、ジェンダーに捉われない生き方について考える。
- 様々な人々が共に生きる社会の大切さについて理解する。
- 「女子差別撤廃条約」や「改正男女雇用機会均等法」「男女共同参画社会基本法」などの趣旨や現在の状況について知る。
- 性暴力やセクシュアル・ハラスメント、DV(デートDV)は、個人としての尊厳や、人権を侵害するものであることを知る。
態度
- 身の周りにある事例から固定的な性別役割分担意識の問題点に気付き、それをなくしていこうとする。
- 社会の中にある性に対する差別の問題について深く考え、平等な社会を実現しようとする。
- ジェンダーに捉われず、自分の能力や適性を生かした生き方を進んで選択しようとする。
障害者理解教育
目標
- 障害者に対する社会の障壁について考え、差別や偏見をなくし、共に生きる社会を実現していこうとする積極的な態度を身に付ける。
知識
- 障害者の自立への願いや思いを知り、共に生きることの意味について考える。
- 仕事、スポーツ、文化活動、日常生活などにおいて障害者が社会参加することや、自立することの意味を考える。
- 障害者が生活する上で、何が障壁であるかを交流、共同学習、キャップハンディ体験やボランティア活動などを通して理解し、その障壁を取り除くための様々な工夫について考える。
態度
- 障害者が住みやすい社会は、全ての人にとって住みやすいことを理解し、生活しやすい学校や社会が実現できるよう、自分にできることを考え、行動する。
- 手話、点字、介助の方法などを通して、積極的に障害者とのコミュニケーションを深めようとする。
- 障害者に対する差別や偏見をなくすため、主体性を持ち、行動する。
在日外国人・国際理解教育
目標
- 在日外国人や、様々な国や地域から帰国・渡日した人たちに対する差別や偏見をなくし、共に生きる社会を実現していこうとする積極的な態度を身に付ける。
知識
- 在日韓国・朝鮮人が日本で暮らしている歴史的経緯や状況を知り、本名で生きることの意味を理解する。
- 様々な国や地域から帰国・渡日し、日本に定住しているこどもたちの現状について理解する。
- 諸外国の文化や生活などに触れ、多様な価値観や生き方があることを理解する。
- 国際社会においては、様々な人権問題があることについて理解する。
態度
- 在日外国人に対する差別や偏見をなくし、共に生きる社会を実現しようとする。
- 異なる文化や生活様式などについて知り、異なることが豊かさであるという認識を持ち、共に生きていこうとする。
- 国際社会に生きる人間として、様々な機会を通して互いの文化や歴史を理解し、尊重しようとする。
福祉教育
目標
- 高齢化社会など福祉に関する問題について、理解を深めることにより、自分たちができることを考え、実践する。
知識
- 高齢者介護のあり方について理解を深め、身近な問題として高齢者が生活しやすい社会について考える。
- 高齢者が生きがいを持ち、生活できる社会の実現に、みんなで取り組む必要性を理解する。
- 国内外の福祉制度や災害時などでのボランティア活動について知り、その大切さを理解する。
- ボランティア活動などを実際に体験することにより、福祉やボランティアについての理解を深める。
態度
- 共に支え合い、それぞれが主体的に生きる喜びを味わい、人間としてより良く生きる態度を身に付ける。
- 他の人の立場や心情を深く思いやり、相互に援助・協力しようとする。
- 進んでボランティア活動に参加し、ボランティアの喜びを体得し、社会奉仕の精神を身に付ける。
様々な人権教育
目標
- これまでの人権学習で学んだことを生かして、様々な人権問題や新たに生じてきている人権問題の解決に向けた積極的な態度を身に付ける。
知識
- 人権の保障や平和維持のために国連やユネスコが果たしてきた役割を知る。
- 自然破壊などの環境問題について現状を知り、健康で文化的な生活と環境問題との関わり方について理解を深める。
- HIV感染者などへの差別や偏見について学ぶ。
- 性的指向及び性自認に関する知識を深め、多様な性を生きる人は身近な存在であるということの理解を深める。
- 戦争の悲惨さを学び、生存権の否定であることを理解する。また、戦争などで生命が脅かされている人々のことを知る。
- 高度情報通信社会の進展と関連して、個人のプライバシー保護の重要性について理解する。
態度
- 生命の尊重や自然環境の保全に興味を持ち、ボランティアなどに取り組もうとする。
- エイズなどの感染症や疾病の問題について理解を深め、差別や偏見をなくしていこうとする。
- 基本的人権を尊重する視点からプライバシーを保護しようとする。
- 人権問題の課題について総合的に捉え、それぞれの課題を関連付けて理解しようとする。
- 性的指向及び性自認に対する理解を深め、自他のちがいを認め合い、尊重し合う態度を身に付ける。
- インターネットの普及など情報化の進展と関連して、基本的人権を尊重する観点から、個人のプライバシーを保護し、人権侵害を防止しようとする。
5.高等学校における人権教育 学習プログラム
人権問題について総合的に学び、自ら人権尊重の社会の実現に向けて行動することができる。
こどもの人権
目標
- 人権の歴史的・国際的な考え方、人権に関わる概念を理解し、人権が尊重される社会の実現に向けた実践的な態度を身に付ける。
- 他の人への信頼感を確立し、自立、自己実現への意欲や態度の形成をめざす。
知識
- 人権確立の過程、人権に関する考え方の歩みを理解し、「世界人権宣言」「子どもの権利条約」などの宣言や条約を学習し、人権についての内容を理解する。
- 権利、自由、義務、公共の福祉などについて自らの考えを持ち、他の人の意見も尊重しながら様々な事例を議論し合い、理解する。
- 貧困やヤングケアラーなどの状況にあるこどもが健やかに育成される環境を整備することの重要性を知る。
- 客観的に自己を把握することによって、アイデンティティを確立することの重要性を知る。
態度
- 人権問題について、他の人との意見交換や人権侵害を乗り越えようとする人々の体験から学び、自分の生き方に結び付ける。
- 集団や社会の意思決定に際し利害衝突や意見対立が生じた場合、人権の視点に立ち、解決しようとする。
- いじめが許されないことを理解し、お互いのちがいを認め合う姿勢を身に付け、併せてなかまとともに問題を解決するためのコミュニケーション能力を身に付ける。
- こどもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、環境の整備に向けて参画していこうと行動する。
- 自分の良さや個性を伸ばそうとし、また人間への信頼を基礎においたアイデンティティの確立を図ろうとする。
同和教育
目標
- 同和問題について学んだことを自らの生き方に生かし、差別のない社会の実現に向けた実践的な態度を身に付ける。
知識
- 社会構造の中に部落差別が組み込まれてきたことを歴史を通して学び、解決に向けた展望を考える。
- 戦後、日本国憲法の下で、同和問題の解決に向けた取組が進められてきた意義を理解する。
- 結婚や就職などにおける部落差別の事例を通して、偏見や差別意識を克服することの重要性について議論し、理解を深める。
態度
- 差別をなくそうとしてきた人々の思いや生き方に触れ、自分も積極的に、差別をなくそうとする。
- 結婚差別が、今なお残存しており、差別をなくそうとする実践的な態度を身に付ける。
- 公正な採用選考のあり方について議論し、統一用紙の取組の意義を理解することを通して、就職差別をなくす実践的な態度を身に付ける。
ジェンダー平等教育
目標
- 主体的な生き方を考え、全ての人が平等に参画できる社会の実現に向けた実践的な態度を身に付ける。
知識
- 「女子差別撤廃条約」や「改正男女雇用機会均等法」「男女共同参画社会基本法」などの条約や法律が作られた国内外の経緯及び現状を理解し、性差別について議論を深める。
- 女性の就労実態を調べることにより、労働の観点から女性の自立について考える。
- 性暴力やセクシュアル・ハラスメント等は、個人としての尊厳や、人権を侵害するものであることを理解する。
- 固定的な性別役割分担意識の存在について討議し合い、その問題点について気付く。
- 就職、結婚などの具体的な事例を通して、ジェンダーに捉われることなく自立、自己実現のあり方を考える。
態度
- 家庭や社会の中で、それぞれが精神的、経済的、社会的に自立した人間として、協力して生きていこうとする。
- 全ての人が平等に参画できるという社会の実現に向けた動きを理解し、ジェンダーに捉われない主体的な生き方を考えようとする。
障害者理解教育
目標
- ノーマライゼーションの理念を自らの生き方に生かし、障害者と共に生きる社会の実現に向けて実践的な態度を身に付ける。
知識
- 交流、共同学習、キャップハンディ体験やボランティア活動などを通して、障害者が受けている社会的不利益を理解し、サポートする技能(スキル)を学ぶ。
- 制度、文化、情報などの面での障壁について考え、共に生活でき、参画できる社会構築の重要性を理解する。
- 「障害者雇用促進法」の趣旨と雇用の現状など、障害者差別の状況を知り、障害者福祉のあり方について理解する。
態度
- 個々の障害の状況に即したサポート技能や手話、点字など、障害者とのコミュニケーションを豊かにする技能を積極的に身に付ける。
- 障害者と積極的に関わり、共に生きていこうとする。
- 障害者を取り巻く障壁をなくし、共に自立し、共生社会の実現に向けて参画していこうとする。
在日外国人・国際理解教育
目標
- 在日外国人に対する差別や偏見をなくして、多様な民族や国籍の人々が共に生きる社会の実現に向けた実践的な態度を身に付ける。
知識
- 在日韓国・朝鮮人が日本で暮らしている歴史的経緯や社会的背景について知る。
- 様々な国や地域からの帰国・渡日のこどもたちが日本に定住している現状を知る。
- 在日外国人が本名で生きることの意義、現状、その阻害要因などの理解を通して、共に生きる社会を実現する方向を考える。
- 世界の国や地域の生活・文化などに触れ、多様な価値観や生き方があることを理解する。
- 国際的な開発援助について、人権尊重や環境保全の観点から考えるなど、多面的にその役割や課題について理解する。
- ヘイトスピーチの問題についての理解を深め、在日外国人の人権を守ることの重要性を知る。
態度
- 異なる文化を持つ人々が共に生きる社会の実現をめざし、差別や偏見をなくしていこうとする実践力を身に付けるなど、内なる国際化に向けて努力していこうとする。
- 国際社会に生きる人間として、様々な機会を通して互いの文化を理解し、尊重する態度を身に付ける。
福祉教育
目標
- 社会の一員としての自己を見つめ、社会福祉の問題に対する認識を深め、主体的に考え、行動できる実践力を身に付ける。
知識
- 福祉について学び、それらを自らの課題及び住民共通の課題として理解する。
- 地域での福祉活動から国際協力まで多岐にわたる活動内容について知る。
- 高齢者の孤独死などの高齢化社会における生の問題について調べ、その解決に向けた議論を深める。
- ボランティア活動は、人のために役立ち、自分の生き方に充実感を与えてくれることを理解する。
態度
- 福祉体験、ボランティア活動を通して、「福祉マインド」を身に付け、自ら社会に貢献しようとする。
- ボランティア活動などに積極的に参加し、共に人権尊重の地域社会構築に関わろうとする。
- 障害者や高齢者に対する介助や介護の仕方を身に付ける。
様々な人権教育
目標
- 人権が尊重される社会の実現に向けた実践的な態度を身に付ける。
知識
- 国連の平和維持・人権保障活動の意義を理解し、またNGOの活動について知る。
- 精神障害やエイズなどの病気を理由とした偏見や差別の問題、プライバシーの侵害などの情報化に伴う問題などについて調べ、その解決に向けた議論を深める。
- 環境、資源、自然のつり合いなどについての理解を深め、環境問題が地球規模の問題であることに気付く。
- 性的指向及び性自認に関する正しい知識を学び、多様な性が認められる社会のあり方について考える。
- インターネット上で様々な人権侵害が起こっていることについて知る。
- 様々な因習や偏見などについて調べ、それが不合理なものであるかどうかについて討議し、人権問題との関連について考える。
態度
- HIV感染者などの感染症患者やその家族等に対する偏見や差別をなくそうとする。
- 環境問題に対して責任のある行動を取り、社会に啓発しようとする。
- 様々な人権問題を通して、その解決に向けた取り組みに学び、自らの生き方を考えようとする。
- 人権に関わる問題については常に事実を見極めるようにし、偏見をなくそうとする。
- 性的指向及び性自認に関する正しい知識を学び、多様な性での生き方が認められる社会の実現に向けて努力していこうとする。
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