いつまでも元気に暮らすにはお口を健康に
更新日:2025年1月17日
歯周病やむし歯の仕組みとお口のケアで大切なポイントをお伝えします。
歯周病やむし歯が全身の健康に影響!?
日本人の半数は中等度以上の歯周病にかかっているとされていますが、その歯周病が糖尿病や大腸がん、認知症などさまざまな身体の病気と関係があることが報告されています。
歯周病とは
歯ぐき(歯肉)の中の組織が侵された病気
細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
むし歯とは
歯そのものが侵された病気
お口の中に住みついている細菌が食べ物や飲み物に含まれる糖質をエサ(代謝)にして作られる「酸」によって 歯がとかされ、穴が開いてしまう疾患です。
初期のむし歯は痛みや穴があくこともなく自覚症状がありません。気が付く頃にはむし歯が進行してしまっているので、早期発見・早期治療できるよう定期的な検診が大切です。
歯を失う原因の大半は歯周病とむし歯
歯を失うことによる健康被害
認知症発症のリスクが高まる
65歳以上の健常者4,425人を対象に歯と義歯と認知症の認定状況の関係を調べた調査では、年齢、疾患の有無や生活習慣等に関わらず、 歯がほとんど無く義歯を使用していない人は、20本以上歯を有する人と比較して、認知症発生のリスクが高くなることが示されました。
出典:Yamamoto et al., Psychosomatic Medicine, 2012
転倒のリスクが高まる
65歳以上の健常者1,763人を対象に歯と義歯と転倒の関連性を調べた調査では、性別、年齢、要介護認定の有無等に関わらず、歯が19歯以下で義歯を使用していない人は、20本以上歯を有する人と比較して、転倒のリスクがおよそ2.5倍高くなることが示されました。
出典:Yamamoto et al.,BMJ Open.2:e001262,2012
歯周病やむし歯を予防するには
(1)歯みがきを効果的に
歯ブラシの持ち方
鉛筆を持つようにすると力が入り過ぎません。
オーバーブラッシングに注意
しっかり磨こうと思うと、歯ブラシを持つ手にもつい力が入りがちですが、実は歯の健康を守るうえでは逆効果です。
- 力を入れすぎると歯ぐき(歯肉)が傷つき下がる「歯肉退縮」の原因に
- 歯ブラシの毛先が開かないくらいの軽い力が歯垢(プラーク)を効果的に落とします
歯の表面・裏面の磨き方
歯の表と裏側に歯ブラシの毛先を直角にあて往復運動する。
歯と歯ぐき(歯肉)の境目の磨き方
歯と歯ぐき(歯肉)の境目に歯ブラシの毛先を45度になるようにあて、軽い力で細かく振動する。
奥歯の溝の磨き方
奥歯の噛む面の溝に歯ブラシの毛先をあて小刻みに振動する。
(2)歯と歯の間もお手入れを
糸つきようじ(フロス)や歯間ブラシを使おう
糸つきようじの使い方
1.歯と歯の間にのこぎりを引くようにずらしながらゆっくり挿入します。
2.糸を歯の側面にそわせ、前後に動かしながら歯と歯の間の歯垢をからめとります。
歯間ブラシの使い方
歯と歯の間に挿入し、前後小刻みに動かして歯垢をとります。
※無理に差し込まないよう注意!!
(3)食事はよく噛んで
よく噛むことでだ液の分泌がよくなります。だ液には、粘膜を保護したり、お口の中をきれいにしたり、再石灰化によるむし歯予防の作用があります。
(4)お口の健康のためにも禁煙を
たばこは歯周病を悪化させます
●喫煙がお口に与える影響
・歯や歯ぐきが着色します。
・口臭がきつくなります。
・唾液の分泌が少なくなります。
・口腔がん等の死亡リスクが高くなるといわれています。
(5)歯科検診を定期的に受けよう
出典 長崎大学 新庄教授の研究データ
グラフから定期健診を受けている方の方が残存歯数が多いということが分かります。毎日の歯みがきできれいに磨けているつもりでも、細かい部分や磨きにくい部分に歯垢が残りがちです。歯垢はやがて硬い歯石となって歯みがきでは除去できなくなり、歯石に含まれる細菌が歯周病を引き起こす原因となります。定期的に歯科医院でメンテナンスを行うことで、そのような磨き残しのチェックや、歯ブラシが届かない歯周ポケットの細菌除去ができます。問題が起こってから歯科医院を受診するのではなく、問題が起こらないように歯科医院を利用しましょう。
早期発見・早期治療が大切です
直近1年で5人に1人が歯や口のトラブルで生活に支障をきたしており、そのうち8割の人が検診に行っておけばよかったと後悔しているそうです。
また、日本歯科医師会によると、55~74歳の健康の後悔第1位は「歯の定期検診を受ければよかった」。多くの人が後悔しているのが歯科検診です。後悔しないように、定期的に検診を受けましょう。
非常時のお口のケアはこちらでチェック!
防災に関する様々な情報をまとめた「みんなで防災ホームページ」では、非常時のお口のケアについてもご紹介しています。いざという時のお口ケアも知っておくと安心です。ぜひこちらもご覧ください。
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