在宅避難のススメ
更新日:2024年3月26日
避難所生活では、狭い場所に多くの人が集まるため、プライバシーの確保が困難になります。
避難所生活のストレスや過労から体調を崩してしまうこともあります。また、感染症の感染などのリスクも高まります。
耐震性の高いマンションの場合は、可能な限り住み慣れた自宅での生活を続けることができるように、各家庭やマンション単位などで地震に対する備えを行い、災害発生後は住民同士で協力し合うことが大事です。
普段から家具類の転倒・落下防止対策などにより、居室内の被害を最小限に食いとめることや、ライフラインの停止も想定した食料や生活・防災備品などを備えることにより、在宅避難が可能となります。
在宅避難の準備
自宅の安全確認
在宅避難をするには、自身と家族が無事で自宅が安全であることが第一です。
地震が起こっても、家屋や家具の下敷きになってけがをすることのないよう、在宅避難生活が送れるよう、住宅の耐震改修や家具の転倒防止を実施しておきましょう。
住宅の耐震診断
家具の転倒防止
ハザードマップの確認
ハザードマップで自宅周辺のリスクを確認しておきましょう。地震でも風水害でも、自宅が危険な場合は安全な場所への避難が必要です。
防災に関する資料(パンフレット・ハザードマップ)(堺市ホームページ)
情報ツールの準備
備蓄をしよう
避難生活に必要な水や食料、燃料などを自宅に備蓄しておきましょう。
1週間分の飲料水・食料に加え、カセットコンロやカセットボンベ等も備蓄しておくことが望ましいとされています。
また、地震により水道・下水道設備が損傷して水を流せなくなると、トイレが使えなくなります。そんな時に困らないように携帯トイレも1週間分準備しておきましょう。
安否を知らせる
風水害による浸水の恐れがない場合や地震が起こった後でも自宅で安全に過ごせる場合には在宅避難を検討しましょう。
在宅避難をする場合も、お住まいの地域の決め事に従って自分や家族の安否を知らせてください。
災害時にはご近所同士での声の掛け合い、助け合いがとても大切です。
在宅避難生活に向けて備えておきたいもの
マンションでの在宅避難生活を送るには、エレベーター停止による階段移動、ライフラインの停止、ゴミ・トイレなどの課題があります。マンション特有の課題に対処できる備えをしておきましょう。
食料や飲料水
1人1日3リットルを7日分以上用意しておきましょう
カセットコンロ、ガスボンベ(予備も)
ライフラインが停止したときに役に立ちます。
生活用水
ポリタンクや排水用の水(お風呂の残り湯など)で蓄えておきましょう。
懐中電灯・ラジオ(手動式)・電池(携帯電話のバッテリーも)
停電時に備えて備蓄をしておきましょう。
災害時用トイレ
断水や停電、排水管や下水道の損傷など、様々な事情によりトイレが使えなくなる可能性があります。
また、排水管の損傷に気付かずトイレを使用すると、下の階で汚水があふれる恐れがあります。
大地震の直後は、配管・排水管などの設備の状況等が確認されるまでの間は、台所用水やトイレの汚水を流すのを控えたり、災害時用の簡易トイレなどを使いましょう
非常用トイレ
自宅のトイレを利用した非常用トイレの作り方や 、汚物の処理方法を事前にマスターしておきましょう
備蓄の目安は「5回×家族の人数×最低3日分」
1日の排泄の平均回数は1人5回と言われています。
最低3日分、可能であれば7日分を備蓄しましょう。
誰でも簡単に使える非常用トイレ
便器に袋を取り付けて、吸水シートで吸収するタイプや凝固剤で固めるタイプがあります。
凝固剤は排泄物を固めるだけでなく、消臭効果や除菌効果のあるものや、10年~15年の長期保管できるものもあります。
ホームセンターやインターネットなどで購入することができます。
※取り扱いが無い場合も想定されるため、各店舗にお問い合わせください。
使用済みの携帯トイレは自治体指定の場所に捨ててください。
非常用トイレの作り方
便器をあげて便器にポリ袋をかぶせます。
便座をおろしてその上に袋をかぶせます。
用を足したあと、排泄物を固めるシートか凝固剤をいれます。
※凝固剤を入れるタイミングは製品により異なります。
便器につけた携帯トイレを外して口をしっかりしばります。
密閉できる容器で収集まで保管します。
※保管には、蓋つきごみバケツや、汚物処理専用の保管袋を使用しましょう。
資材が無いときは応急トイレ!
ご自宅のトイレが使用できない場合や携帯トイレがないときは、段ボールや新聞紙、ビニール袋、重曹、消臭スプレーなど身近なものを使ってトイレを作ることができます。
なぜトイレが大切なの?
トイレに排泄物が溜まると、排泄物の細菌により、感染症や害虫、悪臭が発生する恐れがあります。
トイレの使用を避けるために、排泄を我慢することが、水分や食事の摂取を控えることに繋がり、体調不良やエコノミークラス症候群などの健康被害を引き起こす恐れがあります。
災害時のトイレ関連リンク
普段使っている生活必需品
なくては困る日用品を多めに用意しておきましょう。少し多めに買って使ったら買い足すローリングストックがおすすめです。
- 目の悪い方…メガネやコンタクト
- 女性…生理用品
- 子育て中の方…紙おむつ、粉ミルク、哺乳瓶
- ペット…ケージ、えさ、リードなど
- その他…処方薬、入れ歯
※アレルギーなどの特別な事情のある方は、自分に合った食べ物や薬を必ず備えておきましょう。
多用途に使える便利グッズ
- ポリ袋…防寒着やバケツ代わりに
- 食品用ラップ… 食器等に巻けば洗い物を出さずに衛生的に食事ができる
- ウェットティッシュ… 衛生管理や身体を拭く(大判の物もある)
- 缶切り、ナイフ、十徳ナイフ…様々な場面で活躍
在宅避難の流れ
自分の命を守る
地震発生!倒れてくる物 、 落ちてくる物 、 割れる物がなく 、室外に通じる経路が確保できる場所 に逃げ込む 。
身体の健康状態を確認する
地震直後はケガをしていても自分では気がつかないことがあるため、家族で互いに確認する。
揺れが収まったら自宅の状況を確認する
・ドアは開くか
・柱は傾いていないか
・柱や梁にひび割れはないか
・火災は発生していないか
行動の前に正しい情報を得る
停電時でも聞くことができる乾電池式のラジオ 、 スマートフォンのラジオ 、テレビ 、堺市ホームページなどから信頼できる情報を得る 。
家が安全な場合、在宅避難スタート
余震に注意して、家族で過ごせる安全な場所を確保する。作業時は手袋や履物でケガを防ぐ。
トイレを準備する
家のトイレを非常用トイレに変える。
排水設備や下水道の損傷がないことが確認できるまでは水を流してはいけない 。
栄養を補給する
チョコレートやビスケット等調理のいらない食品で、エネルギーと水分を補給する。
家にある食材や備蓄品で作れる食事のメニューを考える
冷蔵品など傷みやすいものから順に使い、7日分程度の献立を考える。
温かい食事で、心と体を元気にする
余震の回数が減り、 火気使用の危険がなくなったら 、カセットコンロなどを用いて温かい食事を作る 。
生活に必要な情報を入手する
水や物資の配給、入浴支援 、ライフラインの復旧等 、暮らしを支える情報は 、避難所の掲示板やラジオ等から得ることができる 。
水を補給する
季節を問わず、しっかり水分をとることが大切。
備蓄の水が乏しくなったら、給水場所、避難所に受け取りに行く。
適度な運動と規則正しい生活で、心身の健康を保つ
十分に休息をとって体力を温存する 。 また 「 エコノミークラス症候群 」 を予防するため 、ストレッチや体操をこまめに行う 。
ライフラインが復旧し、食料や日用品が買えるお店が再開するまで 、家族や地域の人と協力して避難生活を乗り切りましょう 。