無形文化遺産関連事業 令和5(2023)年度事業
更新日:2024年7月1日
堺市では、平成23年10月にユネスコが賛助するアジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)が、独立行政法人国立文化財機構の1組織として堺市博物館内に開設されて以来、市民の方に無形文化遺産とその保護への理解を深めていただくために、定期的に無形文化遺産理解セミナー、ワークショップを開催しています。
アジア太平洋地域諸国の無形文化遺産を紹介し、世界の文化の多様性に対する認識を深めると共に、自分たちのアイデンティティの拠り所である日本や地元堺の無形文化遺産にもスポットライトを当て、自文化を再認識していただく機会とします。
開催概要・参加者募集などの情報は決まりしだい随時掲載します。興味のある方は是非チェックしてください。
パネル展示「コロナ禍を乗り越えたアジア太平洋地域の無形文化遺産」【終了】
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、外出や集会の制限をはじめ、長期にわたって私たちの日常に大きな影響を及ぼしました。人々が担い手となる無形文化遺産も大きなダメージを受けましたが、コロナ禍の困難な状況にあっても実践を続けるための様々な取組もあり、変化しながら受け継がれる「生きた文化遺産」としての可能性を示しています。本展示では、アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)がアジア及び太平洋地域9か国*で実施した調査の成果を基に、コロナ禍における無形文化遺産の実践について紹介します。
*バングラデシュ、フィジー、インドネシア、インド、イラン、キルギス、モンゴル、パプアニューギニア、韓国
調査対象のアジア太平洋地域9か国無形文化遺産
第41回無形文化遺産理解セミナー 【終了しました】
テーマ:「コロナ禍のお祭りを考える—東京都台東区浅草・三社祭を事例として—」
日時
令和5年12月17日(日曜)午後1時30分~午後3時(午後1時開場)
会場
堺市博物館ホール
講師
三隅貴史(みすみたかふみ)氏(関西学院大学社会学部 特別任用助教)
概要
コロナ禍により、中止や神事のみの開催となった祭りは少なくありません。実際に、民俗学者によるアンケート調査の結果が示したように、約7割の祭りが中止に追い込まれました。その中には、飾り付けた山車や屋台を展示したり、担い手が集まって練習をしたり、あるいは倉庫の掃除をしたりした祭りもありました。一方で、「疫病退散」、「新調記念」、「見納め」といった名目を掲げて、祭りを実施したケースもありました。すなわち、これらの事例は、祭りの担い手たちがコロナ禍において何もできなかったのではなく、自分たちのできる範囲で祭りを戦略的に行っていたことを示唆します。本講演では、神輿で有名な東京都台東区浅草の三社祭に焦点を当て、コロナ禍の祭りの様子を紹介し、コロナ収束後に祭りがどのように受け継がれていくかについて検討します。
三社祭
三社祭(写真提供:3枚とも三隅貴史氏)
三社祭
主催
アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)・堺市
定員
60人(要事前申込)
参加方法等
参加無料(展示の観覧は別途観覧料が必要)。
12月1日(金曜)午前10時から、以下のいずれかの方法でお申し込みください。申込先着順。
(1)電話(072-245-6201、堺市博物館 無形セミナー係)にて受付。
(2)堺市電子申請システム【第41回無形文化遺産理解セミナー参加者募集】にて受付。
【チラシ】パネル展示「コロナ禍を乗り越えたアジア太平洋地域の無形文化遺産」+セミナー(PDF:3,777KB)
【墨字化チラシ】パネル展示「コロナ禍を乗り越えたアジア太平洋地域の無形文化遺産」+セミナー(HTML:89KB)
【音声化チラシ】パネル展示「コロナ禍を乗り越えたアジア太平洋地域の無形文化遺産」+セミナー(音声:3,442KB)
アジアの伝統的織物とその工芸技術 【無形文化遺産理解事業】
人びとが暮らしていくうえで必要不可欠な衣食住は、居住する環境によって調達できる素材や用いられる技法がさまざまであり、多様性に富んでいます。ユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」や「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧表」には、衣食住にまつわって、古くから伝わってきた伝統工芸技術や自然および万物に関する知識および慣習として、記載されているものが多くあります。
本事業では、展示、セミナー、ワークショップを通じて、中国・韓国・日本を中心にユネスコ無形文化遺産に登録された、衣に関わる織物の工芸技術を取り上げて、多様なアジアの伝統的織物とその工芸技術の継承の一端を紹介します。
主催 堺市
特別協力 国立民族学博物館
協力 中国手藝網/(中国)海南省非物質文化遺産保護センター
- 無形文化遺産シリーズ展「アジアの伝統的織物―中国・韓国・日本を中心に―」
- 第39回無形文化遺産理解セミナー・ワークショップ 雅やかな韓国の伝統織物「韓山モシ」
- 第40回無形文化遺産理解ワークショップ「ミニ緞通を織ってみよう」
無形文化遺産シリーズ展「アジアの伝統的織物―中国・韓国・日本を中心に―」【終了しました】
会期
令和5年9月5日(火曜)から10月1日(日曜)まで
おもな内容
中国の「黎族の伝統的な織物技術-紡績・染色・製織・刺繍」、韓国の「韓山モシ(麻織物)」、日本の「小千谷縮・越後上布」「結城紬」などユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」や「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧表」に登録された伝統的織物とその工芸技術を紹介。
黎族 錦織をしている女性たち(写真提供:中国手藝網)
韓山モシ館 織っている様子(写真提供:林在圭氏)
小千谷市指定文化財「縮布製造之真図」のうち「雪ざらし」(写真提供:小千谷市/所蔵:小千谷織物同業協同組合)
展示風景
展示場から
衣装や道具などを展示
紹介パネル・映像資料
第39回無形文化遺産理解セミナー・ワークショップ 【終了しました】
日時
令和5年9月23日(土・祝)午後1時から午後4時まで
会場
堺市博物館ホール
対象
小学校5年生以上(小学生は保護者同伴)
(1)セミナー 雅やかな韓国の伝統織物「韓山モシ」 【午後1時から2時30分まで】
講師:林 在圭氏 静岡文化芸術大学 教授
内容:
韓国の伝統織物には絹織物と麻織物・木綿織物がある。麻織物は麻布と苧布の「モシ」に大別される。伝統的に最高の衣料は絹とされていたが、夏の衣料としては韓国の固有民族衣装の白衣を象徴する苧布が重宝され、古代より中国や日本への輸出品の筆頭に数えられてきた。忠清南道舒川郡では、かつてより農業の複合経営における米に次いで重要な一角を担ってきたのが苧の栽培であり、苧布(苧布も「モシ」と呼ばれる)の織物であった。モシで特に有名なのは韓山地方で生産される「韓山モシ」である。しかし1960年代以後、近代化に伴い、化学繊維に押されて伝統織物は急減し、モシの生産と消費は大きく縮小し、生産及び技術継承の断絶危機に直面する。こうしたことから、1967年(韓)国の重要無形文化財(14号)指定、1974年忠清南道無形文化財指定、1993年伝受会館設立、2011年ユネスコ無形文化遺産登録等を通じて、韓山モシの技術保全と伝承を図っている。
定員:70人 参加無料
(2)ワークショップ モシ・モビールを作りましょう 【午後2時50分から4時まで】
作品(イメージ)
講師:からむし工房 塩尻 俊子氏、李 仁子氏
内容:
パッチワークのような、織物の端切れを使う工夫は古くから世界各地にみられます。ワークショップでは、布切れを縫い合わせて作るポジャギ(風呂敷)とその作り方を紹介し、モシの飾り物を縫い上げます。
約8×3センチメートルのモシ端切れを縫い留めて、モビールを2個作り、更にモビールの中に紐を通し完成します。(完成サイズ:約35センチメートル)
定員:30人 材料費:1000円
参加方法
メール、または電話でお申し込みください。先着順。定員に達した時点に受付を締め切ります。
- ご応募は(1)セミナーの参加申込として受け付けます。(2)ワークショップのみの参加はできません。
- メールの場合、件名に「セミナー・ワークショップ「韓山モシ」の申込」、本文に申込者氏名、参加人数、連絡先の電話番号をご記入ください。ワークショップ参加希望の方は「ワークショップ参加希望」と追加記入してください。
- 下記のお問い合わせメールをご利用ください。
お申し込み・お問い合わせ先
〒590-0802 堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内 堺市博物館 「無形文化遺産」係
電話:072-245-6201 メールはこちら
第40回無形文化遺産理解ワークショップ ミニ緞通を織ってみよう 【終了しました】
緞通の展示(常設展示)
緞通は江戸時代後期から近代にかけて盛んに生産された手織りのじゅうたんです。堺緞通は鍋島緞通、赤穂緞通と並んで、江戸時代に由来を持ち、2006(平成18)年に「独自の発展を遂げた緞通の手織技術として貴重」として、大阪府の無形民俗文化財(民俗技術)に指定されました。現在は堺式手織緞通技術保存協会を中心に技術の保存と伝承が行われています。
当館では、大型織機をはじめ、堺緞通の資料を多数所蔵しており、堺緞通の展示やセミナー・ワークショップを実施してきました。今回は「アジアの伝統的織物とその工芸技術」というテーマのもと、あらためて、堺緞通の発展や技術の独自性を学んでから、簡易器具を使って、ミニ緞通の手織りに挑戦します。
ワークショップの様子と作品
日時
9月30日(土曜)午後1時30分から4時まで
会場
堺市博物館ホール
講師
堺式手織緞通技術保存協会
定員
12人(小学生以上。小学生は保護者同伴。)
参加方法
参加無料。事前申込。
9月12日(火曜)午前10時より、電話(072-245-6201)のみ受付。先着順。
無形文化遺産理解事業「アジアの伝統的織物とその工芸技術」チラシ(PDF:3,619KB)
注染で手拭いを染めましょう 【第38回無形文化遺産理解ワークショップ】【終了しました】
堺緞通、注染をはじめとする伝統産業(伝統工芸技術)、上神谷のこおどりなどの伝統的祭事、千利休と茶の湯文化など、堺は無形文化遺産(無形文化財)の宝庫と言っても過言ではありません。
今回は堺の伝統産業である注染の技法で手拭いを染めるワークショップを開催します。
注染の製作過程
日時
令和5年8月26日(土曜)
(1)午後1時30分から午後2時50分まで【終了】
(2)午後3時10分から午後4時30分まで【終了】
※各回開始時間15分前から受付。
会場
堺市博物館ホール・学習室
講師
堺注染和晒興業会 北山雅啓 理事長(日本伝統工芸士)、注染職人
概要
「注染」とは手拭いや浴衣を染める技法の一種で、その製品は「浪華本染め(注染)」として国の伝統的工芸品に指定されています。右の写真が示しているように、(1)和晒生地にのせた型紙の上から防染糊を塗った後、(2)模様の周囲に防染糊で土手を作り、(3)その囲いの中に染料を注ぎ込みます。そして、水洗いと脱水・乾燥を経て、完成します。
表裏を同時に染色するので、生地の糸までしっかり染まり、両面とも同じ柄、同じ色合いに仕上がります。注染職人の匠の技術による鮮やかな彩りと自然なぼかしが特徴で、手染ならではの奥行きと風合いが魅力です。
堺市博物館オリジナル柄の型紙
堺市博物館オリジナル柄の手拭い(完成イメージ)
今回のワークショップでは、注染の製作実演を見学し、職人の指導のもと、堺市博物館オリジナル柄の手拭いの製作に挑戦します。博物館の展示品をかたどった型紙を使って、自分だけの手拭いを作りましょう。
※作った手拭いはお持ち帰りいただけます。
※写真の模様はイメージです。
※時間により、全工程に参加できない場合があります。
参加方法等
定員
(1)、(2)各回15人。(要事前申込、先着順)
対象
小学生以上(小学生の場合は保護者同伴が必須)。
参加費
材料費2000円(手拭い2枚分の材料費、当日徴収)
参加方法
8月8日(火曜)午前10時00分から、電話(072-245-6201)にて。 先着順。
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このページの作成担当
文化観光局 歴史遺産活用部 博物館 学芸課
電話番号:072-245-6201
ファクス:072-245-6263
〒590-0802 堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内 堺市博物館
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