無形文化遺産関連事業 平成28年度(2016年度)事業
更新日:2024年7月1日
無形文化遺産理解セミナー、展示、ワークショップなどを開催します。
開催概要・参加者募集などの情報は決まりしだい随時掲載します。興味のある方は是非チェックしてください。
第16回無形文化遺産理解セミナー バリの伝統舞踊<終了>
「神々の島」「芸能の島」など様々な呼び名があるバリ島では、多彩な様式の豊かな芸能が時代を超えて息づいています。新しい作品が次々に生み出されながらも、伝統芸能は絶えることなく受け継がれ、必要とされ、楽しまれています。2015年12月にユネスコ無形文化遺産には、宗教儀礼に密着した神聖な位置づけのものから、人々が熱く芸を競い合うものまで、幅広く3つのカテゴリーで9種類ものバリ舞踊が登録されました。
セミナーでは、バリ島で生活に密着し広く親しまれている舞踊芸能の特徴と、海を越えて多くの人が惹き付けられる魅力を、実演を交えて紹介します。
日時
3月4日(土曜)午後2時から3時30分まで
会場
堺市博物館ホール
プログラム
- 舞踊 ルジャン
- バリ島の芸能や文化についてのお話
- 舞踊 レゴン・クラトン
(当日は、木彫りのお土産などが当たる抽選会を行います。)
講師
小林 江美 大阪音楽大学 非常勤講師
バリ舞踊グループ「プスパ・クンチャナ」主宰
1991年よりインドネシア政府給費留学生(ダルマシスワ)として2年間インドネシア芸術大学デンパサール校にてガムラン演奏とバリ舞踊を学ぶ。
帰国後大阪市内でバリガムラン ギータ・クンチャナ及びバリ舞踊 プスパ・クンチャナを結成し、関西を中心に活動を広げる。
舞踊
三好 倫子
2003年バリ舞踊に魅了され、学び始める。2005年~2007年、インドネシア国立芸術大学デンパサール校舞踊科に留学。
現在、ジュージヤカルチャー石山にて講座を開講するほか、関西を中心に公演やイベントに参加している。
村瀬 妙子
2000年バリ舞踊を学び始める。2010年単身渡バリし、インドネシア国立芸術大学デンパサール校舞踊科教授やSMKI(現SMKN3)芸術高等学校教師より直接師事。
関西を中心に活動する他、2012年よりバリ島で行われている芸術祭にも参加している
第16回無形文化遺産理解セミナー「バリの伝統舞踊」チラシ(PDF:1,268KB)
無形文化遺産理解事業2016 キムジャン-親戚や隣人が協力してキムチをつくる- <終了>
平成25年にユネスコの世界無形文化遺産に登録された「キムジャン」は、親戚やご近所どうしが集まって越冬用のキムチを漬けるという、韓国の初冬の風物詩です。
大量のキムチを手際よく漬ける秘訣は、ご近所づきあい。手間がかかる準備や作業工程を、要領よく分担しあい、楽しくおしゃべりしながら進めることで、冬の準備がスムーズに終わります。そして、出来あがったキムチは、参加者が分け合うだけでなく、「キムジャン」が出来ないご近所さんのもとにも届けられます。このように「キムジャン」は、古き良き韓国の伝統的なご近所づきあいと、助け合いの精神を、現代に伝える貴重な遺産です。
本事業では、キムジャンに関する展示・セミナー・ワークショップを通じて、韓国の食文化及び食がつなぐ人間関係、さらに無形文化遺産の継承について紹介しました。
主催:堺市
特別協力:国立民族学博物館 駐大阪韓国文化院
コーナー展示 食がつなげる絆-韓国の「キムジャン」にみる分かちあいの文化-
期間
11月8日(火曜)から12月18日(日曜)
会場
堺市博物館 展示場内
概要
国立民族学博物館、駐大阪韓国文化院の協力で、キムジャンのシーンを再現した韓紙人形、キムチを漬けるのに使用する甕、調味料を入れる容器、キムチの貯蔵・発酵機能を有するキムチ専用の冷蔵庫などを展示しました。キムジャンに関する写真、ビデオなど映像資料も紹介しました。キムジャンの風習から、「食」を通して無形文化遺産を考えるきっかけにできればと思います。
第15回無形文化遺産理解セミナー 「キムジャン」にみる韓国のご近所づきあい
日時
12月3日(土曜) 午後2時から3時30分 (午後1時30分開場)
会場
堺市博物館ホール
講師
太田 心平 国立民族学博物館 准教授
概要
キムジャンは、冬の間に必要なキムチを各家庭で大量に漬けておくという、韓国の晩秋の伝統行事です。伝統社会においてキムチは各家庭で漬けるモノでした。ただ、厳しい韓国の冬にキムチを漬けるのは大変であること、葬儀等のようにキムチが大量に必要になる緊急事態の恐れが特に冬に多いことから、キムジャンの習慣は生まれました。そしてキムジャンは隣人、親戚、友人どうし協力しあう共同体の作業であり、珍しく女性たちが発散できる年中行事でもあります。作ったキムチは、社会的弱者や主婦がいない家庭にも分かち合います。
キムジャンは「キムチ作りと分ちあい」という名目で、2013年にユネスコ無形文化遺産代表作一覧表に登録されました。これは、キムジャンが古くからの価値ある習慣であることとともに、失われつつある習慣であることも意味します。セミナーでは、キムジャンのようなご近所づきあいや、助け合いの伝統的な習慣を紹介し、それらが失われつつある理由を分析しました。
韓国のような急成長を遂げた国の中には、失われる伝統的習慣がたくさんあります。キムジャンについて言えば、住居設備が変化し冬場も水仕事が容易になったこと、葬儀など自宅で行なっていた行事ごとが市場編入されたこと、女性の社会進出などが、キムジャンの価値をそいだ社会変化の代表例に挙げられます。食の市場化も要因であり、キムジャンに限らず、キムチを買う人が増えたことも、大きな背景です。また、同じく女性の社会進出や、男女同権思想の広まり、遊興費が安いことなどの事情で、女性が発散できる機会も他に生まれました。
そして、キムジャンに代表される助け合いの精神も、住居形態や社会扶助の様相の変化によって、価値を失いつつあります。急速な都市化、集合住宅居住の割合と引っ越し率の高さにより、キムジャンができる空間が確保できなく、住民同士の絆を築きあげることも難しいのです。近代国家では、社会扶助の役目が隣人同士から政府に移り変わり、信徒数が人口の30%以上と言われるキリスト教会も社会参与に熱心です。こうして助け合いは、ご近所同士、親戚同士のものから、国家や宗教的なところに置き換えられてきたのです。キムジャンだけではなく、農漁村での伝統的な共同作業「プマシ」や「トゥレ」、伝統行事の農楽やマダン劇など、失われつつある伝統行事や共同作業は他にもたくさんあります。
だからこそ、共同作業の伝統行事の最後の砦として、かつ人々の小さな実践で受け継ぐことが出来る伝統的精神活動として、キムジャンの価値は再評価されているのです。韓国の人々が「キムジャンは保護しなきゃ!」と頑張っている背景は、ここにあるのです。
ワークショップ キムジャンについて学ぼう
日時
12月10日(土曜) 午後2時から4時まで
会場
サンスクエア堺A棟1階 料理実習室
講師
蔡 淑美(チェ スンミ) 韓国料理研究家
概要
韓国料理研究家の蔡淑美先生が、キムジャンについてお話をし、大根キムチ(カクテキ)の漬け方、発酵を待たずに食べられるたらこ入り大根キムチと日本でもおなじみの白菜キムチのチヂミの作り方を講義しました。その後、参加者がグループに分けて、講義とレシピに基づいて、たらこ入り大根キムチとチヂミを協力して調理し、最後に自分たちで作った料理をいただきました。おいしい料理だけでなく、協力と分かち合いのキムジャンの精神も体験していただきました。
無形文化遺産理解事業(2016)「キムジャン-親戚や隣人が協力してキムチをつくる-」チラシ(PDF:1,938KB)
無形文化遺産国際シンポジウム-技と心を受け継ぐ- <終了>
内容
IRCIの開設5周年という機会を捉え、無形文化遺産を保護し、次世代へ継承することの意義について考えるシンポジウムを開催しました。
松浦 晃一郎 前ユネスコ事務局長による基調講演「無形文化遺産と私たち」では、ユネスコにおける文化遺産保護の取り組みや、私たちの身近にあり、直接参加する機会がある無形文化遺産の保護の大切さについてお話しいただきました。
パネルディスカッション「技と心を受け継ぐ」では日本、マレーシア、カンボジアの事例を交え、無形文化遺産の保存・継承の現状や課題について議論しました。文化遺産を大切にするということは、お互いにかけがえのないものを大切にする、尊重することに繋がっているという意見が出されました。
最後に、大阪で生まれた人形浄瑠璃文楽(ユネスコの無形文化遺産の代表的な一覧表に記載)が上演され、国内外からの来場者を魅了しました。
概要
日時
平成28年11月19日(土曜) 午後1時30分から5時
会場
サンスクエア堺(堺市立勤労者総合福祉センター)・サンスクエアホール
主催等
主催: 堺市、独立行政法人国立文化財機構アジア太平洋無形文化遺産研究センター、文化庁
後援: 外務省、日本ユネスコ国内委員会
協力: 独立行政法人日本芸術文化振興会国立文楽劇場
プログラム
1)主催者挨拶
藤江 陽子 文化庁文化財部長
竹山 修身 堺市長(狭間 惠三子 堺市副市長代読)
2)基調講演 演題:無形文化遺産と私たち
講師:松浦 晃一郎 前ユネスコ事務局長
3)パネルディスカッション テーマ:技と心を受け継ぐ
=パネリスト(50音順)=
・飯島 満 東京文化財研究所無形文化遺産部長
・ソクリティー・イム カンボジア・アンコール地域遺跡整備機構副所長
・ハナフィ・ビン・フセイン マレーシア・マラヤ大学芸術社会科学部准教授
・福岡 正太 国立民族学博物館文化資源研究センター准教授
=コーディネーター=
岩本 渉 アジア太平洋無形文化遺産研究センター所長
4)文楽ミニ公演-ユネスコ無形文化遺産-
解説:豊松清十郎 氏
演目:伊達娘恋緋鹿子~火の見櫓の段
(出演者)
太 夫:豊竹呂勢太夫 氏
三味線:鶴澤清志郎 氏、鶴澤清公 氏
人 形:豊松清十郎 氏、吉田清五郎 氏、吉田文哉 氏、吉田和馬 氏
お囃子:望月太明藏社中
5)閉会挨拶
岩本 渉 アジア太平洋無形文化遺産研究センター所長
ロビー展示
世界文化遺産登録をめざしている百舌鳥・古市古墳群はじめ、堺市の歴史・文化の紹介や、IRCIや文楽を紹介するパネル展示を行いました。
無形文化遺産国際シンポジウム-技と心を受け継ぐ- チラシ(PDF:1,191KB)
第14回無形文化遺産理解セミナー 夏休みにモンゴルの遊牧民の生活を体験 <終了>
日時
8月27日(土曜) 午後2時から4時
会場
堺市博物館ホール
講師
NPO法人モンゴルパートナーシップ研究所 伊藤知可子さん他
主催
堺市
内容
モンゴルの民族衣装「デール」を身にまとった伊藤知可子先生から、映像を使ってモンゴルの地理、気象条件、遊牧民の日常生活について説明していただきました。その後、子どもたちは、遊牧民の住居「ゲル」の屋根の組み立てを体験し、皆で民族楽器「馬頭琴」の演奏を楽しみました。子どもたちは、伊藤先生のクイズに答えたり質問したりして楽しく学び、全員でモンゴル語「サイン バイ ノー(こんにちは)」を復唱して終わりました。
会場には、雄大な草原での日常を撮影したパネルや民族衣装「デール」が飾られ、遊牧民の生活のイメージをより一層膨らませることができました。
(セミナー概要)
モンゴルは大変乾燥していて、季節や朝晩の気温差がかなりあります。しかし、モンゴル遊牧民の住居「ゲル」では、屋根や壁に被せる自家製のフェルトや床に敷く牛糞・馬糞や絨毯により室内の温度を調整でき、真冬でも室内ではTシャツで過ごすことができます。ゲルの入り口は南向きで、入ってすぐ左側に水桶、真ん中にストーブ、正面にモンゴル仏教の祭壇があり、その他はベッドと小さな箪笥があるだけです。開け閉めができる天窓が唯一の窓で、換気にも使用します。
牧民が暮らす草原には水道はありません。水は川で汲んできたもの(冬は雪や氷をとかしたもの)を使う為、トイレは草原で行い、川のそばでの洗濯は汚水が川に流れるためできません。お料理は1つのコンロを上手に使い、通常、蒸すか煮て塩で味付けした羊と、小麦で作ったうどんや小籠包のようなものを食べています。生肉はあまり食べません。
民俗衣装のデールは、最近では冠婚葬祭の時に着ることが多くなりましたが、家畜の世話をする時などは汚れるために木綿のデールを着ています。遊牧民は、家畜の食糧(牧草)を求めて、1年に春夏秋冬最低4回は移動します。かつては、馬、牛、ヤクが引く荷車で移動していましたが、現在はトラックで移動しています。
遊牧民が大切にしている家畜に、馬、牛、羊、ヤギ、ラクダがあります。毎年7月に実施するナーダムというお祭りで行われる競馬で優勝し、豪華な賞品をもらうことが遊牧民の夢で、馬を最も大切にしています。
モンゴルの民族楽器「馬頭琴」はモンゴル語では「モリンホール」と呼び、胴体は木製で、先端に馬の彫刻がついています。2本の弦からなり、弦と弓は馬の尻尾の毛を100本以上束ねてできています。
近年、遊牧民の生活様式は変化し、子どもの教育を考え、草原を離れて首都ウランバートルに移り住む遊牧民も増えています。
第14回無形文化遺産理解セミナー「夏休みにモンゴルの遊牧民の生活を体験」チラシ(PDF:1,802KB)
東京シンポジウム2016 -文化遺産を考える- <終了>
内容
本シンポジウムは、歴史文化を活かした堺市独自の取組みを通じて、首都圏での本市の知名度向上及び世界文化遺産登録への機運醸成を図ることを目的とし、平成27年5月に実施した東京シンポジウムの第2弾として開催しました。
竹山 修身 堺市長、銭谷 眞美 東京国立博物館長の主催者挨拶に続き、村田 善則 文化庁文化財部長からご来賓のご挨拶をいただき、シンポジウムは始まりました。
主催者・来賓挨拶(左から竹山修身堺市長、銭谷眞美東京国立博物館長、村田善則文化庁文化財部長)
中西 進 堺市博物館名誉館長による基調講演では、博物館にある文化財など形のあるものを守り、それらを通して目に見えない大きな自律性さえ持った文化の諸相を伝えていくことが博物館の役割であるというお話しがありました。
パネルディスカッションでは、国と地方自治体という役割の異なる3博物館の館長と堺市長(堺市博物館ミュージアムディレクター)により、有形・無形の文化遺産を保護、活用し、未来に継承していくための各博物館の取り組みなどが紹介されました。
最後は、東京楽所の皆さんによる厳かな雅楽の演奏でシンポジウムの幕が閉じました。
概要
日時
2016年5月14日(土曜) 午後1時30分から午後4時30分
会場
東京国立博物館 平成館大講堂(東京都台東区上野公園13-9)
主催
堺市、国立文化財機構
後援
文化庁、国立民族学博物館、北海道博物館、百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録推進本部会議
プログラム
- 主催者挨拶
竹山 修身 堺市長
銭谷 眞美 東京国立博物館長
- 来賓挨拶
村田 善則 文化庁文化財部長
- 基調講演
演 題:文化の自律性-日本の文化遺産を考える
講 師:中西 進 堺市博物館名誉館長・国文学者
- パネルディスカッション
演 題:文化遺産と博物館の使命
パネリスト(50音順)
石森 秀三 北海道博物館長
須藤 健一 国立民族学博物館長
銭谷 眞美 東京国立博物館長
竹山 修身 堺市長(堺市博物館ミュージアムディレクター)
コーディネーター
狭間 惠三子 堺市副市長
ロビー展示
- 雅楽演奏 (東京楽所)
解 説 東京楽所代表 多 忠輝 氏
演奏曲 ・盤渉調音取
・青海波 百舌鳥古墳群の映像とともに
・越殿楽
- ロビー展示
・アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)の紹介
・百舌鳥・古市古墳群の紹介
「東京シンポジウム2016-文化遺産を考える」チラシ(PDF:1,017KB)
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