特別出品「廣國神社の蔵王権現立像」<令和6年1月6日~5月12日>
更新日:2024年5月12日
廣國(ひろくに)神社は現在、美原区大保(だいほ)に位置し、太井(たい)・大保・今井の3つの地区に氏子圏をもつ神社です。廣國神社にはかつて蔵王堂があり、等身大の蔵王権現立像(ざおうごんげんりゅうぞう)がお祀りされていました。明治時代の神仏分離時には神社を出て、以降、太井の個人宅敷地内に建てられたお堂で大切に祀られてきました。このたびこの蔵王権現立像が再び廣國神社に祀られるのを記念して、蔵王権現立像と、蔵王権現立像と同じ経過をたどった不動明王立像を特別出品する運びとなりました。地域で大切に守られてきた二体の像を、ぜひご覧ください。
出品期間
令和6年(2024)1月6日(土曜)~5月12日(日曜)【終了しました】
出品資料
蔵王権現立像 江戸時代
蔵王権現は、修験道の祖である役行者が、金峯山中で感得した(感じ取った)とされる尊像です。像高169センチメートルという大きさで、右足を蹴り上げて左足だけで立っている姿は圧巻です。今回の出品にともなう調査では、台座底面に銘文が見つかり、この像が慶安元年(1648)に制作され、堺南庄住人の仏師・馬郡安右衛門と馬郡喜右衛門により作られたことがわかりました。江戸時代初期の仏師名がわかる作例として貴重です。
不動明王立像 江戸時代
蔵王権現立像の隣にお祀りされていました。像高49センチメートルで、小さいながら迫力のある江戸時代のお像です。この像がいつから蔵王権現と一緒に祀られていたかはわかりませんが、不動明王は、修験道で信仰される尊像のひとつであり、何らかの縁で安置されたと思われます。
写真はいずれも佐々木香輔氏撮影。
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