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5.幼児教育の推進に当たっての基本姿勢

更新日:2020年6月30日

 先に示した幼児教育の基本理念に基づき、周囲からのたくさんの愛情ある関わりとともに、適切な環境を整え、生活や遊びを土台とした質の高い幼児教育に本市全体で取り組んでいく必要がある。
 幼児教育の基本理念のもと、「生活や遊びを通して、しなやかでたくましく生きる力の基礎をはぐくむ」ことを本市の幼児教育推進の基本目標とし、幼児教育を取り巻く様々な状況の変化や課題を踏まえ、5つの基本的方向性を定め、幼児教育を推進する。

■すべての幼児に対する質の高い幼児教育を推進します

 幼児期においては、自尊感情や粘り強さ、挑戦する力といった非認知的能力(学びに向かう力)を身に付けることが、その後の人生に大きな影響を与えると言われている。自分の生活を離れ、知識や技能を一方向的に教えられ身に付ける時期ではなく、生活の中での興味や欲求に基づいた直接的・具体的な体験を通して、必要な力が培われる時期である。小学校教育の先取りをするのではなく、自発的な活動である遊びを通して、自ら考えようとし、意欲や粘り強さをもって取り組もうとする姿勢など、幼児期にはぐくみたい資質・能力を総合的にはぐくむことが大切である。
 そのためには、保育者が幼児の発達を見通し、その時期にふさわしい体験が積み重ねられるよう環境構成を工夫するとともに、生活や遊びの中の学びを見とり、一人ひとりの幼児に応じた適切な援助を行うことが求められる。保育者の更なる資質・能力の向上や、施設間の連携・相互理解を図ることで、教育・保育施設の種別や設置主体を問わず、すべての幼児に対する質の高い幼児教育を推進する。

■自尊感情をはぐくみ、互いを尊重し合える豊かな人権感覚を育成します

 幼児期においては、たくさんの愛情を注がれながら周りの大人や友だちと関わることで、自分が大切にされていることを実感し、安心して自分の思いを出して遊ぶようになる。その中で、徐々に周囲と心を通わせる心地よさを味わい、刺激を受けながら自分の世界を広げていく。さらに、友だちとの関わりが深まるにつれ、自分とは異なる友だちの思いやよさに気づき、認め合えるようになる。
 このような発達の過程を踏まえた教育・保育を進めることで、人権感覚の基盤となる自尊感情をはぐくむとともに、自分も周りの人々も大事にし、互いを尊重し合える心を育てる。
 また、そのためには、幼児の身近にいる保育者が、豊かな人権感覚を身に付ける必要がある。保育者の言動は、幼児の成長に大きな影響を及ぼすことからも、保育者が自らの人権意識を絶えず見直し、人権意識を高められるような研修等を推進する。

■子ども一人ひとりを大切に、安心できる集団づくりを進めます

 幼児期においては、子どもたちを取り巻く生活環境や背景も様々で、それらに伴った個々の特性や発達段階の違いもある。一人ひとりが多様であることを前提に、幼児理解に基づき、個に応じた教育や支援を行うとともに、子どもたちが互いを認め合い、安心できる集団づくり、さらには、誰にとってもわかりやすい教育・保育づくりを進める。
 また、幼児理解を深め、状況に応じた的確な支援を行うため、保護者との信頼関係を築き、連携を図る。

■発達と学びの連続性を踏まえ、小学校教育への円滑な接続を図ります

 幼児期における生活や遊びを通した育ちや学びは、小学校以降の学びの基礎となるものであり、本市としても、幼児期の教育と小学校教育の相互理解を深めながら、円滑な接続ができるように、小学校との交流活動等に取り組んできた。平成29年に告示された幼稚園教育要領等や小学校学習指導要領においても、幼小接続の重要性が改めて示されている。
 幼児期においては、「幼児教育堺スタンダードカリキュラム」に示したとおり、接続期に大切にしたい5つの生活と遊び((1)楽しく体を動かす(2)ねばり強く取り組む(3)豊かな言葉を身に付ける(4)数に親しむ(5)決まりを守って生活する)を堺のスタンダードとして重点的に取り組む。また、小学校においても、スタートカリキュラムを編成して幼児期の豊かな育ちと学びを踏まえた教育活動を実施し、児童が主体的に自己を発揮しながら学びに向かうことができるようにする。あわせて、教育・保育施設と小学校との交流をより充実させることで、幼小の円滑な接続を一層推進する。

■子どもと家庭・地域が共に育つ「横にひろがる教育」をめざします

 幼児期は、家庭での生活習慣や生活リズムの確立が大事である。保護者が子どもと一緒に体験し学ぶことや保護者同士の交流等を通じて、保護者や地域の教育力を高めることも重要である。家庭や保護者をとりまく様々な生活環境が変化する中、教育・保育施設においては、その専門性を生かし、保護者に寄り添い、悩みや課題に共感し、共に解決していけるような環境や体制を整えることが必要である。
 教育・保育施設で直接幼児に対して行う教育だけではなく、地域における子育ての支援として、保護者の学びの支援や、地域における子育て相談、未就園・未入所の保護者の交流の場の提供など、家庭や地域、関係機構と連携し、幼児が生活するあらゆる場での幼児教育の充実を図る。

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