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令和5年度 第2回 堺市環境影響評価審査会

更新日:2023年7月31日

日時

令和5年6月13日(火曜) 午後2時~午後4時

場所

堺市役所本庁舎 高層館20階 第1特別会議室

出席委員

新井 励     大阪公立大学大学院准教授
今西 亜友美   近畿大学総合社会学部教授
岩﨑 智宏    大阪公立大学大学院教授
大島 昭彦    大阪公立大学 都市科学・防災研究センター特任教授
金田 さやか   大阪公立大学大学院講師
木下 進一    大阪公立大学大学院教授
清水 万由子   龍谷大学政策学部准教授
中野 加都子   甲南女子大学人間科学部教授
西堀 泰英    大阪工業大学工学部特任准教授
平栗 靖浩    近畿大学建築学部准教授
宮路 淳子    奈良女子大学研究院教授
宮地 茉莉    関西大学環境都市工学部助教

欠席委員

小笠原 紀行    大阪公立大学大学院准教授
髙野 恵亮     大阪公立大学大学院教授
田中 みさ子    大阪産業大学デザイン工学部教授

傍聴者

2人

議題

2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 環境影響評価準備書について(事業者説明)

配布資料

議事録

事務局

 審査会開催に先立ちまして、事務局からオンライン会議においてご留意いただきたい事項について、ご説明させていただきます。
 開催中は、マイクとカメラは基本的にOFFにしていただき、ご発言いただく際には、挙手ボタンをタップし、カメラとマイクをONにしてからご発言いただきますようお願いします。挙手ボタンについては、画面右下にある「参加者」ボタンを押していただきますと、お名前の右横に手のマークがございますので、こちらのボタンを押していただきますようお願いします。
 なお、接続ができない場合は、環境共生課にご連絡いただきますと、後ほど担当者からご連絡させていただきます。また、音声が聞こえにくいなど、接続中に問題が発生した場合は、チャット機能でお知らせください。なお、当審査会でのご発言につきましては、議事録の作成のため、録音させていただきますので、ご了承くださいますようお願いします。

環境共生課長補佐

 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「令和5年度第2回堺市環境影響評価審査会」を開催いたします。本日はお忙しいところ、当審査会にご出席いただき、誠にありがとうございます。本日の司会を務めさせていただきます、環境共生課課長補佐の藤田でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 本日の会議の定数は15人ですが、ただいま会場で7人、オンラインで5人の合計12人の委員にご出席いただいております。従いまして、堺市環境影響評価審査会規則第3条第2項の規定により、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。なお、小笠原委員、髙野委員、田中委員につきましては、本日ご欠席となっております。よろしくお願いいたします。
 また、本日の会議は同規則第6条第1項の規定により公開となっております。
 傍聴についてですが、2人の傍聴者が来られておりますことをご報告いたします。
 傍聴者の方へのお願いですが、堺市環境影響評価審査会傍聴要綱の遵守事項をお守りいただきますようお願いいたします。携帯電話をお持ちの方は、電源をお切りになるか、マナーモードに設定していただきますようお願いいたします。
 それでは、審査会の開会にあたり、環境局長の植松よりごあいさつ申し上げます。

環境局長

 環境局長の植松でございます。
 本日はご多用のところ、当審査会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 また、委員の皆様におかれましては、平素から本市の環境行政に多大なご指導・ご協力を賜りまして、厚くお礼を申しあげます。
 さて、今回の審査会の案件でございますが、「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 環境影響評価準備書」でございます。この事業は、2025年に大阪市で開催される日本国際博覧会の会場外駐車場を、本市臨海部に位置する堺2区に設置する事業でございます。
 本市としましては、本事業について適切な環境配慮がなされることを確保するため、今後、皆様方のご尽力を賜りながら審査を進め、適切な市長意見を述べてまいりたいと考えております。委員の皆様におかれましては、それぞれ各分野の専門的・技術的な観点からの活発なご議論をお願い申しあげまして、誠に簡単ではございますが、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

環境共生課長補佐

 続きまして、堺市の出席者を紹介いたします。環境局長の植松、環境共生課審査係の中丸、小山、大浦でございます。
 最後に、本日の司会を務めております私、環境共生課長補佐の藤田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、配布資料の確認をさせていただきます。次第の下の部分に示しております配布資料の一覧の順に確認いたします。「堺市環境影響評価審査会 委員名簿」、「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 環境影響評価準備書 事業者説明資料」、「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場に係る環境影響評価手続の流れ」、「今後の審議の進め方」をお配りしています。また、参考資料として「準備書の本編」と「準備書の要約書」及び「準備書の資料編」を置かせていただいております。資料に漏れなどはございませんでしょうか。漏れがある場合は挙手または挙手ボタンにてお知らせください。
 それでは、議事進行につきましては、木下会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

木下会長

 それでは、本日の議題であります「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 環境影響評価準備書についての事業者説明」ですが、審議に入る前にまず、市長からの諮問を受けたいと思います。事務局よろしくお願いします。

環境局長

 堺市環境影響評価審査会会長木下進一様。2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 環境影響評価準備書の審査について、諮問。令和5年5月8日に事業者から提出のあった「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 環境影響評価準備書」について、堺市環境影響評価条例第26条の規定に基づき、令和5年10月31日までに、環境の保全の見地からの専門的な事項に係る貴審査会の意見を求めます。堺市長永藤英機。

木下会長

 お受けいたします。

環境共生課長補佐

 ありがとうございました。
 なお、諮問文の写しにつきましては、後日、各委員にお送りしますのでご確認ください。

木下会長

 それでは「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 環境影響評価準備書」についての事業者説明ですが、事業者説明に入る前に、まずは環境影響評価の手続きの全体的な流れと今回の準備書の手続きについて確認しておきたいと思いますので、事務局の方から説明をお願いします。

【環境影響評価の手続きの流れについて、事務局から説明】

木下会長

 ご説明、ありがとうございました。
 いまの説明について、委員の皆様から何か質問はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、事業者説明に入りたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。

【事業者入室】

木下会長

 この度は、事業者である公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会の皆様におかれましては、堺市の環境影響評価の審査にご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、事業者様、自己紹介をした上でご説明をよろしくお願いいたします。
 

【準備書の内容について、事業者から説明】

木下会長

 どうもありがとうございました。
 ただいま、事業者様から説明がありましたが、委員の皆様から何かご質問がございましたらお願いします。では中野先生、お願いします。

中野委員

 甲南女子大学の中野でございます。私、今年度から委員に就任しておりますので、これまでに既にご説明があったことだと申し訳ないと思うのですが、少し質問させていただきます。
 先ほどご説明いただいた資料の13ページをご覧ください。評価項目のところなのですけれども、土壌汚染と地球環境と廃棄物等に関わることで施設の存在・施設の供用につきまして少し伺いたいと思います。
 先ほどのご説明では、2,000台規模の駐車場を設置する事業であり、利用期間が4月から10月の6カ月間ということで、かなり暑い時期に利用されることになると思います。そのため、この駐車場は期間限定で使うということですけれども、通常それぐらいの大規模な駐車場であれば、透水性舗装や芝生緑化、あるいは定期的な散水の実施を計画しないことには、周辺に民家が無いとしても、利用者にとって非常に暑い状況になってしまうと思います。
 要するにヒートアイランド現象のような状況が発生してしまうと思うのですけれども、地球温暖化の話とは少し別の話にはなりますが、利用者にとっても非常に暑い状態になってしまうということに対して、何か計画されていることがあるかどうかについてお伺いしたいです。
 この暑熱対策については、廃棄物等の項目での埋め戻し土の利用方法や汚染土壌の使い方など複数の環境項目に関連してくることだと思うのですけれども、駐車場の表面に関してどのような暑熱対策をお考えなのかについてお伺いしたいと思います。

事業者

 博覧会協会でございます。
 我々が駐車場を整備するにあたりまして、現況の第1駐車場の方は透水性舗装がなされていまして、第2駐車場の方は砕石の舗装になってございます。そのため、我々が駐車場を整備するにあたっては、新たにアスファルト舗装で覆うような工事を大規模に実施することはございませんので、ほぼ現況の表面の状態のまま利用することを考えてございます。

中野委員

 その現況というのは、どのような感じなのでしょうか。

事業者

 説明資料の4ページに事業計画地の現況を表した写真を掲載しております。左下の写真が第1駐車場の現状で、黒く見える部分が透水性舗装になっております。右側の写真が第2駐車場の現状になっていまして、少し分かりづらいですけれども砕石舗装になっております。
 我々が駐車場を整備するにあたっては、現状の舗装である透水性舗装や砕石舗装につきましては、そのままの状態でできるだけ使っていくことを考えておりまして、新たにアスファルト舗装を上に被せていくということは、ほぼ無いと考えてございます。

中野委員

 ありがとうございます。あと暑さ対策についてもご回答をお願いします。

事業者

 すみません、砕石舗装がございますので、維持管理上、散水等は実施する予定になってございます。

中野委員

 資料の28ページのところで、土壌汚染に対する主な環境保全措置として、3つ目の丸で「工事用車両の出場時はタイヤ洗浄等を実施し、付着土壌の持ち出しを防止する」とかなり詳細な対策が書いてあるのですけれど、他の環境保全措置の中にはかなり大まかな対策しか書かれていないところもあり、かなりの乖離があると思います。
 (先ほどの回答をお聞きして)そこまでお考えであれば、駐車場の表面のことについても、もう少し詳しく書いた方が良いのではないかと思います。以上です。

木下会長

 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 では、岩﨑先生、よろしくお願いします。

岩﨑委員

 大阪公立大学の岩﨑です。先ほどはご説明ありがとうございました。
 交通計画とそれに関連する安全性の評価についてお尋ねしたいと思います。
 交通計画の主要走行ルートを拝見しますと、大和川のすぐ南側を並行して走る道路は対象にされていなくて、高速道路から直接入ってくる道路の方を評価対象にされているということだったと思うのですけれども、なぜ(大和川の南側を並行して走る道路を)対象から外されたのかについてお聞きしたい。おそらく交通量が少ないからだとは思いますけれど、(評価対象にしている)高速道路から駐車場までの1本の道路というのは、少し記憶が曖昧ですが、確か片側一車線だったような気がしますので、それだけの交通量を賄えるのかどうか疑問です。
 特に第1、第2駐車場に分岐するところの交差点の右折レーンが埋まってしまったら完全に止まってしまうような道路であれば、周辺で働いておられる方とか商業施設もあると思いますので、そうなると北側の大和川の道路の方に迂回する交通量がかなり増えてしまう気がいたしますが、そういったところの考慮はされているのでしょうか。よろしくお願いします。

事業者

 すみません、おっしゃっていた道路の場所が良くわからなかったのですが。

岩﨑委員

 (説明資料の37ページ)まず三宝ICの出入口から出て、くねくねっと曲がっている駐車場に向かう1本の黄色の道路がありますよね。そこが片側1車線だったと思うのですけれども、その交差点を過ぎると2車線になっていたような気がいたします。そうなると、片側1車線であれば、工事車両もそうですし、一般車両もそうですし、供用されたらバスもそこを通るわけなので、渋滞しないのかなという心配があります。
 そうなりますと、(迂回ルートになる可能性が高い)いま黒色で対象にされていない北側の大和川の道路の方から第2駐車場に直接入るルートに関しては、交通計画にも入っていないですし、評価の対象にもされていないという状況になっていますので、この辺りは見なくて大丈夫なのでしょうか、という質問です。

事業者

 三宝ICから駐車場への誘導につきましては、適切に行っていきたいと考えておるところでございます。また、駐車場は予約制でございまして、現況の交通量等を見ながら、時間を区切って何時台から何時台だったら何台までというような、車が来る時間を細かく区切って予約を行うことで、道路への影響を抑えていきたいと考えているところでございます。

岩﨑委員

 ということは、大和川の南側の道路から第2駐車場に直接入場したい利用者については、そもそも想定されておらず、そこ(のルートの通行)を規制してしまうつもりであるということですかね。例えば、その入ってくる道路のところに誰か人を立てて規制してしまうとか、そういったことまではされないと思うのですけども、大和川の方のルートで駐車場を利用するというのは、全く想定されていないのですか。
 この道路は国道26号線等とも直結しているので、使いやすいのではないかなと思うのですが、いかがですか。私ならその南側のルートが混んでいると分かったら必ず北(側のルートに)回りますよ。

事業者

 先程と同じような回答になるかもしれないのですが、我々としては、基本的に阪神高速を通って三宝の出入り口から駐車場に向かっていただくことを想定しているのですけど、そこからの案内誘導の検討についても別途行っております。
 それによって、我々が想定しているアクセスルートに誘導するということを考えてございます。また、予約時にこのルートを通ってください、というような案内をできるような仕組みを検討したいと思ってございます。
 また、少し補足をさせていただきますと、この環境影響評価準備書での前提といたしましては、三宝の高速を下りてこられた方が南下しまして、基本的には第1駐車場から埋めていくという状況を想定しております。駐車場は予約制なのですが、まずは第1駐車場をご案内いたしまして、第1駐車場が埋まりましたら第2駐車場へ順次ご案内をしていくことを考えております。ただ、その時に細かく具体的にどこを通ってください、という案内をするかどうかにつきましては、実はまだ詳細が決まっておりません。
 利用者の通行ルートの検討につきましては、冒頭申し上げましたように、博覧会が事務局をしております「来場者輸送対策協議会」という別会議がございまして、こちらでも交通検討を引き続き行っているような状況でございます。そういう意味では、先生がおっしゃられました北を通ってくるルート、こちらも可能性としては我々もゼロでは無いと思っておりますので、引き続き検証の対象にはなってくると考えております。

岩﨑委員

 ありがとうございます。駐車場周辺の施設や会社を利用される方が、おそらく今回想定されている南側を回るルートが混むと、最初から混雑を避けて北側ルートを通行されると思います。工事車両や駐車場利用車両ではない一般車両の方は、北側を回られるのではないのかなという心配がありましたので、質問させていただきました。ありがとうございました。

木下会長

 ありがとうございます。
 西堀先生、いかがでしょうか。

西堀委員

 大阪工業大学の西堀と申します。よろしくお願いします。
 先ほどの質問と少し関連するのですが、今回交通予測をR1、R2、R3の3地点で実施されています。ただ、先ほどの指摘にもあった築港八幡6号線は、2車線の区間があるのですけれども、その区間で予測されていないのはなぜかというところを教えていただきたい。
 それから、商業施設の交通については、この2車線区間(の交通量)に乗ると思うのですけれども、現況でどれぐらいの交通があるのか。また、R1の予測は第1駐車場の(交通量の)予測と理解しておりまして、そこは2,300台ということなのですが、第2駐車場を利用する交通というのは予測されていないのかどうか。もしも築港八幡6号線に第1駐車場と第2駐車場の交通量が乗っかって、さらに周辺商業施設や事業所等々の交通が乗った時に、2車線の区間(の交通容量)が持つのかどうかというところが少し気になっていますので、これらの点についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。

事業者

 回答させていただきます。まず予測地点の設定の考え方というお話になると思うのですが、予測地点を設定するにあたりましては、一つ前の手続きの実施計画書の時にご審議いただいておりまして、このあたりが工業専用地域ということもあり、我々としては、予測地点を設定する上で、保全対象施設、いわゆる生活環境がある施設であるとか、学校・病院であるとか、そういった施設にまず着目をいたしました。
 また、基本的には駐車場に近づくにつれて事業に関連する交通が集まってくることになり、駐車場から離れれば離れるほど交通は分散していく、という考え方をしておりますけども、駐車場の周辺、第1第2駐車場付近の細かいルートごとの台数の設定は難しいのですが、第1第2駐車場に交通が集まってくるという考え方の時に、R1というところには社員寮がございまして生活環境があるということから、そこをまず一番最も交通が集まる、なおかつ、保全対象がある場所という理由で、予測地点として選ばせていただいたところでございます。
 更に、R1から三宝の高速出口の間には生活環境がございませんので、そこからもう少し東側へ離れたところで、車両の走行が考えられ、かつ、保全施設もある場所ということで、R2とR3を選定させていただいたと、そのような(予測地点の選定の)考え方でございます。こちらで回答になっていますでしょうか。

西堀委員

 回答ありがとうございます。私も今年から委員に就任したので、説明を聞いていなかった部分はあるかと思うのですけれども、いただいていた配慮書や実施計画書を拝見したところ、そこに関する記述が見つけられなかったので、質問させていただきました。
 先ほどのご回答で(予測地点の選定の)考え方は分かったのですけれども、交通を考える上では一番ボトルネックになるところを評価しないと考えづらいことから、このR1、R2、R3以外に調査地点を設けることは不可能なのでしょうか。
 また、先ほど第1駐車場から交通が分散するというご説明がありましたけれども、この経路図、交通計画の経路を見れば、分散しないのは一目瞭然であって、先ほどの質問とも重なりますけれども、ここ(築港八幡6号線)に交通が集中するということになりますよね。

事業者

 はい、そうです。

西堀委員

 (先ほどの交通が分散するという説明とは異なり)分散しませんよね、というところが気になっています。
 今ご回答いただけないにしても、(交通が集中する恐れがある築港八幡6号線について)どのように考えておられるのかを改めてご回答いただけたらと思います。

事業者

 恐縮ながら確認させていただきたいのですが、先生が今おっしゃっておられるのは、どちらかというと交通が持つかどうかという、そういう観点のご質問でしょうか。

西堀委員

 そういう面もありますが、やはり交通上の安全というのは、交通が円滑に流れている状態が一番安全だという捉え方ができますので、渋滞が発生した結果、例えば追突事故が起こるだとか、迂回交通が発生して、細街路に入っていって事故が起こるだとか、そういったことが起こりかねないという懸念もあっての質問です。

事業者

 分かりました。もう少し(想定している交通ルートの)経路上の断面にも着目をいたしまして、交通量をしっかり押さえながら周辺への影響につきましてもご説明ができるように整理をさせていただきたいと思います。

西堀委員

 一番気になっているのは、第2駐車場の利用台数が考慮されていないのはなぜか、という点です。それから、第2駐車場の東側の交通量がR1だと入っていないと思うのですが、特に休日は第2駐車場の東側から入ってくる交通が多いと思いますので、その点が気になっています。

事業者

 承知しました。
 現状の(交通量の予測にあたっての)設定をご説明させていただきますと、一旦R1という地点に、1日あたり2,000台の交通量、つまり一旦第1駐車場に(施設利用車両を)全てご案内するという想定をしております。要するに、R1のところには(施設利用車両の)全ての台数が通るという前提で、予測評価をさせていただいているところでございます。

西堀委員

 すみません、R1に第1と第2(駐車場の利用車両)の両方が乗っかるということですか。

事業者

 はい、設定上はそのようにさせていただいております。

西堀委員

 そういうことですか。では、第1と第2合わせて2,300台ということですか。

事業者

 第1と第2合わせて2,000台ですね。準備書では2,000台とさせていただいております。

西堀委員

 パークアンドライドバスの交通量が300台ということですか。
 厳密には284台ですかね。

事業者

 そうですね、1日でその台数になります。

西堀委員

 分かりました。つまり、R1の場所に予測地点を設定しているのは、保全施設があるので、模擬的にというか、仮想的にそこに置いているだけであって、2,000台や2,300台という施設利用交通量が全て(築港八幡6号線の)2車線の区間も通るという前提で予測されている、という捉え方でよろしいですかね。

事業者

 はい、そういう認識で問題ございません。

西堀委員

 分かりました。そこは少し私が理解できていませんでしたね。
 ありがとうございます。

事業者

 いえ、説明不足で申し訳ございません。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では、今西先生、よろしくお願いします。

今西副会長

 近畿大学の今西です。ご説明ありがとうございました。
 陸域生態系につきまして、31ページの影響予測・評価結果についてお伺いさせていただきたいと思います。主な環境保全措置の1つ目に「周辺に生息・生育している生物の生息等を踏まえて、必要に応じてこれらへの影響を低減する」という記載がありましたけれども、昆虫のうち特に移動性が低いツシマヒメサビキコリやジュウサンホシテントウのような生物に関して懸念があります。こういった移動性が低い生物に関しては、確かに周りにも同じような環境があるとはいえども、一瞬で生息地が破壊されたらそこから移動することができないと思うのですが、何かそういった生息条件を踏まえた保全措置について、何か具体的に考えていらっしゃいますでしょうか。

事業者

 お答えさせていただきます。現地調査結果により確認された重要種としては、昆虫類では5種類挙げられているのですけれども、確認された場所によって、事業計画地内と(事業計画地)内外、(事業計画地)外で確認された種という分類で細かく結果を整理しております。
 具体的に言いますと、事業計画地内だけで確認された種類はありません。一方で、事業計画地内と外の両方で確認されている種類と、事業計画外だけで確認されている種類があります。なお、事業計画地外というのは、事業計画地の周囲200mで調査を行っておりますので、その200mの範囲で取れているという趣旨になります。
 具体的な昆虫の種名で生息を確認した場所を申しますと、セスジイトトンボとコヒゲジロハサミムシは事業計画地外だけで確認されています。あとキバラハキリバチも事業計画地外だけで確認されている種になります。それから、ツシマヒメサビキコリとジュウサンホシテントウは(事業計画地内外の)両方で確認されてはいるのですけれども、事業計画地内で確認されているものについては、確かに影響は避けられないと思うのですが、同時にどちらかというとその周囲にある草地の方がメインの生息地になっておりますので、ここの生息個体群としては、ハイリスクな影響は無いのではないかと判断しました。

今西副会長

 はい、ありがとうございます。
 ただ、ツシマヒメサビキコリは第2駐車場の中で17個体確認されており、事業計画地内の方が(確認された)個体数が多く、こちらの方が主要な生息地ではないかと思いましたので、質問させていただきました。また、万博のサブテーマが「命を救う」なので、できたらこういった生き物の命に関しましても配慮をいただけたら、未来の万博にも繋がるのではないかなと思います。
 あともう一点質問なのですけれども、多くの自動車が来るということは、多くの人が来ることになりますので、ゴミが周辺に落とされてしまうという懸念があります。
 人がゴミを排出して、そういったゴミが海域生態系や陸域生態系にも後々影響を与えるかもしれないと思ったのですが、そういった人が落としていくゴミに関しまして、何か対策は考えられていらっしゃいますでしょうか。

事業者

 回答させていただきます。
 今時点の考え方にはなるのですけども、駐車場では基本的にゴミはお持ち帰りいただくという想定はしてございますが、今後引き続き、ゴミ箱を本当に置くのかどうかも含めて、今後詰めていきたいと思っています。ただ、日々の清掃は実施いたしますし、あと海の近くですので、あってはならないのですけども、海にポイ捨てされるようなことがないように、海側にはフェンスを設ける等の対策は実施しようとしているところです。

今西副会長

 はい、ありがとうございました。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では、新井先生、よろしくお願いします。

新井委員

 スライド38を見せていただきますか。
 多分先ほどからずっと質問の対象になっている交通量の予測につきまして、この対象の道路の状況を知っている先生方でしたら、おそらく渋滞は起きるだろうということは多分容易に想像できるので、こういうご指摘があったのだと思います。
 ただそういった指摘事項につきましては、実施計画書あるいは配慮書の段階で議論すべきことになりますので、準備書の段階でそこを指摘されると博覧会協会としては結構対応が難しいのではないかなと思います。
 ですので、私からは別の質問をさせていただきます。工事用車両台数として192台と384台の2種類の台数が示されているのですが、予測地点1・2では192台になっていて、予測地点3・4・5では384台になっています。この台数の違いというのは、三宝の高速道路は使わないからという理由で倍になっているのでしょうか。このあたりの根拠を教えていただきたいなと思います。もしかしたら北回りのルートを考慮されているのかなと思ったのですけれど、先ほど北周りは使わないというお話だったので。これがまず1点目の質問になります。
 もう一点は、その次のスライドの供用中の交通量の予測結果についてですが、地点2・3では平日の交通量を予測されていますけれども、なぜ休日(の交通量)を予測しなかったのですか。この場所は、映画館等の商業施設が出来たばかりの頃は大渋滞していた経緯もございまして、最近はあまり混雑していないのですけれども、まだ休日は結構交通量がありますので、なぜ休日(の交通量予測)は実施しなかったのか、という2点についてお伺いしたいのですが、よろしいですか。

事業者

 ご質問ありがとうございます。
 まず1点目のご質問ですけれども、工事車両台数の設定の考え方といたしまして、工事の最盛期の最も工事車両台数が増加する場合という想定をした時に、第1駐車場と第2駐車場それぞれで192台が発生するという想定をしてございます。
 ただ、我々としましては、可能な限り高速道路で工事用車両は来ていただくようにしたいと思っておりますが、どこから資材を搬入するかという部分につきましては、実際工事になってみないと分からないところもございますので、やむを得ず近場から資材を持ってくるですとか、合理的な理由がある時には、一定、一般道の利用もあるという想定はしております。
 この環境影響評価における交通量の予測を実施する上では、一般道を通る工事車両の台数を実際どれぐらいの按分で設定するのが適当かという設定が困難でしたので、安全側の予測を行うという観点から、第1と第2(駐車場)の工事車両台数が仮にそのまま全て一般道を通ったとしても影響があるのかどうかというところを見るために、一般道を通る工事車両の台数につきましては、合計した台数を設定しているというところです。
 2点目のご質問の、平日休日の交通量予測についての考え方ですが、こちらにつきましては、今確認してございます。申し訳ございません。

新井委員

 はい、ありがとうございます。
 あと1点質問よろしいですか。恐らくこれは大学の教員で数字を扱う人間はみんな気になる話だと思うのですが、騒音振動の予測評価結果につきまして、現況値は70デシベルとか有効数字2桁の表記であるのに対して、予測値と比較した増分については、0.1とか3.5とかいう数値が出されています。
 現況値は計測値であるのに、70デシベルとか65デシベルとかいう有効数字2桁の表記をされているのに対して、予測値はそれ以上の精度で出されて、差分は0.1です、と言われると違和感があります。こういう表記は(環境影響評価の中では)通常(の表記)ですか。非常に気になるのですけれど。

事業者

 回答させていただきます。計算上は小数点以下何桁も計算することはできます。ただ、環境基準の評価は整数評価になっていますので、環境基準は70.0ではなくて70という整数評価になっています。そのため、環境影響評価において最終的な評価をする際には、全て整数評価を行うことになります。ただ、増分は1以下ですので、(整数で表記すると0になってしまうことから)念のため0.1と表記しただけです。

新井委員

 ただ、この(差分の)0.1というのは、(有効数字の関係上)数字としては何の根拠も意味もない数字です。整数で予測値を出された以上、差分として出てきたものが0.1であったとしても(0.05~0.14まで幅があるので)0.05なのかもしれないし、0.12になるかもしれないという話になりますよね。

事業者

 そういうご意見もあるかもしれません。一応計算上は小数点以下まで出せます。ただ評価上は整数ですので、そのような表記になってしまいます。すみません。

新井委員

 はい、以上です。

木下会長

 はい、どうもありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 ちょうど音の話が出てきましたので、1点お伺いしたいのですけれども、騒音についての影響評価をされる場合は、物理的な評価をされるということになると思うのですけれども、現況でも構わないのですが、この地域から騒音に関する苦情等は実際にどのようなものがあるのか、そういったものは把握されていますでしょうか。
 例えば、もし今回の事業により音の影響が大きくなった場合、音に関する苦情がどの程度増えそうかという、そのあたりの見通しというのは評価されないかなと少し気になりましたので、お伺いさせていただきます。

事業者

 回答させていただきます。
 今回の駐車場の事業計画地の周辺の地域において、例えば騒音やそういう環境関係の苦情がどのように寄せられているかというところは、我々の方で具体的に把握できていないのですが、この環境影響評価の手続きを行う中で、様々な地元の方々に接触させていただいて、色々とお話をさせていただく中で、そういう騒音関係のご意見などを伺ったことはありませんでした。今のところは、やはり地元の方々の関心事といたしましては、交通への影響に関するお話は多々お伺いするところですが、騒音の苦情に関するご意見は、今のところいただいてはおりません。

木下会長

 はい、どうもありがとうございます。元々評価項目に無かった内容かもしれませんが、少し興味がありましたので聞かせていただきました。ありがとうございます。
 その他いかがでしょうか。金田先生、よろしくお願いします。

金田委員

 大阪公立大学の金田です。要約書の5ページの図の2-4に「生物共生型護岸」というものがあるのですけれど、こちらの場所に生息する生物への工事による影響は、今回影響評価では全く言及しなくていいのですか、という質問なのですが、いかがでしょうか。

事業者

 回答させていただきます。
 「生物共生型護岸」につきましては、第1駐車場の右側のところに、そういう名称の護岸が実際にあります。こちらにつきまして我々が聞いておりますのは、国土交通省の事業として、ここの護岸で多様な生物の繁殖に関する実証実験をしている、そういう場であるとお聞きしております。また、この場所で生物の観察会などのイベントが定期的に行われている場所である、ということは伺っているところでございますが、近年はコロナの影響等もあったようで、そういった観察会が行われていないとお聞きしております。なおかつ、先ほど申し上げました国交省の実証事業も一定終わってはいるようなのですが、今後の護岸の取り扱いについてはまだ決まってはなく、現状まだ護岸としては存続しているという状況です。
 前回の実施計画書や配慮書に対する堺市の市長意見がございましたが、そこの護岸の利用が途絶えないように万博中も配慮が必要である、というご指摘をいただいていまして、仮にこの万博の工事中ですとか、開催中に「生物共生型護岸」で何かイベントをするというお話があった時には、主催者の方と事前に十分調整をさせていただいて、そこの利用を確保するということは考えております。
 また、護岸そのものへの影響という意味では、今回の工事では海域工事の計画はございませんので、直接的な護岸の生態系や海域の動植物への影響というものはほとんどないのではないか、と考えてございます。

金田委員

 よく分かりました。ありがとうございます。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では、清水先生、お願いします。

清水委員

 龍谷大学の清水と申します。ご説明ありがとうございました。
 この環境影響評価の対象になるかどうかは分からないのですけれども、元々埋立地ということで非常に海抜が低いところだと思うのですけども、豪雨の時の対策につきましては、どこかで対応を検討されているのでしょうか、という質問です。
 豪雨の時は予約システムで駐車場に入れないようにする等、何かしらのコントロールをされる計画であるのか、もしくは、このアセスの枠ではなく他の場で対策を検討されているのか、何か(豪雨時の対策を)検討されていれば教えていただきたい、というのが1つ目の質問になります。大雨の時に大丈夫なのかというのが1つ目の質問になります。
 それからもう一つ質問なのですけれども、ご説明の資料の34ページ以降の主な環境保全措置につきまして、専門では無いので細かい計算過程や資料から十分読み取ることができなかったのかもしれないのですが、「可能な限り最新の」であるとか「可能な限りリース品を」といった「可能な限り」という表現が多く見られたのですけども、環境保全措置として「可能な限り」という表現は、影響評価の算定の上でどのような設定をされているのかについて教えていただきたいです。全てご説明いただくのは少し難しいかもしれませんけれども、いくつか重要なところにつきましては、どのような前提で算定されたのかについて質問させていただきます。
 それから、駐車場を利用されるマイカーの方へ、アイドリングストップやエコドライブの呼びかけも実施されるということですが、そこはなかなか難しいところかなと思うのですけども、暑い時期でもあり、できるだけエコドライブを進めるためには何か実効性のある具体的な方策が必要になると思います。看板を設置するだけでは足りないと思いますので、何か具体的な踏み込んだ対策を検討されているのかなというところを、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

事業者

 まず1点目の豪雨だった時の対策はどのように考えているのかというところにつきましては、例えば豪雨に限らず、地震ですとか、そういう何か大規模な災害が起こった時の対応は、申し訳ございません、今後検討していかなければいけないところだと考えてございます。ただ、例えばですけれど、豪雨で申しますと、この駐車場内に溜まった水が海へ流れ出ないための対策に関しましては、海側にアスカーブと申しまして、一定溢れ出ないような措置というのはされております。また、一部設置されていない箇所もありますので、そういったところは、我々の方で追加的に設置をさせていただく予定であります。そのような配慮は考えているところでございます。
 2点目の、環境保全措置の中の記載で「可能な限り」というワードが散見されるというご指摘につきましては、同じような表現を多用している点に関しまして、安易に書いているのではないかと見られがちではあるのですが、今書かせていただいている意図としては、我々のスタンスというところで書かせていただいております。
 実際工事を行うにしても、工事業者さんと契約して(最新の低公害型の機械を)使っていただくわけなのですが、例えば契約の仕様書に(最新の機械を使用するような)要件を提示するなどして、1台でも多くそういう機械を使っていただくように働き掛けるということは考えております。ただ、施工する上で必ずこの機械でないといけないというような、そういう制約をかけるというのはなかなか難しいところがございますので、そういう契約書等を通じて可能な限り(最新の機械を)業者さんに使ってもらうような働きかけは考えているところでございます。また、その結果というところにつきましては、事後調査報告書の中でも確認はしていきたいと思っております。
 3点目の、アイドリングストップ等の働きかけにつきまして、実効性を高めるためにどのような対策を考えているのか、というところではございますが、そこもまだ今後の検討内容ということになっております。ただ、駐車場の中に看板を立てることは最低限必要かと思っておりますが、それ以外にも予約制の駐車場ですので、例えば、予約をされた方に携帯のメール等でこの駐車場までのルートを案内していこうと思っておりますが、そのルート案内を表示する際に、エコドライブの推奨に関する内容を表示することで、直接運転者本人の方に届くような形で働きかけができるのではないかなと考えております。また、(エコドライブ等の働きかけの)実効性を高めていくという意味では、今後も引き続き色々と検討していきたいと思っております。

清水委員

 ありがとうございます。2点目の質問に対する回答に関連しまして、協会側で調達基準を設定して工事の入札を実施されると思うのですけれども、その時に「このような基準を達成してください」というような基準を示すことは行われるのでしょうか。

事業者

 協会といたしましても、持続可能性を追求して調達を進めていく方針ではございます。具体的には我々の工事に関して、現在は通常使用後に廃棄する材料を使っている部分につきまして、今後またリサイクルできる物品に置き換えていくということを今後も追及していくように考えてございます。それは事業者と契約して実施する工事の場合も同様で、そういった提案があれば、積極的に前向きに考えていくことを考えているということでございます。

清水委員

 ぜひこれからリードするような調達基準を設けていただければと思います。

木下会長

 はい、ありがとうございます。
 では、西堀先生、よろしいでしょうか。

西堀委員

 いくつかお聞きしたいのですけれども、1つ目は、交通に関する環境保全措置としてご提案いただいているものの中で、「公共交通の利用を呼びかけることや、駐車場を事前予約制とし予約枠をコントロールすること等により、交通量の抑制・分散を図ります。」と記載されているのですが、ここで言われている「公共交通の利用を呼びかける」というのは、万博会場への来場者に対する呼びかけということですよね。駐車場利用者に対して公共交通を利用することを呼びかける、ということではないと理解してよろしいでしょうか。
 それから予約枠のコントロールにつきまして、先ほどの質問に対する回答の中で、時間帯でのコントロールをされるということをお聞きしたと思うのですが、そのあたりについてもう少し詳しくお聞かせいただきたいというところです。
 それから、もう1点質問なのですが、説明資料ではなく、分厚い資料の環境影響評価準備書の10-1ページにつきまして、「実施計画審査書に記載された意見並びにそれらに対する事業者の見解」というところの表10-1に事業者の見解が記載されていまして、下から2段目の「安全(交通)」の右側の事業者回答において、「施設利用車両の走行ルート上にある主要交差点については、事業計画に基づく施設利用車両の時間別交通量を基に、交差点解析を行い、必要な対策を検討していきます」という記載があるのですけども、この交差点解析は実施されていて、今回の準備書にまとめられているのかというところを教えていただけますでしょうか。

事業者

 はい、ありがとうございます。回答させていただきます。
 まず1点目の公共交通機関の利用を呼びかける対象というご質問につきましては、これは万博会場へ向かわれる来場者を対象としたお話でございまして、基本的には鉄道が第1候補であり、その次にバス、というところを考えてございます。この堺の駐車場に公共交通機関で(来ていただきたい)という意味ではございません。
 2点目の時間帯のコントロールという点につきましては、現在我々の方で、周辺への交通影響をいかに抑制するかという交通対策を色々と検討しているところのお話になりますけれども、まず大前提として、そもそもこの駐車場は完全に事前予約制で運用させていただくというところがございまして、その事前予約につきましては時間帯ごとに予約枠を設けたいと思ってございます。時間帯ごとの予約枠につきましては、具体的に何時に何台、何時に何台というように1時間単位で設けるのか、時間帯ごとなのか、そういうところはまだ細かく決まってはいないのですが、考え方としまして、時間帯ごとに予約枠を設けて、ここの時間は何台までとすることで、周辺の交通への影響を抑制することを考えてございます。
 それが3点目のご質問とも関連するのですが、3点目の市長意見に対する事業者見解のところで、「周辺の交差点解析を行い必要な対策を検討していく」としているのですが、これがまさに今のお話でして、例えば三宝の高速道路を下りて駐車場に到達するまでに通過するそれぞれの交差点について交差点解析を行っておりまして、交通工学上あと何台まで余力があるのかという確認を行っております。まだ机上の計算でしかないですけれども、その台数までであれば、渋滞を起こさずに通行できるのではないかと、そういった計算の上で得られた台数というものを、今回の予測の前提として、時間帯ごとに設定をさせていただいているという流れでございます。

西堀委員

 はい、分かりました。ありがとうございます。
 時間帯予約に関してなのですけれども、駐車場に入る時間を予約することになると思いますので、(予約時間よりも)早めにやってきてどこか路上で待機するようなことが無いように対策していただけたらと思いました。以上です。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 会場の方から、またオンラインの方からそれぞれいかがでしょうか。
 ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、平栗先生、よろしくお願いします。

平栗委員

 ご説明ありがとうございます。
 以前、配慮計画書の時の事業者説明の際にも話を伺っていて、今回、準備書が提出されたということだと思うのですが、やはりあまり対策に具体性が無いような気がしております。例えば、先ほどの交通のところでも(環境保全措置について)書いている内容は全く一緒だと思いますので、他の環境項目でも大して変わらないと思うのですが、私は騒音が専門分野なので、22ページの騒音の環境保全措置について申しますと、「低公害型の車種」とありますが、具体的にどのような車種なのですかとか、「アイドリングストップの推進、空ふかし防止、低速走行等を呼びかけます」とありますが、一体どれだけの意味があるのですか、という感想を抱きます。また、先ほどもご質問にありましたけれども、「公共交通の利用を呼びかける」ということを行うのであれば、そもそもこの駐車場自体をもう無くした方がいいのではないか、という話になってしまうのではないかなという気もいたします。
 他にも、例えばその前のページの21ページに記載されている工事中の対策につきましても、かなり曖昧な記述が多くて、具体的にもう少しどうするのかということを書いていただいた方が良かったのではないかなと思いました。
 それから、先ほど0.1デシベルに関するご指摘がありましたが、騒音の専門家としての見解を申しますと、現況値が72デシベルや73デシベルで環境基準を超過しているという現況があり、さらに(今回の駐車場事業による)交通が上乗せされることによって、予測した結果というものが、おそらく72.1とか73.1デシベルになったという話だと思います。
 ただ、ここの21ページの記載内容を見ていますと、「既に環境基準を超過しているから、別に0.1デシベル増えたとしても関係ないですよ」という騒音に対する評価をされていると思うのですが、それはよろしくありません。
 既に環境基準を超過しているような劣悪な環境のところを、さらに劣悪にするということになりますので、例え0.1デシベル上昇するということであったとしても、それは環境負荷を増大させるということですから、やはりもう少し具体的で適切な環境保全措置を検討していく必要があるのではないかと思いました。何かその部分につきましてご意見がございましたら、よろしくお願いします。

事業者

 ご意見ありがとうございます。
 まず1点目のご意見である、主な環境保全措置の記載内容についてなかなか具体性に乏しいというところは、ご指摘の通りであり、申し訳ございません。現時点で今書けることや対外的に公表できることについて書かせていただいているわけですが、今後のこの審査いただく中で、あるいは次の評価書といったところで、もう少し何か具体的なことを記載できるように検討させていただきたいと思います。
 それから2点目の(環境基準値を超過している地点において)0.1デシベル増加しても問題無いという記載になっているのではないかというご指摘につきましては、我々としてはそのように認識をしているわけではなく、確かに数字上の影響は0.1デシベルにはなるのですが、それに甘んじず、可能な限り影響を低減するように(事業者としては)考えてございます。
 その中で、対策の1つとして、高速道路への誘導についてはしっかりとやっていきたいと考えております。今現状、前提にしておりますのは、仮に高速道路に誘導も何もなく自然な状態の場合に、この駐車場に来られる方が一般道では何台ぐらいいるのか、というところで台数を見積もっているわけですけれども、それが供用中の評価結果に繋がっております。

平栗委員

 0.1デシベルの増加に関する評価についてですが、枕詞に「現況で環境基準を超過している」という言葉を使われますと、騒音の評価結果について違う解釈を取られる可能性があると思います。そのため、ここの表現を少し改めていただいた方がいいと思いました。今のご説明を聞いて、(影響が0.1デシベルであるということに)決して甘んじることなく、適切な保全措置を積極的に取っていくというお気持ちは感じ取れましたので、その気持ちをしっかり文章に入れ込んでいただけるといいかなと思います。

事業者

 恐れ入ります。ありがとうございます。
 表記の方、改めさせていただきます。

平栗委員

 以上です。ありがとうございます。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では、宮地先生、よろしくお願いします。

宮地委員

 関西大学の宮地です。(駐車場全体の)規模に対して小さなことになってしまうのですけれども、駐車場の中に待合所とトイレが数箇所設置されると思うのですが、それらについて特にどういったものを設置されるとか、それらがどういった形で撤去されるのか、ということについてはあまり記載が無かったと思います。おそらく規模に対してそこまで大きなものではないので、プレハブを設置してということなのかなと少し思っていたのですけれども、何かそちらに対して計画があったりするのでしょうか。
 今、建築の中でも「アップサイクル」ということが結構言われていますし、プレハブ等を設置してそれで終わりというものではなくて、その先のことも考えられているのかが気になりましたので、もしそのあたりにつきましてお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思い、質問させていただきました。

事業者

 はい、お答えいたします。駐車場内に設置しますトイレや待合所、あるいは管理棟等もそうなのですが、半年間の設置ということもございますので、具体的な最終形につきましては今後の詳細設計をしてからになろうかと思うのですけれども、基本的にはリサイクル可能な、リースでありますとかそういったことを積極的に活用していくというような方向性で考えてございます。

宮地委員

 はい、ありがとうございます。

木下会長

 はい、どうもありがとうございました。その他いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。

事業者

 すみません、先ほどお答えできなかったところについて1点お答えさせていただきます。
 39ページの交通(安全)のところの予測で、なぜ休日が無かったのかというご質問があったと思うのですが、いま原稿を確認はできていないのですけれども、今回全部の地点の交通量調査を我々が実施したわけではなくて、R1、R2、R3は今回我々が休日と平日を調査しているのですけれども、その他の地点はおそらく大阪府が公開されている交通センサスの調査結果を使っているので、平日のみが公表されており、そのために休日を書けなかったということだったと思います。もし間違えていれば改めて報告させていただきます。

木下会長

 はい、どうもありがとうございます。その他、よろしいでしょうか。
 オンラインの方からもよろしいでしょうか。
 はい、それでは事業者の皆さんご説明どうもありがとうございました。ご退席の方よろしくお願いいたします。

事業者

 ありがとうございました。

【事業者退室】

木下会長

 それでは、今後の審議の進め方について事務局から説明をお願いいたします。

【今後の審議の進め方について、事務局から説明】

木下会長

 はい、ありがとうございました。
 ただいま事務局から説明がありましたが、委員の皆様からご質問ございましたらよろしくお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題はこれで終了となりますが、全体を通して何かご意見・ご質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議事については以上とさせていただきまして、事務局にお返しいたします。よろしくお願いします。

環境共生課長補佐

 ありがとうございました。本日は、木下会長を初め、委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ、ご審議を賜り、誠にありがとうございました。
 会議終了にあたりまして、傍聴者の方はご退席いただきますようお願いします。なお、お配りしております「準備書の本編」と「要約書」及び「資料編」は回収いたしますので、お席に置いた状態でご退席をお願いいたします。

【傍聴者退席】

 それでは、これをもちまして、「令和5年度第2回堺市環境影響評価審査会」を終了させていただきます。
 オンラインでご出席いただいている委員の方におかれましては、切断ボタンを押していただき、「ミーティングから退出」を選択して、Webexを終了していただきますようお願いいたします。
 本日は、どうもありがとうございました。

以上


 

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