令和3年度 第2回 堺市環境影響評価審査会
更新日:2023年5月1日
日時
令和3年12月7日(火曜) 午後6時~午後8時
場所
堺市役所 高層館20階 第1特別会議室
出席委員
犬木 努 大阪大谷大学文学部教授
今西 亜友美 近畿大学総合社会学部准教授
岩崎 智宏 大阪府立大学大学院教授
大島 昭彦 大阪市立大学大学院教授
小笠原 紀行 大阪府立大学大学院准教授
木下 進一 大阪府立大学大学院教授
田中 晃代 近畿大学総合社会学部教授
田中 豊 大阪学院大学情報学部教授
中谷 直樹 大阪府立大学大学院教授
橋寺 知子 関西大学環境都市工学部准教授
久末 弥生 大阪市立大学大学院教授
平栗 靖浩 近畿大学建築学部准教授
水谷 聡 大阪市立大学大学院准教授
柳原 崇男 近畿大学理工学部准教授
欠席委員
金田 さやか 大阪府立大学大学院講師
傍聴者
1人
議題
2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 配慮計画書の検討結果について
配布資料
次第(PDF:61KB)
堺市環境影響評価審査会 委員名簿(PDF:79KB)
2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 配慮計画書についての検討結果(案)(PDF:4,038KB)
2025年日本国際博覧会 会場外駐車場に係る環境影響評価手続き(PDF:71KB)
議事録
令和3年度 第2回 堺市環境影響評価審査会 議事録(PDF:288KB)
環境共生課長
それでは定刻となりましたので、ただいまより、令和3年度第2回堺市環境影響評価審査会を開催させていただきます。本日はお忙しいところ、また、遅い時間からの開催にもかかわらず、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の司会を務めさせていただきます、環境共生課長の辻尾でございます。よろしくお願いいたします。今回の審査会は、前回と同様に、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、オンライン形式で開催しております。
本日の会議の定数は15人ですが、ただいまオンラインで13人の委員にご出席いただいております。なお、金田委員からは、ご欠席の連絡を頂戴しております。また、大島委員につきましては、前のご予定の関係で少し遅れますとの報告をいただいており、最終的には14人の委員の出席を予定しております。従いまして、堺市環境影響評価審査会規則第3条第2項の規定により、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
また、本日の会議は同規則第5条第1項の規定により公開となっております。
傍聴についてですが、1人の傍聴者が来られておりますことをご報告いたします。
傍聴者の方へのお願いですが、堺市環境影響評価審査会傍聴要綱の遵守事項をお守り頂きますようお願いいたします。携帯電話をお持ちの方は、電源をお切りになるか、マナーモードにして頂きますようお願いいたします。
次に、事前にお送りしております資料の確認をさせていただきます。本日の資料でございますが、「次第」と、「堺市環境影響評価審査会 委員名簿」、「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 配慮計画書についての検討結果(案)」、「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場に係る環境影響評価手続き」です。
資料等に漏れなどはございませんでしょうか。漏れがある場合は挙手ボタンにてお知らせください。
よろしいでしょうか。
それでは、議事進行につきましては、中谷会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
中谷会長
中谷でございます。それでは、議題の「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 配慮計画書の検討結果」についてですが、本日はこの検討結果についてのディスカッションになります。まずは、事務局から検討結果(案)についてのご説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【配慮計画書の検討結果(案)について説明】
中谷会長
ありがとうございました。少し冒頭で音声が途切れがちではありましたが、事務局の説明がありましたので、この内容について、皆様からご質問、またはご指摘をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
では久末委員、お願いします。
久末委員
久末です。ご説明ありがとうございました。
28ページの一番下の黒丸の部分、基幹的広域防災拠点に関する指摘事項についてですが、(防災拠点としての機能に影響を与えないような対応についての検討を)「早期に実施する」とか「早く進める」という話が全く出てきてないので、例えば「早期に検討する必要がある」といったニュアンスのフレーズを入れるのが良いのではないかと思いました。いかがでしょうか。
事務局
ご指摘ありがとうございます。現在の指摘事項では、「発災時において、防災拠点の機能に影響を与えないような対応について検討する必要がある」としておりますけれども、「発災時において、早期に検討する必要がある」という言葉を入れるべきというご指摘でしょうか。
久末委員
発災時の話というよりは、防災の話なので、この話を(発災よりも前の段階で)早期に検討しておく必要があるというニュアンスの指摘ですね。「早期に検討しておく」というような形の指摘事項にした方が良いと思いましたので、指摘させていただきました。
事務局
事業者に確認したところ、基幹的広域防災拠点の管理者である国土交通省と現在協議中であり、今後具体的にどのように対応していくかという部分については、まだ決定はしていないと聞いてはいるのですけれども、もしこの基幹的広域防災拠点の一部を事業計画地とするのであれば、当然発災時の対応が必要となりますので、(発災時の対応について)早期に検討しておく必要があるというご指摘ですね。
久末委員
このままだと(発災時の対応について)いつ検討するのか、という部分が見えず、防災に対する緊張感が伝わってこないので、「(発災時の対応については)やはり早期に検討する必要があると考えている」ということを、審査会の意向として(事業者に対して)お伝えする方が分かりやすいのではないかと思いましたので、少し指摘させていただきました。
事務局
ありがとうございます。現在管理者と協議中ではあるものの、(発災時の対応については)当然早期に検討すべきだと思いますので、今の委員のご指摘を事業者に伝えさせていただきまして、指摘事項の内容を検討させていただきたいと思います。
久末委員
もちろん、どのぐらい早期にできるのかということについては、先方の事情もございますので、審査会としては、(発災時の対応について)早期に検討していただきたいと考えています、というニュアンスを(指摘事項に)盛り込んだ方が良いと思ったので、発言させていただきました。以上です。
事務局
ありがとうございます。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
その他、ご質問、ご指摘等ございませんでしょうか。ありましたら挙手をお願いしたいと思います。
はい、では平栗委員、お願いいたします。
平栗委員
ありがとうございます。2点ほどご意見を伺わせていただきたいです。
1点目は、今お見せいただいているところ(28ページ)で、事業者回答に対して「ICTを活用した高速道路への誘導等を検討する必要がある」と書かれてありますが、「ICTを活用して高速道路の方に誘導する」というのは、来場される方を高速道路に誘導するということなのでしょうか。この表現だけだと、何を意図してICTを活用して、何を解消しようとしているのかが良く分からないので、具体的なご説明をしていただけると助かります。よろしくお願いします。
事務局
事務局でございます。
この「ICTを活用した高速道路への誘導」という交通対策につきましては、事業者も検討中の段階であり、これ以上の具体的な内容は、事務局でもまだ把握をしておりませんので、今後具体的な方法が検討されていくものと考えております。
平栗委員
分かりました。私も少し興味があったものですから、そういうもので(交通渋滞などが)解消できるのであれば、非常に有用だなと思った次第なので、ぜひまたご報告いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
もう一点についてですが、道路交通騒音に関して、詳細に調整していただきまして、ありがとうございます。結局は、準備書の書面作成の段階で詳細にご検討いただくということなのかなと把握しておりますけど、もう一つの建設工事の騒音について、少しお教えいただきたいです。
(建設工事騒音については)定性的に予測評価をする、と書かれていて、予測モデル等も特に記載はされていなかったので、今後どのように予測をして評価をしていくのかが少し分からなかったのですが、建設工事騒音ですと、例えばASJのCNモデルというものがあって、そちらを用いて予測することも可能だと思います。建設工事騒音については、道路交通騒音と同じような定量的な評価は行わないという理解でよろしいでしょうか。
事務局
現在画面共有しております43ページをご覧いただきたいのですけれども、委員にご指摘いただいたCNモデルを使って予測する場合は、工事機械のパワーレベルや稼働台数などの情報が必要になってまいりますが、そういった情報の基となる工事期間や使用が想定される建設機械を事業者に確認したところ、現段階では工事計画の詳細な検討まで行っておりません、ということでしたので、現時点では定量的な予測を行うのは難しいのではないかと思っております。
ただ、当然、準備書段階では、工事に伴う騒音の定量的な予測は必要になってくると思いますので、今後事業者の方で詳細な工事計画を検討されて、準備書では、予測の過程や予測条件を示した上で、定量的な予測結果が示されると考えております。
平栗委員
分かりました。ありがとうございます。
すみません、最後にもう一つ細かいところなのですが、35ページに予測に用いた施設利用交通量が記載されていて、パークアンドライドバスの台数が1日あたり362台と試算されています。この試算方法について少し疑問がありまして、試算するにあたって、バスの乗車定員である50人で割り算していますが、この場合、毎回バスが満員になってから発車するというモデルになってしまいますが、現実問題としてそうはならないと思います。
ここの試算方法についても、おそらくもう少し計画が固まってきて、詳細に運行スケジュールが決まってから(詳細に予測評価していく)ということになるとは思うのですが、その際には、実情に即したバスの乗車人数を用いて、バスの台数を試算していただけると良いのかなと思いました。その時には、間違いなくバスの台数は今よりも増えると思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
事務局
ありがとうございます。準備書の段階では、バスの利用者数等も精査されて、予測に用いるバスの台数も変わってくると思います。そういった台数がきちんと合理的に設定されているのかをしっかりチェックしていきたいと思います。
平栗委員
ありがとうございました。以上です。
中谷会長
それでは、他の委員の方、ご質問ご指摘とかございませんでしょうか。
小笠原委員、お願いいたします。
小笠原委員
ありがとうございます。2点ほど質問させてください。
一つ目は68ページの公園利用者との関係についてですが、1日あたりの平均来場者数を想定して問題ないということでしたけれども、やはり一番問題になるのは、ピーク時の休日等の状況だと思いますので、こちらはピーク時を想定された問題のあぶり出しをする必要があるのではないかと思うことが、まず1点目になります。
中谷会長
事務局いかがでしょうか。
事務局
今回の環境影響評価では、計画日来場者数が28.5万人であるという想定で予測されていますが、会期中の想定来場者数を会期日数で単純平均すると、1日あたり15.3万人となり、全ての日で(来場者数が)28.5万人にはならないので、駐車場が満杯になることはないから大丈夫だろう、というような事業者回答になっています。しかし、大気・騒音・振動といった他の環境項目では、ピーク時を想定して予測されていることから、予測の考え方としては、やはり統一が取れていないといけないと思いますので、指摘事項としまして「施設供用時の広場の利用に影響を極力及ぼさないように、十分対策を検討する必要がある」ということで指摘をさせていただいているところでございます。
小笠原委員
今後の予測では、ピーク時を想定した予測結果を用いて、配慮していただけるということでよろしいでしょうか。
事務局
この配慮計画書では、定性的な予測ということで、今の想定来場者数を基に予測をされているのですけども、今後、準備書の段階になりましたら、予測の前提となる想定来場者数も精査・検討されることになると思います。その数字を基に、更に詳細な予測がされると考えられますので、その中でピーク時の想定来場者数を対象として予測しているかどうかを審査の際にチェックしていきたいと思います。
小笠原委員
ありがとうございます。2点目よろしいでしょうか。
78ページの環境配慮についてなのですが、この施設はたかだか半年程度の利用しかされないわけですよね。ここでは環境配慮として、例えばLEDの電球やライトを使う、と書かれていますけれども、LEDを使うとかなりの導入コストがかかると思いますので、ランニングコストに関する環境配慮しか考慮されていないと思います。そのため、導入コストも含めた環境配慮をしっかりとやる必要があるのではないか、ということを思いました。
事務局
ありがとうございます。
今いただいたご意見は、重要な視点だと思いますので、事業者に伝えさせていただきます。
小笠原委員
ありがとうございます。以上になります。
中谷会長
先ほど小笠原委員の方からご指摘のあった68ページの表記なのですけれども、「施設供用時の利用状況の予測変動を基に」というような文言を追加しておいた方が良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
「施設供用時の利用状況の予測を基に」とか、「予測変動を基に、極力広場の利用者に影響を及ぼさないよう対策を検討する必要がある」とか、そういった文言にした方が、強いメッセージとなって良いのではないかなと思いますけれども、いかがですか。
施設供用時の利用状況がどのぐらいでピークになるのか、という予測結果を踏まえた上で、対策を検討してもらった方が良いと思います。
事務局
承知いたしました。「施設の利用状況の予測結果を踏まえて」といった文言を入れさせていただきます。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
では続きまして、田中晃代委員、お願いいたします。
田中晃代委員
27ページの冒頭の部分ですけれども、駐車場の駐車台数を約2,300台とした根拠として、事業者の回答として、用地面積から試算したということが書かれていますが、もう少し社会情勢を踏まえた上で、実情に応じた台数の設定をしていただきたいと思います。
関連して、77ページのところで、この万博の開催意義の一つとして「SDGsの達成」が掲げられている、と書かれてありますが、2030年までに達成すべき目標である「2030アジェンダ」や、2050年までにCO2の排出を削減して実質ゼロにするという目標がある中で、2,300台もの駐車場を作ってまでも、やらなければいけないイベントなのかなということを、実は前回の時から私はずっと感じております。
ここでの事業者回答も「最新の技術等も確認しつつ今後検討を進めてまいります」という非常に消極的なもので、2050年のカーボンニュートラル達成に向けての危機感があまり感じられないのですが、表現を修正していただくということなのか、それとも根本的な考え方を変更していただくことなのかは分からないのですけれども、私としては、大変納得がいかない記載内容になっています。
要は(カーボンニュートラルの流れに逆行するような駐車場を作る)大きな目的というのは何なの、ということです。駐車場の台数が2,300台分もあるというところが気にかかっていまして、「(2,300台駐車できる駐車場が)ある」ということを宣伝すれば、車に乗って来る人たちがたくさん来ることになるわけですよね。でも「(駐車場の台数が)これだけしかなくて、できる限り公共交通機関を利用してやって来てください」という表現でしたら、来場者の皆さんも(自動車に乗らずに公共交通機関で来る)努力をされると思います。また、そもそも「2,300台(規模の駐車場が)ありますよ」というような提示の仕方をしてしまうと、来場者の方々も「よし(車に)乗って行こうか」という気持ちにもなってしまうと思います。
77ページの消極的な事業者回答や冒頭の27ページのところの2,300台の根拠の話を見ていますと、(2,300台規模の駐車場を設置しなければならない)必要性に少し疑問を感じているところです。以上です。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
なかなか、事務局から回答できないかもしれませんけれども、何かご見解はございますか。
田中委員のご意見だと、この事業自体が必要ないのではないか、ということですかね。
田中晃代委員
いえ、そこまでではないのですが、この検討結果を見ていますと「(事業者は二酸化炭素排出量削減のための)努力をするべきだと思う」ということは読み取れるのですが、少し足りない感じがいたします。
中谷会長
少なくとも、SDGs等の達成すべき目標を踏まえた環境配慮をしていただきたい、ということでしょうか。
田中晃代委員
現時点で、少なくとも各自治体が策定している環境基本計画の中では、既に(カーボンニュートラルに向けての)目標値が定められているわけですよね。そういった状況の中で、(目標達成のために)各自治体で(区域内での二酸化炭素排出量の)調整ができないのかとか、そういうことも考えますと、(今回の事業における駐車台数の)数字は、実はこの近辺の、隣接する自治体との調整が必要になってくるようなことにもなるのではないかな、と思います。
もちろん、堺市の方が(事業者と)一緒に一生懸命やっておられるのは理解できますが、例えば、この近辺の隣接する自治体である大阪市とか、あるいは私がいる東大阪市も含めた、この辺りの自治体との連携というのも、もちろん考えていらっしゃると思うのですけれども、ある程度は必要なのではないかな、と思います。
この部分については、駐車台数の根拠を変えればいいのか、私としてもどうするのが良いのか決めかねているところはあるのですけれども、ひとまずは、2,300台の駐車台数を確保するというところは、事業者としてもどうしても譲れない部分なのかどうかを知りたいと思うのですが、いかがでしょうか。
中谷会長
今日は事業者の方はいらっしゃらないので、回答することは難しいと思います。
審査会としては「社会情勢などを踏まえて、駐車台数を見直すことも含めて、事業計画自体を検討してください」というメッセージは出しているので、(田中委員のご意見は)そこに含まれているのではないかな、と私は思いますけれども、いかがでしょうか。
田中晃代委員
そうですね。はい、ありがとうございます。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
そうしましたら、岩﨑委員、お願いいたします。
岩﨑委員
ありがとうございます。
45ページについてなのですが、導入を検討している低公害バスとして、EVバスを始めとする環境に優しい車両が挙げられているのですけれども、例えばEVバスですと、充電設備が大規模になってしまうと思います。
特に今回はバスの台数も多いと思いますので、(パークアンドライドバスの車種の選定に当たっては)充電設備がどのぐらいの規模になって、その電力を供給するのにどれぐらいの二酸化炭素が排出されるのかについても考慮する必要があると思います。
バス単体ではなくて、その周辺の設備、あるいはその設備を建設するスペース等にも配慮するようなコメントにしていただければと思います。よろしくお願いします。
中谷会長
ありがとうございます。事務局、いかがですか。
事務局
今の指摘事項では「パークアンドライドバスの車種の選定に当たっては、最新の技術動向を踏まえ、走行に伴う大気汚染物質の排出を極力低減可能な車種の選定に努める必要がある」と書いているのですけども、岩﨑委員からのご指摘は、そのパークアンドライドバスの運行に必要な付帯設備からの排出量も考慮して車種を選定すべきというご指摘だと理解しましたので、「パークアンドライドバスの車種の選定に当たっては、パークアンドライドバスの運行に必要な付帯設備の稼動に伴う排出も含めて、極力排出量を低減可能な対策を検討する必要がある」というような内容にさせていただくということで、いかがでしょうか。
岩﨑委員
はい、ありがとうございます。
事務局
分かりました。では、ご指摘の趣旨を踏まえまして、指摘事項の記載内容について検討させていただきたいと思います。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
その他に委員の皆様、ご質問はありますか。
それでは犬木委員、お願いいたします。
犬木副会長
犬木です。ありがとうございます。
1点教えていただきたいのですけれども、26ページの一番下の部分についてです。
来場者の輸送手段別の想定人数の根拠として、愛知万博等の過去の博覧会の実績等をもとに推計しました、ということが書かれているのですけれども、愛知万博の会場はかなりアウェイな場所であったような記憶があるのに対して、今回予定されている会場の立地は、過去の万博と比べてもかなり主要駅に近い場所であり、(万博)それぞれで条件は違ってくるのではないかなと思うのですが、そのあたりの個々の万博の状況を勘案した上での予測なのか、もう少し大雑把な予測なのか、そのあたりを教えていただければと思います。
事務局
想定の計画日来場者数の算定にあたっては、愛・地球博の日来場者数の上位10%の平均割合を使って算定をされているのですが、確かに愛・地球博の会場と、今回の会場である夢洲とでは立地条件が異なっておりますし、鉄道の路線につきましても、(関西万博では)地下鉄の中央線しかないといったこともございまして、アクセスの特性というのもかなり違う状況と考えられます。
具体的にどの交通ルートを使うのか、また具体的にどれぐらいの交通量になるのか、ということについては、今後事業者の方で詳細に検討されると考えられますので、現時点では具体的な情報は把握していないところでございます。
犬木副会長
分かりました。
今回の会場のすぐ近くにあるUSJでは、ほとんどの人は鉄道を利用されていると思いますので、この万博でも鉄道利用者が多くなるのではないかと思います。
このあたりは少し丁寧に予測しないと、予測の前提となる自動車での想定来場者数の正確性に問題が生じるのではないかと思います。(輸送手段別の想定来場者数の割合を)鉄道41%、自動車37%と予測されていますが、もう少し鉄道が多いかもしれない、という感覚がありますので、このあたりの根拠をもう少し端的にお示しいただければ、ありがたいのかなと思います。
それからあともう一点、追加でお聞きしたいのですが、鉄道によるアクセスは大阪メトロ中央線だけを想定されているのですけども、以前にはJR桜島線の延伸であったり、京阪中之島線の延伸であったり、というお話もあったと思うのですが、おそらく鉄道事業者さんは今でも検討されているとは思うのですけども、2025年にはそれらは間に合わないという想定なのでしょうか。
事務局
鉄道の整備につきましては、現在2024年度の開業を目指して、大阪メトロ中央線が会場のある夢洲まで延伸されて、新たな駅が建設されることで、会期中の輸送力が増強される予定であるということを事業者から聞いております。
犬木副会長
分かりました。大阪メトロ中央線のみという想定ですね。私の方からは以上です。
中谷会長
ありがとうございました。
続きまして柳原委員、お願いいたします。
柳原委員
82ページの交通量に関する予測評価について、今回は日交通量で評価して問題ない、ということが書いてあるのですが、基本的には時間帯交通量を使って評価した方が良いと思います。来場者が24時間で分割して来ることもないでしょうし、パークアンドライドバスも特定の時間帯に集中することに多分なると思いますので、時間帯交通量に基づいてその交通量を捌けるかどうかを評価した方が良いと思います。今後、時間帯交通量で評価していただけることになるのでしょうか。
事務局
事務局でございます。まだ配慮計画書の段階であり、交通量についてもまだ詳細な検討は実施されていないので、現段階では仕方ない部分もあると思うのですが、今後周辺の交通量調査等を行って、より詳細な交通影響についての検討をされると聞いておりますので、今後、時間帯交通量に基づいた検討も実施されるのではないかと考えております。
柳原委員
分かりました。ぜひそちらの方で評価していただければと思います。
よろしくお願いします。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
他にご質問、指摘事項などがありましたら。ありませんか。
では、私の方から1点。31ページですね。
上から3つ目の白丸についてですが、「工事は全て陸域で行われ、護岸改修等の海域環境に影響を及ぼす行為はないか、事業者に確認したところ、現在のところ護岸改修等、海上工事を実施する予定はありません」と書かれているのですけれども、一方で、この31ページの一番下のところでは、海上輸送の可能性について事業者に説明を求めると、まだ含みを持たせた回答をされていますよね。
海上輸送をするようなことになれば、護岸改修等の海上工事が行われることも十分想定されますので、「海上輸送を行う可能性がある」という事業者の回答があるのであれば、この一番上から3番目の丸のところに、指摘事項として、「海上輸送を行う計画に変更する場合は、追加で海上工事に伴う影響評価をするべきだ」というような形の文言を入れるべきではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
事務局
ありがとうございます。指摘事項といたしまして、32ページのところに「今後の事業内容の検討によって海上輸送等の新たな環境影響要因が生じた場合は、影響が想定される環境要素を環境影響評価項目として選定し、適切に調査・予測・評価を行う必要がある」という指摘事項を入れさせていただいていますので、今、中谷会長からご指摘いただいたことにつきましても、こちらの指摘事項の中に含まれてくるのではないかと思っております。
中谷会長
もちろん、ある程度は含まれるとは思うのですけれども、海上工事に関する環境影響評価については、どこかで言及した方が良いと思います。
事務局
海上工事に伴う影響について、特に記述しておく必要がある、というご指摘でしょうか。
中谷会長
はい、そうですね。
海上輸送が行われるような事業計画に変更した場合は、必ず海上工事が行われるはずなので、それもしっかりと含めて適切に予測評価をしてください、という文言を少し入れていただきたいと思っております。
事務局
分かりました。そうしましたら、今の指摘事項では、「駐車場利用者の海上輸送等の新たな環境影響要因が生じた場合」としていますけれども、「駐車場利用者の海上輸送や海上輸送に伴い必要となる施設等の工事を含めて、新たな環境影響要因が生じた場合」というような文言に修正する形でいかがでしょうか。
中谷会長
はい、そのような形で結構でございます。
事務局
承知いたしました。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
その他、ご意見や指摘事項等、お気づきの点があればお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
では木下委員、お願いいたします。
木下委員
全般的な話になるのかもしれないですけれど、安全の項目のところで、交通についてのみ言及されているのですが、暑熱対策については実施されないのでしょうか。
例えば、来場者の方は、夏場にバスに乗るまでの間、暑いところで待つ必要があると思うのですけれども、そのための暑熱対策といった面での来場者に対する安全について言及されていないような気がしたので、そういう内容というのは今後盛り込まれるようになるのかな、と思いましたので、確認させていただきました。
事務局
ご意見ありがとうございます。事業者から第1回の審査会の時に少し説明があったのですけれども、駐車場で車を停めた方がバスを待つ場所も設置を検討されるとは思うのですが、今は配慮計画書段階であり、あまり具体的な施設計画は書かれていないため、具体的な計画の内容については、今後の準備書で明らかにされるのではないかと考えております。
木下委員
分かりました。配慮書の段階では、まだ検討されていないけれども、今後検討されることになるということですね。
はい、分かりました。ありがとうございます。
中谷会長
はい、ありがとうございます。その他ございますか。些細な点でも結構です。
よろしいですかね。
委員の皆様からは、非常に有益なご意見をいただきまして、ありがとうございます。
基本的には、この検討結果の案の内容をベースにして、今ご指摘いただいた事項を修正して答申にする、という形で皆様よろしいですかね。
ご異議がある方は挙手をいただきたいのですが、よろしいですかね。
では、ご指摘していただいた事項を修正した上で、この資料の内容で堺市長宛ての答申にしたいと思います。それでは事務局、よろしくお願いいたします。
環境共生課長
ありがとうございました。それでは、ただいまより答申をお願いしたいと思います。中谷会長、よろしくお願いいたします。
中谷会長
それでは答申をしていきたいと思います。
堺市長、永藤英機様。「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 配慮計画書」の審査について、答申いたします。令和3年10月1日付堺環共第801号により、本審査会に諮問のありました標記の件について、慎重に審議を重ねた結果、この度結論を得ましたので、別添のとおり答申いたします。令和3年12月7日、堺市環境影響評価審査会会長、中谷直樹。
よろしくお願いします。
環境共生課長
ありがとうございました。ただいまの答申の写しにつきましては、後日委員の皆様にお送りさせていただきます。よろしくお願いします。
中谷会長
はい、ありがとうございます。
それでは、続いて、今後の環境影響評価の手続きについて、事務局の方からご説明をお願いしたいというふうに思います。
【今後の審議の進め方について、事務局から説明】
中谷会長
はい、ありがとうございました。
ただいま、事務局から今後の手続きの流れについてご説明がありましたが、委員の皆様からご質問がございましたら、よろしくお願いします。
よろしいですかね。
それでは、本日の議題はこれですべて終了となりますが、全体を通して何かご意見・ご質問等はございませんでしょうか。大丈夫ですかね。
はい、ありがとうございます。
それでは、議事については以上とさせていただきまして、事務局に司会をお返しいたします。
環境共生課長
本日は、中谷会長を始め、委員の皆様方には、大変お忙しいところ、ご審議を賜りまして、まことにありがとうございました。
会議終了にあたり、環境保全部長の小林から一言お礼を述べさせていただきます。
環境保全部長
環境保全部長の小林でございます。委員の皆様におかれましては、本日は大変お忙しいところ、審査会に御出席を賜り、まことにありがとうございました。
また「2025年日本国際博覧会 会場外駐車場 配慮計画書」の審査につきまして、答申をまとめていただき、厚く御礼を申し上げます。
今後は、「配慮計画書の検討結果」のご意見を十分踏まえ、令和4年1月7日の条例期限までに、環境の保全の見地からの市長意見を、事業者に送付したいと考えております。
最後になりますが、本市の環境影響評価行政の推進につきまして、より一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
環境共生課長
ありがとうございました。
傍聴者の方は、すでに退席しておりますので、それでは、これをもちまして、令和3年度第2回堺市環境影響評価審査会を終了させていただきます。本日は、どうもありがとうございました。
以上
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