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能登半島地震 北区役所派遣職員レポート

更新日:2024年3月21日

1月22~27日派遣職員の体験談

自然の恐ろしさを実感

能登半島地震から約3週間後の1月22日~27日、私は輪島市の指定避難所の1つである三井公民館に派遣されました。輪島市に着いて最初に感じたことは、圧倒的な自然の力への恐怖です。被災地の様子はニュースで見ていましたが、実際に目にすると、人間の力ではどうにもならない地震の力の大きさを改めて実感しました。

倒れたビルに押しつぶされた家、陥没した道路の真ん中で潰れている車、崩れた山の土砂が被っている家、所々そこに人がいた痕跡があり、その場面を想像してぞっとしました。

大変な避難所生活

発災から約3週間後時点で、三井公民館には約40人の避難者がいましたが、日中は家の片付けや仕事で不在にしている方が多く、部屋の中には5人程度の方が避難されていました。前任者の記録などによると、公民館の避難者数は少しずつ減ってきているようでした。

三井公民館がある地域は、まだ水道が復旧しておらず、生活用水は雨水や給水車、支援物資の水で賄っていました。そのため、被災者の方は水洗トイレを使用したり、洗濯したり、お風呂に入ったりすることができないという、大変不便な状況でした。
電気については、復旧したものの安定しておらず、ときどき停電がありました。
食事については朝昼晩と自衛隊の炊き出しがあるほか、支援物資の中から缶詰やインスタント食品を食べておられました。
そして、被災者の方の居住スペースは、畳の大部屋で、ところどころ段ボールベッドが設置されている様子でした。

災害時に大切なことは助け合うこと

被災者の方と接する中で「わざわざ遠くから来てくれてありがとう」という感謝の言葉を何度も聞きました。避難所の生活は炊き出し、給水、支援物資など各所からの支援に依存している部分があり、そういった支援が被災者にとってなくてはならないものであることを感じました。
また、避難所はスペースに限りがあり、地域の方どうしで助け合って集団避難している人もいるという話を聞きました。災害時に大切なのは、各地からの支援や地域での協力など様々な「助け合い」であると実感しました。

やはり備えは大切

ある避難者は、住む地域の孤立が解消されたのはつい最近(発災から約2~3週間後)とおっしゃっておられました。三井公民館の周辺は冬場に雪で外に出られないことがある地域なので、豪雪時用の備えが思わぬ形で役立ったという話でした。備えても助からないこともありますが、少しでも生き残る確率をあげるために、備えは大切だと感じました。

被災者の前向きな声

現地に行って一番驚いたのは、数週間前に地震があったとは思えないほど、避難所の方々が元気だったことです。「ついにシャワーが浴びられるようになった」「ついに電気が通った」「新しい種類の缶詰が届いている」など前向きな言葉や笑顔を多く見ました。災害直後はもう少し雰囲気も違ったのかもしれませんが、悲壮感よりも徐々に良くなる未来への期待感を強く感じました。ただ、明るく笑っていた人でも、きっと帰る場所が無いから避難所にいること、道中で見たたくさんの潰れた家のこと、連日の雪で片付けが難航することなどを思うと、彼らが被災前と変わらない生活を送れるのは一体いつになるのだろうと途方もない気持ちになりました。

長い目で、多くの方の支援が必要

私が派遣された1週間の間にも、様々な活動が再開していきました。例えば三井公民館の横にある保育所で、近隣小学校に通う子どものための学習会が始まりました。普段の学校とはまったく異なる環境でも、たくましく学習している子どもたちの姿には感銘を受けました。
その他にも、近隣の中学校で自衛隊による入浴支援が始まったり、営業を開始するドラッグストアがあったり、少しずつ着実にできることが増えつつある状況でした。

しかし、インフラの復旧や街の片付け、避難者の生活補助や家に帰るための支援など、まだまだすべきことは山積みで、水道1つとっても三井公民館周辺まで行き渡るには相当な時間がかかるのではないかと噂で聞きました。輪島市だけでなく、行政だけでなく、多くの方の長期にわたる支援が必要であると感じました。

北区役所派遣職員・保健師による報告書

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