堺市における移動支援事業について
更新日:2015年8月1日
1 基本的な考え方
平成18年10月以降、「移動支援事業」は障害者自立支援法第77条第1項第3号の規定により、市町村が行う「地域生活支援事業」の1つとして位置付けられました。
障害者自立支援法は平成25年4月に「障害者総合支援法」(正式には「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)に改められましたが、移動支援事業は、障害者総合支援法においても「地域生活支援事業」の1つとして、各市町村が独自の事業内容で実施する事業として位置づけられています。
堺市ではこれまでの経緯を踏まえ、基本的には「居宅介護」の「事業者指定」に準じた「事業者登録」により実施しています。
2 事業の枠組み
堺市では、移動支援に係る給付費を利用者に対して支給する制度とした上で、実際には利用者からの委任に基づき、サービス提供事業者が給付費の「代理受領」を行う方式を採用しています。また、事業者は堺市からの登録を受けることとし、利用者は堺市からの支給決定を受けた上で、登録事業者との契約に基づきサービスを利用する仕組みとしています。
3 利用者負担額
堺市では、所得にかかわらず一定時間数までの利用については無料(=堺市独自の「無料ゾーン方式」)とし、それを超える利用時間数のみについて30分当たり80円の負担が発生する仕組みとすることで、利用者の負担軽減、社会参加の促進を図っています。
障害の種類 | 無料ゾーン | 30分当たり80円 |
---|---|---|
身体障害者 | 25時間まで | 50時間まで |
知的障害者・精神障害者 | 18時間まで | 40時間まで |
障害児 | 10時間まで | 20時間まで (8月のみ40時間まで) |
障害者施設に入所する |
【1】 無料ゾーンなし(利用上限は月25時間) 【2】 地域移行をめざすもの(※)
|
注意
(1) 生活保護世帯及び市民税非課税世帯については、利用者負担はありません。(住民票上の世帯が原則ですが、18歳以上の場合は本人及びその配偶者のみを世帯としてみなします。)
(2) ※印「地域移行をめざすもの」としての利用に当たっては、施設から堺市へ「地域移行計画書」を提出していただく必要があります。
(3) 【1】及び【2】については、施設を起点とした外出に利用できます。
(4) グループ支援型についても、利用者負担は同額(30分当たり80円)となります。(詳細についてはこちらへ(13 グループ支援型について(平成21年4月から実施)))
4 報酬単価
個別支援型 (1対1) |
グループ支援型 | |||
---|---|---|---|---|
(1対2) | (1対3) | (1対4) | ||
基本報酬 | 30分当たり 800円 |
30分当たり 520円 |
30分当たり 400円 |
30分当たり 320円 |
初動加算 | 1回当たり 1,200円 |
1回当たり 780円 |
1回当たり 600円 |
1回当たり 480円 |
※ グループ支援については、1対4までとします。(詳細についてはこちらへ(13 グループ支援型について(平成21年4月から実施))
※ 初動加算については、同一利用者に対して1日1回のみの算定とします。
※ 級地区分や時間帯加算はありません。
5 事業者登録
サービス提供事業者は、事業者登録申請を行い堺市から事業者登録を受ける必要があります。なお、登録事業者は「居宅介護」事業者と同等の基準を満たすことが必要(ただし、契約内容報告書の提出は不要)であり、「居宅介護」、「重度訪問介護」、「同行援護」又は「行動援護」の指定事業者であることを要件とします。
また、登録内容に変更が生じた場合は堺市への届出が必要となります。
登録申請に係る提出書類(郵送可)
- 移動支援事業者登録申請書
- 付表 移動支援事業者の登録に係る記載事項
- 口座振替依頼書
- 障害福祉サービス事業等開始・変更届(事業所の所在地が堺市内である場合のみ)
- 誓約書
- 「居宅介護」の事業者指定に係る指定書の写し
6 事業開始等の届出
サービス提供事業者は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第79条の規定により、事業開始届を提出する必要があります。(注:同条の規定に基づく事業開始等の届出については、事業所の所在地に応じて各都道府県・指定都市・中核市が提出先となります。)
また、開始届により届け出た事項に変更が生じた場合や、事業の休止又は廃止を行う場合は、同条の規定に基づき別途届出が必要となります。
なお、開始届に添付する「定款等の基本約款」には、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく地域生活支援事業」又は単に「移動支援事業」と記載する必要があります。ただし、当面の間、定款変更前であっても「誓約書」をもってこれに代えることができることとします。
7 移動支援従事者(ガイドヘルパー)の要件
堺市の移動支援事業に従事するヘルパーは、次のいずれかの資格が必要です。
8 利用者への支給決定
利用希望者は堺市に支給申請を行い、堺市から支給決定を受けた場合は受給者証が交付されます。(居宅介護などの「障害福祉サービス受給者証」とは別のものです。)
9 サービス利用契約の締結
支給決定を受けた利用者からの利用の申込みがあった場合は、受給者証を確認して契約を締結し、受給者証裏面の「事業者記入欄」へ記入・押印します。(堺市への契約内容報告は不要です。)
10 サービス提供
契約に基づいてサービスを提供し、利用者から利用者負担額を徴収します。その際、無料となる時間数を超えた利用についてのみ、1割の利用者負担額(30分あたり80円。生活保護世帯は無料。)を徴収することになりますが、利用者が複数の事業者を利用している場合については、支給管理表を用いて管理します。(1事業者のみの場合は不要。)
サービス内容については、平成17年度までの支援費制度における移動介護と同様です。
11 事業者指導・調査等
事業の適正実施のため特に必要がある場合は、堺市から登録事業者に対し、書類の提出等を求めることがあります。この結果、実施内容に関して適当でないと認められる場合は改善指導を行うとともに、改善が認められるまでの間、事業の中止を命じることがあります。
また、不正等が認められた場合は、登録は取り消されます。
12 給付費の請求(代理受領請求)
利用者からの委任に基づき、堺市に給付費の請求を行います。なお、明細書の「サービス内容」欄については「地域生活支援事業サービスコード表(移動支援)」に基づき、「サービスコード」及び「サービス内容略称」を記載してください。
提出書類
【1】請求書
【2】明細書
【3】サービス提供実績記録票の写し(原本は事業所で保管)
【4】グループ支援実施報告書(「グループ支援型」を実施した月のみ)
【5】利用者からの受領委任届出書(初回の請求時のみ)
13 グループ支援型について(平成21年4月から実施)
グループ支援型とは、屋外でのグループワークや、同一目的地・同一イベントへの同時参加などの際に、1人のガイドヘルパーが複数の利用者へ同時支援を行うものです。
利用者の相互交流を図る上では、1対1の「個別支援型」よりも効果的な場合もあることから、堺市では平成21年4月から「グループ支援型」を導入し、利用者の主体的な行動を側面からサポートする仕組みを充実していくこととしました。
堺市の「グループ支援型」についての留意事項
【1】 支給決定
決定された支給量の中で、利用者の選択により「個別支援型」「グループ支援型」双方の利用ができるものとし、「グループ支援型」の場合であっても、利用できる時間数は「個別支援型」と同じ時間数とする。(利用者や事業者からの届出等は不要。)
【2】 利用申込及びサービス提供
利用者は「グループ支援型」を利用する他の利用者とともに事業者に対して利用申込を行うこととし、事業者は当該「グループ支援型」サービスの利用者全員について「個別支援型」での提供実績があるガイドヘルパーによりサービス提供を行うこととする。
また、複数のヘルパーで付き添う「2対5」のような形態の場合、「1対2」と「1対3」に分割(利用者ごとに担当ヘルパーを設定)し、それぞれの単価で請求することとする。(※)
※1 これにより、利用者の中に「グループ支援型」未実施の市町村の支給決定障害者がいる場合であっても、「2対5」を「1対1」(個別支援型)と「1対4」に分けての請求が可能となるほか、利用者に対する責任の所在についても明らかとなる。
※2 ただし、複数の事業者によるグループ支援は認めないこととする。
【3】 事業者の応諾義務
運営基準の中に「事業者は正当な理由なく提供を拒んではならない」旨の規定があるが、安全面等の状況によりグループ支援型によるサービス提供を拒否する場合は「正当な理由」とみなし、応諾義務違反には当たらないものとする。
【4】 利用者負担額
「個別支援型」と同様、1カ月の利用時間のうち一定時間までは無料とし、それを超える部分については、30分当たり80円(=「個別支援型」と同額)とする。
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