旧天王貯水池
更新日:2024年11月22日
登録区分
登録有形文化財
説明
旧天王貯水池は、明治43年(1910年)に計画給水人口6万人の規模の上水道配水池として建設され、昭和39年まで約50年間にわたり、その役割を担ってきました。
明治43年の水道施設の建設は、大阪府下では大阪市(明治28年建設)に続くもので、市民の大きな期待が寄せられたものでした。
建設にあたっては、出入口を初めとして全体を、その当時の最新の建材であった煉瓦で造っています。正面入口には水道施設の先進地であるヨーロッパで用いられていた建築の古典様式にならい「凱旋門」風のデザインが採用されました。
建物内部では、点検用の通路を中央に通し、両側に貯水槽が造られています。それぞれの貯水槽は5つに区切られ、内部は半円筒のヴォールト架構になっています。
また外部は、貯水槽の周囲に土を盛り上げて、直射日光などをさえぎることで細菌の繁殖を防ぎ、水質の安全をはかってきました。
このように、旧天王貯水池はそのデザインと施工技術の優秀さの面で建築的にきわめて価値が高く、また堺における上水道の歴史の一端を知る上で貴重な建物であるといえます。
※ 通常内部非公開です
ヴォールト架構
アーチをもととした曲面天井の総称。
古代から近代に到るまで、組積構造における基本的な建築工法であり、空間や形態の特性を決定する重要な要素となっています。
所在地
堺市堺区中三国ヶ丘町3丁78
構造
煉瓦及びコンクリート造
登録年月日
平成13年8月28日
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