黄梅庵
更新日:2021年10月15日
登録区分
登録有形文化財
説明
黄梅庵(おうばいあん)は奈良県今井町(橿原市)の豊田家(重要文化財)にもとあった茶室です。戦前に、電力産業界の雄でかつ近代の数寄者でもあった松永安左ヱ門(耳庵)(1875年から1971年)の手に渡り、昭和21年に彼の小田原での別邸内に再建されました。その後縁あって、昭和55年に堺市博物館内へ移築されました。ちなみに庵名「黄梅庵」は、梅の実が黄熟する頃に完成したことから、耳庵により命名されました。
外観は、銅板葺きの屋根を重ね合わせた変化に富んだ構成となっています。内部は、八畳敷の広間と小間(三畳)と勝手水屋等から成っています。広間の正面には床を構え、天井は化粧屋根裏とした軽快な数寄屋造としています。また小間は、平三畳で下座床を設け、炉は向切としています。
豊田家に所在していた頃には、今井宗久の茶室であったと伝えられていましたが、建築様式的にはその頃までに遡ることが難しく、実のところ建築された年代等については明らかでありません。しかしながら、堺の茶人・今井宗久・宗薫親子ゆかりと伝えられる茶室を耳庵が移築し愛用していたという点もこの茶室の歴史的価値をさらに高めています。
向切(むこうぎり)
茶室における炉の切り方のひとつ。客側の点前畳の一部に炉を切るこという。
所在地
平成15年1月31日
このページの作成担当
文化観光局 歴史遺産活用部 文化財課
電話番号:072-228-7198
ファクス:072-228-7228
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館5階
(文化財課分室)〒590-0156 堺市南区稲葉1丁3142