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【ニュースレター】堺アーツカウンシルニュースレターvol.19(2025年11月10日)

更新日:2025年11月10日

目次

【芸術の秋は、あたらしい体験を!】堺では、歴史もお茶もアートも、ぐるりとめぐる

 今年の夏は危険な暑さがつづき、体調を整えるのにひと苦労でした。やがて朝夕の空気に秋がまじり、季節がうつりかわっていきます。そして気がついたら息の白くなる冬になるのでしょう。

 動きやすくなった秋には、ぜひあたらしい体験をしてみてください。散歩やスポーツ、勉強や研究、ボランティア活動、そして芸術の体験も日常をくっきりと彩ることでしょう。


 「堺茶の湯まちづくり条例」のある堺市では茶の湯において重んじられている、互いを敬い、思いやりの心を持ち、ふれあいの時間及び空間を大切にすることを定めています。慌ただしく流れていく日々のなかで、湯をわかしお茶をいれてみます。落ち着いて深く呼吸して一服のお茶に集中してみると、さまざまな人々の働きや関わりを思い出します。ひとりで味わっているけれど、多くの人の存在や自然、歴史を感じるから不思議です。また、出会った誰かのためにお茶をいれてみるのも楽しいことです。誰かにいれてもらうのも嬉しいですね。そんなときには、「へそで茶をわかす」ような面白い話に花が咲くと、楽しいコミュニティになりそうです。


 芸術は記憶を呼び覚ましたり、ひっかかっていたことに向き合おうという気持ちになったり、自ら表現してみて、自分のことに気づくこともあります。芸術の魅力であり難しさは、さまざまなこころの動きをもたらすことにあるかもしれません。想像の限界を越えて飛び込んでくる芸術の体験は、日常のなかに余韻や余白をもたらすでしょう。

 秋にはお茶を一服するように、芸術の時間を持ってみてもよさそうです。堺市内には歴史薫る場所も芸術の場もたくさんあります。あたらしい体験へ出かけてみませんか。

(PD 上田假奈代)

【令和6年度】堺市における文化芸術活動の実態調査

 堺アーツカウンシルでは、堺市文化芸術活動応援補助金の採択事業の来場者・参加者に対するアンケート調査を令和3年度から実施しています。

 今年度の調査対象事業は31件、回答数は2,178件で、前年度と同水準で来場者・参加者の高い満足度(総合的な満足度「たいへん満足」と「まあ満足」を合わせた回答が成人で 96.9%(前年度 96.5%))と、堺ACに対する肯定的な期待(「ぜひやってほしい」と「まあやってほしい」を合わせた回答が 86.5%(前年度 87.6%))を確認しました。そのほかの特徴的な令和6年度の調査結果としては、以下の2点が挙げられます。

1.来場者・参加者の年代で、60代以上は49.9%(前年度56.1%)と高齢者の割合が初めて半数を割りました。さらに19歳以下、20代の回答が10.5%(前年度7.2%)、4.2%(前年度3.3%)と前年度よりも増え、徐々にではありますが世代間の偏りが緩和されつつあります。しかし、引き続きあらゆる世代が文化芸術に触れられるよう、広報や集客の工夫が必要です。
2.来場者・参加者の在住地が、「南区」20.5%(前年度21.9%)、「堺区」15.0%(前年度13.7%)と前年度に比べ減り、「美原区」1.6%(前年度0.3%)と増えていました。全体の構成比を見た時、これまでは南区、堺区に偏りがありましたが、今回はその偏りが大きく現れていません。今後も堺市内で文化芸術の活動の場や市民の参加機会に地域による不均衡が生じていないか、注視していきたいと思います。

 最後になりますが、採択事業の担当者のみなさま、アンケート調査にご協力いただきありがとうございました。本調査は今後も堺ACの調査研究として継続し、経年での分析や推移を把握することで、堺市の文化芸術の振興に貢献するよう努めたいと思います。

(PO 川那辺香乃)

【レポート】勉強会「広報としてのインスタ(SNS)活用入門」

 みなさんのイベントや公演等の広報に役立つ勉強会をということで、6月4日にインスタグラムの講座を実施しました。サブタイトルの「SNSでの広報をこれからやってみたい方や、もっとうまく使いたい方へ」という言葉の通り、初心者向けのコースとして企画をしました。

 会場にも、これから企画をするので勉強しておきたいという方や、普段使っているけどあんまりまだ効果が出なくて、という方がたくさん集まりました。自分たちの活動のPRを、すでに知ってくれている人だけじゃなく、その先のお客さんにどのようにアプローチしていけばいいか、というのはみなさん共通の課題のようでした。

 広報やSNSといえば「インスタで」と言われる時代ではありますが、「とりあえずインスタやっておけば大丈夫」という万能なものでは決してありません。インスタグラムを活用して結果を出すために一番大事なことは、一方的に「情報をどう届けるのか」ではなく、双方向的に「お客さんと、自分はどんなふうにコミュニケーションを取りたいか」をちゃんと考えることです。こうしたことを考えないままに「とりあえずやっとかな」と始めると、「あんまり成果が出ない」ということがよく起きます。そのため、冒頭でみなさんに自分が普段よく見ているアカウントと、なぜそれをよく見ているのかを思い出してもらいながら、発信する側・見る側の両方の立場から考えてみてもらうところからスタートしました。

 そして、そもそもインスタグラムがどんなSNSで、何ができるのかという基本を解説した後に、代表的な使われ方である「仲間を集めたい」「顧客を集めたい」「情報を届けたい」「ブランディング」の4種の事例などを出しながら解説し、1つずつ「これをしたい方の場合は◯◯をするのが有効」と、目的別に具体的なコツをお伝えしました。みなさんにはそれを聞きながら、「自分はどうしたいか」をワークシートにそれぞれ書いてもらい、最終的に「自分は具体的にこう活用しよう」というシートを完成させてもらいました。最後に広告の出し方などをいくつか解説して、今回の講座は終了となりました。

 こういったSNSの活用講座は一般論ばかり話すと薄く広い内容になってしまいがちなので、なるべく「自分はこうしたらいいんだ」というのがピンときやすいように、目的や状況をわけて活用方法のコツを説明し、ワークシートを使って各自が整理しながら聞いてもらうなどの工夫をしてみました。広報は結果が出るまでには時間もかかることなので成果が見えにくいかもしれませんが、みなさんの活動が少しでも必要としている方に届けば嬉しいです。

 (PO 梅山晃佑)

プログラム・オフィサーのリレーコラム

 今年度から堺アーツカウンシルのプログラムオフィサーとして活動している、古谷晃一郎です。

 ここ堺で生まれ育ち、小学生のときには合唱コンクールで堺市民会館(現フェニーチェ堺)の舞台に立ったこともありました。これまで公立文化施設の職員やフリーランスのアートコーディネーター、舞台監督として、様々な現場で文化芸術に携わってきました。展覧会の運営から、アーティストや市民の活動を支える中間支援まで、いつも誰かの「やりたい」に併走してきました。

 プロジェクトを進めていると、「これでいいのかな」と立ち止まってしまったり、思いがけない壁にぶつかったりすることもありますよね。そんな時こそ、誰かの経験や知恵が、前に進むためのヒントになることがあります。皆さんが今抱えている「もやもや」や困りごとについて、ぜひ堺アーツカウンシルに聞かせてください。対話を重ねる中で、思いがけない気づきや新しい視点が生まれるかもしれません。

 一緒に考え、悩みを整理する中で見つけた小さな発見が、皆さんの活動を続けていく上での道しるべになると信じています。

 みなさんが堺で活動を続けられるようにいろいろなお話を聞かせてください。
堺アーツカウンシルでお待ちしています。  

(PO古谷晃一郎)

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