プログラム・ディレクターからのメッセージ

春がやってきました。人々の顔のマスクの下のコロナ禍の緊張や疲れを癒すように、桜の花は優しい色で咲いています。この間、不要不急という言葉は日常の色合いを変えました。それでも、堺の街で繰り広げられる文化芸術活動が多様な色合いで人々をつなぐよう、堺アーツカウンシル（堺AC）は活動をつづけます。

季節はうつり変わります。流れる川のように。すぎさっていく時間に栞（しおり）をさしこむのは、「出会い」ではないでしょうか。文化芸術活動もひとつの出会いをつくるもの。さまざまな出会いの場が堺の街で育まれ、また出会いを生んでゆくことを願っています。

堺市内で行われた令和3年度の文化芸術活動応援補助金での事業も全て終了しました。コロナ禍での実施は不確定で悩み多く、感染防止につとめ気苦労も多かったと思います。はじめての公募型補助金であり、堺ACは現場を訪ね、今後もコミュニケーションをはかっていきます。

令和4年度の堺市文化芸術活動応援補助金の採択事業が決まりました。35件（申請件数55件）の事業は、子どもの人たち、障がいのある方など、様々な人たちに参加いただければ幸いです。それぞれの事業をTwitterでご紹介します。堺ACをフォローいただきますよう、お願いします。

桜の花の下を歩いている人たちは、旅立ちの人、変わりばえのない人、花粉症に困っている人もいるのでしょう。寒さからほぐれて、新しい季節に顔をあげていきたいものです。桜の花の向こう、見上げる空が世界につながっていることを想像し、平和を祈り、市民ひとりひとりの表現が咲きますように。

プログラム・ディレクター 上田假奈代