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【ニュースレター】堺アーツカウンシルニュースレターvol.12(2023年12月11日)

更新日:2023年12月8日

目次

【開催レポート】 地域でのアート活動を学ぶ勉強会 第3回 「チームビルド・仲間づくり・活動の閉じかた」

堺アーツカウンシル(堺AC)では、文化芸術活動を行っている方や、これから取り組んでみようという方に向けた勉強会を開催しています。去る10月4日は「チームビルド・仲間づくり・活動の閉じかた」というテーマで、プログラム・オフィサー (PO)の中脇が担当しました。
    

【本日の話題】
〇活動を続けていく上でのチーム内のモチベーションの維持、
 士気づくりはどうしている?
〇ネットワークづくりが大事って言われるけど、
 それはなんのため?そしてどう出会う?
〇活動を続けていく中での
 チーム内の衝突やパワーバランス、どうしてる?
〇長年続く活動の継承・やめどき・どう考えている?

      

今回は堺市でさまざまなジャンルで文化芸術活動をする方、福祉分野のお仕事をされている方、商業施設で企画を担う方、元公務員、オーケストラのマネージャーなど、多様な参加者が集まりました。「話し合いをするが、中々意見がまとまらない」「今のままでは新しい人が入りにくいのは分かっているが、どうしていったらいいか困っている」、「活動を次の世代に引き継いでもらうことに悩んでいる」といった活動の悩みが集まりました。

     

今回の勉強会では講師が事例やノウハウを伝えるというよりも、講師も参加者も同じ目線で、お互いの経験を振り返り「自分はこうしてきた」、「私ならこうかな」といった知見を語り合う時間を多くとりました。活動を続けていく中でのパワーバランスの保ち方では「中心人物を2人にして力を分散させる」といったコツが披露されたり、新しい人の巻き込み方では「異なる専門分野の人とコラボレーションしていくことで何か突破口が生まれる気がしている」といった現在進行形の手応えがシェアされたり、グループ活動のモチベーションや参加度に違いが生まれてしまうことについては、「どんなコミュニティでもコア・ミドル・ライトと3層に分かれると了解することが大事。その3層ごとに参加の形を考えればいい」といった心構えのアドバイスがあったり。

     

一方で、全員に共通していた悩みは「仕組みと理念のバランスをどうするか」。活動を継続するには仕組み化が必要となる一方、理念を大事にすると属人的になりがちで仕組み化しにくくなるというジレンマに陥ります。それぞれどんな割合かと問いかけると、仕組み化を中心的な課題として取り組んでいる人もいれば、仕組み化はできないから続けられなくても仕方ないと割り切っている人もいて、様々な考えに触れ、改めて自分や組織の立ち位置を確認することになりました。

 初めて顔を合わせた参加者は、年齢層もジャンルもバラバラでしたが、共感と一体感が生まれる不思議な時間を過ごしました。詩人でもあるプログラム・ディレクター(PD)上田の「活動の苦労や悩み、終わらせ方の考えを語ることは、人生の走馬灯を語ることと同じだからかもしれませんね」という表現が、腑に落ちる勉強会となりました。(PO・中脇健児)

【活動レポート 】モデル事業「企画担当者のためのワークショップ実践研修(実践編)」

 モデル事業「企画担当者のためのワークショップ実践研修(実践編)」 

 昨年から堺市文化振興財団と堺ACが協働で取り組むモデル事業「企画担当者のためのワークショップ実践研修(実践編)」は、地域の文化会館の職員等向け研修です。昨年は座学から始まり、今年は病院やこども食堂、高齢者のディサービスに出向き、職員がコーディネイターとなって現場のニーズを聞き取り、ワークショップの企画を組み立てました。

     

中区にある高齢者の多機能ホームではYouTubeでの体操を日課とされていることから、利用者と一緒にオリジナルの体操をつくり動画にし、いつでも繰り返し活用してもらおうという計画になりました。1回目の10月18日は、振付家、音楽家、詩人、映像作家の4人と訪れ、2時間のワークショップを実施しました。

     

参加者は利用者13人と施設職員8人。賑やかにワークショップは進行し、振り返りでは、寝たきりの人が立ち上がったり、歩いたり、声を発せず表情のない人が笑ったり、手招きをしたなど、施設職員から普段は見られない利用者の姿が報告されました。アーティストからは、芸術愛好者のためだけではなく、こうした場で活動することで芸術の幅が広がることが話されました。堺市のめざす共生社会への一歩は、施設側とアート側の協働があっての取組であり、その橋渡しをする文化会館の役割が再確認されました。(PD・上田假奈代)

【プログラムオフィサーのリレーコラム】『立ち止まって書いてみると』

 
 
 令和3年度に堺市文化芸術活動応援補助金が始まり今年で3年目になりました。今現在、令和6年度に向けての募集もおこなっています。
     

補助金ですので当然、経済的な支援が大きいのですが、それ以外の意味もあるように思います。事業申請書に事業目的を書くためには自身の活動を見つめ直し、改めて「なぜその活動をするのか」、「活動が終わった後にどのようになっていたいか」を言葉にする必要があります。また事業の内容を整理して記入することは、他者に対して活動を説明することの基本となり、広報や集客の基礎になるものでしょう。報告の段階ではやったことを振り返る時間がついて回ります。
     

私自身、音楽事業を制作する際に、芸術団体や劇場として補助制度に申請する過程で、自身の活動の意味を再設定したり、何となくイメージしているゴールを具体的な言葉にすることを鍛えられました。堺市の補助金では私と同様に申請者側としても日々苦労をしているPD、POが議論をして無駄を省いた申請様式となっています。補助金の申請、報告作業は手間と労力が必要なことではありますが、折角の機会ですからこのような視点から取り組んでみるのはいかがでしょうか。(PO・柿塚拓真 )

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