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【ニュースレター】堺アーツカウンシルニュースレターvol.10(2023年9月27日)

更新日:2023年9月22日

目次

【開催レポート】 地域でのアート活動を学ぶ勉強会

 堺アーツカウンシル(堺AC)では、例年、文化芸術活動を行っている方や、これから取り組んでみようという方に向けた勉強会を開催しています。去る8月24日は、「活動の実施」をテーマに「本番までのポイントを整理する」というお題で、プログラム・オフィサー(PO)の川那辺が担当しました。
    
まず、参加者全員の自己紹介では、「あなたにとっての本番までのポイントを1つ教えてください」、「事業を運営するときに困っていることがあれば教えてください」という質問に答えていただきました。本番までのポイントでは「下見(展示の際の搬入経路の確認)」、「自分も楽しめる内容になっているかどうか」を挙げられ、運営で困っていることでは「お金」、「広報・集客」などが出ていました。
     
事業の運営において大事にされていること、困り事をお伺いしたところで、私から2つの事例を紹介しました。1つ目は京都府京丹波町の旧・質美(しつみ)小学校を拠点に実施していた「423(しつみ)アートプロジェクト」です。このプロジェクトを始めた2013年当初は、子どもを対象にダンスや演劇のワークショップを行っていました。しかし次第に「地域に住むいろいろな世代の方と関わりたい」、「廃校になった小学校に関わった人の想いを知りたい」と考えるようになり、2016年に旧・質美小学校の卒業生や教員だった方へのインタビューをもとに舞台作品を制作し上演を行いました。この事例では、プロジェクトにおけるキーパーソンとの関わり方や、地域課題との向き合い方、企画に合った広報についてお話ししました。

 次に紹介した事例は、企業・児童館・NPOによる協働のワークショップ「サファリパークをつくろう」です。インドネシアのワヤン(影絵)・ガムランを体験し、「サファリパークにはどんな動物がいるかな」と子どもたちが想像しながらワヤンをつくり発表するという内容で、より細かな本番までの準備や運営(各団体と個別に打ち合わせを設定すること、企業が使いやすい企画書の書き方、対象者が参加しやすい場づくりのためのタイムスケジュールの練り方や準備物など)について話しました。

最後には「みなさんが実施している展覧会/発表会/ワークショップ/イベントなどの「本番」にはどんな方が参加されていますか?」という問いを投げかけ、参加者・鑑賞者のイメージを膨らませ本番までの準備を進める提案をして終わりました。参加者からは「参加者の背景はどの時点で把握しているのか」といった質問をいただき、具体的な実践イメージを持っていただけたのではないかと思います。(PO・川那辺香乃)

【開催レポート】 さかいとあーと井戸端かいぎ

    
 7月14日、北野田駅前にある東文化会館の一室で開催しました。午前中のほうが動きやすいというリクエストがあり、10:30からの開催としました。4名の方が参加され、じっくりお互いの話を聞き合うことができました。
    
まずは自己紹介からスタート。みんなで名前を声に出しながらストレッチしてほぐれます。タンゴを広めたい方、河口慧海を映像にして堺のみなさんに紹介したい方、ブラジル音楽を通してヤングケアラーを応援したい方、文化会館に勤めて芸術活動の面白さを知った方たちです。その後「人生の生き心地グラフ」を各自作成しました。横軸を年齢、縦軸をその時の生き心地とし、よかったら上に、しんどかったら下に点を打ち、折れ線グラフのように点をつなぎます。山あり谷ありのグラフを見ながら、2人1組になって話をしました。それから各自もう1枚、「活動の心地グラフ」を作成。一人ずつ発表しました。「活動の原点が幼少期の体験だったなんて」、「人生の走馬灯!」、「落ち込んでいたあの時期が活動の伏線だったと今だから思える」と波線でもう一本の線を加えるなど、それぞれに発見がありました。個人の人生経験と活動との関連性が見えてきて、活動と人生の意味を味わい、深めていく時間となりました。(PD・上田假奈代)

【プログラムオフィサーのリレーコラム】『堺の文化の生態系を観察する』

 こんにちは。POの大澤寅雄です。堺ACではアンケート調査を担当しています。私は普段から、文化芸術に関わる事業や施策をどのように評価するのか、どのような価値があるのかを調査、研究する仕事をしています。
    

文化活動をしている皆さんは、例えば音楽、美術、演劇、茶道、華道など、いろいろな表現がある中でも、自分がやりたい表現に取り組まれていると思います。その活動を始めた動機や続ける理由を聞けば、好きだから、楽しいから、幸せになれるから、と答える人が多いでしょう。そしてその表現は、きっと自分以外の誰かを幸せにできると考える人も少なくないと思います。私も、文化芸術には人を幸せにする力があると思います。
    
そこで、私は文化芸術と社会の関わりを、自然環境の「生態系」のように観察したいと思うようになりました。誰かが自由に表現したことが、別の誰かを喜ばせて、技術を教え、喜びを共有し、人生に影響を及ぼし、それがやがて地域を変える。文化を通じて人々が関わり合い、社会が文化を変化させることもあれば、文化が社会に影響を与えることもある。そのような文化の生態系を、堺市をフィールドにして、これからも観察したいと思います。 (PO・大澤寅雄)

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