堺市長記者会見 令和7年7月8日
更新日:2025年7月18日
市長
よろしくお願いします。
先ほど堺市に大雨警報が発表されました。雨雲は1時間程度で過ぎ去る見込みと確認しておりますが、外にいらっしゃる方、またこれからお出かけの予定がある方、十分に今後の気象情報をご注意いただきたいと思います。
また、今は風水害が多い季節でございまして、突発的に雨雲が発生したり、ゲリラ豪雨と言われるような現象が発生することも考えられますので、皆様、十分安全に気をつけてお過ごしいただきたいと思いますし、堺市としても気象情報の注意など、様々な手段を通じて発信したいと考えております。
それでは、本日の案件に入りたいと思います。
堺市内の周遊を促進-歴史文化施設の取組-
堺市内の周遊を促進する取組として、間もなく小・中学生の皆様が夏休みに入ります。本日、夏休み中に堺市内で楽しんでいただけるような文化歴史施設のイベントやキャンペーンを中心にご紹介したいと考えています。
まず、市政運営の大方針、堺市基本計画2025の重点戦略において、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」でありましたり、環濠エリア・堺旧港における魅力の創出を掲げて取組を進めております。
1点目は、日本に唯一現存する鉄炮鍛冶の作業場兼住居でありまして、建物が堺市指定有形文化財に指定されております鉄炮鍛冶屋敷におきまして、7月23日から企画展を開催いたします。
今回の企画展では、「たてもの」をテーマといたしまして、鉄炮鍛冶屋敷に伝わる敷地や建物の変遷を示す絵図など実物資料を展示いたします。また、敷地内の歴史的な建物を巡りながら、その魅力や価値が感じられる内容となっております。
そして8月3日には、小中学生の皆様を対象としました夏休みこども向けのツアーを行います。ワークシートを活用して、建物のヒミツを探り、ふだんは公開されていないバックヤードに入れるなど、特別な体験ができます。こちらこども向けツアーのイメージです。
そして、今回の企画展の開催と合わせまして、公式ガイドブックの販売を始めます。こちらが実物の冊子です。こちらのガイドブックでは、鉄炮鍛冶屋敷に伝わる資料や建物から明らかになった堺の鉄炮の歴史を19のトピックで紹介しています。販売場所は鉄炮鍛冶屋敷、堺市博物館、市政情報センターで、価格は500円です。デザインも大変格好よくて、おしゃれなデザインです。中も写真でありましたり、図表も多く用いられております。私も拝見したんですが、大変読み物としても楽しい、堺の鉄炮の歴史がよく分かる1冊になっております。ぜひご来館いただいて、またガイドブックもお買い求めいただければと考えております。
続きまして、百舌鳥古墳群ビジターセンターでの新たな取組です。一昨日、7月6日に百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されてから6年が経過いたしました。貴重な古墳群の価値や魅力を発信する百舌鳥古墳群ビジターセンターでは、6月28日から、大阪・関西万博に出展をした大阪大学レゴ部が制作されました実物大の円筒埴輪でございましたり、560分の1スケールの仁徳天皇陵古墳の模型を展示しています。
また、人気ゲーム「マインクラフト」を活用した体験イベントを定期的に開催いたします。こちらも大阪・関西万博で出展した内容ですが、大変好評でした。私も会場で様子を見ましたが、こどもたちが楽しそうに古墳を作ったり歩いたりしている様子を見ておりました。1回目、今月19日に開催いたしまして、8月2日、23日にも開催いたします。これらは、万博にて私たちが堺市として新たな展示であったり、試みをした内容でございまして、その万博のレガシーを、まだ期間中ではございますが、こうやって堺市内でも展開しながら、万博の開催、また堺市の取組を最大限発揮したいと考えております。
続きまして、さかいミュージアム・パス&スタンプラリーです。この企画は、これまでもこどもたちに堺の歴史や文化を楽しんでもらうために実施しておりまして、一昨年、令和5年度からは、市内の小中学生に加えて、未就学児も対象にしています。期間は今月19日から8月31日まで、そして施設に関しましては、堺市博物館や利晶の杜など12か所の施設となっております。こどもと保護者1人が無料です。
スタンプラリーでは、堺市博物館を含む6施設で集めた方にオリジナル缶バッジをお渡しいたします。また、全ての施設で集めた方には、さかい歴史博士認定証と記念品をお渡しいたします。記念品は、堺ライオンズクラブ様や取組に参加される施設の皆様にご協力いただきました。
そして7月19日からは、先日、この会見でも紹介させていただきましたが、堺市博物館での企画展にて、仁徳天皇陵古墳の副葬品と考えられる金銅装刀子などの実物が初公開されます。メディアの皆様、多く記事等で扱っていただきましてありがとうございます。ぜひ7月19日から、もう間もなくですので、ご家族でこの機会に堺市博物館を訪れていただきたいと思います。
最後に、万博の入場チケットをお持ちの方への特典のご紹介です。万博の開催期間中、堺市内の対象施設でチケットを提示すると、さかい利晶の杜や大仙公園、日本庭園など8か所で入館料や商品代金の割引がございます。堺伝匠館では5,000円分お買物いただいて、チケットを提示すると500円の割引になる、大変お得なものもありますし、ドリンクが1杯無料になったりという取組もございますので、ぜひ万博にお越しになられた、また万博に訪れる予定の皆様、堺市内も周遊していただいて、楽しんでいただければと考えております。そして、堺市博物館や、鉄炮鍛冶屋敷をはじめとした10か所におきましては、ノベルティのプレゼントなど特典の用意をしております。
既に連日暑い日が続いておりまして、猛暑日もございますが、熱中症予防をしていただきながら、本日紹介させていただいたイベントや企画をお楽しみいただいて、万博会場で未来や世界を感じて、また堺では歴史や文化の魅力あるスポットを巡っていただいて、充実した夏を過ごしていただきたいと思います。
私からは以上です。
質疑応答
(司会)
それでは、ただいまから質疑に移ります。挙手の上、社名を告げていただき、ご質問のほうをよろしくお願いいたします。ご質問はございますでしょうか。
日刊工業新聞さん、どうぞ。
(日刊工業新聞社)
日刊工業新聞の冨井です。
今回のこととは発表外かもしれませんけれども、百舌鳥古墳群の関連で、気球事業を10月というお話ですけど、今進捗状況ってどんな感じになっていますでしょうか。
(市長)
私も今状況を担当局から確認しておりますが、順調に今準備作業が進んでいるということを確認しておりまして、現在におきましても、万博期間内の実施をめざして取組を進めております。
また、企業の皆様等、ご寄附でありましたり、また企業版ふるさと納税のご案内もさせていただいておりまして、多くの皆様に応援していただきながら、気球の活用含めた堺市の観光活性化に活かしたいと考えております。また状況変化がありましたらお伝えさせていただきたいと思います。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
それでは、朝日新聞さん、よろしくお願いします。
(朝日新聞社)
朝日新聞の小田と申します。
鉄炮鍛冶屋敷とか古墳群なんかもそうなんですけども、普段は地元のこどもたちとか、何か授業などで活用したりする機会というのは持てているんでしょうか。
(市長)
鉄炮鍛冶屋敷は昨年オープンした施設で、ちょっと確認はさせていただきたいと思いますが、例えば古墳群等は、小学校3年生ですかね、授業で習う機会がありますので、私もこどものときに訪れた経験がありますが、実際の堺の授業と併せて、古墳群を訪れる機会もあるかなと考えております。
(朝日新聞社)
地元の世界遺産ですとか歴史なんかを、地元のこどもたちが知るというのはいいことなんじゃないかなと思うんですけれども、小学校3年生のときに1回ちょっと行っただけで、どの程度愛着を持ってくれるものなのかなと思うんですが、もうちょっと中身が濃いような学校教育の在り方とか、そういったことというのはどういうふうにお考えでしょうか。
(市長)
実際の古墳群であったり、鉄炮の歴史にかかわらないんですが、例えば茶の湯の体験であったり、堺の歴史や文化にひもづいて様々、学校におきましても教育委員会で考えながら、授業であったり校外学習等を行っていると認識しております。
仰ったとおりで、私も小学校のときに訪れたときは、そのときは世界遺産ではありませんでしたが、それほど印象というか、すごいんだなという印象はありましたけど、その価値や魅力というところは、なかなか小学校3年生では理解できなかったんですね。ですので、継続的にこどもから成長していく段階で、また若い方々、大人になっても発信をしてくことが重要だと考えておりますので、今回夏休みということでお話をさせていただきましたが、継続的に堺のことを深く知っていただいて、また地域の方が誇りに思いながら、多くの方に知っていただくような取組を進めていきたいと思います。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
それでは、日本経済新聞社さん、どうぞ。
(日本経済新聞社)
日経の高橋と申します。
海上交通について、前回の会見のときに料金とかダイヤ見直しを要望というお話をされていて、実際に見直しになったんですけれども、今回の見直しをどう評価して、もしこの見直しによってこのぐらいまで利用者が増えればいいなという数値見込みみたいなものがあれば教えてください。
それから、万博が終わった後をにらんで、堺旧港からのいろいろな航路の構想なんかも民間から上がってきているようなんですけれども、市として万博後、どのようなスタンスでそういった計画に臨んでいくのかもお考えをお聞かせください。
(市長)
まず海上交通に関しては、せっかく定期航路が期間中引かれているにもかかわらず、利用される方が多くない状況でした。大阪府、大阪市と協力しながら、協会さんであったり事業者とも協議をしてまいりましたが、このたび桟橋の利用時間の延長、そして事業者におかれては、堺と万博会場を結ぶ航路については大幅な値下げもしていただいたということで感謝しております。
7月1日から実際ダイヤ変更と値下げをされておりまして、まだ1週間が経過したところですので、把握に努めておりますが、利用者は実際増えていると認識しております。実際に周知も含めて、これからさらなる効果があると思っております。これまで1割、2割というかなり少ない状況でもございましたが、この海上交通に関しては、堺市としては、想定としては定員の5割乗ってもらいたいなという思いがございました。もちろんこれは堺市が実施主体ではございませんので、民間の業者、事業者様になりますが、引き続き協力しながら、より多くの方に搭乗していただけるように、乗船していただけるように、堺市としてもPRに努めたいと考えております。
そしてもう一点は、万博開催後の動きに関してです。まず今回、万博開催中に海上交通の航路を引くことができた、定期運航に結びつくことができたということは、堺市にとっても非常に大きな経験だと考えております。これまで海上交通が実施されていなかった、特に定期運航がなかったものですから、その意味でも、この半年間という長期にわたって運航されることは大変意義深いと考えております。そして今回、多くの方が乗船していただいて、大阪港等とつなぐ航路が効果的ということになれば、万博開催後も、堺市としても海上交通の実現につなげたいという思いがございます。
報道等でも取り上げていただいておりますが、現在、万博開催期間中の実証も含めて、航路を考えておられる事業者もあると認識をしておりますので、堺市としても効果的な海上交通、また都市魅力の向上につながるように協力をしたいと考えています。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
毎日新聞さん、どうぞ。
(毎日新聞)
毎日新聞の中村です。
今の海上交通の関係で、堺の旧港の桟橋は仮桟橋だと思うんですけれども、万博期間が終わったら撤去してしまうのか、それともその後の航路を踏まえてそのままにしておくのか、方針をいずれかの時点で決めなきゃいけないと思うんですけど、その辺りはいかがでしょうか。
(市長)
まず、現在決定している事項として、設置している桟橋については万博終了後に撤去いたします。撤去した後、また事業者で航路を考えたいということになれば、もちろん許可等も必要かと思いますが、港湾の管理者は大阪港湾局でございますので、堺市としてもその後押しとなるように、事業者の皆様の思いというのはもちろんございますが、調整等を港湾局とさせていただければと考えております。
(毎日新聞社)
あともう一つ、万博の関係の航路で、堺市としてもPR等を努めていきたいという話が今ありましたけれども、具体的に堺市として今後、乗客を増やすためにどんな取組とか、考えておられること、これから夏休みにも入りますし、何かありましたらお願いします。
(市長)
この間、堺市としてPR、複数の媒体であったり、もしくは観光コンベンション協会等、堺市に関わる団体の皆様から発信もしてこられましたが、その中に例えば動画でより伝わりやすい内容であるとか、効果的なものもございますので、堺市もぜひ発信に協力をさせていただきたいと考えていますし、堺旧港という場所自体がまだ地域の方以外に伝わりにくいのかなという印象もございます。どうしても政令指定都市堺の中心部から、通常、港となるとかなり離れた場所にあるのかなというイメージもあるかと思うんですが、実際には特急が停まる堺駅から徒歩5分程度で堺旧港に着くことができますので、利便性のよさでございましたり、また西ゲート、今混雑が比較的少ない西ゲートに到着するという、様々海上交通ならではのメリットや、また船旅という魅力もあるかと思いますので、これまでの発信内容を少し振り返りながら、より効果的になるように周知に努めたいと考えております。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
読売新聞さん、どうぞ。
(読売新聞社)
読売新聞の福永と言います。
今回の発表とは直接は関係ないんですけども、堺というのは歴史的にも、先ほどの鉄炮の屋敷の話もありましたし、戦国時代の堺というのが非常に全国的にもイメージを持たれている方が多いかなと思うんですけども、来年のNHKさんの大河ドラマで「豊臣兄弟!」というのが放送されます。それで堺のまちもクローズアップされるケースもあるかなと想像するんですけども、大河ドラマとタイアップした堺のアピールというか、その辺のことを考えていることがあれば。また今後、考えていくと面白いかなと僕個人的には思うんですけど、その辺、市長の感想というか、これからどう考えていくかを伺えたらと思います。
(市長)
今のところNHK様から具体的なアプローチはございませんが、ぜひ大河ドラマで堺を取り上げていただける場合には、早めにご連絡いただければ、タイアップは難しいかもしれませんけど、堺に豊臣秀吉であったり、また関わりのある戦国武将、ゆかりの場所、たくさんございますので、共に周知させていただきたいと考えております。
最近で言うと、「麒麟がくる」においては、たしか徳川家康の伊賀越えのときに妙國寺に宿泊をしていたということもございまして、そのときにスタンプラリーであったり、発信もさせていただきました。仰ったように16世紀、戦国時代の堺というのは、ほかの日本のどの地域とも異なるきらびやかで魅力的な場所であったと認識しておりますし、信長、秀吉、家康と、それ以外の戦国武将も活躍をしたと。さらに千利休の生まれの地でもあるということから、今ストーリーをつなげながら、ぜひ多くの方に堺とのつながりを知っていただきたいという取組もしておりますので、大河ドラマのような多くの方が楽しみにしておられるその機会を通じて、堺の魅力発信に努めたいと思います。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
日経新聞さん、どうぞ。
(日本経済新聞社)
日経の高橋です。
都心ラインの自動運転バスについて、先日実験を3年ぶりにやるという発表がありました。改めて今回の実験の意味合いと、30年の本格運行、これの見通しを含めて教えていただけますか。
(市長)
SMI(堺・モビリティ・イノベーション)の都心ラインにつきましては、歴史的な意味合いが強いこの堺の中心部において、未来への挑戦というところも私の思いとして強くございます。実際に自動運転車両を導入することによって、地球環境のこともございますし、またバリアフリー、移動の利便性向上、また今はバスの運転手不足の問題もございますので、様々な今の社会状況に応じた課題改善、また解決が見いだせるのかなと考えております。
私自身、国土交通省とこの間何度も協議もさせていただきました。これまで自動運転の車両というのは、比較的人口が多くない地域、公共交通の維持であったり、また拡充が難しい地域で進められていたように思いますが、今回のSMI都心ラインに関しては、堺の中心部である堺東と、そして堺駅を結ぶ、大きな駅2つを結ぶ都心部での交通ですので、この堺の都心部での自動運転車両が導入されることによって、成功事例は市内はもちろんですが、ほかの都市にもいい影響を及ぼすことができるのかなと考えております。
今年度の実証実験に関しては、国土交通省の中でも複数の局の補助金を申請しております。いずれも採択をしていただきました。様々な面からアプローチをしながら、より実証実験の効果を高め、また検証しながら2030年の実現に向けて力を尽くしたいと考えています。
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