令和2年度第1回堺市建築都市局指定管理者候補者選定委員会 会議録

令和2年度第1回堺市建築都市局指定管理者候補者選定委員会を開会する。

本日の委員の皆様の出席状況については、出席者5人で、会議の開催に必要な定足数を満たしている。

審議案件の確認
会議録の公開
会議の内容は、非公開部分を除き、後日、堺市ホームページで会議録を公開する。

指定管理者の候補者を選定するための次回以降の会議は、公にすることにより率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため、非公開とする。

案件の審議に入る。
案件1「堺市営住宅の指定管理者の公募に係る募集要項（案）等について」は、所管課から各委員に要点など伝えているが、改めて説明することはあるか。

資料4「堺市営住宅指定管理者募集要項（案）」により説明事業内容に関する事項
（1）施設の名称、場所等
（2）指定管理者が行う業務の概要
（3）管理運営経費等
（4）利用料金
（5）管理の基準
募集に関する事項
業務仕様書（案）（その1）及び（その2）

募集要項（案）及び業務仕様書等について、質問・意見等はないか。

特公賃（特定公共賃貸住宅）の入居宣伝業務だが、現状は空家が増えているということか。
若年層の入居者を増やすために、内装のリノベーションなどはできるのか。

これまでは入居宣伝活動をしていなかったため、今回指定管理業務にすることにより、入居率の向上の効果が得られるかどうか検討したい。効果がなければ別の方策を検討したいと考えている。

駐車場のインセンティブについて、指定管理者が高い収益をあげるため、駐車料金を高く設定するようなことにならないか。
また、「損失の補てんは行わない」と記載していることから、収支計算がより厳しく行われると思うが、現状はどのくらいの収入があるのか。入居者が不利益を被る懸念はないのか。

駐車場の利用料金は、市の承認を得て、指定管理者が設定するようになっているが、実際には市営住宅条例施行規則で定める駐車場使用料と同額を提案しており、金額はほぼ固定しており、現入居者へ影響はないと考えている。（今後、物価変動や消費税等により本市が駐車場使用料を改正する場合を除く。）
駐車場の利用料金の収納額は、年間約1億2千万円、インセンティブは約40～50万円程度である。

今回新たに市営住宅連絡員の設置について記載されており、業務内容は現場に密着した重要な役割であるが、設置については義務付けしなくて良いのか。

現在は、市営住宅管理人として市から委嘱し、市営住宅の入居者へ通知文書の配布や災害時の安全確認などの対応を担っている。
今回の募集では、現地に市営住宅連絡員を設置しなくても、同様の対応ができるかどうか指定管理者の裁量で判断することになる。

これまでは市営住宅管理人は全住宅に設置されているのか。
一定の規模の住宅のみか。

設置されていない住宅もある。住宅の規模というよりは、管理人の担い手がいないのが実状である。
市営住宅連絡員の設置にかかる報酬等の費用については、指定管理料のうち、一般管理費に計上しても問題ない。

市営住宅連絡員は重要な役割と思うため、設置するよう誘導する記載方法が良い。

家賃滞納整理業務について、公営住宅の入居者には住宅使用料を払いたくても払えない困窮した状況の方もいる。入居者の生活事情を把握して、必要に応じて市や専門機関の相談窓口につなぐ業務も記載した方が良い。

業務仕様書その1（18ページ）の「オ　管理組合に関する業務」で入居者の管理組合に対して「必要な助言・指導等を行う」と記載があったが、表現が高圧的なので「連携して」などの協調した記載の方が良い。
同じく（3ページ）「（5）災害及び事故の緊急事態の対応」の記載内容に、「新型コロナウイルス」の対応の記載も必要かと思う。

感染症に関して仕様書にも記載する。

これまで指定管理者へ市や入居者からクレーム等はなかったか。

市及び入居者からの大きなクレームはない。
指定管理者は入居者にとって管理業者のような立場になるため、入居者からの様々な要望を聴くことになる。その中には入居者本人の希望が叶わないものもある。その場合、矛先が指定管理者に向かうことはあるが、指定管理者の運営の根幹に関わるようなクレームはない。

家賃滞納整理業務について、住宅使用料を払えない入居者についてはどのように対処しているのか。

入居者の払えない実状、理由を聴き取り、支払い方法の相談を受けたうえで、分割での納付や市の生活保護の支援窓口への案内などを行う。個々ケース毎で最適な方法を勘案し、滞納の解消に向け対処している。

実際は、滞納している住宅使用料を回収できなかったことはあるか。

現入居者であれば、支払う意思のない方をそのまま継続して入居させることはできないので、支払わないのであれば明渡請求となる。
支払う意思があり、少額でも分割納付を継続しているのであれば入居を認めている。

家賃滞納整理業務は、指定管理者が対応しているのか。

そのとおりであるが、指定管理者で判断できない内容は、所管課に相談のうえ、対処することになる。

そのあたりの判断基準のマニュアルはあるのか。

個々のケースにより対処が異なり、一概に判断基準を設定できるものではない。

個々のケースに対応したマニュアルは難しいと思うが、全般的なマニュアルは作れるのではないか。

滞納している入居者の対応について、指定管理者では一定のマニュアルはあるかと思う。

市営住宅連絡員の報酬はどれくらいか。

（参考に、現在市が委嘱している市営住宅管理人の報酬は）管理する入居者数（戸数）により変動するが、月額1万円前後である。

他にご意見等はないか。
いただいた様々な意見、ご提案の趣旨を踏まえて募集要項（案）及び業務仕様書等の記載を修正するということでよろしいか。

異議なし

次に、案件2の「堺市営住宅指定管理者候補者の選定における選定基準及び選定審査方法について」は、配付している資料のとおりだが、事務局から説明すること等はないか。

資料5「選定審査方法について（案）」により説明
（1）選定審査方法
（2）採点を行う上での目安について
（3）採点方法を指定する項目について
（4）面接審査の方法について

質問・意見等はないか。

「選定基準」の（2）に「類似事業の実績はあるか」という審査の視点があるが、募集要項の中に実績を確認できるような提出資料はあるか。

募集要項（案）の28ページに提出書類の一覧を載せており、その中に事業計画書（企画提案書）があり、様式5－3及び様式5－4がそれに該当する。

これまでに応募されている事業者は、市営住宅の管理経験があると考えてよいか。

そのとおりである。

「選定審査方法」の中で、くじにより候補者を決める旨の記載がある。実際の指定管理者の選定において、くじにより候補者を決定したことはあるか。選定審査方法の中に「くじ」という表現を使用することに違和感がある。例えば、審査委員の最終協議をもって候補者を決定するなどの文言を付加することはできないか。

市営住宅の指定管理においては、くじにより候補者を決定したことはない。

制度所管課である行政経営課から説明させていただく。

同点の場合の最終のくじについては、全ての指定管理者の選定審査方法において同じ文言を採用しているが、これまで知る限りにおいて、くじによる候補者の選定はない。委員のご指摘の趣旨を踏まえ、制度の所管課としても、今後の課題として研究していきたい。

競争入札の話になるが、応募される方の条件が全く一緒であれば、他の地方公共団体においても、電子くじという恣意的な要素が入らない形で、同点の業者の中から1者を選出しているのが一般的である。

林委員のご意見はよく理解できる。建築工事等であれば内容が決まっており、どの事業者でもよいのかもしれないが、個別業者の特色等がある業務について、果たしてくじでよいのかという疑問だと思う。他方で、このくじの直前まで全く同じ点数であるとなった場合、最終的に委員間の議論で決めるとなると、見方によっては、恣意的な要素があったのではという見方が出てくる可能性もあるので、本件のような場合においてくじを採用するのは、許容範囲と思う。本来は望ましくないと思うが、どのような形で客観性を担保できるのかについて、くじ以外の方法では不安がある。

くじに至るまでに、相当程度の熟議がなされているということが前提であるとは思う。

今回のような指定管理業務の場合、中身の質と量を踏まえ、各委員の皆様に採点いただくというものである。指定管理者の決定は、議会の議決事項でもあるので、議会や市民の方々を含め、誰に対しても選定手続の透明性や効率性を担保していく必要がある。いずれにしても、林委員のご懸念はもっともと思う。

選定基準は業者にも提示されているものか。

そのとおりである。

それでは、林委員の貴重な意見を踏まえ、制度の所管課も今後研究することを前提として、堺市営住宅の指定管理者候補者の選定基準及び選定審査方法について承認することにご異議ないか。

異議なし

以上で本日の案件の審議は全て終了した。
なお、本日の審議の結果については、事務局から書面で報告をお願いする。

以上で、令和2年度第1回堺市建築都市局指定管理者候補者選定委員会を閉会する。