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市立学校園におけるセクシュアル・ハラスメント防止のためのガイドライン

更新日:2019年1月10日

セクシュアル・ハラスメントは重大な人権侵害である。
 学校園において、教職員による子どもの人権侵害はあってはならないことである。
 教育は人権尊重の上に成り立つものであり、学校園においては教育活動そのものが人権を大切にして実施されなければならない。幼児児童生徒(以下「子ども」という)が未来に向かって「生きる力」を身につけるためには、一人ひとりの子どもたちの人権と個性が尊重されることが必要である。
 学校園におけるセクシュアル・ハラスメントには、さまざまな場合が考えられるが、このガイドラインは堺市立学校園の教職員による子どもに対するセクシュアル・ハラスメントを防止し、子ども一人ひとりの個人の尊厳と教育を受ける権利を擁護するために定めたものである。

堺市教育委員会

1 教職員による子どもに対するセクシュアル・ハラスメント

 教職員による子どもに対するセクシュアル・ハラスメントとは、学校園において教職員という子どもに対して優位な立場にある者が、子どもを不快にさせる性的な言動を行い、これにより子どもの尊厳を傷つけ、人権を侵害し、学習意欲の減退や低下を招いたり、心や身体の健康を損なったりし、教育上の不利益を与え、就学環境を著しく悪化させるものである。

 「学校園」とは、学校園での教育が行われる全ての場所をいい、学校園の施設の外であっても、社会見学、泊を伴う活動、部活動での対外試合の場などを含むものである。

 「子どもを不快にさせる」とは、当事者の子どもや他の子どもの側からの不快だとの意思表示があるないにかかわらない。教職員にふさわしい判断基準を持ち、不快にさせる性的な言動をとらないことが大切である。そのためには、以下のようなことを十分認識し、行動する必要がある。

  • 教職員と子どもとの関係は、指導する側とされる側、大人と子ども、あるいは学級担任と子ども、部活動顧問と子どもというような力関係にあるため、教職員は支配的な立場にあり、子どもたちが不快であるという意思表示ができない場合がある。
  • 教職員の性的な言動に対して、笑っている子どもがいたから「不快ではないだろう」などと判断するのは誤りである。性に関する受けとめ方には個人差があり、不快であるという意思表示の方法もさまざまである。
  • 子どもの発達段階によってセクシュアル・ハラスメントの捉えに違いがあり、セクシュアル・ハラスメントそのものを認識できない子どももいる。
  • 「親しさの表現や励まし」だと自分が思っても、子どもが不快に感じることがある。

 「性的な言動」とは、以下のような性的な関心・欲求に基づく発言と行為をいい、性別により役割を分担すべきとする意識に基づく言動も含まれる。

  • 性的な質問や話をする。
  • 子どもの身体的特徴を話題にする。
  • 子どもの身体をじろじろ見たり、不必要に接触したりする。
  • 配慮なく着替えをさせる。
  • 「女の子だから掃除をきちんとしなさい」、「男のくせに泣くな」などと言う。

2 セクシュアル・ハラスメント防止のために

 教職員による子どもに対するセクシュアル・ハラスメントは、子どもの心を傷つけ、その後の成長に甚大な影響を与えるだけでなく、個人の尊厳やプライバシーを侵害する、許すことのできない人権侵害である。
 また、被害にあった子ども、保護者のみならず社会全体の学校教育に対する信頼を失わせ、学校の危機を招くものであるということを十分認識し、その防止のために以下のことに取り組む。

校園長の責務

 平成9年6月の「男女雇用機会均等法」改正(平成11年4月施行)によって、職場におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に関する事業主の雇用管理上の配慮が義務づけられた。
 このことに基づき、学校園長は教職員の人権意識を高めるように指導し、子どもに対するセクシュアル・ハラスメントを防止及び排除するため、学校園内で以下のことに取り組まなければならない。

(1)人権に対する深い認識と理解

 校園長は人権に対して深い認識を持ち、自らの人権感覚・意識を高めるよう努める。

(2)校内研修の実施

 セクシュアル・ハラスメント防止のための実践的な研修を行う。

(3)教職員への指導

 教職員の言動に十分注意を払い、セクシュアル・ハラスメントが生じないようにするとともに、次項の教職員の責務についての指導を徹底する。

(4)校内体制の整備と相談窓口の設置

 学校全体として、未然防止にむけた取組を推進する校内体制を整備充実し、すべての教職員で子どもたちを見守り、日常的な行動の変化を的確に把握し、内面の変化にも気配りできるように努める。
 また、子ども及び保護者の相談に応じるために学校園内にセクシュアル・ハラスメントに関する相談窓口を設置し、子ども及び保護者に周知を図る。

(5)家庭・地域との連携

 セクシュアル・ハラスメントについての知識や情報を共有するための啓発や情報交換を行う。

教職員の責務

教職員として

(1)人権意識の高揚

 子どもの心の痛みや悩みを自らの問題として受け止める感性を高める。
 性別役割分業意識や性差別意識の払拭など、自らの人権意識を高める。

(2)研修への参加

 研修に積極的に取り組み、自らの意識や行動を点検する。

(3)互いに指摘しあえる人間関係の醸成

 教職員同士で身内だからとかばいあったり、見てみないふりをしたりせず、お互いの言動の問題点について気づき、指摘しあえる人間関係を醸成するよう努める。

(4)相談を受けたときの的確で迅速な対応

 子どもや保護者から、セクシュアル・ハラスメントに関する相談や苦情を受けた場合には、2次的な被害を起こさないよう十分に配慮し、速やかにセクシュアル・ハラスメント相談窓口と連携し、対応にあたる。

子どもたちに対して

(1)人権侵害を許さない姿勢を養う指導

 子どもの権利・人権・男女平等・性等に関する学習の中で、セクシュアル・ハラスメントなど人権侵害に関することを取り扱い、子どもたちに人権侵害を許さないという姿勢を養うとともに、身体への接触や言葉の暴力など嫌なことに対して「いやだ」と表現できる力(スキル)をつける。

(2)相談方法などの周知徹底

 子どもがセクシュアル・ハラスメントと思われる行為にあったときの相談方法など適切な対応について知らせる。

このページの作成担当

教育委員会事務局 学校教育部 生徒指導課

電話番号:072-340-3478

ファクス:072-228-7421

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