上下水道局
更新日:2025年6月12日
上下水道事業管理者 森 功一
このような考え方で組織を運営します
【経営戦略の着実な推進】
経営戦略を開始して2年が経過しましたが、上下水道事業を取り巻く環境は、水需要の減少をはじめ物価や金利の上昇及び自然災害の激甚化や頻発化など依然として厳しい状況が続いています。
このような状況においても、企業理念である「都市活動を支え、健康と暮らしを守る」を体現するため、経営戦略に基づく着実な事業推進はもとより新たな課題にも臨機に対応し市民が安心して利用できるサービスを提供し続けます。
また、従来の考え方に捉われることなく、業務プロセスの最適化や効率化及び更なるDX推進によって、構造的な改革にも取り組みます。
【上下水道の安全・安心確保】
全国各地で検出されている有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)や埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故の発生を受けて、上下水道の安全・安心に対する関心が高まっています。
令和8年4月から水道水の水質基準項目に有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)が追加されることを踏まえ、国の方針に基づく検査体制を整備し、市民へ正確でわかりやすい情報を発信します。また、老朽化する上下水道施設については、計画的な調査に基づく適切な維持修繕及び改築更新を実施することで、市民の安全・安心を確保します。
【上下水道一体による災害対応力の強化】
令和6年能登半島地震の発生から1年、阪神・淡路大震災の発生から30年が経過し昨年8月に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されるなど、いつ発生してもおかしくない大規模災害に備え、市民や地域、民間事業者等と連携を図り、より実効性のある自助・共助・公助の体制を構築する必要があります。
令和6年能登半島地震では、上下水道施設に甚大な被害が発生し復旧が長期化したことで、上下水道一体による耐震化や災害対応力が求められています。
大規模災害による被害を最小限にとどめ、上下水道一体で早期に応急復旧させるため、国の指針を踏まえ本年1月末に策定した上下水道耐震化計画に基づき、計画的なハード整備と上下水道一体によるBCPや体制の見直し及びそれに基づく訓練の実施といったソフト対策の両輪で災害対応力を強化します。
【組織力の強化に向けた取組】
持続可能な事業運営に必要な人材育成や技術継承を進め、企業力を向上させるため、DXの進展や公民連携手法の活用によって職員に求められる技能等が変化している状況に留意し、上下水道一体による技術力強化に取り組みます。
また、近年に発生した不適切事案等を踏まえ、組織としての再発防止や業務改善に取り組みます。加えて、市民や事業者の皆様との信頼関係を再構築するための取組を継続し、公平・公正な職務遂行を確保します。
加えて、すべての職員にとって働きやすく能力が発揮できる職場環境を形成するため、ハラスメントの根絶をはじめ組織風土や職員意識の改革を推進し職員相互のコミュニケーションと信頼関係を基盤とした組織の活性化を図ります。
このように経営・構造改革に取り組みます
【収入確保】
- 収入の根幹となる水道料金と下水道使用料について、世帯の小口化の影響(給水契約者が増える一方、1世帯あたりの給水コストの増や逓増制による料金収入の減が進んでいる)や大口使用者の動向を注視することで、適切な収入予測に努めます。
- 局が保有する資産や資源の最大限の活用をはじめ、水道料金や下水道使用料以外の収入を確保します。
- 上下水道一体の耐震化をはじめ、新たに創設される国の交付金や補助金等を有効活用し、財源確保に努めます。
【構造改革・支出削減】
- 令和6年度に実施した「予算決算事務のBPR」の展開や給排水設備工事管理システムによる手続きのオンライン化など業務の構造改革を推進します。
- スマートフォンアプリ「すいりん」の登録率向上を図り、郵送費用などの収納コストの削減はもとより市民サービスの向上及び業務プロセスを最適化・効率化を図り、業務の構造改革を推進します。
- 動力費や燃料費、物価等の高騰に対して、施設の効率的な運転管理や企業債の借入手法の見直しなど、徹底したコスト縮減に取り組みます。
- 労務費や資材等の高騰に対して、従来通りの手法を漫然と継承せず品質を確保しながらより安価な工法や材料、発注方法を検討し建設改良費を縮減します。
- 堺市ワークライフバランス計画に基づく職員の時間外勤務時間とコストを縮減します。
【経営基盤の強化(公民連携の推進)】
- 安全・安心な水道水の安定供給や公衆衛生の確保、浸水対策など、市民の健康と快適な暮らしを守り続けることができるように民間の先進技術やノウハウ等を有効活用します。
- 公民連携の枠組みのひとつであるウォーターPPPに係る国や他都市の動向を踏まえ、本市にとって経営基盤の強化に資する最適な事業運営手法を活用します。
このように適正な事務執行の確保に向けて取り組みます
- 組織風土と職員意識の改革を断行し公平・公正な職務遂行を確保することができる組織へ変革するため、「技術管理、チェック体制の厳格化」「組織のガバナンス、職員の意識・知識の向上」「職員が公正な職務を遂行できる環境整備」等に取り組みます。
- 不適切な事務処理を繰り返さないため、市の指定リスクのほか、局独自で重点テーマを設定して自己点検を実施するなど、堺市上下水道局内部統制に関する方針に基づいた内部統制を徹底し業務の有効性や効率性、経済性を向上させます。
- 不当要求等に対しては、情報共有を徹底し局全体で対応及び排除します。
今年度は特に以下のことについて重点的に取り組みます
【老朽化対策・地震対策】
- 施設の老朽化等による断水や汚水溢水、道路陥没等の発生を防止できるように、上下水道施設を計画的に維持管理・更新し、施設の健全性を確保
- 地震等の災害に備え、上下水道耐震化計画に基づき上下水道一体で耐震化を推進
- 水道の優先耐震化路線(堺市基本計画2025のKPI)と家原寺配水場の更新工事の完成
- 耐震性能が不足する配水池について耐震補強工事の実施設計を実施
- 下水道施設の「重要な管きょ」と「重要な施設」について、重要度・優先度を踏まえ、計画的に耐震化を実施
【浸水対策】
- 浸水危険解消重点地区(13地区)をはじめ、近年の局地的大雨の被害地区に対する雨水整備を推進
- 想定しうる最大規模の降雨を対象とした内水ハザードマップを公表
- 上下水道一体によるBCPやマニュアル、体制等を見直し、これに基づく訓練で明らかになった課題等をBCPに反映させることを積み重ね災害対応力の実効性を向上
- 危機事象発生時の迅速かつ的確な情報共有や初動対応に備えた職員の危機管理意識を向上
- 民間事業者等との災害協定の実効性を高めるため、平常時から情報共有や訓練等を図り連携を強化
- 危機管理室や区役所、自治会等の関係機関と連携し校区防災訓練への職員派遣や防災啓発イベントのほか、医療機関へ給排水設備の耐震・停電対策の技術的助言を実施
- 市民が自身や家族、地域の力で災害から身を守れるように、最低3日間の飲料水や携帯トイレの備蓄、リスクの事前把握等の重要性を戦略的に啓発し自助・共助の取組を推進
- 能登半島地震での教訓や被災地での支援活動を通じて得た経験を踏まえ、上下水道一体で早期に応急復旧できる体制の構築や災害対応に資する情報共有及び情報発信システム等の在り方を検討
【公民連携の推進】
- 包括的民間委託(水道メーター検針・料金収納等業務、下水道管路施設維持管理等業務、水再生センター施設維持管理業務)について、局の管理・監督やモニタリングの強化に加え、モニタリングに必要な技術力及びノウハウの継承を目的とした人材育成を実施
- 包括的民間委託について次期契約に向けた効果検証や民間事業者との役割分担の最適化等を実施
- PFI手法を用いた水運用管理システム更新事業を契約し、業務品質の向上、危機管理対応の迅速化及びライフサイクルコストの低減に向けた効果的な事業を実施
- ウォーターPPP導入可能性調査をはじめ、今後の下水道施設の在り方や体制等を踏まえ、大規模な施設更新や維持・運転管理における最適な公民連携手法を検討
【広域連携の推進】
- 大阪府の他自治体(水道事業体)と連携し業務サービスの標準化や共同発注など将来の府域一水道に向けた取組を推進
- 令和6年度に実施した「予算決算事務のBPR」の実装及び他の局内業務への展開
- 他事例の研究や実証実験の実施等により業務の課題に則した技術の導入を検討
- 漏水による2次災害の防止と経営への影響を抑制するため、他自治体と連携し人工衛星の画像解析技術を活用した漏水調査を実施
- スマートフォンアプリ「すいりん」の登録率向上に当たっては、改めて目標値のエビデンスや目標達成に必要な手法を整理し新たな機能拡充の検討等と併せて推進
- 給排水設備工事管理システムによる電子申請利用率を向上させ、来庁レス・キャッシュレス・ペーパーレスの実現に向け窓口業務の構造改革を推進
- 各種研究会等で局が取り組む技術や研究成果を広く発信することで、職員の技術力確保や維持・向上を図り挑戦する人材を育成
- 社会情勢や経営状況等を理解し自身の行動に繋げられる、経営感覚を持った職員を育成
- 人材育成や技術継承に当たっては、上下水道一体となり技術及び知識の維持・向上を図ることで技術力を強化
- 組織風土と職員意識の改革について、継続した検証と見直しにより実効性を確保
- 職員が安心して活躍できる環境整備を推進し、働きやすく、風通しのよい職場を実現
- 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)を含め、水質の検査や監視による水道水の安全確保と水質検査結果等の適宜・適切な情報発信を実施
- 経営状況をはじめ事業への市民理解を促進するため、大規模な施設整備や浸水対策事業等についてその目的や効果を積極的に発信
- 「水道水の安全」「災害対策」「料金(経営)」など、市民の関心が高い情報を最適な広報媒体を活用して発信するほか、経営戦略に掲げた政策・施策の目標達成に資する広報広聴を戦略的に展開
- 過去に発生した不適切事案を踏まえた組織改革や業務体制、公正職務等の取組は、継続して検証及び見直しを図ることで実効性を確保
- 温室効果ガス排出量の削減に向け、エネルギー使用量削減の取組に加え、環境局と連携したカーボンフリー電力の導入によりカーボンニュートラルに貢献
PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader DC(旧Adobe Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Adobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ
このページの作成担当
上下水道局 経営企画室 経営マネジメント担当
電話番号:072-250-9227
ファクス:072-250-6600
〒591-8505 堺市北区百舌鳥梅北町1丁39番地2
このページの作成担当にメールを送る