概要
更新日:2023年6月1日
農業
本市は、大阪府内で最も農業が盛んな地域であるが、農業従事者の高齢化に伴う担い手不足の進行に加えて、耕地面積も減少傾向にあります。
農地・農空間は、新鮮な農産物の安定供給のほか、緑地・水辺空間の確保、レクリエーションの場の提供、さらには洪水などの災害の抑制、ヒートアイランド現象の緩和など多面的機能を有しており、都市における農業を維持することにより、農地・農空間の保全を図り、地域住民に多面的機能が享受できます。
そのため、農業振興地域の整備に関する法律に基づく農業振興地域整備計画書や堺市農業振興ビジョンにより、新たな担い手確保のための取組、スマート農業など新技術の導入による省力化や生産性向上に資する取組、農地の保全につながる取組など各種事業を実施しています。
総農家戸数2,172戸のうち販売農家数は650戸であり、農業経営体の経営耕地面積は田294ヘクタール、畑99ヘクタール、樹園地31ヘクタールとなっています。農家1戸あたりの経営耕地面積は30アール余りの零細規模であり、水稲については、自家消費米の米単作農家が多いが、生産量は府内でもトップクラスです。
野菜については、消費地に近いという都市立地の優位性を生かし、しゅんぎく、こまつな、ほうれんそう、ねぎ等軟弱野菜がビニールハウスなどで周年栽培されています。そのほか、キャベツ、はくさい、だいこんやビニールハウスでトマト、いちごなどの果菜類をはじめ様々な品目が生産されています。
果樹については、本市南部においてみかんの栽培が行われており、みかん狩り園等、観光農業への取組も見受けられます。
花きについては、ビニールハウスで観葉鉢物や花壇用苗等が栽培されています。
畜産については、酪農が主体で肉用牛経営が一部で行われています。
(総農家戸数、販売農家数、経営耕地面積、農家1戸あたりの経営耕地面積は「令和2年農林業センサス」による)
水稲
本市稲作は、都市化の進展に伴い水田隣接の建物による日照障害及び夜間の照明等による生育阻害など営農環境の悪化や農業従事者の高齢化、担い手の減少により生産面積の減少がみられます。また、高齢化により農業用水施設などの適切な維持管理が困難になってきています。
他方、農作業の受委託や農地の利用集積及び機械利用による栽培管理の省力化等が進んでいます。また、品質の改善向上を図るため、奨励品種の普及更新を図っており、上神谷地区で約6ヘクタールの採種ほ場が設置されています。
野菜園芸
本市の野菜園芸は、消費地に近いという都市立地を生かしながら、施設軟弱野菜の周年栽培を行い、量販店、生協へ契約出荷する他、農業者のグループや個人が直売所を設置するなど、都市農業としての農業経営が行われています。
本市の野菜園芸地帯は以下に示すように西部の海岸地域と中央部の平坦地域、南部の丘陵地域に大別されます。
(1)海岸地域
大和川下流から、浜寺にいたる海岸沿の砂質地で営まれる野菜園芸地帯です。ビニールハウスや自動かん水施設の設置などにより、みつば、しゅんぎくを中心とした施設軟弱野菜の周年栽培が行われていたが、都市化の進展により年々農地のかい廃が進み、一部の農地が生産緑地などとして残されている地区です。
(2)平坦地域
本市の中央部に位置する比較的平坦な金岡、深井、東陶器、西陶器、登美丘地区を含む野菜園芸の中核的地域です。従来よりビニールハウスによるきゅうり、トマトなどの果菜類の栽培のほか、ハウスの裏作として葉菜類の栽培が行われています。
また、施設軟弱野菜の周年栽培に取組んでおり、都市農業の立地を生かした、量販店、生協との集団的契約栽培等が行われています。
(3)丘陵地域
本市の中南部にかけての丘陵地帯で、ビニールハウスによる果菜類の栽培、裏作にはキャベツ、だいこん等葉菜、根菜類の畑輪作が行われています。また、檜尾山地区においては、かんがい施設、集出荷施設を取入れた軟弱野菜と果菜類の栽培が行われています。
果樹園芸
本市の果樹生産は、温州みかんが大半で市の南部丘陵地帯(美木多地区)で栽培されており、みかん栽培農家の経営は比較的大型で専作化されています。しかし、温州みかんの恒常的生産過剰や、オレンジの輸入自由化等により、需給均衡と経営の安定化を図る必要があり、昭和63年度から3年間、かんきつ園地再編対策事業により、また、平成7年度からみかん等果樹園転換特別対策事業により、みかん園の転換を実施しました。さらに栽培の省力化、販売の合理化及び共同利用施設、生産設備の整備を推進し、新しいみかん産地として立地を生かしたみかん狩園、観光みかん園や直売所への出荷に組織的に取り組んでいます。
花き園芸
本市の花き園芸は、深井地区の農業者を中心にビニールハウスで観葉鉢物の栽培をしています。また、泉北ニュータウンに隣接した上神谷、美木多、東陶器地区などではパンジー、ベゴニア等のポット苗栽培に取り組んでいます。上神谷地区では土地基盤整備事業後の土地利用や地域農業の活性化を進めるため、農業構造改善事業の導入によりガラス温室やプラスチックハウスなどの生産施設整備により、年間を通じポット苗の出荷を行ってきたが、消費動向の変化に伴い、いちご狩り園などに転換されています。
畜産
本市の畜産は、酪農が主体で府内の約79%の飼育頭数(令和2年農林業センサスから)です。
都市化の進展に伴い経営環境が厳しくなり、上神谷地区に酪農が集約されており、一部で肉用牛経営されている状況です。
昭和30年代後半の高度経済成長により、急激な都市開発が進み、これに伴い環境衛生面での諸問題が発生してきたなかで、酪農家は将来における経営計画として酪農団地建設について検討しました。泉北ニュータウン開発計画を契機に23戸の酪農家が結集し、将来にわたり安定した酪農経営を行なう場所として酪農団地を建設し、昭和46年度から経営を開始しました。さらに、国庫補助事業を導入し、昭和55、56年に、市域酪農を含めた広域的なふん尿処理施設を、続いて平成2、3年には、市内耕種農家に良質な堆きゅう肥を供給するためのふん尿処理施設を導入しました。
近年は組合員数が減少しているが、後継者の就農のみならず国の制度を活用した畜舎等の施設整備や、市外から参入するなど新たな動きもみられます。
漁業
堺市地域の海面漁業は昭和33年から開始された臨海工業地帯造成に伴い、共同漁業権漁場のすべてを含む沖合5,000メートル以内の大半の漁場を喪失したため、現在は主に刺網漁業、ひきなわ漁業、小型漁船底引き網漁業、船びき網漁業等の許可漁業及びアナゴ篭等の自由漁業により、大阪湾に広く漁場を求めて操業しています。
漁場としての大阪湾には、淀川、大和川など各河川が流入しており、餌料生物が豊富で、生産性の高い好漁場となっています。
堺の漁場は、主に内湾性の魚介類を対象とする典型的な沿岸漁業であり、海面漁業の主な魚種には、たちうお、くろだい、すずき等があり、しらす、いかなご、たこ等も漁獲されています。
当地域には、堺(出島)漁港及び石津漁港があり、堺市・堺市沿岸・堺市出島・堺市浜寺の4漁業協同組合が、漁業生産活動の推進を図っています。
また、漁港には荷さばき施設、資材保管施設や漁獲物の鮮度維持のための冷蔵保管施設等の整備を図るため、沿岸漁業構造改善事業を平成5年度から積極的に導入しています。平成7年度には、その一つの事業として「お魚センター」(とれとれ市)がオープンし、毎土・日曜日には多くの買物客で賑わっており、開かれた漁港として市民との交流や地域の活性化を図っています。 詳しくはこちら(とれとれ市(堺の漁業))
漁港施設
漁港名 | 堺(出島)漁港 | 石津漁港 |
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漁港の種類 | 第1種 | 第1種 |
漁港指定 | 平成6年3月31日 農林水産省告示第604号 |
昭和63年3月31日 農林水産省告示第393号 |
所在地 | 堺市堺区出島町 | 堺市西区浜寺石津町 |
関係漁協名 | 堺市漁業協同組合 堺市沿岸漁業協同組合 堺市出島漁業協同組合 |
堺市浜寺漁業協同組合 |
管理者 | 大阪府 | 大阪府 |
防波堤 | 28メートル | 493メートル |
護岸 | 445メートル | 270メートル |
波除堤 | 145メートル | |
防潮堤 | 819メートル | 399メートル |
船揚場 | 70メートル | 100メートル |
物揚場 | 379メートル | 168メートル |
突堤 | 145メートル | |
航路及び泊地 | 67,600平方メートル | 19,313平方メートル |
水深 | -2メートル | -2メートル |
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