概要
更新日:2021年4月1日
農業
本市の農業は、都市化の進展に伴う農地の減少や農業後継者不足、農業従事者の高齢化、営農環境の悪化など多くの課題を抱えています。
このような状況下にあって本市では、都市農業の果たす役割、すなわち新鮮な農産物の市民への供給や都市緑化の機能などの重要性にかんがみ、国土利用計画法・都市計画法・生産緑地法等の土地利用政策との調整をはかりながら農業生産基盤としての農地保全に努めており、昭和54年1月に農業振興地域の指定を受け農用地設定を行ない、当該地域を中心とする農業振興地域整備基本計画に基づき、各種事業を実施しています。
総農家戸数2,566戸のうち販売農家数は794戸であり、販売農家の経営耕地面積は田370ヘクタール、畑80ヘクタール、樹園地34ヘクタールとなっています。、農家1戸あたりの経営耕地面積は30アール余りの零細規模で、自家消費米の米単作農家が多い。野菜生産は都市立地の優位性を生かし、海岸地域では、ほうれんそう、みつば、しゅんぎく、ねぎ等軟弱野菜の集約的高度輪作栽培、平坦地域のビニールハウスによる果菜類の栽培、丘陵地域における果菜、葉菜を主作物とする畑輪作栽培に大別されます。果樹については、南部の山間地帯のみかん栽培が唯一の産地で、みかん狩り園等、観光農業への取組みも見受けられます。
花き園芸は、深井地区を中心にガラス温室で観葉鉢物を栽培していますが、近年の消費動向にともない、南部丘陵に隣接した地域を中心に、ガラス温室等の施設により安定的に花壇苗等が栽培されています。
畜産は、酪農が主体で都市畜産の形態を示しており、都市化の進展にともなう地域環境との整合を図りつつ、経営環境整備が進められています。
(総農家戸数、販売農家数、経営耕地面積は「2015年農林業センサス」による)
水稲
本市稲作は、都市化の進展に伴う工場、家庭排水によるかんがい用水の汚染、建築物隣接による日照障害及び夜間の照明等による生育阻害と生産調整事業の実施による生産力の停滞がみられますが、農作業の受委託や農地の利用集積及び機械利用による栽培管理の省力化等の推進と品質の改善向上を図るため、奨励品種の普及更新を図っています。
また、大阪府水稲種子更新計画に基づき採種計画を樹立し、上神谷地区で約6ヘクタールの採種ほ場が設置されています。
野菜園芸
本市の野菜園芸は、都市立地を生かしながら、施設軟弱野菜の周年栽培を行い、量販店、生協へ契約出荷するなど都市農業としての農業経営が行なわれています。
本市の野菜園芸地帯は以下に示すように西部の海岸地域と中央部の平坦地域、南部の丘陵地域に大別されます。
(1)海岸地域
大和川下流から、浜寺にいたる海岸沿の砂質地で営まれる野菜園芸地帯です。ビニールハウスや自動かん水施設の設置などにより、みつば、しゅんぎくを中心とした施設軟弱野菜の周年栽培が行なわれています。都市化の進展により年々農地のかい廃が進んでいる地区です。
(2)平坦地域
本市の中央部に位置する比較的平坦な金岡、深井、東陶器、西陶器、登美丘地区を含む野菜園芸の中核的地域です。従来よりビニールハウスによるきゅうり、トマトなどの果菜類の栽培のほか、ハウスの裏作として葉菜類の栽培が行なわれています。
また、施設軟弱野菜の周年栽培に取組んでおり、都市農業の立地を生かした、量販店、生協との集団的契約栽培等が行なわれています。
(3)丘陵地域
本市の中南部にかけての丘陵地帯で、ビニールハウスによる果菜類の促成栽培、裏作にはキャベツ、だいこん等葉菜、根菜類の畑輪作が行われています。また、みかん栽培と施設軟弱野菜の複合経営もあり、檜尾山地区においては、かんがい施設、集出荷施設を取入れた軟弱野菜栽培が行なわれています。
果樹園芸
本市の果樹生産は、温州みかんが大半で市の南部山間地帯(美木多、上神谷地区)で栽培されており、みかん栽培農家の経営は比較的大型で専作化されています。
しかし、温州みかんの恒常的生産過剰や、オレンジの輸入自由化等により、需給の均衡と経営の安定化を図る必要があり、昭和63年度から3年間、かんきつ園地再編対策事業により、また、平成7年度からみかん等果樹園転換特別対策事業により、みかん園の転換を実施しました。さらに栽培の省力化、販売の合理化及び共同利用施設、生産設備の整備を推進し、新しいみかん産地として、立地を生かしたみかん狩園、観光みかん園や直売所への出荷に組織的に取組んでいます。
花き園芸
本市の花き園芸は、深井地区を中心としたガラス温室での観葉鉢物の栽を行っていますが、近年の消費動向伴い、泉北ニュータウンに隣接した上神谷、美木多、東陶器地区などでのパンジー、ベゴニア等のポット苗栽に取組んでいます。
特に、上神谷地区では土地基盤整備事業後の土地利用や地域農業の活性化を進めるため、農業構造改善事業の導入によりガラス温室やプラスチックハウスなどの生産施設整備により、年間を通じポット苗の出荷を行なっています。
畜産
本市の畜産は、酪農が主体で肉用牛、養豚が一部で行なわれています。中でも酪農は府下の約74%の飼育頭数(2015年農林業センサスから)となっています。これらの経営形態は集約度が高く、大規模の専業経営が主体です。
しかし、都市化の進展によりその経営環境は年々厳しくなり、戸数は減少傾向にあります。
なお、環境問題の最大の原因であるふん尿処理については、各地域の実情に応じた処理施設の整備が順次進み、環境問題並びに畜産経営に大きく寄与しています。
昭和30年代後半の高度経済成長により、急激な都市開発が進み、これに伴い環境衛生面での諸問題が発生してきたなかで、酪農家は将来における経営計画として酪農団地建設について検討しました。泉北ニュータウン開発計画を契機に23戸の酪農家が結集し、将来にわたり安定した酪農経営を行なう場所として酪農団地を建設し、昭和46年度から経営を開始しました。さらに、国庫補助事業を導入し、昭和55、56年に、市域酪農を含めた広域的なふん尿処理施設を、続いて平成2、3年には、市内耕種農家に良質な堆きゅう肥を供給するためのふん尿処理施設を導入しました。
また、市内酪農の中核の場として経営改善を図るとともに、未利用地の効率的な活用を図るため南部丘陵地域整備構想の具体化として酪農団地活性化を目指し、新たな酪農経営形態を構想しています。
漁業
堺市地域の海面漁業は昭和33年から開始された臨海工業地帯造成に伴い、共同漁業権漁場のすべてを含む沖合5,000メートル以内の大半の漁場を喪失したため、現在は主に刺網漁業、ひきなわ漁業、小型漁船底引き網漁業、船びき網漁業等の許可漁業及びアナゴ篭等の自由漁業により、大阪湾に広く漁場を求めて操業しています。
漁場としての大阪湾には、淀川、大和川など各河川が流入しており、餌料生物が豊富で、生産性の高い好漁場となっています。
堺の漁場は、主に内湾性の魚介類を対象とする典型的な沿岸漁業であり、海面漁業の主な魚種には、シラス、スズキ、イカナゴ、マアジ、クロダイ、タチウオ、カレイ等があり、アナゴ、タコ、エビ類、ガザミ等も漁獲されています。
当地域には、堺(出島)漁港及び石津漁港があり、堺市、堺市沿岸、堺市出島、堺市浜寺の4漁業協同組合が漁業生産活動の推進を図っています。
また、漁港には荷さばき施設、資材保管施設や漁獲物の鮮度維持を図るための冷蔵保管施設等の整備を図るため、沿岸漁業構造改善事業を平成5年度から積極的に導入しました。平成7年度には、その一つの事業として「お魚センター」(とれとれ市)がオープンし、毎土曜、日曜日には多くの買物客で賑わっており、開かれた漁港として市民との交流や地域の活性化を図っています。詳しくはこちら(とれとれ市(堺の漁業))
漁港施設
漁港名 | 堺(出島)漁港 | 石津漁港 |
---|---|---|
漁港の種類 | 第1種 | 第1種 |
漁港指定 | 平成6年3月31日 農林水産省告示第604号 |
昭和63年3月31日 農林水産省告示第393号 |
所在地 | 堺市堺区出島町 | 堺市西区浜寺石津町 |
関係漁協名 | 堺市漁業協同組合 堺市沿岸漁業協同組合 堺市出島漁業協同組合 |
堺市浜寺漁業協同組合 |
管理者 | 大阪府 | 大阪府 |
防波堤 | 28メートル | 493メートル |
護岸 | 445メートル | 270メートル |
波除堤 | 145メートル | |
防潮堤 | 819メートル | 399メートル |
船揚場 | 70メートル | 100メートル |
物揚場 | 379メートル | 168メートル |
突堤 | 145メートル | |
航路及び泊地 | 67,600平方メートル | 19,313平方メートル |
水深 | -2メートル | -2メートル |
このページの作成担当
産業振興局 農政部 農水産課
電話番号:072-228-6971
ファクス:072-228-7370
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館7階
このページの作成担当にメールを送る