野生のきのこによる食中毒に注意しましょう
更新日:2024年6月24日
例年、夏の終わりから秋の行楽シーズンにかけて、誤って野生のきのこを食べることによる食中毒が全国で数多く発生しており、死亡事例も報告されています。また、梅雨時にもきのこは多く発生します。
堺市内の自然豊かな地域には、野生のきのこが生えていますが、食用のきのこかどうかを鑑別することは素人では困難です。判断を誤ると、命に関わることもあります。
食用と確実に判断できるきのこだけを食べ、よくわからないきのこは採らないようにしましょう。
毒きのこによる食中毒を防ぐために
確実に食用と判断できないきのこは、絶対に採らない!食べない!売らない!人にあげない!
言い伝えを過信しない!
これらの言い伝えには科学的根拠はありません。
× 縦に裂けると食べられる
× ナスと一緒に煮ると毒が抜ける
× 地味な色のきのこは食べられる
× 塩漬けにすると毒が抜ける
× 香りが良ければ食べられる
× 虫が食べているものは食べられる
食べて異常を感じたときは、すぐに医師の診察を受ける
診察の際には、食べたきのこの特徴をメモするか、残り物があれば持参してください。
代表的な毒きのこ
ツキヨタケ
ツキヨタケは、ブナの枯れ木に重なるように発生し、食用のシイタケやヒラタケなどと非常によく似ており、誤食での食中毒件数が最も多く発生しているきのこです。
食後30分から1時間程度で、激しい嘔吐、腹痛、下痢などの中毒症状にみまわれます。
野生のツキヨタケ(画像出典:厚生労働省ホームページ)
※参考
【外部リンク】自然毒のリスクプロファイル:ツキヨタケ(厚生労働省ホームページ)
クサウラベニタケ
クサウラベニタケは、食用のウラベニホテイシメジやホンシメジ、ハタケシメジと似ているため、誤食による食中毒が多く発生しているキノコです。
食後15分から30分程度で、激しい下痢や嘔吐などの消化器系中毒を起こします。
自生するクサウラベニタケ(画像出典:厚生労働省ホームページ)
※参考
【外部リンク】自然毒のリスクプロファイル:クサウラベニタケ(厚生労働省ホームページ)
テングタケ
平成16年10月には、堺市内でテングタケによる食中毒が発生しました。テングタケは、堺市内で採取したもので、松の木の下に生えていたものを食用きのこと勘違いして食べたものです。けいれん、意識障害などの症状が出て入院されましたが、幸い命に別状はありませんでした。
テングタケの仲間には毒のあるものが多く、全国的に食中毒事例の多いきのこです。
傘の直径は4センチから25センチ、傘の表面は灰褐色からチョコレート色で、白色の小さいいぼが付いています。軸の途中には「つば」と言われる部分があり、根元には「つぼ」があるのが特徴です。
堺市内で採取されたテングタケ
堺市内で自生するテングタケなど
※参考
【外部リンク】リスクプロファイル:テングタケ(厚生労働省ホームページ)
オオシロカラカサタケ
令和6年6月には、堺市内でオオシロカラカサタケによる食中毒が発生しました。
オオシロカラカサタケは、初夏から秋にかけて、畑地や庭園、公園などの芝生や草地などの地上に群生します。熱帯・亜熱帯地方原産のため、以前は沖縄などでしか見られませんでしたが、現在は分布が拡大し、近年では大阪府内でも比較的普通に見られます。
カサは白い饅頭型で、大きさは7センチメートルから30センチメートル程度の大型です。カサは表皮が裂けて茶色のウロコ状になります。また、ヒダは成熟すると鈍い緑色になります。
カラカサタケに似ていますが、誤って食べてしまうと、2時間ほどで嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れます。
オオシロカラカサタケ(画像出典:地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所)
※参考
【外部リンク】オオシロカラカサタケによる食中毒にご注意ください(地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所ホームページ)
【外部リンク】本当に安全?STOP毒きのこ(農林水産省ホームページ)
スギヒラタケ
スギヒラタケはスギ、マツ等の針葉樹の切り株や倒木に発生するきのこで、以前は主に東北において食用きのことして食べられていました。しかし、平成16年に東北地方において急性脳症(意識障害やけいれん等)の患者が多数発生し、スギヒラタケの摂食との関連が疑われて以来、厚生労働省は、安全性が確認されるまでスギヒラタケを食べることを控えるよう注意喚起を行っています。スギヒラタケは食べないでください。
※参考
【外部リンク】スギヒラタケは食べないで!(農林水産省ホームページ)
【外部リンク】自然毒のリスクプロファイル:スギヒラタケ(厚生労働省ホームページ)
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