食品検査
更新日:2023年7月25日
食品検査担当では、堺市内で流通する食品中の残留農薬や食品添加物などの食品検査、家庭で使用する製品の家庭用品検査、健康食品などの医薬品検査を行っています。
食品検査
残留農薬及び残留動物用医薬品の検査
農産物に残留する農薬や畜水産物に残留する動物用医薬品の検査を行っています。
ポジティブリスト制度により、原則すべての農薬等について、残留基準(一律基準を含む)が設定されています。このため、多くの種類の農薬等を分析することが求められています。そこで、多成分の分析を同時に行うことができるGC-MS/MS(ガスクロマトグラフ-タンデム型質量分析計)やLC-MS/MS(液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計)といった高感度の精密機器を用いて検査を行っています。
野菜をフードプロセッサーで粉砕します
野菜から農薬成分を取り出します
抽出した農薬成分を装置で濃縮します
GC-MS/MSで分析します
放射性物質の検査
放射性物質を測定します
食品中に含まれる放射性物質を測定する検査を行っています。生鮮食品、加工食品、乳児用食品などの放射性セシウム濃度を測定し、食品の安全性を確認しています。
乳・乳製品、清涼飲料水等の検査
牛乳やアイスクリームなどの乳製品や、ミネラルウォーターなどの清涼飲料水が成分規格に適合しているかの検査を行っています。
種類 | 乳固形分(%) | 乳脂肪分(%) |
---|---|---|
アイスクリーム |
15.0 以上 | 8.0 以上 |
アイスミルク |
10.0 以上 | 3.0 以上 |
ラクトアイス | 3.0 以上 | ― |
アイスクリーム類は種類によって、乳固形分、乳脂肪分の量が定められています。
器具及び容器包装、おもちゃの検査
食品に使用される器具及び容器包装、おもちゃ(口に含んだり舐めたりするおもちゃ)の規格検査を行っています。食品を入れる容器などから溶け出してくる成分がないか、また重金属が含まれていないかなどを検査しています。
食品添加物の検査
食品添加物とは、食品の製造過程または食品の加工・保存等の目的で使用されるものです。食品添加物には、保存料のほか、漂白剤、合成着色料、品質保持剤及び発色剤などいろいろな用途があり、これらが適正に使用されているか確認するための検査を行っています。
色の濃さを機器で測定し、濃度を求めます
測定したい成分以外の不純物を除去します
苦情食品等の検査
試料に赤外光を照射し透過または反射した光量を測定します
食の安全・安心に対する関心が高まる中、市民から保健所等に寄せられた食品に関する問い合わせや苦情に対して、必要に応じて検査対応しています。物質の性状を測定するフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)などを用いて検査を実施し、原因究明に努めています。
家庭用品検査
有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律に基づいて検査を実施しています。カーテン、衣類、カーペットなどの繊維製品や家庭用化学製品に含まれる樹脂加工剤、防かび剤、防菌剤、防炎加工剤、及び防虫加工剤などに有害物質が含まれていないか確認しています。また、家庭用洗浄剤や家庭用エアゾール(スプレー缶)についても検査を行っています。
繊維製品の検査
繊維製品には、しわや縮みを防止する目的で樹脂加工剤が使用されているものがあります。樹脂加工剤は、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドが含まれているものがあり、肌の弱い乳幼児ではかゆみや発疹などの皮膚障害を起こすことがあります。
家の中では赤ちゃんの衣類や下着は他のものと別に収納するなど、工夫して優しい赤ちゃんの肌を守ってあげましょう。
繊維製品を細かく切断します
分光光度計で測定します
医薬品検査
健康食品の検査
LC-MS/MSで分析します
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき実施する検査です。
おもに痩身や強壮効果などをうたった「いわゆる健康食品」などに医薬品成分が含まれていないかを検査しています。
分析には、高速液体クロマトグラフのほか、LC-MS/MS(高速液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計)を用います。