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保存管理計画(1)

更新日:2012年12月19日

提案資産名「百舌鳥・古市古墳群-仁徳陵古墳をはじめとする巨大古墳群-」

1.個別構成要素に係る保存管理計画の概要、又は策定に向けての検討状況

百舌鳥古墳群、古市古墳群については、長年にわたる地域住民による愛護を礎に、国およびそれぞれの自治体において、その保存等について個別に調査研究を行い、古墳の具体的な保存整備を行ってきた。
平成18年4月、考古学、古代史、都市政策等の専門家からなる有識者の会議を設置し、人類共通の遺産といえる百舌鳥古墳群を次世代に保存・継承するため、その保存やバッファゾーン等についての基本的なあり方の検討に取り掛かった。
さらに百舌鳥古墳群と古市古墳群を一体的な形で保存・継承すべく、大阪府、堺市、羽曳野市、藤井寺市の四者が連携し、有識者による会議での意見を踏まえ、検討を行っている。
本資産については現時点で保存管理計画を持っていないが、有識者などの意見を基に以下のような点に留意し、保存管理計画の策定を行う。

資産の構成

本資産は、総数73件、87基(百舌鳥43基、古市44基)の古墳からなる。その内訳は、国指定史跡8件(百舌鳥7件7基、古市1件14基)、大阪府指定史跡1件(古市1基)、宮内庁管理45件(百舌鳥19基、古市27基、雄略陵古墳は島泉平塚古墳と島泉丸山古墳の2基、国史跡と重複する丸保山古墳・応神陵古墳・津堂城山古墳・墓山古墳の4基)、未指定23件(百舌鳥18基、古市5基)である。

現状と取り組み

1) 史跡について

百舌鳥古墳群では、全国的にも文化財保護のシンボルとして知られている史跡いたすけ古墳や史跡文珠塚古墳などで公開にも配慮した整備を実施するなど、これまでも個別資産について積極的な保存管理に努めてきたが、今後は、群としての史跡指定に早急に移行する。
古市古墳群では、平成13年に個別の古墳ごとの指定から群指定に移行し、古墳群総体としての意義付けの下、保存管理を行っている。例えば史跡峯ヶ塚古墳では、古くからの地形環境に配慮しつつ、周辺の都市公園化を進めることにより、緑に包まれた良好な環境の形成に努めている他、津堂城山古墳で平成2年度及び9年度に周濠の植栽整備を実施し、平成10年度にはガイダンス棟を設置するなど、文化財保護法に基づいた保存管理を図っている。

2) 未指定の古墳について

未指定の古墳等については、府や市、社寺、個人所有と所有形態が異なるが、それぞれにおいて文化財保護法に基づき保全が図られている。今後は、古墳本来の範囲や構造を明確にするため、詳細な調査を実施し、地権者の同意を得ながら、国指定史跡・大阪府指定史跡・市指定史跡等の指定を進めていく。

3) 陵墓について

陵墓は現に皇室において祭祀が継続して行われている。基本的に立ち入りが禁止されるなど厳重に保存管理がなされ、緑の多い静粛な環境も維持されており、静安と尊厳が保持されている。
一方、陵墓は文化財保護法による「周知の埋蔵文化財包蔵地」になっており、維持管理や営繕等に伴う工事の際には、文化財保護法第92条や第94条に基づく手続きに添った対応が行われている。
また、宮内庁において営繕工事等を実施される時には、事前に学識経験者から組織される陵墓管理委員会の意見を踏まえ、考古学的な調査方法・工事手法を十分検討し、保存に努めている。
このように宮内庁による陵墓の管理については、文化財的な意味における保全、保存に対しても配慮され、万全が期されているため、文化財保護の観点からも問題がなく、従って現在も史跡指定はなされていない。
これらの現状を踏まえ、宮内庁による陵墓の保存管理を尊重し、史跡指定等の手続きを経ることなく、保存管理計画を策定することとする。

保存管理の基本方針

1) 保全の方法

個別の古墳ごとに詳細な調査を実施し、規模や墳形、築造時期等を把握し、資産の範囲とその価値を確定する。群全体のバランスを図りながら古墳ごとに保存管理の方法について検討を行う。

2) 資産の整備

資産の保存管理を適切に行うため、個々の古墳の歴史的価値、規模や立地条件、遺構の保存状況などに応じて、整備を行う。

3) 保存管理の体制

関係行政機関による協議組織を設置し、連携を緊密にしながらそれぞれにおいて適正な保存管理を進める。

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文化観光局 歴史遺産活用部 世界遺産課

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