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ライフストーリー3 中村充保さん

更新日:2023年3月7日

このストーリーは2019年に公開されたものです。

このまちで生まれて、このまちで育った私。農村部に土地を買って家を建て、暮らすようになって5年が過ぎた。こども園と小学校に通う二人の愛娘たちは、元気に、やさしく育ってくれている。

緑の多い環境と都会に出やすい便利さ、両方をいいとこ取りできる泉北は、我ながらすごくいいところだと思っている。実家も泉北だから何かと安心だし、このまちを離れて暮らす理由を見つける方が難しかった。

家をここに決めたのは、いずれ自宅で焼き菓子やケーキのお店を開きたいことが理由のひとつ。専用のキッチンを置く広さがあり、自由に設計できる土地。タイミングよく巡り合ったのが今の場所だった。

高校を出てパティシエとして8年ほど働いたあと、「mano(マーノ)」という名前で開業した。「mano」はイタリア語で「手」という意味の言葉。作る、繋ぐ、抱きしめる、誰かの「手」になれたらと思った。

ある日、出店したイベントで、たまごアレルギーの子どもに出会う。私のお店には、その子が食べられるものがなかった。アレルギーのある子どもでも食べられる“ヴィーガン”のお菓子をつくろう。ふと、決心した。

 

その日から、「こだわりの材料を使った体に優しいお菓子」が「mano」のコンセプトになった。それももう10年くらい前のこと。私自身親になって、より食の大切さを感じている。私が作ったもので、この子たちは育つのだ。

誕生日、入学式、結婚記念日。子どもの成長を喜んだり、これまでの二人三脚を振り返ったりする機会にお祝いのケーキを注文いただけるのは本当に幸せ。お客さまの特別な一日に関われる、私にとっても特別な時間。

子どもが小さいのでまだお店は始めていない。けれど、泉北にある「kokage café」などから注文をいただいて、お菓子を卸している。農村の近くに素敵なお店がたくさんあるのも、このまちの魅力のひとつ。

今の場所に決めたもう一つの理由に、やはり教育がある。子どもが通う小学校は、地域に開いた学校で、規模も程よく、同級生は40人くらい。送迎も地域のみんなで協力する。たくさんの目が、子どもを見守ってくれている。

小学校の前には大きな空と美しい棚田が広がる。人が耕し、草を除いて水を張り、苗を植える。そうして毎日、少しずつ育っていくお米を見ながらの帰り道は、きっと子どもたちの心を豊かなものにしてくれる。

学校から帰ってきた娘たちは、家のまわりで遊び始める。自然と近所の子たちが集まってきて、自転車に乗ったり、虫取りをしたり、水遊びをしたり。あっという間に、すごく賑やかな時間になる。

お向かいさんと二人、道路脇に椅子を置いて、遊ぶ子どもたちを見守りながらの少し早い晩酌。そうしていると、時々いい風が吹いてくる。子どもも私も元気でいる。なんでもないこの瞬間が、たまらなく幸せだ。

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