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第2回堺市公共交通検討会議 会議録

更新日:2012年12月19日

1 開催日時 平成23年8月11日(木曜) 午後2時から4時
2 開催場所 堺市役所 本館12階 第1・2委員会室
3 出席者 会議の出席者(PDF:75KB)

開会

荻田委員

 前回は総合都市交通計画を策定するにあたっての背景やバックデータ等について説明させていただいた。今回は本論の総合都市交通計画について説明させていただく。活発なご議論をお願いしたい。

前回議事録の確認

 意見無し

公共交通のあり方に関する意見募集の結果

 意見無し

総合都市交通計画(案)について

事務局

 本日ご欠席の栗駒委員より事前にご意見をいただいているのでご紹介する。
 おでかけ応援バスの拡充にあたっては、とりあえず週3日にするなど、日数を増やしていただきたい。自動車抑制についての考え方をもう少し出すべきではないか。堺市の地形から見ると、“東西軸"という表現自体、違和感がないだろうか。

青山座長

 5.計画の方向性について、ご意見をお願いする。

吉川委員

 計画の方向性で、マスタープランの堺の将来像と3つのプロジェクトの挑戦を挙げられているが、まちの活性化の視点が公共交通に必要ないのか。市民の身近な移動を支えるとか、観光振興に資する移動だとか、環境にやさしい移動ということだけで、公共交通が日常的に行っている“人を運んでいく"ということは何のために運んでいくのかということなのだろうが、将来にわたって堺市が発展するまちの活性化という大きな視点があるのではないか。1つの方向性として重要ではないかと思う。
 3つのプロジェクトはあくまでもめざすべき堺の将来像を実現するための重点プロジェクトであって、めざすべき堺の将来像は、都市経営的に持続可能で、歳入もきっちりある、そして市民の要望に応えられる市税を確保するという部分でまちの機能も必要であると。そこに公共交通は欠かせないものだと思う。

青山座長

 課題のまとめの4つ目にまちの活性化は入っているが、方向性ではどこにあるのか。

事務局

 5ページの“公共交通の目標像"で、“まちのにぎわいを支える公共交通"という部分が対象になろうかと思う。“まちの活性化"という表記はないが、十分その点を踏まえた形で目標像を設定させていただきたいと思っている。

事務局

 課題として“まちの活性化につながる"という部分はあるが、その後の方向性では活性化の部分が欠落している。その後、目標像でまた“まちのにぎわいを支える"という形で出ているので、流れがおかしいということだと思う。特に重点的に取り組む3つのプロジェクトというのが堺市マスタープランの中に位置づけられており、それに基づいて“公共交通に求められること"ということでこのような表現をさせていただいているが、ご意見をいただいて資料の構成や書き方について考えさせていただく。

吉川委員

 方向性が決まって目標が決まるので、まちの活性化につながるという部分が方向性としてないとおかしくならないか。前段の課題ではそれが大事だと言われていたので、それに対して方向性として明確に位置づけておいたほうがよいのではないか。

事務局

 “計画の方向性”の構成として、求められること、目標像、施策展開の3つで示しているので、つながりができるように整理させていただきたい。

野村委員

 この総合都市交通計画は、概念的には整合性も取れているし、この方向で進めていくのがよいとは思う。ただ、これまで議会でも何度か議論が続いており、今年度中に方向性をとりまとめ、またパーソントリップ調査の結果などを踏まえて総合都市交通計画を考えていくということをおっしゃっているが、この計画には概念的、抽象的なものが非常に多く、例えば東西交通軸にどういう交通モードを選択するのかというようなことまで踏み込んで計画を決めていくのか。あるいは方向性やめざすべき将来像といったような抽象的な範囲の計画でとどまるのか。あるいはそれをどのように発展させていくのか。時系列に沿った工程表をお示しいただければ、具体的な計画がイメージしやすくなると思う。

事務局

 総合都市交通計画の中にはさまざまな施策が含まれており、それに所要する時間軸も各施策によって異なってくると考えている。すぐにできる施策も中にはある。逆にネットワークの検討のように、PT調査の活用など、さらに他の検討、具体的にはルートや導入する機種が決まれば物理的な検討をしないといけないと思うが、そういったものには時間を要する。今年度中にこの検討会議でお願いしたいと考えているのは、それらの前提となる考え方の部分である。

新田委員

 4ページの“まちづくりを進める上で公共交通に求められること"について、広域ネットワークに関係する文言やイメージがこれだけでは捉えられないので、そういう内容を入れてほしい。具体的には、堺市が都市間連携の中でどんな役割を果たしていくかという拠点としての動きと、お互いを支え合う中での堺市というのがあり、それが堺の活性化にもつながるということ。これだけだと堺市の中だけのことを考えているというイメージで取られる。

事務局

 広域的な話は5ページの“交流軸”と“強力な都市基盤”にかかってくると考えている。

青山座長

 にぎわいの視点と広域的な視点を4ページの“公共交通に求められること”の中にも書き込んでもらってはどうか。

吉川委員

 マスタープランは都市成長戦略を踏まえた10年間の計画であり、その中で重点的に取り組むのが3つの挑戦である。重点プロジェクトの方向性だけで公共交通の方向性を定めるのはいかがか。公共交通というのは未来永劫にわたって、定めたらぶれないと思うし、変えられない。3つの挑戦の視点は配慮しなければいけないが、将来的な堺市の都市成長戦略を考えて、その中で公共交通を維持していけるという部分が方向性の中にないと非常に狭い議論になってしまうのではないか。

野村委員

 個人の交通利便性から捉えるのか、堺市全体の成長戦略から捉えるか、少し方向性が入り混じっていると思う。計画を都市の成長戦略、都市整備のためのものと位置づけるのであれば、方向性の書き方も変わってくるのではないか。また、個人の利便性向上のための公共交通なのだということであれば逆の方向を向くということもあると思う。そのあたりの整理が必要ではないか。

事務局

 堺市だけでなくもっと広域で考えるという空間的な広がりの部分と、マスタープランの10年という長いスパンで考えるという時間軸的な部分の2点について、再整理する。

井関委員

 マスタープランがどうであっても必要な交通の方向性が読み取れないと意味がないのではないか。本年度に交通の方向性を決めるとしても、その後、例えば何かの交通網を導入するときの指針となるぐらいの具体性がなければ意味がない。今の資料を見る限り、事業をするときにもう1度とりまとめをしないといけなくなるのではないかという懸念がある。次の数年間、具体的な物事を進めるときの意見や方法や手法の整理となるぐらいの部分までは、今年度中にこの会議の中で方向性としてまとめていけたらと思う。

廣田委員

 4ページの重点的に取り組む3つのプロジェクトの“子育てのまち堺・命のつながりへの挑戦!”から“市民等の身近な移動を支える”、次の目標像として“人と環境にやさしい公共交通”、“暮らしの安心感を高める”と来ているが、次の施策展開の方針では、公共交通ネットワークが1番目になっている。優先順位があるのか。

事務局

 上が優先されるということではなく、4つの考え方に分類されるということで分けている。プライオリティという意味ではない。

青山座長

 6.公共交通ネットワークの形成について、ご意見をお願いする。

吉川委員

 目標像として“人と環境にやさしい公共交通”と“まちのにぎわいを支える公共交通”の2つが出されているが、それぞれに施策展開の方針、シナリオを作り込んでいくのか。

事務局

 その通りである。

吉川委員

 まちのにぎわいを支えるという部分はどこにあるのか。

事務局

 9ページ以降の公共交通ネットワーク形成の目標像になると考えている。例えば、都市構造を支える交通ネットワークの形成や、まちづくりの方向性を考慮した交通サービスの提供、拠点間の連携や地域内の回遊性の向上が、交流や都市基盤の形成につながるという考えである。

吉川委員

 7ページの右図と主な施策例はどう見ればいいのか。

事務局

 本市は、南北方向に優れた鉄軌道網と、市域のかなりの部分をカバーしているバス網があるが、合併により発達した地域拠点の東西方向の結節が弱い状況にある。破線で拠点と拠点を結んでいるのは、路線バスはあったりするが、さらに強化を図っていくような考え方もあるのではないかということを表している。
 また同時に、各拠点に人を集めるために、拠点への交通アクセス機能も考えるべきであるということで、地域拠点周辺などではバスや自転車、その他のエリアではそれに加えて自動車やコミュニティバス、乗り合いタクシーなどで、拠点へのアクセスや地域的なカバーをしていき、既に高密な公共交通ネットワークがある都心周辺を含めて、全市的に一定のサービスを確保していく。そのときに、各施策例によって利用促進や利便性向上を図っていくということを表している。

吉川委員

 方針があって目標がある。目標に対して施策展開の方針がある。その方針に従って具体的な施策が決まっていく、こういう構成である。それがかなり簡潔に書かれているのでわかりにくい。もう少し丁寧に書いたほうがいいと思う。

事務局

 関係性がわかるように工夫する。

新田委員

 先ほどの私の質問とも関係するが、9ページで広域ネットワークが最初に出てくる。6から7ページでは堺市内のことを重点的にイメージした内容となっており、広域ネットワークなど都市間連携についてもう少し詳しく書いたほうがいいのではないか。

事務局

 13ページにそのようなことにつながる図を記載しているが、順番などを工夫する。

廣田委員

 先程、方針に優先順位はないということだったが、堺のイメージがあって、次にネットワークの形成となっている。地域内の交通網が充実できていないのにネットワークと言われても、市民としてはまずは地域の交通を活かしてほしいというのがニーズだと思う。それと、例えば、泉北高速鉄道は料金が高いと言われているが、そういうことが改善されなかったら、このまま自動車依存になったり、買い物難民と言われる方、特に高齢者がいたりするので、まずは地域の中の交通を充実しないとネットワークの話まで行かないのではないかと思う。

事務局

 地域の交通が大事だということは十分に認識しており、資料には地域内の公共交通についても書かせていただいている。そういったところもご議論いただき、最終的にどういう順番で行くかというのは全体を見ながら考えさせていただきたい。

野村委員

 大学の先生も来られているのでお聞きしたいが、中心市街地の公共交通ネットワークを考えるにあたっては、堺市を通過するだけの交通を排除しないといけないと思う。この点について計画案の中ではあまり触れられていないが、車を排除するという方向性で公共交通ネットワークを強化していくのであればどういう方法があるのか教えていただきたい。

新田委員

 日本は今おっしゃった点が一番弱いところで、公共交通を優先するというのは非常にいいことなのだが、車に対するムチの施策がなかなか打てない。だからどっちつかずの状況となっている。ヨーロッパではいろんな施策を打って、両輪でやっている。方法としては、1つは物理的な方法で車道を狭くするとか、入口部に門を設けて狭めていくという方法がある。また、シンガポールやロンドンでやっている経済的な方法としては、日本では高速道路でお金を取るが、一般道で環境や渋滞対策としてお金を取る、ロードプライシングという方法がある。また、法規制的な方法として、許可証を発行してそれ以外の車を走らせない方法がある。そういう物理的、経済的、法規制的といった3つの大きな方法でやっている。
 堺市で何がいいかというと、法規制的な方法はなかなか難しいだろうから、当面、車道を狭めて自転車や歩行者、バスに譲るなど、道路空間の再配分からやっていくのが1つではないか。そのときは、狭い道路だと一方通行化や、法規制的な方法もあるが、じっくり議論して合意を得るようにしないといけない。迷惑を被られる人も出てくるので、その人たちに対してどう保障していくかも併せて考えていく必要があると思う。いろんな方法があるので何が最適かは言いにくい。

吉川委員

 今のは分担率の話かと思うが、現状の公共交通と車の分担率を大枠として都市部だけで解決するのか、といったことが方向性として示されないと、環境にやさしいということもなかなか実現しにくい。ネットワークの部分だけが充実していて、軸がいっぱい書かれているが、なぜその軸なのかというところが全然ない。堺大和高田線がなぜ東西連携軸になったのか、シンボルロードは大小路線と書いているが、なぜこれが参考なのかわからない。堺大和高田線は公共交通の軸になっているのか。シンボルロードは交通軸として捉えられないのか。

事務局

 堺大和高田線は、堺浜方面に新たなバス路線が設定される中で、かなりのバス路線が入り始めている。この道路を東西連携軸としている理由は、堺浜方面もそうだが、堺市駅や、さらに東側と連携していく場合に一番短絡して結べる道路ではないかということである。
 シンボルロードをなぜ参考としているかについては、シンボルロードは公共交通軸という形ではなく、都心のにぎわいなどの機能を担う歩行者優先の道として活用してはどうかということで、併せて記載するほうがいいのではないかということで示している。

吉川委員

 堺東駅から堺駅間では、1日何人が公共交通で移動しているのか。

事務局

 シャトルバスの利用者数は、統計上の数字では1日当たり5,000人ぐらいであり、過去に南海バスからもう少し少ない数字も聞いている。

吉川委員

 1日当たりもっと多い6,000から8,000人という話もあるが、それは公共交通軸にとって無視していい数字なのか。

事務局

 堺駅から堺東駅をダイレクトに結んでおり、そういう需要があり、1つの大きな動線であるということは認識している。ただし、ネットワークを考えたとき、堺駅から堺東駅だけでいいのかという議論の中で、堺浜方向や、堺市駅、さらに東側、都心と各拠点や周辺市を結ぶ公共交通として考えたときに、堺大和高田線が1つの案になるのではないかということで示している。

吉川委員

 都心の交通軸としてここを設定するにふさわしい理由が書いていないのでわからない。ネットワークがいきなり出てくる。南海高野線の連続立体交差事業という長期的な取組みがあり、南海本線も立体交差にする。東西を結び、堺の一番の弱点である東西方向の鉄軌道軸を定めようという方向性は変わっていないと思うが、どこを軸にするかという議論がきちんと整理されていない中で堺大和高田線と書かれており、大小路線はなぜ歩行者優先にしていくのかがわからない。都心活性化のプランとここは深く係わる話だと常日頃申し上げている。どの部分を都心と捉えるのか。これまでは堺東駅から堺駅間を1つの都心として捉え、一体的に運営することによってその効果を得ていこうという考え方があった。しかし、その軸を歩く道だとして、堺大和高田線に変えているが、なぜそうなるのかがよくわからない。

事務局

 17ページに都心内交通の考え方として、広域的なアクセス性の向上、他の拠点との連携強化、当然都心の中も含めた東西交通軸の強化、さらには観光という要素がある。これらを考えた上で図に落としてみると、18ページのような形になったということで理解いただきたい。

吉川委員

 理解できない。

井関委員

 都心の東西軸に関しては、時間を取って意見を出してもらったらいいのではないかと思う。あり得るのは、堺大和高田線、大小路線、そして大阪中央環状線しかなく、その中でどれをどうするのか。過去の案と今の案が違っていたりするが、経済情勢や市の考え方やいろんな条件があり、最後は何が正しいと決められない部分も残ると思う。もし考え方の違いがあるのであれば、一定の期間をかけて、やり方、方法などを定めて、ある程度の方向性までは出していくのがいいと思う。この件に関しては、数年間の中で意見の違いもあったり、実行する段階でうまくいかないという事情もあったりしたので、特出しで、皆さんに意見を出していただき、方向性まで出していければいいのではないか。

青山座長

 東西連携軸をどこに持ってくるかというのは非常に核心的な議論で、計画の一番大事な部分になると思う。特に都心部の活性化やにぎわいを取り戻すためにはどちらがいいのか、それから実現可能性も考えなければいけない。ここで少し時間をかけてきちんと決めておかないと、また先に行ってやり直しということになっても困るし、次の実施計画を作るときの枠組みを設定したことにならないのでは意味がないので、十分な議論をしたいと思う。

廣田委員

 広域連携軸になっている大阪中央環状線は、モノレールや新交通で考えているのか。

事務局

 20ページに考え方を示しているが、非常に長距離を移動するような広域アクセスを支えるという点からは、速達性や定時性、輸送力を考慮する必要があるだろうということが1つ。それから、大阪モノレールが門真まで供用されており、大阪中央環状線の道路交通量などの現状も踏まえた中で、高架等の専用軌道を持つ交通軸の導入が広域連携軸として考えられるのではないかということで示している。

廣田委員

 いろんな案が出ているが、財源や費用負担、維持管理のこともある。もしLRTを通すのであれば、維持管理や費用面などの提示なしで、どこがいいか決めてくださいというのはちょっと無謀ではないかと思う。ここがいいということは言えるが、それが本当に実現できるのかどうか。結局できなかったら、話し合いはなんだったのかということになってしまう。このネットワークは現実味を帯びていないというか、理解しがたい。

事務局

 計画ができたらすぐ着工するとかではなく、大阪中央環状線は広域的な軸となる道路であり、公共交通を整備するとしたらモノレールなどになる、といった位置づけをまずやりたい。ただし、事業性や採算性、需要、関係市との協議など、本当にやっていくにはまだまだステップや課題がある。また、都心の道路形成を見た場合は、こういう位置づけの公共交通としてはこうではないですかといった考え方を示していこうということで、すぐに事業化するということではない。

井関委員

 一般論として財源が限られているということがあると思う。計画だけであれば話し合い、いろんな意見を盛り込み、生活の事情を最大限考慮してということになると思うが、今の日本、そして堺もそのような情勢にはないということを踏まえる必要がある。あることを取れば、あることを捨てなければいけないという部分も頭の中に置かざるを得ない。
 検討の段階で採算性や事業ができるかどうか検証すると言われているが、逆に言うと、どの案であれ、全部はできないし、もしかしたら市民の皆さんが期待するようなところまでできないということをあらかじめ前提として置かざるを得ない財政状況だと思う。基本方針として、その後にできないということも避けなければいけないし、総花的に盛り込んで何も絞れないということも避けないといけない。逆にある程度絞り込みながら役に立つ部分に投資するということもある。財政状況、時間の問題、そして意見の集約、その3つがこの資料から漏れているのではないかと思う。

青山座長

 最初の議論にあったと思うが、我々はどこまで、どういうアウトプットを出すのかという話である。最終的にこれが一番いいというものを示すためには、お金、市民の合意形成、あるいは空間の話、全部検討しないと出てこないわけだが、検討会議ではたぶんそこまで集約できないと思う。だから、まずはどこがいいのかということを、お金などを詳しく検討しないで出そうとしているわけだが、もしそれが問題であるのであれば、パーソントリップ調査が終わるまで待って、需要予測も含めてやらないと採算性も考慮できないと思う。今我々がやろうとしているのは、目標から方向性の中で、こういう案がいいのではないかということを出そうとしているのだろう。

吉川委員

 たぶん軸にどういう手段を持っていくかが抜けているのでややこしくなると思うのだが、堺市は平成20年6月に堺市の交通ビジョンを出している。この中で、道路としての機能軸や、生活圏でのネットワークといった軸をいろいろ検討しており、エリア分けをして軸を定めている。将来、確かにモノレールという話もあり、書いておかなければいけないということもあるが、100年経ってもモノレールは堺に来ない。堺が取り組んでいる高速道路の環状道路があるが、これも大きな軸ではないか。ネットワークの考え方に、どういう交通のネットワークなのか、車に当面依存しないといけないとか、道路のネットワークだとか、そういうことを明記するとわかりやすくなると思う。

青山座長

 それは18ページに大体書いてあると思う。東西連携軸は鉄軌道とは書いていない。

新田委員

 堺市民として一番重要な点はそこだと思う。道路の軸の議論をここではしておらず、公共交通の軸を議論しているので、大阪中央環状線があり、そこに公共交通をどう流していくか。堺大和高田線やシンボルロードにどう流していくか。その公共交通論をここで議論すると思う。そのときに、今日の段階ではどういう視点で軸を評価すればいいのかがなかなか見えず、もう少し整理したほうが良い。例えば中環モノレールはかなり広域、北大阪から回ってくる話になるので、パーソントリップ調査の精緻な需要推計が必要になる。財源の話もあるので、2100年で考える話になるかもしれないし、覚悟があるのだったら堺市民として2050年にやるという覚悟をしたらいい。また大阪府や他者との関係も出てくるので、そういう制約条件もある。
 東西連携軸は、シンボルロードのある意味代替路線になるのかもしれないが、臨海部や都心から東側をつなげていくときの意味づけをしっかりしておかないと、軸の性格が出てこないと思う。交通手段としてはLRTや基幹バスが具体に挙がってきており、堺市でやれる話になってくると思う。その辺をもっと精緻に議論する必要があると思う。
 いずれにしても、そうしたときに、堺市にとってどう効果があるかをしっかり評価していないと難しいと思う。観光軸などはわかりやすい。拠点間連携軸や、堺市内の話はここで十分議論できると思う。ここはしっかり議論しないと駄目だと思う。

青山座長

 恐らくシンボルロードと堺大和高田線と大阪中央環状線の3つの議論はもう1回か2回やらないといけないだろう。我々は公共交通を議論している。公共交通には鉄軌道、バス、専用路線を持つバスなどいろいろあるが、それをどう通すか。事務局が提示しているシンボルロードの大小路線は、今のバスはそのまま残して鉄軌道を通さないということか。

事務局

 シンボルロードとして整備した経過を考えると、電気バスが適切でないかという案を提示している。

青山座長

 堺大和高田線は何らかの鉄軌道を作るということか。逆に言うと、シンボルロードに鉄軌道を通す案というのはなくなっているということか。

事務局

 専用の走行空間を持つ路面公共交通を入れるとすると堺大和高田線が一番近い存在ではないかということで書かせていただいている。必ずしも鉄軌道という限定はしていないが、道路の中に専用の走行空間を持つとなると、かなり物理的な条件がでてくる。

青山座長

 なぜそうなっているのかという説明が足りないと思う。

事務局

 資料をできるだけ整理させていただきたい。

井関委員

 都心の3つの軸を決めるときに、案としてよいもの、実現が容易なもの、お金の問題、いろんな要素があると思う。案の段階だけでなく、実行段階でも競わせることが必要だと思う。昔と違い、順番の問題でいずれは自分のところにも回ってくるというような時代ではない以上、お金の面でも合意のとりまとめの面でも、競わせるというか、一番いい案を取ることが堺市民84万人の税金を使うという意味でもいいのではないか。堺東をやったら、すぐ美原にできる、鳳にできる、泉ケ丘にできるというような時代であればそこまでする必要もないし、順番にやっていけばいいと思うが、財政状況も限られており、人口は減る。お金、時間、合意の面で一番いい案を選ぶ。一番でなくてもベターなものを選ぶという社会的な要請が高まっていると思うので、ある程度先を視野に入れながら、手法面で検討に値するような案を2、3、ここで挙げれば、来年以降に実行しやすい。その辺が現実的だと思う。

青山座長

 都心内交通ネットワークに関する議論はもう1度するとして、少なくともここで皆さんが議論できる材料として、財政的にはこの案はこういう問題がある、合意形成の上ではこういう問題がある、まちのにぎわいではこういう問題がある、といったいろんな角度からそれぞれの案を比較検討できるような資料をこの会議に出していただき、その上で議論しないといけない。18ページしか比較する情報がないので、ここをもう少し拡充していただく必要があると思う。

青山座長

 7.地域内公共交通の充実についてと、8.公共交通の利便性向上・利用促進について、ご意見、ご質問をお願いする。

上野委員

 子どもが重い障害を持っていたので、私は50年間、公共交通には全然関係なく、いつも車で移動して、バスとかに乗ったことがなかった。昨年、子どもが亡くなり、1年間だがバスを利用するようになったが、これでは絶対に障害者は乗れないと思った。バス停に行き、いつバスが来るか時間は書いているが、その5分ぐらい前に行っても、時間が来てもバスは来ない。ひょっとしたら行ってしまったのか、屋根もないところでそんな不安を感じた。たぶんうちの子どもが元気にしていても、車がなくてもバスでは動けないなと思った。
 また、おでかけ応援バスがあるが、バスに乗っても、今日は5日だからこれを使えますよとか何も書いてない。これは出したら駄目なのかと思う。せっかくおでかけ応援バスを作っていただいても使えない。もっとみんなが使いやすい公共交通機関にしてもらえないことには、いつまでたっても、車を使えない人はどこへも行けない。これが本当の障害者の現状である。もっと市民の声を聞いて計画を作ってほしいと思う。

青山座長

 とても大事なことである。人にやさしい公共交通というのが最初の目標になっている。

事務局

 堺市内の路線バスは、他都市と比べてかなり充実していると思う。ただし、バスは道路空間を走る関係で、そのときの他の車の交通量や、道路上で何か事故が起こって渋滞が発生している、あるいは同じ1日でも通勤によく使われるような朝の時間帯が混む、あるいは信号の多いところでは混み合ってしまう。そういった諸状況により、交通事業者は毎日の運行で苦労していただいているが、時間どおりバスがバス停に来るという定時性の確保は、必ずしも100%実現できておらず、遅れが生じていることがあるのが実情である。

上野委員

 今どこにバスが来ているのかがわかるバス停もある。しかし身近なバス停にはなく、行ってしまったかどうかわからない。お金がかかるかもしれないが、そういったこともしてもらえればと思う。

事務局

 人と環境にやさしいということを目標に書かせていただいている。今おっしゃられたことに向けて、ノンステップバスの導入など、高齢者や障害者の方が少しでも乗りやすいように、少しずつ取り組みを進めている。また、ふれあいバスやみはらふれあい号においても、障害者の方に対応した車を使うようにしており、市としてもできるだけそういうことを推進していきたい。

廣田委員

 交通権、交通弱者にとって移動の確保というのは必要だと思う。福祉も関係してくると思う。STS(スペシャル・トランスポート・サービス)は充実しているのか。

新田委員

 交通弱者という言葉は移動困難者や移動制約者という言葉に変えたほうがいいと思うが、公共交通サイドからは、できるだけたくさんの移動制約者に乗ってもらおうということで、ノンステップバスや乗り合いタクシー、情報提供などいろいろやっている。ただし、それだけではカバーできないので、福祉有償運送分野があって、そこではSTSというドアツードア型のサービスを提供する。タクシーは高すぎるが、NPO型でやれるところはそこでやると。そういう両方が回っていかないとなかなか救えない状況かと思う。

上野委員

 福祉有償サービスは私どもの法人でもしている。利用者もいるが、そうではなく、一般の皆さんと一緒に乗りたい。地域から、家の近くのバス停から乗って行きたいという思いがある。

青山座長

 堺市でロケーションシステムはやっていないのか。

事務局

 PTPSということで、大阪和泉泉南線の一部区間でバスの接近情報をバス停で表示するシステムを導入している。

青山座長

 最終的にはバス専用レーンにしたいが、お金のかかることである。ほかの都市でも定時性を確保するためにいろんな工夫をしている。バス優先システムということで、バスが走ってきたときに無線等の情報が入り、信号も一定バスを優先するように制御したりしている。いろんな方法があるが、それぞれいろんな問題があり、すぐにはできない。しかし、これは一番大きなテーマにしているので、人と環境にやさしい公共交通に向けて、実現していく必要があると思う。

上野委員

 おでかけ応援バスの中に、65歳以上は5・10日は100円で行けますと書いてはいけないのか。

事務局

 南海バスと近鉄バスに運行してもらっているが、堺市内だけを走っていないバスもあるので掲示しづらいと思うが、バス会社に確認する。

川口委員

 私は、バス路線のPRの貧弱さをもっと補強したらどうかと思う。例えば、堺市の各区の地図にバス路線も書いてあるが、細い線で、小さい字でバス停を明示してある。その路線がどこから出発して、どこへ行くかがはっきりわかるようなPR資料はあるのか。堺市内のバス路線網はこれだというような1枚の資料を作って、バス停の所在地やバス路線の方向など、すべてその地図を見ればわかる、堺市は観光都市と言っているが、観光地図の中でも地域交通編を作ってはどうか。

青山座長

 バスだけを説明するようなパンフレットなどはないのか。

事務局

 1つの地図に、すべての事業者のバス路線を記載し、バス停ごとの時刻表や路線などの情報を入れたバスマップを地域によって作成されているケースがある。堺市内でも、昨年度に美原区で、バスの利用促進をもっとやっていかなければいけないということで自治連合会から提言があり、区役所、バス事業者、市役所等と協力してバスマップを作成し、全戸配布した事例がある。

青山座長

 33ページの上から3つ目の情報案内の強化、この中に入るのだろう。

事務局

 その一環として取り組んでおり、今後も検討していきたいと考えている。

川口委員

 全市的なものがない。

事務局

 今後考えさせていただきたい。

中西委員

 交通計画をこの場で決めるのか。路線を決めるのか。この委員会に決定権があるのか、それとも意見を諮問するのか。このまとめは、地域の皆さん方の意見を聞いてまとめているのか。

青山座長

 そういうプロセスを後ほど踏むことになる。

中西委員

 ここに代表で来ているが、皆さんの声も聞かずにこれを計画としていいのか。

事務局

 市民全体に示していく前に、まず市の考え方をまとめたい。市の考え方をまとめるにあたって、市だけでなく、関係者の方からまずいろんな意見をいただき、それをもって市としての計画を作る。それを今度は市民の方に示す。

中西委員

 先に地域の皆さんの意見をまとめて、それをこの委員会に出して決定するのだったらわかる。でも、ここで形式みたいなことをやって、これで決まりましたと地域に持って入るのか。また地域に聞いて、これを変えるのか。

事務局

 当然地域の中で意見をいただいて、必要なところ、特に地域内の交通などでいろんな意見があれば、変えるところは変えていかなければいけないと思っている。

中西委員

 地域でバスを利用している方々の意見を十分に聞いて、まとめたものをここで審議してもらうのならスムーズな話になると思う。代表ということになれば我々は責任を持って答えなければならず、簡単にここに出られない。大変かもしれないが、そこまでやらなければ。バスが赤字になったとき、あなたの責任で言ったのだから乗りなさいとならないか。現実はどうか、これをこうしたらどうかという地元の意見を聞いて、それをここで審議してもらうのならいいと思う。

井関委員

 従来であれば、すべての地域の声を聞いて、必要なことは全部できた時代があったと思うが、ここ数年、あるいは10年くらいの堺を見ると、そこまでお金がなく、1回事業をしたら他の地域にすべて回ってくるわけではないという時代に近づいている。そういう時代にあって、どのように合意なり方向性を形成するか。地域住民の声を聞かないとおかしいというのはそのとおりだが、住んでいる人だけではなく、勤めている人や観光でやってきた人などの声を、市税を使って事業するときに反映させるのが弱かったために、市が案を出しても住民から違うものが出てくる。ここでは、最後は住民に了承を得るとしても、その前さばきとして、実現しそうな案を出した上で、その可能性を探っていく、事業の実現に向けるというところまでは要るのではないか。

青山座長

 最初に市民ワークショップをやり、かなり意見は集約していただいている。また、市民意見を募集し、市議会議員にも出ていただいている。この会議としては市民意見をできるだけ吸収しながら並行して進んでいっているということだろうと私は思っている。

事務局

 この会議の前に、市民ワークショップを計5回開催した。また、市民意見の募集によりできるだけ市民の声をいただく。これまでも交通関係ではいろいろな意見をいただいているので、そういうものを集約して計画に反映するような形を取っている。

中西委員

 自治連はそういうことを聞いた覚えはない。

青山座長

 市民ワークショップを通じて意見は一定集約してきている。また、資料1にあるように、2カ月間にわたって意見をお聞きした。これから先も意見は聞いていくわけですね。

荻田委員

 自治連を代表して出ていただき、それをもって市民の声をすべて聞いてとりまとめたと言われると難しいということだと思う。最後までこの場で話を進めてしまって、そこでパブリックコメントをすると、ここに来られている委員の責任が重くなると思うので、これは私の提案だが、中間とりまとめをしたぐらいで1度市民の意見を聞くような機会を設け、そういう意見も聞かせてもらった上で、ここでさらに議論を進めるという方法もあるのではないかと思う。

松田委員

 この会議はどの時点で結論が出るのか。商工会議所は従来から東西交通の必要性を要望し続けている。会議所が寄って立つところは産業界であり、まちの活性化や都市の持続的発展といった観点からの必要性を従来から言ってきている。
 今回、ネットワークなどについていろいろ意見が出ているが、なぜすっきりしないかというと、都心活性化のグランドデザイン、とりわけ中心市街地活性化をどうするのかが全然ない。本来なら都心活性化の事業がこのように展開し、その交通計画を、公共交通を交えた中でどう解決していくのかという説明があれば理解しやすいが、上っ面だけの話が出ているので理解しにくいと思う。病院跡地等、将来の公共事業計画があり、それを交通はどうしていくか、人を呼び込んでいくのか、そんな話があれば頭によく入っていくが、この中にそういう具体的な事業との関連がない。今日一番驚いたのは、堺大和高田線が東西交通の軸になっていること。都心の中の重要な路線になると思うが、事業的にどんな位置づけになるのかの説明がないと、ここが東西軸であると言われてもよくわからない。
 今申し上げたのは、商工会議所としての意見ではない。商工会議所は、意思決定機関を通じて市に対する意見を毎年予算要求と絡めて出しているが、これがまとまったとするのであれば、それを踏まえて商工会議所の意見を出すことになる。まだであれば、今年度は、この点について反映してもらえるような商工会議所の要望意見になると思う。もう1度フィードバックしていただけるということだが、それがどの時点になるかによって違ってくる。

青山座長

 今日はネットワークについても、地域交通についても、これで終わったというわけにはいかないようなので、継続した議論が必要だと思う。特に商工会議所の方が言われたように、軸と都心活性化の関係がわからないということは皆さんもそう思っているようなので、都心のまちづくりとの関係に重点を置いた形で軸の話をもう1回する必要があると思う。
 中西委員の意見は、地域交通に関してだけとは思わないが、市としては市民意見を聞きながらやって来ているつもりだと思うが、それが届いていない感じである。
 継続して議論する必要があると思うが、事務局、日程的にはどうか。

事務局

 8月議会がある関係で、次回はそれ以降の開催になるが、本日の意見を踏まえて検討し、必要な資料を作成の上、再度、本検討会議で議論をお願いしたいと考えている。

青山座長

 また、各団体から来ていただいている方のここでの発言は団体の意見となるのか。個人の意見でも構わないのか。

事務局

 実情をよくお知りの方という意味で代表という言葉を使わせていただいた。例えば、障害者団体から来ていただいている方はそういう実情をよくお知りなので、それを踏まえていろんな意見をいただきたいという意味である。ここでは個人の意見で結構である。

青山座長

 自由に自分の考えに従って発言していただければと思う。

事務局

 次回の日程は、決まり次第ご連絡させていただく。これをもって、検討会議を終了させていただく。ありがとうございました。

以上

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