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堺市長記者会見 令和3年8月3日

更新日:2021年8月10日

モニター掲示資料

市長

 本日新型コロナウイルス感染症、そして、ワクチン接種の状況、また、新しい取組として、福祉×ICT、今回は高齢者の健康管理支援についてお伝えいたします。

新型コロナウイルス感染症

 まず、新規陽性者数と感染経路不明者数の推移です。
 先々週ぐらいからぐぐっと新規の陽性者、この青い棒グラフのところ伸びておりまして、現在も拡大しております。東京では4,000人を超えるという日もありました。大阪では1,000人強ということですが、堺市におきましても先週よりぐぐっと伸びていると。そして、このグレーの線が感染経路の不明率というものを今回から加えております。こちらオレンジの線が感染経路不明者数の1週間の平均、そして、青い線が新規の陽性者数、新規の陽性者数に占める感染経路不明の割合というものを、このグレーの折れ線グラフで示しています。今、日々の新規の陽性者が公表する中で、感染経路が追えない、どこで感染したか特定できないという割合が大変高くなっています、70%近く。ですので、この割合が高いということは、濃厚接触者の様々な対応をしたとしても、まだ市中で発生している割合が高いということですから、まだこの新規の陽性者数というのは現状にとどまらず、これからまだ伸びていくんじゃないかというふうに懸念をしております。今この角度としましては、第4波のぐぐっと伸びてきた状況と非常によく似ているということです。後ほどまた年齢構成をお伝えしますが、高齢者の割合は少なくなっておりますが、その分若い方、特に30代以下の方が伸びているという状況です。昨日から緊急事態宣言の対象地域に大阪府が加わりまして、今月末までがその期間となっております。
 第4波のときというのはどこまで増えるか分からないと、毎週毎週倍増していくような強い危機感というか、もう危機の状況にあったわけでして、入院であったり重症者の方も非常に多くなっておりました。今この状況ですぐにもう下降に入るということは考えにくい状況ですので、市として対応を厳重警戒で今臨んでおります。
 直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数、大阪市はぐぐっと伸びておりまして、10万人当たりの人数としては、大阪府、大阪市よりも堺市は少ない状況ではありますが、同じような角度で今増えつつあると、急激に増えているという状況です。
 そして、陽性率の推移、このオレンジの線が陽性率ですね。一部の福祉施設の従業員の皆様に対する集中的な検査、今も実施を継続して行っております。こちら無症状の方が多いので、それらの方を除いた、実際に医療機関等で陽性検査が必要だとされた方に対しての陽性率、昨日現在で6.8%です。この割合も第4波と同じように、今ぐぐっと上がってきている状況です。
 そして、療養者数の推移が、これまでと違うところです。今、この最も第4波で警戒をしていたところは、重症者数でした。一時期は50人を超えるという大変な状況でした。今この感染がぐぐっと伸びている、陽性者が増えている状況で、重症者の方はお一人の市民の方となっておられます。先週と同じ方でして、今の段階では重症者が増えているという状況ではございません。ただ、お一人の方早く回復されることを願っております。
 そして、一方で入院されている方、先週までは大きな増加は見られなかったんですが、ここ1週間でぐぐっとこちらも伸びてきています。そして、宿泊療養が点線のところです。第4波のときは自宅療養者の方が多くて、大阪府内全体を見ても一気に新規の陽性者が増えたということがありまして、自宅療養される方が大変多かったと、その経験も踏まえながら第5波、今の現状では宿泊療養を積極的に推奨していたという状況もあります。ですから、宿泊療養の割合が多く、そして、自宅療養が幾分下がっているという状況ではあります。ただ、政府の発表でもあったとおり、自宅療養を方針転換すると、自宅療養を中心とするというふうな話もありました。堺市としても第4波の経験を踏まえながら、自宅療養者に対する支援を随時大幅に拡充してまいりましたが、今回これからまだ新規の陽性者が拡大している局面で、自宅療養者に対する支援をきちんと適切に行っていきたいと考えております。
 こちらが堺シグナルのモニタリング指標として公開している数字です。
 傾向としましては、やはり30代以下の方が最も多く、そして、60代以上の方はもう毎日一桁になっております。そして、直近ではさらに30代以上の割合が高く、昨日時点では66%。そして、高齢者の方は6%と少ない状況は変わりませんが、40代、50代の方もワクチン接種今進みつつありますので、さらに若い方がじわじわと増えてきているという状況です。
 こちらが、100%のうち何%をそれぞれ占めるかというグラフです。40代、50代の方横ばい、もしくは幾分減少傾向にあります。高齢者の方は10%以下を推移していて、若い方々が多い状況です。
 こちらは割合ですが、実際の実数で示したグラフがこちらです。
 第4波のときはまだワクチン接種が始まっておりませんでした。医療従事者の方は始まっておりましたが、一般の方はまだでしたので、このときは感染拡大が大幅にぐぐっと拡大していく状況の中で、全年代が同じように上がってきていました。一方で今高齢者の方ワクチン接種がほぼ完了して、そして、40代、50代の方も進みつつあるという状況で、実数を見ますと高齢者の方は全体の母数が増えていますので、その中でも感染される方はおられますが、ただ第4波と比べると大きくは高齢者の方は増えていない。一方で若い方、30代以下の方が急激に伸びているというのが今の状況です。若い方だけ、30代の方だけを見ると、第4波と近いところまで上がってきております。
 今の状況で、緊急事態宣言が発出をされました。もともと大阪府で軽症、中等症の病床使用率が50%を超えたらということを吉村知事も公表しておりましたが、それより先に恐らく予防という意味も含めて、大阪は早く対応するということで、緊急事態宣言地域に加えられたと考えております。
 第4波と比較をしますと、今もう病床があふれてひっ迫していると、もうこれ以上は受け入れられないという状況ではありませんが、ただ、今の状況を、伸び率を見ますと、早晩そうなることが想定されます。そういうことを考えると、今の緊急事態宣言というのは大阪にとっても私は必要な対応ではないかというふうに考えています。
 ただ、皆さんもお感じになっていらっしゃるとおり、緊急事態宣言は今回が四度目です。最初の緊急事態宣言というと、もう本当に日本全体が緊張の中で迎えたと思うんですが、もう今この四度目の緊急事態宣言は何度も出していて、だんだんその意識であるとか、効き目が弱くなりがちであるということがあります。ですから、堺市としても保健所の対応をさらに強化をしながら、そして、自宅療養者の支援を徹底して行いながら、さらにその上で市民の皆様にも呼びかけを行うというところで、ポイントを絞ってお伝えをさせていただいております。
 こちらは先日、土曜日の対策本部会議で協議した内容です。
 夏休みの旅行、お盆の帰省は控えてくださいと、ワクチンを接種されていても、お盆の帰省、旅行は極力控えていただきたい。特別な事情があればそこは仕方がありませんが、やはり移動、そして、その移動に伴う飲食の機会、マスクを外して会話をする機会が増えればやはり感染が広がることにつながりますので控えていただきたい。そして、マスクや手洗い、この感染対策、最も有効なのがやはり基本的な感染対策だと考えておりますので、引き続き徹底をしていただきたい。
 そして、ワクチン接種後も感染対策の徹底をしてくださいということです。
 私もご高齢の方ワクチン接種をされた方とお話をする機会がありますが、その方たち、ワクチン接種をしてもマスクをつけるねということをおっしゃっていただいています。多くの方が今接種をされてもマスクをつけていただく。これが今東京も大阪もそうですが、これだけ感染が増える中でも高齢者の方の感染が一定大幅に抑えられているのは、やはり感染対策を徹底していただいているということだと考えています。
 アメリカのマサチューセッツ州の事例であったと思いますが、7月に発生したクラスターにおいて74%がワクチン2回接種済みだったというデータがあります。その事例を見ますと、お祭りの時期だったらしくて、もう数週間にわたってパーティーが連日のように繰り広げられたという状況です。それで、当時恐らくアメリカはワクチン接種をされたら屋外ではマスクを着用しなくてもいいということでしたので、その中で今感染が広がっている強力なデルタ株がどんどん膨らんでいったというふうに考えております。
 ですから、日本国内でもワクチン接種をしたら緩めてもいいんじゃないのという話がありましたが、今ワクチン接種をされても、気を緩めずに感染対策を行ってください。マスクをしてください。手洗いをしてください。というのは、私はこの強力なデルタ株の対応においては効果的だと考えておりますので、もう少し息苦しい状況は続きますが、引き続き感染対策を徹底して、ワクチン接種をしていても帰省であったり外出であったりマスクを外しての会話だったりというのは、十分に気をつけて過ごしていただきたいと考えております。
 そして、もう一つは若い方です。やはり今若い方の感染が増えているというのは、これはもう高齢者の方がワクチン接種をほぼ終わって、高齢者の方がぐぐっと感染が減っている。そして、50代の方、堺市では50代の方は既に進めており、昨日からは40代の方にもワクチン接種の枠を広げています。これから40代、50代の方もどんどんワクチン接種をされますので、そうすると比率で見たときに、若い方の感染というのはこれからどんどん増えてくると思っています。今66%ですが、これが7割、8割になるような場面というのも出てくるんじゃないかと考えています。どうしても若い方は活動量、行動される範囲が広いので、その中で感染される機会が多いと思います。若い方におきましても、堺市内でも重症となる方がおられます。20代、30代の方で重症者がおられます。そして、海外の事例では、ワクチン接種されていない方がウイルスに感染することで、新たな変異型を生み出してしまうきっかけにもなるという声も聞きます。ですから、ぜひ若い方ご自身の健康を守る、ご家族の健康を守るということももちろんですし、この感染拡大を抑えて、早く息苦しくない日常を取り戻せるように、ぜひ若い方々には友達と過ごされる時間でも感染予防を徹底していただく。会話時は必ずマスクをつける、不要不急の外出はしない、密接密集を避けるということをぜひ若い方、30代以下の方にはお願いをしたいと思います。

 続きまして、ワクチン接種についてです。
 本日の午前9時現在です。高齢者の方2回接種を終えた方が79.7%ということで、約8割の方が2回接種を終えられております。そして、ワクチン接種の今対象となっている12歳以上の方46.1%、約半数近い方が既に1回目の接種を終えているというのが、今の本市の状況です。
 年齢別に見てみますと、75歳以上の方は非常に高い割合で95%以上の方が受けられている。そして、65歳以上の方も83%以上。50歳から64歳、本市では既にワクチン接種を進めておりましたが、50%、約半分の方が50歳以上の方は1回目の接種を終えられたと、そして、40代以下の方は、昨日から40代の方、予約・接種を受け付けたばかりですが、基礎疾患がある方であったり、施設の従業員の方、また学校園の先生、教職員の方には優先接種を行っておりましたのでその方たち、もしくは、職域接種を受けられた方たちが占めているものと考えております。
 今高齢者の方たちほとんど多くの方にワクチン接種をしていただいて、実際に新規の陽性者数・陽性率を見ても、非常に低い値が出ています。本来重症化を防ぐ、死亡を防ぐ、発症を防ぐというワクチン接種の目的ではありますが、この結果を見る限りは予防効果も高いものがあると考えております。今の課題は50歳から64歳、そして、40から49歳、基礎疾患をお持ちでいらっしゃったり、もしくは、基礎疾患がなくても重症化率が高いこれらの層の方に1日でも早く接種をしていただきたいと考えております。
 堺市内の死亡事例を見ますと、40歳以上の方が100%です。40歳以下の方の死亡事例はありません。重症事例を見ても97%が40歳以上です。そういう意味では40歳以上の方に1日でも早く接種をしていただくことで、健康を、安心・安全を守ると、命を守るということにつながりますので、市としても全力で最大限効果的にワクチン接種を進めていきたいと考えております。
 そして、ワクチンの供給スケジュールです。
 新しく今回数字が追加になったところが第12クール目です。8月の後半に供給されるものです。
 この6万9,030回というものは、国の人口割りした最低の数5万4,990回に、大阪府の調整枠を足したものが第11クール目でした。堺市としては、今後も同じような調整枠の配分で供給があると考えていたんですが、実際に今回12クール目6,000回分ぐらい減っております。この分は今まで国がVRSの登録が遅いところは1割減して、その分を調整枠に回すという方針を今回は撤回しておりまして、1割減がなくなりました。その分大阪府への配分というのも少なくなったものと考えておりまして、堺市に配分される量も12クール目減っております。恐らく13クール目以降もこの割合で配分されるものと考えております。数自体の供給量は減っておりますが、堺市としましてこの全体最適を行いながら10月末接種完了という目標は下ろさずに、全力で一日も早く接種を終えられるように取り組んでいきたいと考えております。

質疑応答

(日本経済新聞)

 接種率ですが、高齢者2回目の方がほぼ8割ということで、希望者全員をというのが大前提であるんですけれども、当初4月、5月に伺っていた7割というのは、1つのメルクマールにおいて、高齢者の接種は7月末には終わりたいということはおっしゃっていましたが、この点では一応目標には達したと、少なくとも国が求めていた7月末までにというものは、堺市としては達成したというお考えでしょうか。

(市長)

 はい、そう考えています。
 堺市では、より高齢の方が取り残されることがないように、段階的に優先枠を設けながら予約を受け付けてきたんですね。5月の後半の時点で75歳以上の方の優先枠を設けて、その状況でもまだ予約枠は空きがありました。そして、6月に入ってから65歳以上の方を優先で随時予約を行っておりましたが、そこでもまだ予約に空きがあったということで6月15日の時点で、もう既に接種を希望される方、早く接種をされたいという方はワクチンの接種予約はお済みだったんじゃないかなというふうに考えています。その後も1日に何十名の方、申込みを今でもされておりますが、遅くなった段階でも、7月、8月の段階でも申込みをされる方はいらっしゃると思いますので、まだ高齢者の方これからも引き続き受け付けておりますが、ひとまず7月末の希望する高齢者の方、2回接種完了は目標を達成できたんじゃないかなと考えています。

(日本経済新聞)

 あとワクチンの供給ですけれども、確かに7月にかなり減ったときには、市長からも厳しい、国に対して声がありましたし、聞くところ、堺はかなり早い段階からその問題を提起してた、というふうには理解していますが、あのときに5万4,990回のときに、このペースを守ってもらえれば予定どおりいけるんだといった趣旨のこともおっしゃっていたと思うんですが、その後6万回、7万回という分がきているということは、この量が安定的に供給されるのであれば、堺市としては問題ないということでよろしいでしょうか。

(市長)

 そのときにお話したのは、5万4,990回のペースが続けば10月末は難しいというふうにお伝えしたと記憶をしています。その最低ライン47箱という箱数だったんですが、それが続くようであれば、恐らく11月までかかってしまうだろうということでした。その後大阪府の調整枠がありまして、6万9,000回ということになりましたので、これだったらぎりぎり10月末は可能になるだろうということです。

(日本経済新聞)

 改めて今のペースであれば10月末に希望者全員といいますか、その7割の数字はクリアできそうだという感じですか。

(市長)

 堺市でも毎日のようにシミュレーションを繰り返しながら想定していまして、変動要素があります。堺市で行っている一番固いのは集団接種と大規模接種なんですね、こちらは堺市が主体として行っていまして、もう接種したその日のうちにVRS登録しておりますので、供給された分が確実に使われているということを把握しております。
 一方で、国と府の大規模接種会場は予約が分かりませんので、どれぐらいの方がこれから伸びるかというところは、ある意味ブラックボックスになっております。そして、職域接種につきましても、これも早く登録されている企業さんもいらっしゃれば、VRSを少し待ってから登録されている方もおられますし、また、お盆明けに本格化するような報道も出ておりましたので、まだ職域接種を開始できていない企業さんもおられますので、その辺りもこのペースでいけば、これぐらいの職域接種はあるだろうという想定の下で組み立てています。
 ですので、変動要素というのは大いにありまして、市で把握できる範囲というのは限られていますが、この今の想定では様々ベストミックスというか、全てがうまく合致すれば7月末ということですが、例えば職域接種が11月ぐらいまでずれ込んだり、例えば、堺市の中でも個別接種と集団接種会場の配分比率であるとか、そういうところによっては11月に延びる可能性というのはまだあると考えています。ですので、今シミュレーションを繰り返しているのは、既にその常にシミュレーションが最適であるように、日々の変動を加味しながら定期的に軌道修正を行いながら、医師会の皆さんとも協議をしながら、ワクチンの配分を決めることによって、最終的なその変動を極力少なくしようということをしています。

(日本経済新聞)

 今の供給状況だと、一度閉めた集団接種会場の再開というのは難しいんでしょうか。

(市長)

 今の供給だと難しいと考えていますし、開けている集団会場でも、一時期というか週3回に絞っている会場がありますので、例えば、その週3回にしている会場をまた週7日に戻すということもバッファーとしてはあり得ます。堺市が予約、ぐぐっと5万5,000回まで絞られたときに予約を止めずに済んだというのは、途中でモデルナに切り替わるんじゃないかという想定をしていたんですね。ですから、すごいスピードで進んでいたんですけど、どこかでファイザーからモデルナに切り替わるためには、同じ会場でファイザーとモデルナを使ってしまってはまた、またというか、堺市でも接種に関する問題がありましたので、不具合が起きてしまうんじゃないかということで、ファイザーを一旦閉めてからモデルナに移行するということで、ぐぐっと閉めるようなシミュレーションをしたんですね。ですので、会場を絞りながら予約を受け付けていましたので、その点ではこれまでの接種計画であったり、少しイケイケではなくて慎重に進めながら行ったことが功を奏したのかなと考えています。

(朝日新聞)

 10月末っていう目標は目標として掲げられるということですけど、今の問題は目標の達成時期云々よりも、まずこの第5波をどう抑えていくかっていうことが喫緊の課題と思うんですが、先週もお聞きしたんですけど、先ほど市長も4回目の緊急事態宣言で効果がだんだん薄れてきつつあると、その中でお願いしかやることがないということも重々分かってはいるんですけども、あえてメッセージ性を高めるという意味では、例えば先週も言ったような、職員のリモート率の目標値を掲げて、市民に、市役所としてもこれだけやってるんで協力をお願いしますというような形でのメッセージっていうのを、先週考えておられるというようなお話でもあったんですけども、緊急事態宣言、早め早めに大阪も加えて抑え込んでいくっていう国の姿勢も踏まえて、そこら辺の目標値っていうのは今日の時点で出せるものはあるんでしょうか。

(市長)

 7月31日に開催しました対策本部会議でその目標も示しております。
 まず、テレワークを含めた出勤抑制に関しましては、これまで2割としていましたが、3割に目標を引き上げています。そして、通勤・退庁時のラッシュを防ぐという意味でも時差出勤を行っておりましたが、これは前回の4月、5月の緊急事態宣言時には2割としておりましたが、そのときよりもさらに高く、3割にしております。ですから、出勤抑制3割プラス登庁するにしてもその割合を、混む時間帯は避けるということで、両方とも3割に設定をしています。さらに自転車通勤の推奨であったり、極力来ずともテレワークで仕事ができる。来たとしても密を避けるという取組をしています。
 そしてもう一つは、やはり企業の皆さんにテレワークを改めてお願いしたいということです。昨年の緊急事態宣言であったり、第2波の頃ぐらいまでは企業の皆さんもテレワークを行おうかと熱心にされて、堺もいろいろとメニューを出しながらテレワークの支援を行ってまいりましたが、やはり新聞報道、テレビ報道等見ていますと、企業の皆さんも一時期はテレワークをしようと意識をしていたんだけれども、やはり実地に戻ってしまったという声も聞きます。ですから、今商工会議所さんであったり、様々堺市と関係がある企業の皆さん、団体の皆さんとお話をしながら、アウトリーチでテレワークがまだ行っておられないところについて直接お声がけをして、今例えば国のメニュー、府のメニュー、もしくは市の目でこういう支援をできますよと、こういうことをお願いできませんかということを、この期間に行っていきます。
 ですから、まずは市として先週もおっしゃっていただいたような範を示しながら、そして企業の皆様にもテレワークを改めてこの期間に呼びかけると。ご自宅で、それぞれの社員の方はお仕事をしていただくということを堺市として呼びかけていきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 今の朝日さんの質問に関連はするんですけども、月曜日から緊急事態宣言になったということなんですが、月曜日、堺東の辺り、出勤してきても何の様子も変わってないですし、むしろ高島屋さんなんかはいろいろと夏のセールをして呼び込もうとしてらっしゃるとかですね。企業に関しても、私もいろいろ取材はしているんですけども、去年の緊急事態宣言のときにかなり厳しいというか、措置を取ってみたけれども、やはり事業の存続ということを考えた場合には緊急事態宣言が出るからといってリモートワークに切り替えるの何のというのは難しいと。今後これを前提に提唱的に企業活動していかざるを得ないんだという声も聞いています。ですから、今回緊急事態宣言が出たのが非常に短いタームで出たと。準備も何もできないうちに、「明日から緊急事態宣言です、よろしく」というような態度に対して、やはり慣れというのもありますし、だから何だというところもありますし、しかもこれまでの国も、堺市も、生活もしくは事業の補償はしてくれないんだということをみんな分かっていると。こういう状況の中で、今朝日さんがおっしゃったように、どうやってこの緊急事態宣言を有効、実効を持たせていくのかと。財政出動も含めて何らかの踏み込んだやり方を今、市長としてはお考えなんでしょうか。

(市長)

 まず、企業の経済活動について、例えば財政出動するとなると、莫大なお金がかかります。1人10万円の定額給付金でも堺市民の数を当てはめると800億円以上のお金がかかっているんですね。例えば、休業要請したところの協力金というのは大阪府で実施されていましたが、とても堺市単独で今のこの財政危機の中で、国からの補助金もありませんから、単独ではできません。ですので、様々臨時交付金がある中で活用しながらテレワークの支援であったり、例えば堺市からの支援情報であったり、行ってきました。
 今のこの現状で、じゃあ緊急事態宣言どう実効性を持たせるかということになりますが、今はやはりできる範囲で訴えかけていくしかないんじゃないかなと考えています。市として、じゃあこれ以上財政出動して、例えば、できないですが売上補償とかそういうことも、これはただやっぱり本当もう市だけじゃできないですね。なので、企業の皆さんに訴えかけていく。
 もう一つは、昨年のテレワークのときにもう一歩踏み込めばよかったかなということがあります。それは例えばデジタル化を行っていただくときに、キーワードとして「DX」という言葉がよくありますが、デジタルトランスフォーメーションで、デジタル化をした後にどういうメリットがあるかというのを、なかなか分かっていただけない。分かっていただけてない。これは行政の責任もあると思います。ですから、ただ単にテレワークを行うんだったら、単にデジタル化を行うんだっていうことに終始してしまって、これだと仕事ができないよねということで諦めてしまう方が多かったように感じています。アンケートを実際に取っても、メリットが見出せないと、うちの業種では難しいという声があります。
 ただ、DXの本質というのは、まずはデジタル化ですが、フローを見直すことによってトランスフォーメーションを起こすと。企業のあり方自体を変革するというのが本質ですから、今回緊急事態宣言――テレワークの推奨の期間ですので、ぜひこの機会に、私たちも様々な提案をしながら企業の皆さんのメリットにもつながると、これからますますデジタル化が進むというのは間違いないと思うんですね。ですから、企業の皆さんにもこの機会に様々な今行っている業務の在り方であったり、変革を意識していただくような取組を行っていきたいと考えています。
 その中の1つが、以前お伝えしたオープンデータの取組というものを行っておりますが、様々、堺市としてもプラットフォームを立ち上げながら事業者の皆さんに意識をしていただけるように取り組んでいきたいと考えています。

市長

 福祉×ICT(高齢者の健康管理)

 続きまして、新しくICTを活用した「福祉×ICT」の取組、特に今回高齢者の健康管理支援、睡眠についてです。
 最近、よく特に睡眠の重要さを呼びかけるような報道であったり、雑誌を私自身もよく見聞きをしています。私も市長職を行う中でも、やはり睡眠時間をどう確保するか、なかなか不規則で深夜だったり早朝に業務というか検討課題であったり、判断すべきことが発生しますが、その中でも睡眠というのは健康管理も極めて重要だと考えております。
 ただ、これまで睡眠が重要だと、睡眠をきちんとしましょうねと呼びかけながらも、それを検証する機会というものはなかなかなかったように考えています。
 そこで、今回の取組としまして、企業の皆様、大学の皆様とも連携をしながら、大規模な実証プロジェクトを行いたいと考えております。具体的にはICTを活用しながら睡眠リズムを可視化するシート型の睡眠センサーを、高齢者の皆様に無償で貸出しをして、寝具に設置をして収集したデータを基に睡眠に関する情報を分析する。そして、そのレポートを参加者、ご家族の皆様にお渡しをして、さらに必要に応じて保健師の方から電話による健康アドバイスを行っていただくということです。
 今回、この事業を行うに当たりまして、新たにヘルスケア事業を展開する新会社、NTT PARAVITAという会社を立ち上げられております。そしてNTT西日本、パラマウントベッド、大阪大学大学院医学系研究科の皆様とも連携をしながら、「あんしん睡眠サポート」という実証プロジェクトの名前をつけておりますが、実施をしたいと考えております。
 実際に産学官連携でこのような睡眠シートを通じて健康管理を支援する大規模なプロジェクトは、全国初の取組ということです。実際には、NTT西日本様、パラマウントベッド様にプロジェクトの全体管理を行っていただきながら、そして睡眠センサーの貸し出し、健康アドバイスはNTT PARAVITA様、睡眠データの分析に関する総合的な監修は大阪大学大学院医学系科研究科様に行っていただきたいと考えております。
 対象は堺市民の皆様で、ひとり暮らしの65歳以上の高齢者の方、そして高齢者同士の世帯の方約300人、募集の期間、本日から募集をしたいと考えて、説明会の参加受付を開始したいと考えておりまして、令和3年11月、今年の11月から来年の7月まで実施をいたします。ホームページで掲載をしておりますので、ぜひご参加いただきたいと思います。
 今回の取組を通じまして、将来的には病気など兆候を早期に発見することによりまして、高齢者の方の健康状態の悪化を未然防止することや、介護予防にもつなげていきたいと考えております。
 「堺市基本計画2025」を今年度からスタートしております。市政運営の大方針です。
 その中でも健康長寿は重点戦略の1つに置いておりまして、これまでもこの機会で様々お伝えをさせていただきましたが、今後も積極的に企業や団体の皆様と連携をしながら先進的な取組を行っていきたいと考えております。

質疑応答

(朝日新聞)

 この睡眠のやつじゃなくて、先日北九州の隣の中間市というところで、幼稚園の園児さんがバスの中で取り残されて、熱い中亡くなられるという事件といっていいような事故がありましたが、園のほうの管理体制の甘さっていうのがその後の行政のチェックの中で出てきて、明らかになってきています。
 あそこまでずさんな管理っていうのはそうそうないとは思うんですが、市として市内の幼稚園なり、こども園なり、そういう送迎のあるところの管理体制がどうなっているのかっていうのを改めてチェックされるようなお考えというのは今のところないんでしょうか。

(市長)

 堺市としまして今まで、こども園はじめ児童の施設の方には、密に連携しながらこのコロナ禍でも対応をしてきました。
 本当に先日の事例というのは痛ましい、なぜ気づかなかったのかということを感じています。堺市で例えばアンケートをするというのも今は考えておりませんが、やはり堺にもたくさんのこども園であったり児童施設がありますので、その中で全国で起きた不幸な事例が起きないように、ここは注意をしながら、担当者にもその意識を強く持つように伝えておきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 先日もお伺いしました、伝統産業のブランド化ですけれども、対象企業が決まったということですけれども、対象企業7社をご覧になって、まずは市長の感想といいますか、今後の見通しをお聞かせください。

(市長)

 市としては、やはり客観的な目線も入れながらブランド化を図っていきたい。私たちがいいものを作ってるから売れるんだという、もちろんその矜持というのは重要だと思うんですが、一方で外から見たときに本当に魅力的に映るかどうかということも必要だと考えておりますので、今回の事業については、期待をしているところが大きいというのはあります。
 一方で、その伝統産業の中でも今回申し込む方が業種が少なかった事業もあります。お話を、私もヒアリングした結果を見聞きしますと、自分たちでブランド化したいんだと、自分たちでやりたいんだけれども、外からの意見というのはちょっと違うんじゃないかというお話もありました。そのあたりは、今回、まずはブランド化のワンステップということで事業を実施しますが、これからどんどん広げていくためには、成功事例というのは随時どんどんつくっていきたいんですが、やはり事業者の皆様と思いを共有しながら進めていくことは欠かせないと考えております。ですから、例えば今の現状認識であったり、これからどういうふうに広げていこうかというものを、これから進めていく中で連携していきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 そういう意味では、刃物のほうは「堺刀司」という既にブランドを持ってますし、それから和晒注染も3社が3社とも並んで、それぞれ自分のブランドを持って、かなり成功している業者が先に出てきていると。なので、今さらブランドを作らなくても、自分たちでブランドをしっかり持っている企業が業界の中でも選ばれてしまっている結果となってる。この点についてはいかがでしょう。

(市長)

 今回の選定結果を見て、私が担当者に伝えたのは、それぞれ取り組んでいらっしゃる企業さんはおっしゃるとおり、おられます。ですが、堺全体のそれぞれの伝統産業のブランド化というところプラス今回選ばれていない方々にもブランド化であったり、取組の支援を行えるようにというのをお伝えしております。ですから、今回の事業としては選定企業ということは今回選ばせていただいておりますが、だからといってほかの事業者の皆さんを置いてけぼりにするというわけではございません。しっかりと情報共有をしながら、堺の伝統産業全体の支援ができるように努めていきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 これは以前からお伺いしていますけれども、この伝統産業、和晒注染から刃物、堺の中核的な産業に育てていくんだということをお考えの一歩だということでしょうか。

(市長)

 堺の特色ある産業の一つだと考えています。今、産業アクションプランの次年度開始に向けて計画を練っております。担当者とも今協議を重ねています。
 その内容というのは、やはりこれまでの堺の様々な臨海地域の製造業であったり、例えば今取り組んでいる中百舌鳥のイノベーション、スタートアップであったり、伝統産業、様々事業があります。それを堺の歴史的な視点を見てどう結びつけていくか、どう未来につなげていくのかというのが大事だと考えています。
 ですから、伝統産業は伝統産業ということではなくて、様々なこれからの将来を見据えた取組を行う中で、連携であったり、まさにそこからイノベーションが起きるようなことも私は可能だと考えていますので、視野を狭くせずに、いろんな可能性を導きながら伝統産業の未来をつくっていきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 前もお伺いしたと思うんですけれども、堺のGDPが製造業が多いんですけれども、その中でもやはり石油・石炭が大きいと。ただ、石油・石炭に関しては、ENEOSの決算を見ても分かるように、非常に規模が縮小されている中で、泉北にある製油所というのはENEOSの中でも最も競争力が低いものですから、そういう意味では何らかの中核になる産業を育てないと、堺は外貨を取り込む手段が失われていくんではないかと思うんですけども、その点はどのように反映されていかれるんでしょうか。

(市長)

 産業規模全体を見ますと、堺全体では例えば経済規模でも3兆円から4兆円の規模がありますから、その中で例えば伝統産業の割合というのは、兆単位になるかといったら、ならないと考えています。
 ただ、やはりこれまで脈々と受け継がれてきた産業をさらに発展させていく、それが堺全体のブランドにもつながると考えていますから、地場産業であったり、伝統産業をきちんと活かしていく、つなげていくというのは重要な取組だと考えています。
 一方で、今のこの製造業ですね。これから、例えば石油・石炭というところは少し厳しくなるかもしれません。ただ、日本全体の環境に資する取組で言うと、石炭というのは確かにCO2の排出も多いですし、日本全体で見たときには効率化をしなくてはいけないと考えています。
 ただ、世界的な視野で見ますと、石炭というのは非常に高い割合を保っているわけでして、そこで日本の技術が活かされてくる。石炭による火力発電の技術であったり、様々な取組を日本から輸出することによって、世界全体のCO2排出削減にはつなげることができると考えています。その意味では、今、堺泉北の臨海工業地帯というのは様々な取組を行っているところが多いですから、そこで例えば技術を磨いて輸出をすることも考えられると思いますし、水素に関する企業もありますので、これまで行ってきた石炭・石油だけでなく、新しい産業もどんどん生まれてくる、魅力がある地域だと考えています。
 特に、これから鉄鋼関係であるとか重化学というところはCO2の排出削減が大きく求められる場所だと思いますので、企業の皆さんの取組と、堺のこれからの方向性が、思いが共有できるように進めていくことで、これは全国的にも大きなインパクトを示すことができるんじゃないかと私自身も期待をしています。

(日本経済新聞)

 また、今後ともよろしくお願いします。

(市長)

 お願いします。

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