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受賞者挨拶 大賞 ジハン・ペレラ

更新日:2012年12月19日

 市長、それから選考委員の皆様、また、パネリストの皆様、そして今日ご参集の皆様方、本日、「第1回自由都市・堺 平和貢献賞」をいただき、心から光栄に存じます。堺市では、昔から市民の方たちが、力強い活躍をしてこられました。その堺市民が代表する日本の皆様から頂くということで、この賞は特別な賞であります。また、選考委員のみなさま、私を推薦してくださった皆様、そして私の活動を信じてくださった皆様、それから堺市の人権部の皆様にも今日のこの日のためにいろいろとご尽力くださいましたことを感謝申し上げます。

 この受賞は、私、そして平和のために活動するスリランカの人間全てを大きく力づけるものです。私たちは、ひとりぼっちではない、平和と人権のために取り組む私たちを世界中の善意をもった方々が連帯をもって支えてくださっているのだと示してくださいました。平和と人権活動に取り組む、そして受賞に値する活動はほかにもたくさんあるはずです。そのような中、私を選んでくださいました。今、堺とスリランカをつなぐこの絆が、今後一層深まり、私たちを、世界をつなぐ一つの家族として結び付けてくれることを心から願っています。

 アジアの一員として日本は、スリランカにおいてたいへん高い尊敬の念を集めています。戦争でずたずたになった社会から人権を尊重する社会へと大きく変革させてこられました。そして世界中に援助をなさっています。日本は何年にもわたりスリランカに最大規模の支援をしてくださいました。また、近年では、平和構築のための取り組みを後押ししてくださっています。日本政府は、スリランカへの平和の代表者として明石康様を任命してくださいました。また、平和のための交渉を2002年の停戦期間中、そして2003年に日本にて開催してくださいました。それだけではなく、大規模な2003年7月の支援国会議も開催してくださいました。

 また、市民社会やNGOのさまざまなグループの平和推進活動を支援なさっています。スリランカとスリランカの人々の幸福に対する真摯な思いは、日本政府とその代表者だけに留まらず、市民社会全体にも及び、スリランカの幸せのために、長期的な取り組みをしてくださっています。本日はお二人しか紹介できませんが、今ここに座っていらっしゃる足羽先生、そして中村先生は、何年にもわたってスリランカのために貢献をしてくださっています。

 今回、堺市が創設されたこの賞、そしてそれをスリランカの平和活動に対して提供してくださったということ、これもまた新たな日本の平和活動であると思います。この賞を通じて、堺の方たちは、スリランカそして世界中に日本のメッセージ、つまり国の統治における平和と人権の重要性について強く訴えられていると思います。またこのことにより、スリランカ、そして私が活動しているNPCが世界中と関係を持っているのだということを力強く示されたと思います。今回がこの賞の第一回目授与ということで、私を信頼してくださったことを大変光栄に思い、また感銘を受けています。ご期待に沿えるように、できる限りのことをしていきたいと思います。

 この受賞にあたり寛大にもいただくことになりました300万円をどのように使おうかずいぶん考えました。そして、私の活動を支えてくれた3つの重要なグループの人たちに提供するべきだという考えに至りました。まず、草の根でともに活動してくれている平和活動者の人たちです。この賞金の3分の1、100万円を基金として使い、そして草の根活動家たちの平和のためへの取り組みを支えていきたいと思います。喜ばしいことに、私が所属する国民平和評議会が、私の提供する100万円と同額を出してくれるということになりました。そしてNPC・堺信託基金を立ち上げ、草の根の平和活動家に向けて平和賞を創設することになりました。平和活動は、草の根レベルで数多く行われていますが、国際的な脚光を浴びることはほとんどありません。しかし、そうした人たちが、スリランカ国内で一定の認知を受けることができるようになるのです。

 さらに、私の平和活動は、私が属しております国民平和評議会からの組織的な支援の上に成り立っています。当地の評議員、また、一緒に仕事をしている仲間のスタッフたちがなくてはならない力と見識を私に与えてくれています。そこで賞金のうち、さらに3分の1の100万円をこのNPCの職員の福祉基金に充てて、慈善目的のために利用したいと思います。

 それから最後に精神面で、また、金銭面で私を支えてくれた家族のことを忘れるわけにはまいりません。この20年間ずっと支えになってくれました。アメリカで留学した後、帰国した私は、期待されていたような専門職に就くことはありませんでした。代わりにボランティアで草の根のサルヴォーダヤ活動に加わったのです。これは、ガンジーの精神に則ったものです。指導者は、庭野平和賞を受賞したアリヤラトネ氏でした。家族は、私のこの決断、つまり社会の最貧層の人たちのために活動することを支持してくれました。

 うれしいことに家族は、戦争の最中の今でも私の平和活動を支えてくれています。殺意の脅迫状が送られてくれば、家族は私の周りに集まり、活動を続けなさい、後戻りをしないでと言ってくれます。また、裏切り者、売国奴と侮辱されても、家族は私に寄り添い守ってくれました。ですから残りの100万円を家族のために残したいと思います。妻は、ここにおります。私の支援をしてくれてきました。

 そろそろ時間になりました。最後にもう一度、堺市、選考委員会の皆様方、そして人権部の方たちにこのような忘れ難いすばらしい機会をくださいましたことを改めてお礼申し上げます。「自由都市・堺平和貢献賞」が、間もなく世界でも最も偉大な賞の一つになりますことを心から祈ります。そして、その名に恥じぬよう最善の努力を続けてまいります。ありがとうございました。

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