[1-1] 障害者虐待の防止、障害者差別の解消、権利擁護の推進
更新日:2015年4月24日
現状と課題
- 障害者への虐待は、障害者に対する深刻な権利侵害であり、障害者の生活を脅かし、自立や社会参加を大きく損なうものです。障害者の尊厳を守り、地域生活を支えていくために、障害者虐待の防止に取り組んでいく必要があります。
- 平成24年10月に「障害者虐待防止法」が施行され、本市では、「障害者虐待防止対応チーム」を設置し、24時間体制での通報の受付け、障害者虐待の防止、早期発見、迅速・的確な対応に取り組んでいます。通報が義務化されたことなどにより、今後も通報件数は増加するものと想定され、一層の体制の充実に取り組んでいくことが必要と考えられます。
- 平成22年度に実施した「堺市障害者等実態調査」(以下「実態調査」という。)によれば、4割以上の障害者が、障害があることによる差別や嫌な思いの経験をしており、特に知的障害者で高い割合となっています。障害者差別の禁止に向け、一層の取り組みを進めていく必要があります。
- 平成23年8月に施行された「改正障害者基本法」では、障害者は権利の主体であり、社会が障害者に対する「合理的配慮」を行っていくべきことが明確化されました。こうした考え方は、平成25年6月に制定された「障害者差別解消法」に盛り込まれ、障害を理由とした不当な「差別の禁止」とともに、「合理的配慮」について、行政などの公共機関が率先して取り組んでいく必要があります。
- 障害者の権利が守られ、安心して地域生活を送っていくうえで、成年後見制度*などの権利擁護のしくみが大きな役割を果たしています。今後、介護家族の高齢化などを背景に、利用はさらに増えていくものと考えられます。一方、「実態調査」によれば、4割以上の障害者が制度を知らない(聞いたことがない)と回答しており、引き続き制度の普及啓発が課題であると考えられます。
- 本市では、高齢者や障害者等の権利擁護の拠点として、権利擁護サポートセンター*を設置し、判断能力が十分でない人の権利擁護や財産管理に関する法律的な相談、成年後見制度*の利用などの相談・支援を行うほか、市民後見人の養成・支援を行うなど、権利擁護に関する取り組みを関係機関等と連携して実施しています。また、日常生活自立支援事業*の活用推進や、人権相談などを通じて障害者の権利擁護に取り組んでいます。障害者の自己決定権の尊重、障害者の権利が侵害されないよう一層の充実を進めていくことが必要と考えられます。
施策の取り組み方向
(1)障害者虐待の防止
- 障害者虐待防止対応チームの体制整備を進めるとともに、障害者虐待の早期発見・防止のため、迅速な対応と的確な支援などの充実に努めます。
- 障害者虐待防止対応チームが地域の関係機関や弁護士等の専門家と連携し、事実確認など互いに協力しながら、対応する組織力の一層の強化を進めます。
- 障害者に対する虐待の禁止や、その重要性の理解、防止施策についての協力など、広く市民への周知や啓発活動を行います。
- 障害福祉サービス事業所、施設、病院、学校、企業等への障害者虐待防止・対応の周知・啓発を進めるための研修などを実施し、堺市障害者虐待初動期対応チェックリストなどのマニュアル、チェックリスト等についての普及を進めます。
(2)障害者差別解消に向けた取り組みの推進
- 障害者差別の禁止に向け、引き続き人権啓発などの取り組みを進めるとともに、障害者差別に該当する行為や、障害者への直接的差別、間接的差別、「合理的配慮」の欠如などの具体的な差別類型等について、広く市民への周知・啓発を行います。
- 学校等において、障害者差別の禁止に向けた人権教育、福祉教育の充実に努めます。
- 企業等に対し、採用や就業などにおける障害者への配慮や、「合理的配慮」の考え方の周知・啓発を進めます。
- 障害者差別解消法の平成28年度施行に向け、整備される国の基本方針の動向も踏まえながら、市として「合理的配慮」に基づく障害者差別の解消に向けた取り組みを率先して推進していきます。
(3)権利擁護の基盤の充実
- 権利擁護サポートセンター*における成年後見制度*の利用相談・支援をはじめ、日常生活の金銭管理等に不安のある障害者への支援として、日常生活自立支援事業*などの障害者の権利擁護に関する支援の充実に務めるとともに、周知・啓発を引き続き推進し、障害者やその介護者等への普及を図ります。
- 市民の啓発活動を通じた人権意識の向上と、人権相談などによる地域での権利擁護を進めます。
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