第2回 堺市南海高野線連続立体交差事業鉄道構造形式検討委員会 会議録
更新日:2015年8月20日
日時
平成27年7月7日(火曜)15:00~16:15
場所
堺市役所 本館 地下1階 職員会館 会議室(A)
出席者
委員
澤田委員長、鍬田委員長代理、岩田委員、竹村委員、室野委員
関係者
南海電気鉄道株式会社鉄道営業本部統括部 中村部長ほか
公益財団法人鉄道総合技術研究所 坂井副主任研究員
事務局
高砂道路部長、濱野連続立体推進課長ほか
傍聴
3人
議事
(1)地質調査について
・北ラインにおける地質分析報告
・南ラインにおける地質調査
(2)鉄道構造形式の検討について
・ラーメン高架橋形式における検討状況報告
(3)その他
資料
議事内容
1.開会
事務局
定刻になりましたので、ただいまから第2回堺市南海高野線連続立体交差事業鉄道構造形式検討委員会を開催します。
私は、本日の司会進行を務めます堺市建設局道路部連続立体推進課の金田です。本委員会の事務局は、堺市道路部連続立体推進課が行います。
開会にあたり、堺市建設局道路部長の高砂よりご挨拶を申し上げます。
高砂道路部長
皆様こんにちは。本日は、雨の中、またご多忙の折、第2回堺市南海高野線連続立体交差事業鉄道構造形式検討委員会にご出席いただき、ありがとうございます。私は本年4月の異動により道路部長となりました。本委員会には初めての出席となりますので、開催にあたりまして一言ご挨拶を申し上げます。
南海高野線連続立体交差事業は、踏切の除却により踏切事故や交通渋滞が解消されるほか、堺東駅周辺における都心まちづくりの中核事業として、本市中心市街地の活性化に大きな役割を果たすものと考えております。
このような連立事業でございますが、事業区域に上町断層が縦断的に近接しており、鉄道構造形式の決定にあたり、本委員会においてその影響を十分に検証し、検討を進めていただいております。
本日は、前回の委員会の内容を踏まえ、北ラインにおける地質調査結果や鉄道構造形式の検討状況についてご報告させていただきます。
それでは、委員の皆様には最適な鉄道構造形式の選定に向け、忌憚のないご意見、ご指導を賜りますようよろしくお願いいたします。
以上、簡単でございますが、開会の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
事務局
本日は、澤田委員長、鍬田委員長代理、竹村委員、岩田委員、室野委員の全委員の方にご出席をいただいております。そのほか関係者といたしまして、南海電気鉄道株式会社鉄道営業本部統括部長中村部長を初め統括部の皆様にご出席いただいております。また、公益財団法人鉄道総合技術研究所より、坂井副主任研究員にもご出席いただいております。
本日の議事である地質調査業務に携わっていただいております財団法人地域地盤環境研究所の皆様です。同じく、鉄道構造形式の検討業務に携わっていただいております阪急設計コンサルタント株式会社の皆様です。
それでは、初めに本委員会の配付資料について確認させていただきます。最初に次第です。次に、資料1、地質調査についてでございます。次に、資料2、鉄道構造形式の検討についてでございます。以上、不足などございませんでしょうか。
議事に先立ちまして、堺市南海高野線連続立体交差事業鉄道構造形式検討委員会規則第5条の規定に基づき、本会議は公開としています。現在3人の方が傍聴に来られておりますことをご報告いたします。傍聴されている方につきましては、お配りしております傍聴における遵守事項を遵守していただきますようお願いいたします。また、会議の記録のため、録音、写真撮影の上議事録を作成いたしますので、ご了承いただきますようお願いいたします。
なお、本会議について、委員定数5人中全員が出席となっており、規則第3条第2項の規定を満足していることをご報告いたします。
それでは、以後の進行は澤田委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
2.(1)地質調査について
澤田委員長
それでは、議事を進めさせていただきたいと思います。本日は、昨年度行いました地質調査の中間報告と鉄道構造の設計の中間報告、今年度の進め方についてご議論いただきたいと思っております。
それでは、議事の1番の地質調査についてということで、まず事務局から説明をお願いします。
事務局
地質調査につきまして、北ラインにおける地質分析報告及び南ラインにおける地質調査についてご説明いたします。お手元の資料1、あわせて前のスクリーンをご覧ください。
まず、昨年度実施しました北ラインのボーリング調査についてご説明いたします。図の中で、黒の破線が南海高野線、赤の破線及び赤色の着色部分が都市圏活断層図における上町断層帯を示しております。
ボーリングは、図のように、府道大堀堺線に沿いまして実施し、オレンジ色の点が実施したボーリング調査位置でございます。内訳として、南海高野線上で1本、線路を挟んで東側で1本、西側で3本、合計5本実施いたしました。ピンクの点が、既存ボーリング調査箇所であり、昨年度実施した調査とあわせまして、合計9本のボーリングデータで、上町断層帯に関する分析を行いました。
ボーリングにより採取した地質コアの分析概要ですが、連続して柱状に採取した地質コアについて各種分析を実施して、地層の連続性を確認いたします。採取したボーリングコアを半割し、保存用と分析用に分けます。半割した状態で、写真撮影を行いまして、コアの色の測定を行います。半割したコアを分割し各種分析用に取り分け、重量測定や顕微鏡観察を実施いたします。
土粒子の中の粘土などの細粒物を水で洗い流して顕微鏡観察を行うと、地層中にはさまざまな情報が含まれております。火山灰ガラス、珪藻化石、花粉化石などの情報をもとに、地層がどの時代でどのように堆積したかを解明いたします。
大阪平野では、地層が氷河期と間氷期の繰り返しによる海成粘土と非海成の砂層から成っております。海成粘土は、上部より年代の新しい順にMa13、12、11となっています。広域火山灰は幾つかの学術コアにおいて確認されていますが、調査ごとに必ず発見されるものではございません。ここで、Maとは、海成粘土をあらわすmarine clayの頭文字をとったものでございます。
9本のボーリング調査により採取したコアについて、3つの地質分析を行いました。まず、火山灰分析ですが、火山灰は堆積物の堆積年代を特定する最も有力な鍵層であり、各調査地点のコアに同一の火山灰を見出すことができれば、同時期の地層として識別することができます。珪藻分析では、植物プランクトンの一群である珪藻類が淡水、海水のどちらにも生息し、水温や塩分濃度などの環境により生息する種が異なるため、珪藻の詳細を確認することで堆積時の環境を推定することができます。花粉分析では、堆積物中に保存されている花粉、胞子を抽出して、古気候や変遷を解明します。Ma9層の堆積時代が他の海成層の堆積時代に比べて温暖な気候であったため、Ma9層の花粉化石組成は他の海成層に比べて特徴的になっております。
以上の分析により、構造物の設計に考慮すべき断層変位量を検討するため、事業区域周辺の撓曲帯における位置関係、近傍での変位量情報を取りまとめました。
これは地質柱状図と言いまして、9本のボーリング調査により得られました地層状況を表したものでございます。
礫や砂など粒径の大きい地層の幅が大きく表現されており、図の真ん中あたりが南海高野線の位置となっております。南海高野線の東側、標高-15mより深いところでは、大阪平野で特徴的な海成粘土が見られました。
また、西側では細粒分の粘土が見られましたが、全体的に粗粒で、砂の粒度や堆積構造からも河川成の堆積物が大部分を占めております。また、SK26-4の標高-45mで唯一肉眼にて火山灰層が確認できました。
これは、珪藻や花粉による堆積環境の変遷を示したものでございます。海域、汽水域、陸域などの環境で、SK26-2から5までの環境変化が類似していることがわかります。
こちらは、火山灰分析による地層の連続性と堆積年代を示しております。先ほど示しましたが、肉眼で観察できた火山灰層は1箇所でございましたが、試料の洗い出しによりまして発見された火山灰をピンク色の線で示しております。
それらの火山灰を分析にかけることで、火山灰の特性がわかりまして、例えば鳴尾浜火山灰など個別の火山灰を特定することができました。異なるコアで同じ種類の火山灰が確認されておりまして、図の右下の鳴尾浜火山灰のところでは、地層の連続性を確認することができました。
9本全てのボーリングコアを分析した結果、ボーリングから推定される撓曲帯は、SK26-1付近からSK26-4あたりで、国土地理院が公表しています都市圏活断層図による撓曲帯の幅とは大きく異なることがわかりました。
ボーリングで確認された撓曲帯の分布は、都市圏活断層図で示される範囲よりも広く、撓曲帯の西端は、より西側に位置することが明らかになりました。このような傾向が事業区間においてどのように分布するのか、反射法地震探査断面を用いながら検討を行いました。
まず、大和川測線ですが、都市圏活断層図における撓曲帯と反射断面から推定される撓曲帯とを検討した結果、図のようにそれぞれの幅が大きく異なることがわかりました。
大和川南測線におきましても、同様にそれぞれの撓曲帯の幅は大きく異なっております。
一般的に柱状図では、鉛直方向にかなり強調された断面となりまして、実際には緩やかな地層傾斜であっても急構造に表現されます。そこで、ボーリング断面を上の反射断面と同程度の縦横比で示しまして、断面を比較いたします。反射断面に比べて、ボーリング断面は浅いところまでに限られますが、著しく急傾斜しているわけではないことが読み取れるかと思います。
ボーリング調査及び反射法地震探査で確認された撓曲帯の分布を示しました。図の水色で示す地震探査から推定される撓曲帯も、図の緑色で示すボーリングにより推定される撓曲帯と同様に、都市圏活断層図で示される撓曲帯よりも幅が広く、西端も事業区間の西側に位置することが明らかとなりました。
撓曲帯が本調査ライン地下部に存在することが明らかになりました。特に、Ma9やMa10のような水平に堆積した粘土層が大きくたわんでいることが撓曲構造であることを示しております。撓曲帯の分布は都市圏活断層図で示されている範囲よりも広いことが明らかになり、地形情報よりも地質調査情報は既存反射法探査結果に、より整合的な傾向を示しております。表層付近の堆積物、Ma12やMa13は、調査ラインの西側では粘土が多く、海成から汽水成と考えられますが、東側に向かって陸域堆積物に変化することから、河川成となり、堆積環境が変化いたします。水平堆積層が断層運動で撓曲したものか、撓曲崖の浸食によるものか、堆積環境の変化点であるために現時点では不明ですが、SK26-3とSK26-4の間でもMa12層の下部は傾動しているように見られます。したがいまして、構造物の設計に対して考慮すべき断層変位については、既存の反射法探査結果や今後実施します南ラインにおける調査結果を総合して判断する必要がございます。
続きまして、南ラインにおける地質調査についてご説明いたします。
事業区間の南部では、都市圏活断層図による撓曲帯には走向が変化する部分や確実度が異なる区間がございます。このため、この区間でもボーリング調査により撓曲帯の分布や構造等の検討を行います。
こちらが、南ラインの想定ボーリングの断面図でございます。ボーリングデータベースなど既存ボーリング情報、残試料情報もあわせて収集、整理する予定でございます。今回の調査結果とあわせて、南ラインで得られた成果から、構造物設計のための考慮すべき変位情報をどのように設定するのか検討するとともに、南北方向に大きな構造の変化がないかどうかの確認も行っていきたいと考えております。
地質調査に関する説明は以上です。
澤田委員長
それでは、まず地質調査について、何かご質問とかご意見とかございますか。竹村委員、追加してご説明していただけることがありましたらお願いします。
竹村委員
今回の調査で一番大事だったのは、ボーリング調査をやって、反射断面とあわせることによって、撓曲と言われているものの幅がある程度西側に広がったというのが重要なポイントだろうと思います。その原因については、またいろいろ検討しないといけないのですが、そういう情報が得られたということが1つです。
それから、スライドの12番のところで、Ma12層の下部はやはり変形しているように見えるという表現をされたと思いますが、SK26-3までは明らかに下を見ても変形している様子が見えますので、SK26-4ぐらいまでが変形帯の西端になるかと思います。つまり、地形では見えないものがクリアになったということで、変位がどこに出るか、変位の幅がどれぐらいかということが明らかになってきていることが今回の調査の1つの成果かなと思っております。
もう1つは、ここにMa12というのがあって、これは海が入ってきた証拠ですけれども、ここにギザギザとかいてありますが、これは削られたということを表現していると思います。この削られる意味が、例えば崖ができたときに浸食で削られた時の証拠であるとか、いろんなことが考えられますけれども、現在ある都市圏活断層図のこの辺が崖だと思うのですが、この崖のところよりも西側に変形の幅が広がっているということがわかって、少なくとも北ラインでは大体の幅が決まったように見えます。
もう少しうまく対象になる層の水平度を見てやれば、時間がわかりますので、その時間に対してどれぐらい変形しているかということをおよそ計算ができるだろうということと、それを反射法であわせたら、もう少し深い、古いところまでの変形量がわかるだろうと考えられる情報が、地震調査研究推進本部等の調査で、堺周辺でも得られていたと思います。
澤田委員長
東側のMaナンバーは、鳴尾浜4というものでMa10がほぼ確定したということですか。
竹村委員
まず、鳴尾浜で確定させることができたということと、ここにMa9というのがありまして、花粉分析結果から、ツガ、アカガシが多いという表現がされています。これはすごく暖かい気候で繁殖していました。大阪地域だと、Ma12と言われているものやMa9あたりにこの群集がたくさん出てくるので、この状態ですと、9と10がペアで決めることができたということが今回の成果になってきます。本当はもっと深く掘って9と10がペアで出てきてくれれば、リアルな変位量が出たと思うのですが、こういう調査のときは基本的に50mぐらいしか掘りません。もしも機会があったら、下まで行ってもらうのが1本でもあれば、こういう被害想定とか断層沿いの構造物については役に立つ情報になるかなと思っていますが、この2つがペアで決まってきたというのが大事なことだと思います。
澤田委員長
それがペアで決まって、その上の11と12がほぼ決まるので、Ma12層の変位が大体確定できると考えたらいいですか。
竹村委員
同じ環境の同じ地層であれば、水平が保証されるのですが、もともと崖の地形のあるところに海が入ってきて、こちらが陸で、標高の高いところでたまっている可能性があるので、この落差そのものを変位量とするには、考え方をもう少し整理しないといけないと思います。Ma10のように、同じ海が入ってきたものかずっとつながっているのであれば、水平につながったものが変形したと言えるのですが、環境が違うものですから、変形はしているけれども、量の正確度が落ちていると考えたほうがいいかもしれません。
澤田委員長
平均変位量を出す場合はMa10で決めないといけないということですか。
竹村委員
平均的には。
澤田委員長
もう1点、本年度の南ラインの計画、21ページにあります。先ほどの議論から、撓曲帯の位置を決めることが大事だということですが、この計画だと、撓曲帯のどこから始まるかということを、例えば、西側はSK27-6と5の間、東側は3と2の間にある可能性が高いと思われますが、そこは結構広いです。掘れる場所も、掘りたくても掘れないということもありますが、この計画でどの程度撓曲帯が特定できるのかという見込みを教えてください。
事務局
今年度、南ラインの1から6ということで、委員長もおっしゃっていただいたように、基本的にまず掘れる場所を公共施設の中で考えまして、今場所の調整をしております。その中で、この幅ということで考えましたのが、昨年度行いました北ラインの幅を一定考慮に入れまして、SK27-1というと、撓曲帯の外に出て、大分東になるということもあろうかと思いますが、実際に北ラインで掘ったときには、一番東のところもキーとなり、Ma9や10とかの粘土層が確認でき、つなぐことができたということがございましたので、昨年度のものを見ながら、これぐらいの幅は必要ではないかと今計画しております。
澤田委員長
1と6の両端はいいのですが、撓曲帯の幅を検討するのに、6と5の間とか、2と1の間、あるいは2と3の間ぐらいに撓曲帯の一番端が入ってきそうですよね。だから、この計画でどの程度まで撓曲帯の幅が特定できるのか、見込みがある程度とれているのかというのが私の質問の意図です。
竹村委員
北ラインは2年度にわたって調査が進められたため、同じとは言いませんけれども、前回調査分の試料も残っていましたので、かなり似た精度の情報がとれて、9本が並んでいます。今回6本並ぶだけでも、ボーリングデータベースとか、ある浅いところの分布情報があると思いますので、その辺も補完しながらやっていくことになるだろうと。従来ボーリングデータベースで層準が決まらなかったものがこの中で決めることができるだろうということも計画には入っているのだろうと思いますが、それでよろしいのでしょうか。
事務局
竹村委員がおっしゃるように、工事によるボーリングデータとか公共施設を建てるときとか、データベースがありますが、いかんせん延長が20mそこそこまでで、50mぐらいまでというのはなかなかないのが現状です。ただ、今回の北ラインの調査でも、浅い部分についてはそういった情報も活用できるかなというところはございます。あとは、堺東の駅前で、公共施設の建てかえ等順次済んでいるということもあり、それらのデータについても調整をしていきたいと考えております。
鍬田委員長代理
先ほど話があった中で、西側の深いところまで掘れなかったから、変位量がはっきり出なかったという課題がありましたね。例えばSK27-6のところを1本だけでも深いのを掘れば、今回北側で課題になったような量を推定するところまでいくことは可能ですか。
竹村委員
可能だと思います。
鍬田委員長代理
あと10mで出てくるかどうかわかりませんけれども、せっかくやられるのであれば。
竹村委員
例えば、北ラインのところをご覧いただいたときに、対比でいきますと、Ma11や10の深さがSK26-5でどれぐらいで出てくるかというのがすごく大事であることは確かですけれども、どれぐらいですかね。
事務局
反射法探査とか周辺の既存の地質コアで推定しますと、10mぐらいで出るというものではなくて、100mぐらいまで掘らないと出てこないので、調査費が非常にかさんでくるかと思います。
竹村委員
単純に100mと30mで落差を計算すると、70m落差があることになりますので、70mを30万から40万で割ると、0.2m/1000年ぐらいの平均的な変位量が出ることは、ほかの反射とかボーリングでおよそわかりますので、それを援用するということかと思っています。研究的には掘っていただくとすばらしいことだと思いますが、今回のような鉄道構造物の基礎の深さを想定して地層をきっちり見るということの意味を含めると、北ラインの調査における掘削深度ぐらいでも、ある程度の情報はきちんと整理はできるかなと思っています。
澤田委員長
今回の結果から、撓曲帯の幅はもう少し広いということがわかったけれども、その撓曲帯の中に今回の施工ラインがあると考えたらよいということですね。だから、やはり断層の変位についてはきちんと考えた設計をする必要があるという結果であると理解したらよろしいですか。
竹村委員
今回の結果で一番大事なのは、委員長がおっしゃったことが1つ、撓曲帯の中にあるということが大事であって、幅が広い。あと、逆断層の図面で、ここの部分がこっちへ広がったと。だから、この形が地下でどういうふうに出てくるかというときに、都市圏活断層のここで引かれているラインよりもこのライン、一番メインの地表変位を起こしそうな部分が西に寄ったなと。ただし、それがどこで本当に出るかというのがわかったわけではないのですが、相対的には西端が西に寄ったということが1つは重要なポイントだろうと思います。
澤田委員長
逆断層だと、断層の東側も西側に向かって引きずられて上がっているのが普通だと思いますが、反射法のスライドを見ると、断層の東側が西に向かって逆に沈んでいる感じに見えますね。これは、相当シャープにここの逆断層が動いているということの一つの証左かと思っていますが、そう考えてよろしいですか。
竹村委員
そこが一番難しいところでありまして、反射法の大和川測線と大和川南測線の断面を比べると少し雰囲気が違います。今おっしゃっているのはここのことですね。垂れ下がっている。ここの場所はいいのですが、こっちが東へ下がっているように見える。この形が実は逆断層すると、累積するとこういう形が見えてくる場所がどうもあるみたいなので、その辺のメカニズムとかこの中の物性とかと絡んできてしまいますので、必ずしも剛体的なものをパキッと割ってということではなくて、上に未固結の堆積層が載っている形の変形ですので、反射法で、今おっしゃったような、ここでズバッと切れているから、この形が出るんだというのもなかなか言いにくいところはあります。だから、少なくともこの西側の範囲についてはそれでいいのかなと思いますけれども、この下がる部分についてはもう少し検討が要るかもしれません。
澤田委員長
ほかにご質問、ご意見等ございますか。基本的には中間報告ということで、今年度さらにボーリングを追加して、全体的な地層、地質の成果を出すということだと思いますけれども、よろしいですか。
せっかくここにスライドが出ているのでお聞きしますが、南海高野線が三国ヶ丘駅に向かって曲がっているところの断面がどうなっているかというのは大事だと思っていますが、それについては今回のボーリングでもちょっとわからないですよね。それについて、その周辺のボーリングとかである程度当たりはつけていただけると考えてよろしいですか。
竹村委員
南ラインはここだと思うのですが、ここまでは南海高野線は断層の分布と平行していて、次は東へ向きます。そうすると、断層に直交する方向になります。そこは位置的には立体の場所からは外れていますか。
事務局
ここからこう下がっていく。
澤田委員長
高架が下がっていくけれども、まだ構造物はあるところですね。
事務局
構造物はあります。
竹村委員
南ラインでデータをとった後に、ここの部分については再度地質学的な検討は必要だろうと思います。
澤田委員長
ほかにご質問等ございますでしょうか。では、次の設計の話とも絡むと思いますので、とりあえず(2)鉄道構造形式の検討について、を説明していただいて、場合によっては地質のほうに戻ってということでやりたいと思います。
2.(2)鉄道構造形式の検討について
澤田委員長
それでは、事務局に資料2の説明をお願いします。
事務局
それでは、鉄道構造形式の検討についてご説明いたします。お手元の資料2、あわせて前のスクリーンをご覧ください。
ラーメン高架橋形式における検討状況報告ですが、まず検討内容を確認いたします。上町断層による影響を考慮する場合には、通常のラーメン高架橋では構造的に対応が困難であるため、成立する構造形式を検討する必要がございます。落橋に対する安全性の向上、工事費の縮減等を目的としまして、構造検討として成立するラーメン高架橋形式の概略設計を行います。
ラーメン高架橋の設計方針として5点ございます。まず、接続方式ですが、落橋を防止する観点や断層変位の追従性の観点から、一番下の張り出し式を基本といたします。
次に、径間数です。断層の追従性の観点からは1径間が有利ですが、維持管理や高架下利用あるいは経済性や工期の面で有利となります3径間にて、まず検討を行います。ただし、1径間の構造と比較すると追従性の低いと考えられる3径間構造が成立しない場合には、1径間構造を検討することとします。
3点目として、軌道構造です。不等沈下が発生した際の維持管理や地震発生時の追従性、復旧性の観点からバラスト構造を基本とします。
設計方針の4点目として、張り出し長です。張り出し長を長くすると列車走行時の張り出し部の不同変位やたわみが大きくなり、構造上の弱点となるため、張り出し長は実績にある3mを基本とします。しかしながら、1径間構造を検討する場合には、高架下利用や工期、経済性の面での弱点を解消するため、張り出し長は5mとし、ラーメン構造の径間長と張り出し部の径間長が同一となるような検討も行うこととしています。
最後に、基礎形式ですが、完成時を含めて基礎杭のみで支持する構造とした場合、杭の剛性が高くなり過ぎて、断層変位に引きずられてしまう可能性がございます。そのため、完成時には剛性の高いフーチングを構築し、基礎杭が先に壊れるような設計を行いたいと考えており、杭基礎と直接基礎のハイブリッド構造であるパイルドラフト基礎の採用も検討したいと考えております。
検討内容の設計方針を確認したところで、高架橋構造物の概略設計についてご説明いたします。
事業区間約3キロメートルのうち、図に示すとおり浅香山7号踏切から堺大和高田線の高架橋までの区間を検討対象とします。
概略設計の基本方針ですが、検討対象区間は電車を走らせながら、その上に高架橋を構築する直上施工となる区間であるため、図に示すとおり横地中梁は計画線切替後に設置いたします。また、高架橋の高さが高い場合、 断層変位の影響を大きく受けることになります。これらのことから、地中梁がある完成形のみならず、横地中梁がない状態での暫定供用時の構造に対しても性能を照査する必要がございます。
構造検討の手順ですが、(1)完成形の耐震設計として、杭基礎と地中梁の組み合わせで、標準的な構造寸法の把握を行います。
(2)完成形の断層変位解析については、杭基礎と直接基礎を組み合わせ、(2)-1として、想定標準変位時において性能レベル2もしくは安全性を確保する。(2)-2として、想定最大変位時において構造物が倒壊しないことを確認したいと考えております。ここで、性能レベル2とは、機能は短期間で回復できるが、補修が必要な状態を言いまして、安全性とは、L2地震動に対して構造物全体系が崩壊しないための性能をいいます。
(3)暫定供用時の耐震設計としましては、(3)-1として、完成形の部材断面での成立性を検証いたします。(3)-2として、完成形の部材で不成立となる場合には、成立する構造寸法を設定いたします。(3)-3として、線路方向に本数をふやす等により、杭径、杭長の縮小ができないかを検討いたします。
今回の委員会では、(1)、(3)の検討結果を報告し、(2)につきまして、検討の方向性をお示しして、今後の詳細な検討を進めてまいります。
設計条件は表記のとおりで、構造形式は2柱式2層RCラーメン高架橋でございます。少し割愛させていただきまして、接続形式は張り出し式、基礎構造は現場打ち杭、地震動はL1地震動、L2地震動スペクトル2を想定しております。
続きまして、構造物の要求性能ですが、完成時については、L2地震動に対して復旧性を確保し、暫定供用時については、L2地震動に対して安全性を確保することとしております。ここで、L2地震動とは、構造物の建設地点で考えられる最大級の地震動のことで、復旧性とは、想定される地震動に対して、構造物の修復の難易度から定まる損傷等を一定の範囲内にとどめることにより、短期間で機能回復できる状態に保つための性能のことを言います。また、基礎杭につきましては、完全支持杭として設計いたします。
次に、事業区域の地盤条件ですが、過年度に当該区間にて断層を横断して実施した4本のボーリングのうちNo.3を用いまして、耐震設計上の基盤面は、N値が50以上連続している図のような位置とします。
ボーリングデータにより算定した鉄道標準による地盤種別は、G4地盤となりまして、地表面設計地震動の弾性加速度応答スペクトルは下の表のとおりでございます。
こちらがL1地震動及びL2地震動時の弾性加速度応答スペクトルをグラフ化したものでございます。
このような概略設計の結果としまして、鉄道RCラーメン高架橋として最も一般的である構造図を示しております。
径間数は3径間、径間長は10m、張り出し長3m、場所打ち杭の直径は1.5mになっております。高架切りかえ後基礎スラブを施工する予定です。
支持杭は、図のとおり配置されておりまして、杭長は30.5mとなります。
今回の検討では、完成形の照査結果から各部材断面を決定いたしました。しかしながら、横地中梁がない暫定供用時の検討において、若干照査を満足しない部材、主に柱及び基礎杭が発生いたしました。暫定供用時の検討により基礎杭の剛性を増加することは、基本方針に示した基礎杭の剛性をできるだけ低くするという内容に反します。それらを勘案しまして、暫定供用時の検討によって基礎杭の剛性を増加させることのないよう、今後詳細な検討を実施したいと考えております。
続きまして、断層変位を受ける高架橋の解析では、先ほど実施した概略設計での構造物に断層変位が生じた場合の影響について、3次元静的非線形骨組解析によって検討いたします。高架橋が断層変位の影響を受ける場合について、次の4つの着眼点をもとに検討を行います。
1つ目は、部材に過大な断面力が発生し、高架橋が倒壊するような大きな損傷が生じないか、あるいは倒壊しない限界の断層変位はどの程度か。2つ目としまして、性能レベル2での構造物の要求性能を満足できる断層変位はどの程度か。3つ目は、高架橋全体が剛体的に挙動することを保証するフーチング厚、鉄筋はどの程度になるか。4つ目としましては、基礎杭による拘束の影響はどの程度かということでございます。
解析モデル及び解析手法についてでございます。
鉄道構造物と断層ラインとが斜めに交差する場合が、より構造物に厳しい結果となるため、断層ラインが高架橋ブロックをまたいで生じる場合と1ブロック内で生じる場合で、2ケースの検討を行います。
断層変位の入力方法は、基礎位置に強制変位を与え、地盤と構造物との相互作用を考慮するため、周辺地盤をばねによりモデル化して、ばねを介して入力いたします。
高架橋ブロックをまたいで断層変位が生じる場合は、10度、30度に断層変位を入力します。1ブロック内で生じる場合は、20度に断層変位を入力して、断層ラインと高架橋の交差パターンでそれぞれ解析を行います。
解析モデル図は全体図と基礎平面図を示しております。現在解折中であるため、次回以降に解析結果をご報告いたします。
最後に、杭基礎の検討でございます。
先ほどの概略設計における完成形高架橋の杭基礎は鉄道RCラーメン高架橋としては最も一般的なものですが、太く長い杭は剛性が高いので、万が一地盤が動く場合には、その影響を受けやすくなります。そこで、長期支持性能を満たす杭径が細く、杭長の短い杭を採用した場合に必要な本数について検討を行いました。
検討の方法としましては、杭径800mmの場所打ち杭とし、暫定供用時では先ほどの概略設計で算定した杭頭反力に対し必要な杭長を算定いたしました。また、完成時では、同じく概略設計で算定した杭頭反力に対し、暫定供用時で算定した杭長及び杭本数で不足する支持力を補う杭本数を算定いたしました。
その検討結果としまして、図をご覧ください。
杭径を800mmで設定した場合の必要本数ですが、杭長を14mにした場合、暫定供用時は32本、完成時は44本となっております。また、杭長が19mですと、暫定供用時は20本、完成時は30本になっております。パターン1、2とも必要な杭本数の大半が暫定供用時に対して必要であることがわかりました。
本検討では、死荷重時に必要な支持力に対して、杭本数を増加することにより、杭径及び杭長がどれだけ縮小可能かの概略検討を行いました。この結果、本数は増加するものの、杭径1500mmを杭径800mmにし、杭長30.5mを14mから19m程度に縮小できる可能性があることがわかりました。引き続き、地震に対する検討を行い、杭本数や杭長縮小の可能性について精査いたします。さらに、直接基礎の効果についても検証し、パイルドラフト基礎についての成立性についても検証していきたいと考えております。
こちらが検討結果で示した杭径800mm、杭長14mの摩擦杭で、完成時の杭径縮小構造の一般図でございます。
同じく、こちらが杭径800mm、杭長19mの摩擦杭で、完成時の杭径縮小構造の一般図でございます。
鉄道構造形式の検討につきましては以上でございます。
澤田委員長
鉄道構造形式の検討についてということで、今の説明に何かご質問、ご意見等はございますか。
室野委員
暫定供用時は、工程上はどれぐらいの期間になる予定ですか。
事務局
2年ぐらいです。直上施工のところだけを先行的に施工すれば、この部分についてはもう少し短い、1年以内というオーダーで考えることもできると思いますが、全体の区間を施工するのは2、3年かかると思います。
室野委員
1つの状態を考えれば、1年ぐらいということになるのですかね。
事務局
仮線区間もございますので、この直上部分を限定して一気に施工できれば、1年以内のオーダーということは検討できるかと思います。
室野委員
設計の段階で、暫定時と完成形で構造が変わるので、暫定時の状態でもたない部材等々があるということですけれども、設計基準の中でも、完成時に関する取り扱いは規定されていて、暫定時に関する取り扱いは規定されていない部分があります。1、2年の話であれば、断層変位が起きる特殊な状態ですから、それに対して最良な構造物は何かを考えて、後から暫定形の話をご検討いただくほうがいいと思います。
暫定形で何とかもたそうというがために、最終形が余り好ましくない状況になるとよろしくないと思うので、そういう形でご検討されるといいと思います。今回張り出しにしているので、L1地震における変形、高架橋間の不同変位は、ここが少し厳しくなると思うので、列車走行性のチェックについては動的解析をされるとか等でチェックをされたほうがいいと思います。通常、ゲルバー高架橋だと、角折れ量を緩和する動きをしてくれるのですが、今回ないので、そういうチェックはされたほうがいいと思います。
事務局
ありがとうございます。
澤田委員長
ほかにご質問、ご意見はございますか。
質問ですが、杭の細くした場合に検討してもらっているパターン1、パターン2とありますね。パターン2の19mというのは、Ds3まで到達させるという意味かと思いますけれども、パターン1の14mというのはどのような根拠で出してきた数字なのか、教えていただけないでしょうか。
事務局
現段階では、余り硬いところに先端を入れてしまうと杭で支えてしまうような形になってしまうのかなというのがあるので、最終的にラフトをきかせるというか、直接基礎の部分をきかせたいので、今のところはどちらかというと緩いところでとめるような長さを想定して、長さを決めています。ですので、14mの杭の場合は、Ds1層の比較的N値の上がっていないあたりを狙っています。
いずれにしても、層が互層になっていますので、もう少ししっかり粘土のところでとめるとかというところはこれからもう少し検討を加えていきたいと思います。
澤田委員長
硬い層であっても薄ければその層全体が長期的にはたわんで下がりますので、薄ければ硬い層に入れてもいいと思います。ただ、先端を設計上どういうふうに考えるかという問題もあるので、そういうのも含めて検討してください。
事務局
現段階では摩擦だけを見た計算をしているので、やや安全側の数値にはなっているかと思います。
澤田委員長
現在、周面摩擦についてはどういう扱いをしているのですか。普通の鉄道標準の周面摩擦の入れている値を使っているのですか。
事務局
一般的に使われている計算式を使っています。
室野委員
29ページのスライドで、直接基礎の効果についても検証し、パイルドラフトという話がありますが、過去私たちのやった検討では、杭基礎であっても、フーチングの前面の地盤の抵抗と、あとは杭基礎以外の直接基礎、地盤に接している面の支持力をカウントしてあげると、支持力としては20%か30%ぐらいアップします。今回、断層変位用に少しフーチング厚を厚くされると思うので、支持力を高める施工ができるよう、少し丁寧に設計していただけると、相当フーチングの前面抵抗はきくと思います。
そういう意味でいくと、28ページの杭本数が暫定供用時の20本から完成時30本というのをぐっと減らせると思います。 断層変位を受けるという特殊な設計だと思うので、鉄道標準で見ている安全率、安全マージンの部分もたくさん吐き出して合理的な設計をされるといいと思うので、ご検討いただければと思います。
岩田委員
今回幾つか例が出ている高架橋の形ですが、8ページで、浅香山7号踏切のところと書いてありますが、具体的にはこの形が浅香山駅から堺東の3号までずっと続いていると思えばいいのですか。違う形のものがありますか。
事務局
ここを検討していますのは、高架で考える上で、この区間の中で一番高さが高くなる区間になります。といいますのは、堺東の駅から7号踏切までの間は、今も大和高田線の道路が鉄道をオーバーパスしており、立体化されております。大和高田線の上に鉄道の高架をするのが一番経済的というところがございます。そういったところで、事業区間の中で高さが一番高い部分が、変位に対しては一番考えておかなければいけないところということで、今ここを検討対象としております。
ここが一番高く、北の浅香山に行きますと、段々おりていきまして、浅香山駅でいうと、高さ的にはこちらの検討よりも大分低くなるのかなと思います。いずれにしても、大和川橋梁がございますので、それには最後すりつけないと現実に完成しないので、その高さ関係はまた出てこようかと思います。
岩田委員
高さが場所によって割と違うのですね。
あと、断層変位のモデルシミュレーショの可能性というところで少し聞きたいのですが、例えば22ページのように斜めに入っている上盤と下盤で分かれるようなことを考えているときに、変位自体は上盤側、つまり断層面としては垂直に片一方が何十cmか上がるということができるということですね。
事務局
1つのやり方として、そういった検討を今やってみようかなということで、それを決めているわけではないのですが、地質調査側の結果も踏まえまして。
岩田委員
どういうことができるのかなということで少し質問させていただいているのですが、例えば上盤が何十cmか上がってしまうと、そのまま上盤に載って上がってしまうものですか。これはそこがすごく厚いので、プッと上がって、地面と外れて、下盤側が浮いてしまうようなことが起きますか。
事務局
今でいうと、杭が入っているので、浮くというよりも傾くという状況になります。
岩田委員
杭が頑張ると、そこで傾くと。そのずれ具合が、例えば斜めにずらす、つまり逆断層的にこういうふうにずらすというようなことは計算事としてできますか。
事務局
変位的に与えることはできます。
岩田委員
さらにもうちょっと聞くと、杭を切っているような面が設定できるのですか。
事務局
今のところ、杭は線でしか入れていないので、そこまでのことは考えていないです。
岩田委員
そんな複雑なことを想定すべきかどうかというのはまた別の問題だと思いますので、ちょっと質問させていただきました。ありがとうございました。
澤田委員長
変位は杭に直接当たるのではなくて、ばねを介して当たるので、杭を切った断層変位を与えることは多分できると思います。
事務局
モデルを変えていけば、できないというわけではないと思います。
室野委員
今実際の設計でも応答変位法を使っているので、それと同様に変形は多分任意に与えられると思います。
澤田委員長
ただし、結局全てばねに押しつけているので、そこの地盤のばねの非線形性をどう考えるかはとても難しい問題だと思います。でも、まあオーダーとしてそんなに違うような結果が出るわけではなくて、20%や30%程度の精度では押さえられると思います。
竹村委員
今、前回のボーリングの3番を使って仕事をされているのを標準の地盤と思ってとりあえずされていますけれども、北から南へ向けて地盤自体大きな幅がありそうな気もするので、実際にやりつつ変えていくのか、それとも前もって地盤情報的なもの、G4と書いていますけれども、結構軟弱的なものを入れてあるので、それはそれでいいのかもしれませんが、現実の地盤としてどういうふうなものを想定していくか、ちょうど崖下なので、結構バラエティーがありそうな気がするので、その辺をどう取り扱うかということの方針みたいなものは何かありますか。
事務局
今はまだ北ラインのところの過年度のNo.3を採用していますが、今年度南ラインをして、その状況も見て、そのまま使えそうなのか、そういうN値をとるようなボーリングも必要になるのかというところの判断といいますか、検討はしていきたいと思います。
竹村委員
特にきくのは浅いところだけだったと思いますので、できれば地盤のデータベースで、集められるだけはきちんと整理しておいていただくと、その幅みたいなものも一応想定できると思うので、その辺は地質調査とあわせてやっておいていただくとありがたいと思います。
事務局
わかりました。
澤田委員長
詳細設計に入る前には路線に沿った地盤調査をするのですね。
事務局
詳細設計というか、この先ずっと進んでいくと構造を詳細に決めていく。
澤田委員長
その前には路線に沿った地盤調査をしますよね。
事務局
します。
澤田委員長
それによって実際の設計はされるということですね。今やっているのは概略だけで、とにかく構造形式として成立するかどうかという検討をしているので、既存のボーリングを使って検討しているということですね。
ほかにどうでしょうか。一応こういう方針でこの先検討していきたいという話が書かれておりますけれども、何か問題点等ございましたら、今の間に指摘しておいていただければ。
室野委員
表現の問題だけですけれども、6ページのところで、完成時には剛性の高いフーチングを構築し、基礎杭が先に壊れるような設計を行うと書いていますが、こう書いてしまうと、すごい不安感があります。実際は基礎を先に壊しているというわけではないと思います。基礎の損傷を許容するということで、ちょっと誤解を受けるかなと思うので、言い方は少し注意されたほうがいいかもしれません。
澤田委員長
フーチングと杭とを比べると、杭のほうを先に損傷させるというだけの意味ですね。
事務局
わかりました。
澤田委員長
ほかにどうでしょうか。このような方針でこの先検討を進めていってよろしいですか。まだちょっと完成形も見えていないし、完成形が見えていないということは暫定形ももう一つ見えないという状態なので、今の状態で詳細な議論をすることは難しいと思いますけれども、方針としてはこういう形でやりたいと考えているということだと思います。
特にご意見がないようなので、議事の(2)についてはこれで審議を終わらせていただきます。
2.(3)その他について
澤田委員長
続いて、その他ということですけれども、事務局、何かありますか。
事務局
その他としまして、今後の予定をご説明させていただきます。前のスクリーンでご覧ください。
前回、第1回が1月28日、今回が7月7日ということで、今年度につきましては、地質調査を南ラインで行いたいと考えております。昨年度と同様に、オールコアボーリングと試料分析を行いまして、それと並行して、構造形式の検討のほうも進めていきたいと考えております。次回委員会につきましては、そちらの分析の結果が出るころ、日程調整をしまして開催したいと考えております。
事務局からの説明としては以上になります。
澤田委員長
スケジュールをご説明されましたけれども、第4回で概略の構造が出てくると考えてよろしいですか。
事務局
そのつもりで考えておりますが、南ラインの調査結果も影響があるかなとは思います。
澤田委員長
断層地帯につくるということで、将来大きな被害が起きてはいけないし、かといって、そんなにコストをかけてもいけないということで、うまく与えられた条件に対する設計ができるということを目指していただければと思います。
今後の予定も示していただきましたし、これで第2回の検討委員会を終わりたいと思います。事務局にお返しします。
3.閉会
事務局
委員の皆様、本日は長時間にわたりご議論いただきまして、ありがとうございました。本日先生方からいろいろ貴重なご意見をいただきましたので、その内容を踏まえまして事務局で作業を進めてまいりたいと思います。
今後の日程でございますが、南ラインの地質調査、コア解析を進めていきたいと考えております。次回につきましては、後日解析結果が出たころに日程調整をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、第2回の検討委員会をこれで終了したいと思います。本日はどうもありがとうございました。
このページの作成担当
建設局 道路部 連続立体推進課
電話番号:072-228-7573
ファクス:072-228-7139
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館17階
このページの作成担当にメールを送る