第1回 堺市地域福祉計画推進懇話会議事要旨(分野別会議)
更新日:2024年1月16日
平成30年度 堺市地域福祉計画推進懇話会 意見まとめ
◆開催日時:平成30年7月30日(月曜)
◆開催場所:堺市役所 本館地下1階 多目的室
◆出席委員:三田委員(座長)、井村委員、幸家委員、中嶋委員、中西委員、西田委員、森田委員
1.懇話会の位置づけ、スケジュールについて
委員 |
成年後見制度の促進とともに再犯防止についても扱うということであるが、進行上できるのかという不安感がある。 |
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事務局 | 皆さんのご意見をいただきながら、丁寧に進めていきたいと思っている。 |
座長 | 資料によると、協力雇用主の数は年々増加しているようであるが、一部からは協力雇用主が使いにくいとの意見があるようだが、その理由は何なのか。 |
委員 | 保護司という立場からは、保護観察所に本人の就労意向を伝え、保護観察所から雇用主に連絡を取るという仕組みになっている。このため、対象者と保護司が直接雇用主と話をすることができない。結果、堺市の保護司の間では、協力雇用主の利用が少なくなっているのが現状である。 |
委員 | 就労支援ということであれば、当刑務所にも就労支援カウンセラーの派遣があり、実績を上げている。具体的な実績としては、平成25年には受刑中の内定が4、5人程度だったのに対し、平成29年には40人にまで伸びている。 |
座長 | 保護司の立場からの意見についてはどのように考えるか。 |
委員 | 受刑中と保護観察は切り分けられ、別々に動いている。仮釈放で保護司が関係してくれば、刑務所の中からコーディネートすることは可能であるが、一旦出所してしまうと、保護観察所の管轄になる。保護観察となった後の難しさという風に捉えている。 |
委員 | 刑事司法手続きの対象者には、福祉的支援の必要な方が多数いる。弁護士会でも福祉との連携は一部始めてはいるが、弁護士が関わるのは裁判が終わるまでの間だけで、有罪になった後は中々関与できない。本当は刑務所ではなく、福祉的な支援や措置が必要だと思われる方が、かなりの割合で刑務所へ入所しているようにも思う。 |
委員 | 一度罪を犯した後、再犯を防ぐために、どれだけフォローしていけるか。その前の段階で市としてどう関わっていけるのか。フォローができていないとなかなか抜け出せないケースもよくあるので、フォローが大切である。さらに就職ということになると、逮捕後拘留されて時間もあいてしまうので、従前の職をクビになってしまうこともある。このような中で、どういう形で社会に復帰してもらうのか、対応を考えていけたらと思う。ところで、受刑中の方に対する雇用主からの求人は、どのような職種が多いのか。 |
委員 | 職種は多様で、一番多いのが建築関係、次いで運輸、その他倉庫内作業、各種運転手などである。対象者がやりたい職種とマッチすることも多い。 |
委員 | 国の成年後見制度の利用促進計画には、地域で見ていく方針が出ているが、再犯防止に関しては、高齢者だけに限られたものでもないし、情報もあまり入ってきたことがないので、把握が難しい。課題としては、地域の方の不安や支援方法であると考える。 |
委員 | 再犯防止については非常に幅が広い。障害がある方、認知症により触法を犯してしまう方については、成年後見制度利用が必要になってくる。再犯以前の問題として、生活の基盤さえ確保してあげれば、触法に至らなかったということを考える。触法するということは生活困窮にもつながっている。就労支援というとまさしく罪を犯してしまった方への支援でもあるが、生活困窮者自立支援法ができてから、堺市では就労支援もされているということなので、情報の共有も必要と思う。困窮している原因をフォローしていくことが必要になってくる。 |
座長 | それぞれの立場でどこまで情報共有できるか。仕組みができていても、そこからこぼれ落ちてしまう人たちが結構いることも考えられる。 |
2.成年後見制度について
委員 | チーム・地域で支えるのは理念として必要である。そのためのコーディネート役が重要であり、その役割を権利擁護サポートセンターが担っているが、実施体制を含め拡充が必要と思う。後見人がついたら終わりではなく、その後のサポートが必要であり、親族後見人に対しての行政からの支援がまだまだない。専門職も限界があり、リレー方式や市民、専門職等の連携が必要である。 |
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座長 | 権利擁護サポートセンターの役割からすると、3人体制は問題であると思う。 |
座長 | 調査対象について確認したい。 |
事務局 | 市民は無作為の抽出で、専門機関に関しては、医療法人や民間事業者など数が多いものもあるので、数の多いものは無作為での抽出と考えている。 |
座長 | 調査を行う際、調査票に自由記述があったほうがいい。 |
委員 | 区によって申立の数に違いがあるのは人口数の問題なのか、他に理由があるのか。調査する際には、難しいかもしれないが、現場の声を聞くことが大切である。 |
委員 | シビルブレインでは現在60件の受任があり、法人受任の特性を活かし、様々な専門職により効率的にすすめている。情報交換の場が少ない。権利擁護サポートセンターのような核となる機関からの情報発信がいる。 |
委員 | 社会福祉士会の「ぱあとなあ」では1~4年学習した人が推薦される。社会福祉士が受ける事例は財産の少ない場合が多い。会として最低限の保証をしているが、財源が厳しい。担い手の確保という観点から考えると学習期間などから、急激に受任ができる社会福祉士は増えることはないだろう。 |
委員 | 市長申立てに当たらないが、後見人が必要なケースの場合、本人申立てで、候補者となり受任することがあるが、本人が生活困窮者だと実費すらない。公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートの委託による公益信託成年後見助成基金により対応しているが、枯渇してきている。後見制度利用給付金制度の拡充が必要である。 |
3.再犯防止について
委員 | 刑事司法のことは市民の方に馴染みがない。様々なパターンがあり、アンケートでの聞き方が難しい。 |
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委員 | 刑務所では、福祉支援、就労支援、薬物依存からの回復支援を行っているが、大阪少年鑑別所等の相談機関との連携が必要である。 |
委員 | 保護司は対象の方とどう接していくのかが重要。あるケースでは、保護司が毎週ハローワークに同行し、対応していた。その対象者は現在前向きに生活できている。どのようにかかわっていくかが大切である。 |
委員 | 地域の中で、犯罪者というレッテルによって生活しづらくなることもある。特別な人ではないと認識してもらえるよう、周囲へ理解されることも考えてほしい。 |
委員 | アンケートの際には、支援する側とされる側双方のニーズを聞く必要があると思う。当事者となった方の生の意見を聞けるなら聞く方がいと思う。 |
事務局 | 元受刑者や保護司による支援を受けていた方などについては、行政からのアクセスが難しいので、保護観察所や大阪刑務所に相談したい。 |
委員 | 満期出所後は、アンケートを取るというのは難しいかもしれない。受刑者に対しては、出所時にアンケートを実施している。成功したものに関しては、就労支援によるものだと感じている。 |
4.全体を通して
委員 | 成年後見制度利用支援給付金を含め、刑事弁護以降、財産がない方への支援など、財政的なサポートがあればありがたい。行政の持つ情報を共有、活用して、おせっかいで積極的な対応が必要である。 |
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委員 | 包括的なサポートについて、実現性がともなうことが大事である。計画策定前でもできることはあるので、はじめていくべきである。権利擁護サポートセンターが中核的機能を担っていくために、地域包括支援センター、基幹型包括支援センターとの役割分担が必要と思う。 |
委員 | 刑務所がどういうところか知ってほしい。ぜひ見学してもらって、一緒に一歩先まで考えられたらと思う。 |
委員 | 高齢者の総合相談について、介護事業や地域ケア会議などとのバランスの中で業務として何を優先すべきかということが難しい。成年後見制度や再犯防止といった目的を定めたうえでのネットワークづくりがあればいい。 |
委員 | 地域内で刑を受けられた方に対しての認知や理解が少ないと思う。今後、行政や権利擁護サポートセンターの協力の下で、意識を高めていくことが必要である。 |
座長 | 権利擁護の問題は共有できるものである。それぞれの機関、専門職の役割で、障害者、高齢者などが住みやすくなるようにしていくことが必要である。 |
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