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(案件2)新しい総合事業について

更新日:2015年2月2日

案件説明

事務局(今津高齢施策推進課参事) 資料2

この事業は、市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民などの多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者などに対する効率的な支援などを可能とすることをめざしている。
これまでの「介護予防・日常生活支援総合事業」を再編した「新しい総合事業」は、現行の介護予防給付のうち、訪問介護と通所介護を市町村が取り組む地域支援事業に移行するものであるが、事業実施方法などについては、国からガイドラインが示されている。このガイドラインを参考に、堺市で事業構築していくことになるが、市で決めていかなければならない事項として、次の5項目が想定される。

<サービスの内容>

入浴等の介助、清掃・調理等の家事援助等の訪問型サービスや身体機能向上訓練、レクリエーション活動等の通所型サービス、配食、ゴミの分別・ゴミ出し等の生活支援サービスがある。

<実施主体>

既存の介護事業所、民間企業、NPO、ボランティア等が考えられる。

<事業者の指定基準>

人員・設備・運営基準、個人情報保護基準等を決めていかなければならない。

<事業者への報酬単価>

サービスの専門性に応じた報酬単価を決めていかなければならない。

<利用者負担額>

サービス内容や時間等に応じた負担額を決めていかなければならない。

新しい総合事業への移行については、利用者やサービス提供事業者に不安を与えることなく、円滑に移行するため、既存のボランティアなどの地域資源の活用を視野に入れながら、本市における利用者の現状やサービス提供の体制整備などを検証し、準備を進めていきたい。
移行のために必要な事務手続き等については、要支援者等の現行サービスの利用実態把握、新しい総合事業のサービス内容、事業者の指定基準、報酬単価、利用者負担額の決定、地域包括支援センターにおける実施体制の確保、事業者のサービス提供体制の確保を行い、新しい総合事業の内容等の決定後には各種システム改修が必要となる。また、利用者、事業者、関係団体への周知等も行う必要がある。
現在の取組みとしては、サービス提供主体となり得る地域資源が市内にどのくらいあるかアンケート調査を実施し、集計・分析をしているところである。また、地域包括支援センターに依頼し、要支援の方のケアプランから利用実態を調査しているところである。

質疑応答・意見

■実施時期について

宮田委員

7月に国からガイドラインが示されて、この事業については非常に危惧している。厚生労働省がこれまで出してきた小規模多機能や定期巡回・随時対応型訪問介護看護などには、あまり評価できるものがなかったように思う。目新しいものに飛びつくのではなく、実施の時期や内容について、慎重に検討していただきたい。
実施時期について、来年4月以降、どのように進めていくのか教えていただきたい。

事務局(今津高齢施策推進課参事)

現在、慎重に検討を進めているところである。

上野委員

平成27年度から3年間で要支援の方が新事業に移行するとされているが、移行の時期を先送りしても、予算的には大丈夫なのか。

事務局(岡介護保険課参事)

新しい総合事業の実施については、法の施行が平成27年4月で、平成29年4月まで猶予期間がある。それまでは現行のサービスは現行どおり利用できるということで、予算的なものも確保されている。平成29年4月には全国的に新しい総合事業が始まるので、その時には地域支援事業の中でこの事業を展開していくこととなる。

事務局(辻村長寿社会部副理事)

平成27年4月に移行しない場合は、実施時期を条例で定めることとなっている。実施時期については現在検討中である。

黒田会長

給付サービスか、地域支援事業のサービスか、実施時期によって費用が変わってくるように思うが、3年間の費用を見込むのに、実施時期は影響を与えないか。

事務局(岡介護保険課参事)

事業の組み立てによって、単価や利用者負担は変わってくるが、総枠では大きな影響はないものと考えている。

黒田会長

慎重に検討し、効果的な時期を考えてほしい。

■新しい総合事業の事業内容について

吉川委員

新しい総合事業については、慎重に考えるべきだと思う。3年間のサービス供給量と施設整備量のバランスの問題だと思うので、もう少し数値を明らかにしてもらいたい。
国の意図するところは、給付サービスのマンパワーを地域にも担ってもらわないといけないということではないか。施設も含めて既存の事業者を際限なく増やしていくことはできないが、要介護者が増えていくとなると、現場ではマンパワーの不足が起こるので、自治体が多様な主体を選んで、要支援の部分を担うとの趣旨かと漠然と考えている。
主体者をどう設定するのかによって、サービスの質も変わってくる。これは有料のサービスなので、一定の質の確保が必要になる。その準備が1年やそこらでできるものではないと考える。また、既存の事業者とのサービス量の調整をどのようにしていくのかなど、もう少し情報をいただきたい。

岡原委員

どのようなサービスで効果が上がるのかという視点でも検討していただきたい。利用者の要求を満たすだけではだめだと考えるので、そのあたりの視点も加えて、慎重に事業内容を考えてもらえればと思う。

久保委員

新しい総合支援事業の生活支援と現在の訪問介護における家事援助の制度上の違いや、具体的な内容の違いを教えていただきたい。

事務局(今津高齢施策推進課参事)

生活支援サービスは、専門職でなくても提供できるゴミ出しなどのサービスとなる。現在はヘルパーが対応しているかもしれないが、ヘルパーが来ない日でも、本当に手助けが必要な時に利用できなければ、在宅での生活は進まないので、生活支援はそういう部分を埋めるサービスとなる。また、要支援かどうかにかかわらず利用できる。

黒田会長

これまでの介護保険制度の要支援の訪問介護で、十分に対応できていなかった部分も、市町村の事業として対応できるようにしていきたいということかと思う。
新しい総合事業は大きな課題であるので、具体的に検討していく課題をもう少し議論しやすいように提供していただきたい。生活支援サービスについても、従来の事業者がそのまま担うのか、地域の住民活動などにも新しく担ってもらうのかなども課題である。事業者に対して報酬単価を決めて実施していく部分以外にも、地域の活動の中で対応していくものも含まれるのか。介護予防では地域の活動の中にも介護予防に効果のあるものがあるので、それを洗い出し、どのように活発にしていくのかも考えた方がよい。

■介護予防について

高橋(明)委員

介護予防は若干の支援が必要な高齢者の生活の質を高めるためには大切であるが、これは私見であるが、介護予防をしっかりすれば在宅ケアサービスを節約できると考えているのであれば、間違いだと思う。どれだけ介護予防を頑張ったとしても、人生のタイムスケジュールからすると、必ず認知症や何らかの障害、様々な心身機能の低下などを経て亡くなる。介護予防を過大に考えるより、終末期の人にちゃんとケアが提供できているかどうかといったことを考えなければならない。
在宅ケアサービスは社会のインフラのようなもので、そこに高齢者のQOLを高める活動が乗るものと考えている。それを逆転させるとおかしくなる。その区別をはっきりしてもらいたい。在宅ケアサービスにについてしっかり議論できる場を持たなければならないのではないか。

黒田会長

給付サービスは在宅ケアに関する重要な要素である。それはそれで、具体的な目標を決めていくことになる。それでは提供できないものが、ひとつはこの新しい総合支援事業という形で実施されようとしている。そこを議論したい。

中辻委員

ボランティアの立場から申し上げる。地域のつながりハート事業の中の「お元気ですか訪問」、これは各地域でやっていると思うが、在宅であまり外へ出られない高齢者の方を訪問するもので、住民なのでお互いに顔もわかっており、安心感を持ってもらえる。
また、各校区にボランティアビューローがあるが、これは地域のたまり場としても役立っており、顔の見える関係づくりにもなり、地域として、こういった取組みはよいことだと思っている。
介護予防では、区でも地域でも、いろいろと太極拳の教室などを行っている。コミュニティソーシャルワーカーが、認知症の人を地域の集まりに連れてきてくれると、少し記憶がよみがえったりする。その場限りでもいいので、どなたでも参加できるこうした地域活動を頑張っていきたいと思う。

黒田会長

介護予防については、これまでは1次予防、2次予防としてメニュー化していたが、今後はその区別をなくし、総合的な事業を展開していく方向にあるが、こうした住民独自の活動はそれ自体が介護予防となるもので、重要な取組みだと思う。そういった取組みをもっと調べて、どうすれば活発化することができるかをもっと議論しなければならない。新しい総合事業の1つのポイントになると思う。

■ボランティア等の活用について

小倉委員

地域での声かけ等については、やはり拒否する人も少なからずいる。災害時要援護者登録も希望者のみである。地域のつながりハート事業でもいろいろ行っているが、集まりに来られない人、訪問しても家から出てこられない人もいる。それでも、一昨年には、近所の人が異変に気づいて命が助かった人もおり、拒否される方については、ご近所の見守りが一番大事だと思う。
ボランティアも頑張っているが、なかなか手いっぱいで動けないところもある。

宮田委員

ボランティアの活用がガイドラインではうたわれているが、本来、ボランティアは介護サービスの代替ではない。介護予防で介護給付や医療費が節約できるわけではない。介護予防は大切なことであるが、介護予防の部分でボランティアを活用することにより、安上がりにできると考えるのは違うのではないか。このあたりの組み立て方は、市で時間をかけて検討していただきたい。
見守りなどボランティアの活性化は大切であるが、そこに負担をかけてしまうと、誰も担い手がいなくなってしまいかねない。私、個人としては新しい総合事業は危惧せざるを得ない。

井口委員

社協の考え方を申し上げると、地域の民生委員さんやボランティアの方がかかわる事業は、できる範囲で、できるだけのことをやっていただくという今のような形で進めていくことがよいと考えている。
月ごとに見ると9千人の要支援の方が介護予防サービスを利用しているが、それがどうなるかが心配である。最近の傾向では、ヘルパーが大規模事業所から小規模事業所にシフトしているのではないかと思う。このあたりにも留意して考えてほしい。スケールメリットを活かして、大きな施設ほど、予防も含めて、こういった事業に積極的に取り組んでほしいと考えている。

上野委員

予防プランのサービス内容やサービス事業所の調査を行っているということだが、有償ボランティア等まで踏み込んで調査しているのか、現状の要支援の方を対象としたサービスを実施している事業所までなのか。

事務局(今津高齢施策推進課参事)

要支援のケアプランについては、現行のサービス利用内容を調査しており、給付外のサービスまでは調査していない。地域にどのようなNPOがあるか、小さなお店でもこの範囲では配達等をしてくれるなど、地域資源については別に調査を行っている。

■地域包括支援センターの役割について

高橋(明)委員

新しい総合事業における地域包括支援センターの位置づけについて確認したい。今後の対応の中に「地域包括支援センターにおける実施体制の確保」とあるが、現在の地域包括支援センターの柱としては困難事例への対応だと思う。新しい総合事業に軸足を移すべきであると考えているのか。そうであるならば、基幹型包括支援センターはどういう役割を担っていくのかなど、市はどういう方針をもっているのか。

事務局(今津高齢施策推進課参事)

現在、そこも含めて検討していきたいと考えている。困ったときの相談先としての地域包括支援センターの役割は大きいと考えている。その中で、新しい総合支援事業につながっていくようなこともあると思うので、それも含めて慎重に検討していきたい。

高橋(明)委員

実態として地域包括支援センターは気軽に相談できるところまでにはなっていない。地域包括支援センターは委託であるが、市の機関である保健センターとの役割分担も整理してもらいたい。

小倉委員

基幹型包括支援センターは区単位でいろいろなことをしている。年1回、基幹型包括支援センターを中心に、消防や警察、民生委員など関係者が集まって意見交換をしている。ただ、市の職員や民生委員等他の組織も、そういったことを把握できていないのではないか。基幹型包括支援センターはしっかり役割を果たしていると思う。

■その他

久保委員

計画理念の「安心で すこやかに いきいきと暮らせるまち 堺」というのが宙に浮いているように感じていたが、皆さんの話を聞いていて、ようやく自分の中で少し整理できてきた。理念は何らか支援が必要となっても「すこやかにいきいきと」ということで、計画目標は元気な人が対象となっているように感じるので、理念と計画目標がバラバラのように感じる。
この計画ではNPO活動などで頑張っている元気な高齢者を支えることが記載されているが、高齢者の現実としては、気持ちは元気だが腰が痛くて前に行けない人などが多い。「安心で すこやかに いきいきと暮らせるまち 堺」という理念が、本当にしんどい高齢者にとってはどうなのかと思う。

黒田会長

 「安心で すこやかに いきいきと暮らせるまち 堺」これはすべての高齢者に適用できる概念であってほしい。そういう願いも込めての理念だと思う。

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