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(案件2)第5期介護保険事業計画(平成24年度から26年度)における介護保険料等について

更新日:2012年12月19日

議事内容

事務局(山本介護保険課長)

 まず、資料2の説明の前に、第5期介護保険事業計画の状況についてご報告します。従来のスケジュールですと、暫定値ではございますが、介護給付の見込み量、介護保険料についてご報告できる予定でしたが、今回の計画策定では全体的にスケジュールが遅れており、新計画期間の介護給付、保険料算出の基礎となる、被保険者数、要介護認定者数の最終確認作業をまだ行っている状況です。これと並行しまして、介護給付の見込み量の試算作業を行うとともに、介護保険料の改定に向けて、被保険者の負担能力に応じた段階設定のシミュレーションを行っています。新計画期間の施設整備数については、施設待機者数の解消に向けた整備内容を、被保険者の保険料負担とのバランスをみながら検討中です。「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」等の新サービスについても、調査結果などからサービスを必要とする利用者のニーズ、事業者の動向など踏まえ、介護給付の見込み量を試算中です。次回の分科会では、第5期の介護給付の見込み量、介護保険料について報告する予定です。
 それでは資料の説明に入ります。まず資料2の「1.介護保険給付費及び地域支援事業費について」です。これは先ほど申し上げましたように、現在、第5期の介護事業計画の給付費等を試算中です。今回は第4期計画の実績、つまり各サービスの給付費について、各年度の実績に基づき試算した結果をご報告します。居住サービスなどの新サービスは、給付見込み量を検討中のため、今回の試算に含まれていませんが、第4期計画の実績から居宅サービスに高いニーズがあることは認識しています。施設、居住系サービスについては、今回の試算では第4期計画の実績に、今期整備する特別養護老人ホーム290床を加味して試算しています。特別養護老人ホームでも、今期58床整備する地域密着の小規模は除いています。このようなことから平成24年度から26年度までの見込み額が増額していることをご了承ください。今回の試算は、第4期計画の実績に基づく単純な試算結果ではありますが、委員の皆様に次期計画期間に給付費の増加傾向をイメージしていただくために提示しています。あくまでも第4期計画の実績に基づく粗い試算であることをお含みおきください。次回の分科会では、施設整備数、新サービスも含めた試算結果をご報告しますので、よろしくお願いします。
 続きまして、資料2の、「2.施設整備について」をご覧ください。まず施設整備の考え方ですが、国と大阪府の指針では、「70%の参酌標準の達成を目指す」としています。70%の参酌標準とは、「特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の介護保険三施設の利用者全体に対する要介護度4、5の割合を70%以上にする」というものです。これについて施設利用者数のうち要介護度4、5の比率は現在66%となっています。
 第5期介護保険事業計画における施設整備数、及び整備内容については、「2堺市の方針」の(1)の記載のとおりです。現在の待機者数は、総計では6,000人を超えていますが、重複の申請、すでにお亡くなりの方、他市に転居された方、入所自体急がないがとりあえず申し込みをしている方等を除き、早期入所が必要な方を平成23年4月1日現在で771人と算出しています。第4期に小規模と大規模の特別養護老人ホームを整備し、348床増えました。771から348を引いた数に今年4月1日以降に待機者となられた方の推計を追加し、必要な施設整備数を出し、新サービスでの対応も含めて検討したいと思います。
 (2)の認知症対応型共同生活介護、いわゆるグループホームも一定数の整備が必要と思われるため、必要数を検討しています。地域包括ケアシステムの構築にあたっては、大阪府の地域包括ケア検討会の報告書にもありますように、「地域密着型サービス等の普及検討を短期的な取り組みとして行っていく」となっており、本市におきましても現在、第4期計画に引き続き、地域密着型サービスの普及検討を行っており、第5期介護保険事業計画期間においても、これを踏まえて検討していきます。
 「3介護療養型医療施設の転換期限の延長について」は前回の分科会でもご説明しましたように、介護保険法の改正に伴い、介護療養病床の廃止猶予の期限が6年間延長され平成29年度末となりました。本市では定期的に介護療養型医療施設に対し転換意向調査を行っています。今年10月下旬にも実施し、介護療養型医療施設7施設477床から資料に記載のような回答結果を得ました。これらも踏まえ、特別養護老人ホームの整備を検討したいと思います。
 続いて、「3.介護保険料について」の「1介護保険料改定に向けた国の考え方」です。現在、介護保険料の全国平均は、月額4,160円ですが、高齢化等の進展に伴い、第5期では月額5,000円を超えるという試算をしています。国は「より安定的な介護保険制度の運営のためには、これまで以上に、それぞれの被保険者の負担能力に応じて保険料を賦課する必要がある」と考えており、3頁のア、イ、ウで記載しているとおり、きめ細かい保険料の段階設定を行っています。アでは、地域の実情に応じて、本人課税層の第5段階以上についてはさらに段階を増やすという多段階の実施を掲げています。イは、市町村民税世帯非課税世帯であって、公的年金等収入額及び合計所得金額の合計額が80万円を超える第3段階の人について、保険者の判断で細分化できることを示したものです。ウは、介護保険料の基準額である第4段階について、公的年金等収入額及び合計所得金額の合計額が80万円以下の被保険者に対して、引き続き、保険者の判断により基準額に乗じる割合を軽減することができることが示したものです。
  「2介護保険料改定に向けた本市の考え方」についても、「被保険者の負担能力に応じた、きめ細かな保険料の所得段階を設定する必要がある」と考えています。本市の現在の保険料は8段階でして、政令の標準6段階より若干多段階の設定になっています。第5期では国が示した考え方に基づき、第3段階と第4段階の特例の設定、第5段階以上の多段階化の方向で検討を重ねている状況です。
 3頁の最後の部分です。大阪府で設置されている財政化安定化基金が保険料アップの抑制策として返還されます。この基金は国、府、市が3分の1ずつ拠出しているため、3分の1が市に返還され、暫定額は3億6,810万4,374円となり、本市における保険料抑制価格として試算すると1人あたり月53円となります。説明は以上です。

白澤会長

 保険料算出のベースとして、所得の細分化、財政化安定化基金の堺市分などの活用の説明がありましたが、ご質問等はありますか。

吉川委員

 所得の細分化は、何段階でも自由に設定できるのですか。

事務局(山本介護保険課長)

 政令の基準に基づいて、市町村の実情に合わせて設定でき、段階数の制限はありません。現時点では、17段階がもっとも多いと聞いています。

吉川委員

 介護保険の第1号被保険者は、ほぼ国民健康保険や後期高齢者医療などの加入者などで、同一所得、同一家族構成であれば、できるだけそれに近い保険料設定ができると思うのですが、いかがでしょうか。

事務局(山本介護保険課長)

 国民健康保険と介護保険とも堺市で行っているものですが、両者の保険料の設定の考え方がまったく異なります。国民健康保険は所得に対する割合で、介護保険は段階による設定です。現時点では、同じような金額設定は難しいと思われます。

高橋委員

 「2堺市の方針」の(2)で、認知症対応型共同生活介護の整備を明言していますが、国でも、精神科の認知症専門病棟から退院できない要因として、地域での受け皿がないことを問題視しています。私も認知症に関わっており、退院が難しいことを実感していますが、特別養護老人ホームや介護老人保健施設はまだ可能性があるが、グループホームは全く可能性がないと感じています。むしろグループホームは重度になった方を医療に預けるような状況です。軽度の方が集う場所としてはメリットがあるなど良い面もあり、決して否定しているわけではありませんが、地域の本当のニーズに応えられるものかどうかを十分検討したうえで判断していただきたいと思います。堺市内の精神病棟患者のうち、3割近くが認知症だと思われ、その方々はグループホームには入れないという現状があります。
 手前味噌で申し訳ないのですが、先日私どもで地域密着型特別養護老人ホームに関わらせていただき、非常によいものだという印象を持っています。地域密着で部屋は小規模ユニット型です。併設型なら様々な面で本体との効率化が図れ、ノウハウも活用できます。グループホームだけを検討するのは違和感があるため、小規模型、併設型施設の実績も施設整備の検討事項の1つにしていただきたいと思います。

井口委員

 当分科会の第1回目にも申し上げたと思いますが、介護保険は、サービスの利用が増えれば保険料も上がるシステムになっています。本当に市民に必要なサービスが充実されるなら保険料のアップも納得してもらえると思いますので、しっかりとした適切な施策を実現していただきたいと思います。
 グループホームの話が出ていますが、市のOBとしてみると、今までのやり方がよくなかったという印象をもっています。特に特別養護老人ホームは非常に大規模な資金が必要のため、社会福祉法人を設立して整備してきた経緯があります。しかし介護保険ができてからは、一般事業者も入所系施設を持ちたいと着目し、届出だけでできるグループホームが雨後の筍のようにたくさんできてきました。入所系の施設は非常に大変ですが、反面利益も大きいです。本来グループホームでは軽度認知症の方が共同生活することで進行を防ぐという側面もあったのですが、現在は重度の認知症の人の行き場がないという状況も出てきています。これは単独でグループホームを整備してきた弊害ではないかと思います。私は、グループホームはまだ必要だと思っていますので、市として社会福祉法人にしっかりとした施設をつくっていただくことに重点的に取り組むことも一つの策だと思います。民間に委ねるとすれば、グループホームだけでなく、様々なサービスが総合的に提供できるような仕組みを考えていただきたいと思います。小規模多機能にグループホームを併設するというお話が出ましたが、それも一つの方法だと思います。様々なサービスがあってはじめてその施設に入所する意義がありますので、単に数だけを増やすのではなく、つくり方もしっかりと考えていただきたいと思います。
 私が関わっていたのは「措置」の時代でしたから、社会福祉法人には地域貢献として無理なお願いをしてきた点もあります。今の状況をみると、厳しい時代を経てきた社会福祉法人の力を借りることも必要だと思います。

事務局(山本介護保険課長)

 資料2の、2(2)についてご指摘がありましたが、「促進」という表現が適切でなかったと思います。グループホームは市が計画しなければ新たに整備することができません。「どんどんつくる」という意味の「促進」ではなく、第4期では整備していなかったため、第5期では整備が必要ではないかという意味で使っていたことをご了承ください。

高橋委員

 地域密着型小規模系の施設は非常に重要だと思います。その代表的なものがグループホームになるのか、あるいは、小規模特別養護老人ホーム、小規模老人保健施設などのような介護力、医療力の高い施設で、併設型にすることで小規模だが全体のバックアップ体制も確立されたものなのか、同じ小規模でも、社会ではどのようなニーズが高いかを把握して、何を優先すべきかを検討いただきたいと思います。今までのグループホームの延長で考えるのではなく、新たに出てきている様々な地域密着型小規模施設を評価し、グループホームなどと一旦並列に並べてご検討し、よりニーズに合ったものを計画していただきたいと思います。

白澤会長

 認知症は難しい問題で、介護保険の中でももっとも優先的に取り組むべき課題であり、今回の計画でも重点取組に挙げています。認知症の人にとっては在宅生活が一番大変ですが、新しいサービスは認知症よりも寝たきりの人への対応策になっています。24時間型も認知症の人には向きません。現在は、医療の精神科や特別養護老人ホームが支えていますが、今の体制では支えきれなくなり、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに流れています。しかし、特に重度の方を中心に適切にケアできるのかという課題があります。本日ご指摘いただいたように認知症ケアは総合的に考える必要があると思います。高橋委員がおっしゃるようにグループホームにも、集団の中で本人の能力を支えていくというメリットがあり、介護度に応じてどのような施設が必要かということが重要だと思います。財源問題がベースになるため全てを満たすことは難しいですが、できる限り市民のニーズに近づけるよう、堺市としての認知症ケアのバランスを検討いただきたいと思います。
 本日は前回の議論を踏まえての分科会でしたが、本日のご意見をまとめ、第5期介護保険事業計画・高齢者福祉計画に反映して、次回ご提示させていただきます。次回は最終的な介護保険料の設定に向けての、具体的な提案について議論を行いたいと思います。

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